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春琴抄
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春琴抄の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.53pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全85件 41~60 3/5ページ
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第三者の視点で物語が語られていくのでどのように終わるのか気になって読んでいたが、終わり方が秀逸でよかった。 | ||||
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確か翌日発送と表記されていましたのでつい、注文。よく読むとメール便使用で到着迄4-6日とあり間に合わないのでキャンセルを伝えましたが返信なし。諦めていたところ2日後、なんと速達便にて無事到着。安いうえに本体もきれいで文句なし。大変ご損をかけてしまい今もって恐縮しています。 | ||||
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物語は今更言うまでも無いほど有名であり、小説の後ろ表紙のあらすじ以上の展開はない。 三味線などの芸の師匠の弟子に対する冷淡さが淡々と展開されるだけある。時に師弟、時に主人と使用人。一方は完全に支配し、他方は完全に支配される。 性的な描写などほとんど皆無にも関わらず、官能的ですらある物語は、読者を全く飽きさせない。 特筆すべきは、文章である。蒔絵を見ているような、簡潔で美しい描写にため息が出る。永久に語り継がれるべき日本文学の金字塔と言っても過言ではないだろう | ||||
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玉のような小説と言えば良いでしょうか。 日本語の小説というジャンルの極限に位置するような作品だと思います。 この小説は有名ですので、実際に読んでいなくても筋立てだけはご存知の方も多いでしょう。 でも、この小説はまだお読みでない方は、絶対的にお読みになるべきかと思います。 春琴と佐助の深い恋の世界にも心を奪われるでしょうけれども、それ以外にも様々なものが見つけられると思います。 言葉という物、日本語というものの奥の深さ、美しさ。 学校でもしこういう書き方をしたらどう評価されるのか、気になります。 生きている相手を夢でのみ見続けるという究極の恋の姿。 この世には、とてつもない小説があるものだと昂奮しています。 | ||||
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30年以上前に読んだが、手元にないので再購入。 文章が優れ、おもしろく読んだ。 | ||||
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挑戦も何も相手は大文豪で、三島や中上も敬愛したほどの一流作家。さりとて、愚門を発したつもりもない。なぜ思うたか、本文の最後の一行である。天竜寺の峩山和尚という高僧まで出てきた。佐助が師匠と同じ片羽を選ぶ問題に、読者ならどうするか、と自分は受け止めた。佐助はそもそも盲人の師匠が美しいと思ったのなら、とすれば、自らも美の境地へ向かうは必然であったようにも思える。しかししかし、熱湯をかけられた師匠の容貌から目を背けた、現実から逃げたともみれる。誰も知るように、生きるためには逃げることも必要なのだ。あくまで、私の個人的な意見であって自分の価値観を押し付ける気はないんである。漫画なんかは、自分にとって価値観の押しつけに見えて好みでないが、本書みたく読者の意見を求める姿勢は好きだ。最後に、本書は字が大きく、本自体薄いので岩波文庫のように読みやすい。背表紙にも谷崎文学の頂点とあるように小説読みは必読のようだ。ただ、通俗性の色は薄く、たとえるなら幸田露伴の「五重塔」のような感じも当初受けたが、妖しくも魅力的で、圧倒されるものに関心がおありなら、谷崎はいつでも読者を待っている。読者がいなければただの独り言になるのだから。 | ||||
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そう聞かれたら迷わずこれ 日本に現存する最高にポジティブな恋愛小説がこれ 結局最終的不治の病、とにかく好きな人が死ぬ、、、かと思えば何故かよみがえり でも結局やっぱ死ぬ そんなんばっかだろ それでカタルシス得るのは小6までって帰りの会で議題に上がってたよな? いや、新垣結衣も榮倉奈々も歯茎の、、、獅童の元女も好きだけどさー。。。 これ以外にポジティブな恋愛小説があるなら教えろ つまりこれ、そういうこと | ||||
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作者(谷崎と思われる)が手に入れた「鵙屋春琴伝」なる大阪の薬屋の娘「琴」の生涯を綴った本を読み、「琴」に纏わる話しを調べ上げ、その門下である佐助との関係性を語った物語です。「琴」は9歳で盲目となり、その美しさと音楽の才能が飛びぬけて素晴らしく、琴と三味線の師となって「春琴」と名乗り、その身の回りを世話する丁稚の佐助も、その門下として丁稚の身でありながらも三味線を習うのですが・・・というのが冒頭です。 特殊な関係、傍目には受け入れがたい関係の中にも美しく光る何かがある、という事を表した小説だと思います。 とても短い、しかし濃密な話しであり、しかも実験的な手法をいくつも積み込んだ小説でして、なかなかびっくりしました。 作者が手にした「鵙屋春琴伝」なるものから紐解かれ、関係者の証言をまとめ、作者の想像を交えながらの物語なので、作中作という入れ子構造になっています。しかも、墓参りまでしておきながら、どこまでがフィクションでどこからが事実であるのかが、極めて曖昧になっています。そして、句読点を極端に減らし、改行を少なくし、なにやら一息継げ難いスタイルにすることで、より一層物語内への吸引力が増す作りになっています。こういう仕掛けが見事です。 物語も非常に突き詰めた内容の話しでして、まるで登場人物が役割を演じているかのようなキャラクターの徹底ぶりです。だからこそ、フィクションなのか事実なのかが余計にわかり難いのです。まるで迫真の演技を行っている役者さんのように感じさせるのです。 非常に高圧的な態度を取り続ける春琴、そして盲目的に額ずく佐助の関係性を、ある事件を起こす場面をピークに引っ張りクレッシェンドをかけ、謎を付け加えることでのフックの強さもあって、どんどん引き込まれます。また一見高圧的な春琴と従う佐助という構造が繰り返されつつも、よくよく読んでいると、その漏れ伝わってくる様々な逸話からは表面的な関係性だけが表されているだけのような印象を与え、事実佐助も春琴も認めないのですが子供を身籠った事や、最終的には夫婦に近い関係である墓の場面を最初に明らかにしています。 つまり、まるで書かれている文章の字面だけで判断していると、ただの高圧的な女性と、それに従う男という関係性しか見えませんが、文脈的に、文章から想像する関係性を持った男女間を想像するに、ただ単純な関係でないように感じさせ、想像させるのです。文脈的に、もっと奥深い当人同士でしか分かり合えない関係だったのではないか?と思わせるのです。当然ただ単に冷酷な女師匠と従順な男弟子ではない関係性の妙が描かれていると思いますし、個人的には全部が創作であると感じます。 最後まで残る謎ですが、あえて解決しない部分も、上手い作りになっていて、それぞれ受け手が勝手に想像し、その人にとっての犯人を挙げられるところが、また非常に掴みが上手いと思いました。 | ||||
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佐助の眼に針を刺す佐助の心境。…何度読み返しても解せないし、解せなくてもいいと思う。非現実的な、小説だからこそ表現し得る美しい狂気の世界、歪んだ愛の形。全編通してただ1度だけ描かれる、終盤の仲睦まじい2人の情景描写に恋愛小説としての全てが凝縮されていてとてもロマンチック。 | ||||
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文体を見て、読むのに時間がかかりそうだな、と思っていたのですが、 すぐ読み終えてしまいました。 とても面白かったです。 最後には、佐助を可愛くすら思えてきました……。 私自身は周りにこれを知っている人がおらず、 全然知らないままに読めたこともよかったと思っています。 最後の締めも好みです。 星を一つ減らしたのは、子供には勧められないこと、 文体が特殊なので敬遠されがちなこと、ちょっとグロい描写があることです。 どうしても人を選んでしまいますね。 | ||||
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自分自身がそれなりに歳を取って文学作品を多く読むようになり、又”文学”というものをそれなりに理解できるようになってからこの作品がいかに素晴らしいかが分かったような気がしました。 「この作品を悪く言う人は絶対にいないでしょう!」と言いたいくらい私はこの作品が好きです。自分の愛蔵書に復刻版も持っているのですが、とにかく文体がとても美しく流麗です。又、少し非現実的ではあるものの、佐助の生き方が人間として見習いたくなるほどの謙虚さで、非常に高尚な道徳観のある生き方を思わせられるこの作品に多大なる感銘を受けました。 作品の内容云々はここのレビューを参考にするのではなく、まず読んで何かを感じてほしい!思わずそう言いたくなるほどの作品ではないでしょうか。 | ||||
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盲目の三味線師匠であった春琴がごく幼い頃、四つ年長の佐助が、彼女の実家である薬屋に丁稚奉公にやって来た。佐助は、彼女がまだ幼い頃から、彼女に憧憬の念を抱き、爾来、生涯に渡る弟子として、また、盲目の春琴の手曳きとして、そして、生活を共にする恋慕の対象として、献身的に春琴に仕える。 佐助は―これは物語の冒頭で明かされるのであるが―、ある事件を期に、自らも愛する師匠である春琴と同じ盲目の世界で生きることになる。そして、逆説的にもそれが、佐助の愛を、恍惚の境地へと導く。 驕慢で奔放、ときに意地の悪い春琴への、佐助の無条件の愛と献身、憧憬は、哀しく、狂おしいほどに美しい。 | ||||
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自分の目に針をさしてまで、愛する人を守り抜く。 切ないほどの圧倒的な「愛」の力に迫まられる。 献身的な「愛」は、常にまっすぐで、力にあふれていて、狂気じみている。 彼の志の高さは本当に美しく、すばらしい。 | ||||
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見事なまでに文学! いやらしすぎないほどに耽美で、心にさわやかに残る美しい物語。 それでいながら編み込まれる日本語はかなりトリッキーだ。 たとえば四行の文章があったとすると、 一行目の内容を二行目がひっくり返し、 三行目がそれをさらにひっくり返す。 そして四行目でまた一行目と繋がったり、つながらなかったりする。 こんな技法で文学を紡ぐのははっきりいって反則である。 そんなレトリックに満ち満ちた日本語で語られるは、 師弟とも夫婦とも不器用な男女ともつかない無口な愛。 ただそれだけである。 | ||||
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日本の近代文学(明治以降)の最高峰。 この作品に続く近代文学は以下の作品であると思う。 たけくらべ、草枕、銀河鉄道の夜、雪国、金閣寺、無常という事、純情小曲集、燈台(金子光晴)、廃人の歌(吉本隆明)、みだれ髪。 これらのすべての作品の上に君臨するのが春琴抄である。 日本語で書かれた奇跡である。 近世以前の文学作品はほとんど読んでいないので、日本文学の中での評価は言えないが、読んだ中でいえば、平家物語に匹敵する。 | ||||
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文学とは、意味への希求であり、自分とは別の人生を生きる事である。 文学とエンターテイメント(娯楽小説)の違いは何か? 読後に清涼感や納得感やワクワク感がなくても、何かしら日常と違う違和感を心に挿す(挿さずにはいられない)のが文学である。 なぜ文学を読むのか? 誰しも自分の心の中を除けば、常識や楽しさでは割り切れないものを見つけてしまうからである。 たとえどんなに愛する人がいても、俺は自分の目を針で突いたりはしないだろう。でも、この本を読むと、自分の目を針で突くような人がいるかもしれないと思える。この本を読まなければ、味わう事のできない感情である。文学の面白さが、ここにある。 短いので簡単に読める。若い人に是非読んでもらいたい。 | ||||
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究極の愛のかたちである。 しかし今の小説では一般化した露悪的な性描写が一切ない。 一切ないまま、読み手に究極の愛のかたちを伝える近代文学の傑作。 盲目ではあるが、美貌で、傲慢で、天才肌の三味線の師匠・春琴。 その春琴に幼い時から、命がけで献身的に仕える佐助。 この作品を10代で読んだ時には、春琴の、高慢にふるまえる自信と才能に ひそかな憧れも感じたが、時を経て再読してみると、 佐助の尋常でない献身愛に、崇高な「母性」をも感じて震えるほどだ。 会話の中のやわらかな京ことばと、第3者に物語を語らせる手法が、 アブノーマルに傾く内容に、抑制と気品を与えている。 句読点や「」をあえてはずしてあるため、 読者は会話や文末を自分で判断して読み進めなければならないが、 その負担を感じないほどに、耽美的な世界へ読者をいざなう。 | ||||
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盲目の三味線の師匠である春琴に献身的に仕える佐助。春琴の美貌が傷つけられるや、面影を脳裡に焼き付けるために自ら盲目の世界に入る…。外界の眼を失うということは、同時に内界の眼を得るということで相殺されています。 可視的なものに美を感じるのではなく、不可視なものに美の陶酔の世界を描いています。 “狂気の愛”であるのか、はたまた“究極の愛”であるのか…。 | ||||
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おそらくは、明治初期あるいは、太平洋戦争後に「近代的」でないとして捨てられたというか、失われた古来からの日本の美が見事に描き出されている。 確かにお話だけだとエログロっぽいと感じる向きもあると思うが、わが国の古典を紐解くとこんな話は当たり前のように出てくるのである。 句読点や段落の省略は、独特のリズムを生み出している。まるで、古典に習ったかのようだ。 間違いない名作。でも、この文庫、もう少し字が大きかったらなあと思う。 | ||||
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恋愛をする過程で、恋人本人でなく、自分の思念で描いた恋人像に恋い焦がれることがある。その善し悪しは別として 十年後、二十年後に再読したい本。 | ||||
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