推定無罪

【この小説が収録されている参考書籍】

【この小説が載っている参考書籍】

評判

推定無罪の評価:

4.48/5点 レビュー 29件。 A ランク

Amazon書評・レビュー点数毎のグラフです

平均点4.48pt

Amazonレビュー一覧

Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全55件 21〜40 2/3ページ
No.35
(5pt)

推理小説研究会の課題作

実に面白かった。最近この続編が出されたと聞いたが、是非読みたいと考えている。出来れば所属する推理小説研究会の課題作として取り上げたい作品と思っている。
推定無罪〈下〉 (文春文庫) Amazon書評・レビュー: 推定無罪〈下〉 (文春文庫)より
4167527081
No.34
(5pt)

推理小説研究会の課題作

実に面白く読めた。 最近この作者による続編が出されたとの情報を聞いたが、推理小説研究会の解題作為として取り上げることを提案しようと考えている。
推定無罪〈上〉 (文春文庫) Amazon書評・レビュー: 推定無罪〈上〉 (文春文庫)より
4167527073
No.33
(5pt)

十分再読に耐える秀作

本作品は、1987年発表、本国アメリカでベストセラーとなり、映画作品もヒットしました。
邦訳も1988年に出版(文庫化は1991年)され、当時の出版社主催のミステリ・ランキングでも上位にランキングされており、私も、夢中になって読んだ記憶があります。

今回再読したのは、20年以上の年を経て、続編「無罪」が発表されたからです。
20年も経つと、さすがに細部は忘れていました。
このため、本作品を再読してから、「無罪」を読もうと考えたのです。

ミステリの本命である「結末」を知っていて、しかも文庫で上・下二巻という大著でありながら、楽しむことができたのは、法律家の著者ならではの「司法制度」のリアルさもさることながら、「文学的味わい」も併せ持っているためではないか、と感じています。

初読時は、美人検事補が全裸の絞殺死体で発見され、その事件の捜査を任された首席検事補の主人公自らが、事件の容疑者として起訴されるという、センセーショナルな設定に目を奪われて気づかなかったのですが、今は、この殺された検事補が、第二の主人公と考えています。

通常のミステリとしての「犯人は誰か」という部分を除くと、際立ってくるのは、「殺された検事補キャロリンはどんな女性だったのか」という形而上学的な謎です。
彼女の生きている姿は、作品には登場しません。
主人公である私の独白に登場するのみ。

本作品は、エピローグにあたる「冒頭陳述」という章で始まり、「春」「夏」「秋」の3章を経て、プロローグの「最終弁論」で終了します。
この最終章でも、「私」のキャロリンへの気持ちが語られていることから、「文学的な部分」では、重要な存在だと推測されるのです。

いずれにせよ、本作品は再読に値する作品です。

20年を経て、著者も円熟味を増していることが期待され、「無罪」を読むのが、今から楽しみです。
新装版 推定無罪 (上) (文春文庫) Amazon書評・レビュー: 新装版 推定無罪 (上) (文春文庫)より
4167812088
No.32
(5pt)

十分再読に耐える秀作

本作品は、1987年発表、本国アメリカでベストセラーとなり、映画作品もヒットしました。
邦訳も1988年に出版(文庫化は1991年)され、当時の出版社主催のミステリ・ランキングでも上位にランキングされており、私も、夢中になって読んだ記憶があります。

今回再読したのは、20年以上の年を経て、続編「無罪」が発表されたからです。
20年も経つと、さすがに細部は忘れていました。
このため、本作品を再読してから、「無罪」を読もうと考えたのです。

ミステリの本命である「結末」を知っていて、しかも文庫で上・下二巻という大著でありながら、楽しむことができたのは、法律家の著者ならではの「司法制度」のリアルさもさることながら、「文学的味わい」も併せ持っているためではないか、と感じています。

初読時は、美人検事補が全裸の絞殺死体で発見され、その事件の捜査を任された首席検事補の主人公自らが、事件の容疑者として起訴されるという、センセーショナルな設定に目を奪われて気づかなかったのですが、今は、この殺された検事補が、第二の主人公と考えています。

通常のミステリとしての「犯人は誰か」という部分を除くと、際立ってくるのは、「殺された検事補キャロリンはどんな女性だったのか」という形而上学的な謎です。
彼女の生きている姿は、作品には登場しません。
主人公である私の独白に登場するのみ。

本作品は、エピローグにあたる「冒頭陳述」という章で始まり、「春」「夏」「秋」の3章を経て、プロローグの「最終弁論」で終了します。
この最終章でも、「私」のキャロリンへの気持ちが語られていることから、「文学的な部分」では、重要な存在だと推測されるのです。

いずれにせよ、本作品は再読に値する作品です。

20年を経て、著者も円熟味を増していることが期待され、「無罪」を読むのが、今から楽しみです。
推定無罪〈上〉 (文春文庫) Amazon書評・レビュー: 推定無罪〈上〉 (文春文庫)より
4167527073
No.31
(5pt)

真実の発見なくして希望があり得るでしょうか。正義への希望が。

本書は,元シカゴ地区連邦検察局の敏腕検事補で,大法律事務所の弁護士でもある著者の作品だけあって,法曹界における政治的やりとりや,陪審員が退室している間に取り交わされる裁判官,検察官,弁護士との緊迫したやりとりなど,実にリアリティにあふれています。
 以前,アメリカでいくつかの裁判や陪審員選任手続きなどを実際に傍聴してきましたが,その時の光景が思い浮かびます。
 法廷ものとしては,ジョン・グリシャムの名前が思い浮かびます。
 グリシャムの作品もいくつか読みましたが,グリシャム作品の方は娯楽性が高く,トゥロー作品の方が,人間の持つ心の闇に触れるなど,その文体に重みと迫真性,文学性が高いと感じました。
 だからといって,そんなに堅苦しい作品だということはなく,まったく予備知識なしで本書を読むと,後半あっと驚かされるミステリーとしても良くできています。
 しかし,その犯人の動機とその後の振る舞いに人間の持つ心の闇を感じさせます。 
 本書は20年以上も前に執筆されたものですが,まったく古びた感じもせず,昨年本書の物語から20年が経過した設定での続編が日本でも出版されたということで,そちらの作品も気になるところです。
新装版 推定無罪 (上) (文春文庫) Amazon書評・レビュー: 新装版 推定無罪 (上) (文春文庫)より
4167812088
No.30
(4pt)

真実の発見なくして希望があり得るでしょうか。正義への希望が。

本書は,元シカゴ地区連邦検察局の敏腕検事補で,大法律事務所の弁護士でもある著者の作品だけあって,法曹界における政治的やりとりや,陪審員が退室している間に取り交わされる裁判官,検察官,弁護士との緊迫したやりとりなど,実にリアリティにあふれています。
 以前,アメリカでいくつかの裁判や陪審員選任手続きなどを実際に傍聴してきましたが,その時の光景が思い浮かびます。
 法廷ものとしては,ジョン・グリシャムの名前が思い浮かびます。
 グリシャムの作品もいくつか読みましたが,グリシャム作品の方は娯楽性が高く,トゥロー作品の方が,人間の持つ心の闇に触れるなど,その文体に重みと迫真性,文学性が高いと感じました。
 だからといって,そんなに堅苦しい作品だということはなく,まったく予備知識なしで本書を読むと,後半あっと驚かされるミステリーとしても良くできています。
 しかし,その犯人の動機とその後の振る舞いに人間の持つ心の闇を感じさせます。 
 本書は20年以上も前に執筆されたものですが,まったく古びた感じもせず,昨年本書の物語から20年が経過した設定での続編が日本でも出版されたということで,そちらの作品も気になるところです。

推定無罪〈上〉 (文春文庫) Amazon書評・レビュー: 推定無罪〈上〉 (文春文庫)より
4167527073
No.29
(5pt)

全てはエピローグのために

下巻のみのレビューになります。
裁判シーンはリアリティがあってめちゃくちゃ面白い。
弁護人がどうやって状況証拠を切り崩していくかも手に汗握る思いで読み進められます。
面白いリーガルサスペンスを求めている方には文句なくお薦めですが、よく言われる本作品のどんでん返しは特にすごくはないです。
本作品の一番の読みどころはエピローグの主人公の独白にあります。
これを書くための上下巻だったのかと思うと、改めて読み返したくなります。下巻も合わせると文句なしの星5つ
推定無罪〈下〉 (文春文庫) Amazon書評・レビュー: 推定無罪〈下〉 (文春文庫)より
4167527081
No.28
(5pt)

全てはエピローグのために

下巻のみのレビューになります。
裁判シーンはリアリティがあってめちゃくちゃ面白い。
弁護人がどうやって状況証拠を切り崩していくかも手に汗握る思いで読み進められます。
面白いリーガルサスペンスを求めている方には文句なくお薦めですが、よく言われる本作品のどんでん返しは特にすごくはないです。
本作品の一番の読みどころはエピローグの主人公の独白にあります。
これを書くための上下巻だったのかと思うと、改めて読み返したくなります。下巻も合わせると文句なしの星5つ
新装版 推定無罪 (下) (文春文庫) Amazon書評・レビュー: 新装版 推定無罪 (下) (文春文庫)より
4167812096
No.27
(3pt)

最初の盛り上がりまでが長いかも

上巻のみのレビューになります。
主人公が起訴されるまでは読み進めるのがけっこう苦痛だが、
そこまでの流れをきちんと把握しておくと裁判の論点が明確になるので、しっかり読んだ方がよい。
いったん起訴されて弁護人との相談が始まるあたりから緊張感が出て面白くなってきます。
上巻だけだと星3つです。
新装版 推定無罪 (上) (文春文庫) Amazon書評・レビュー: 新装版 推定無罪 (上) (文春文庫)より
4167812088
No.26
(3pt)

最初の盛り上がりまでが長いかも

上巻のみのレビューになります。
主人公が起訴されるまでは読み進めるのがけっこう苦痛だが、
そこまでの流れをきちんと把握しておくと裁判の論点が明確になるので、しっかり読んだ方がよい。
いったん起訴されて弁護人との相談が始まるあたりから緊張感が出て面白くなってきます。
上巻だけだと星3つです。
推定無罪〈上〉 (文春文庫) Amazon書評・レビュー: 推定無罪〈上〉 (文春文庫)より
4167527073
No.25
(5pt)

20年ぶりに再読しても、やはりすばらしい名作だった

続編を読みたくて、20年ぶりに本作を再読した。 丁寧な人物描写、ご都合主義にならない重厚なストーリー展開、登場人物間の葛藤などミステリーの枠にとどまらず、小説を読む楽しさを再認識させてくれた。 2012年に出版された”無罪”の続編でもラスティーの女性関係の節操のなさは相変わらずのようなので、そこが唯一歯がゆいところであろうか? 未読の方で、じっくり小説の楽しさを味わいたい方には、ぜひおすすめしたい不朽の名作である。
新装版 推定無罪 (上) (文春文庫) Amazon書評・レビュー: 新装版 推定無罪 (上) (文春文庫)より
4167812088
No.24
(5pt)

20年ぶりに再読しても、やはりすばらしい名作だった

続編を読みたくて、20年ぶりに本作を再読した。 丁寧な人物描写、ご都合主義にならない重厚なストーリー展開、登場人物間の葛藤などミステリーの枠にとどまらず、小説を読む楽しさを再認識させてくれた。 2012年に出版された”無罪”の続編でもラスティーの女性関係の節操のなさは相変わらずのようなので、そこが唯一歯がゆいところであろうか? 未読の方で、じっくり小説の楽しさを味わいたい方には、ぜひおすすめしたい不朽の名作である。
推定無罪〈上〉 (文春文庫) Amazon書評・レビュー: 推定無罪〈上〉 (文春文庫)より
4167527073
No.23
(5pt)

最高級のプロット

もう何といってもこの綿密すぎるほどの素晴らしいプロット。これに尽きる。
そして最後に見せる圧巻のカタルシス。

ノンフィクションといわれても違和感がない法廷シーンに人物描写。
主人公の愛情と懊悩と挫折。脇役のリアリティあふれるキャラクター設定。
数多くの伏線の絶妙さ。
司法制度の問題点と闇。
そしてちゃんと本格要素も盛り込まれてる。
もう全てが超一級品の歴史に残る傑作である。
まさしく再読に耐えうる名作中の名作である。

ただ苦言もある。
なぜ犯人は被害者の部屋にわけもなく入れたのか?
なぜ兇器に付着した血痕と髪の毛を消去しなかったのか?

この点は物語自体が素晴らし過ぎただけにもう少しリアリティを追及してほしかった。
新装版 推定無罪 (上) (文春文庫) Amazon書評・レビュー: 新装版 推定無罪 (上) (文春文庫)より
4167812088
No.22
(5pt)

最高級のプロット

もう何といってもこの綿密すぎるほどの素晴らしいプロット。これに尽きる。
そして最後に見せる圧巻のカタルシス。

ノンフィクションといわれても違和感がない法廷シーンに人物描写。
主人公の愛情と懊悩と挫折。脇役のリアリティあふれるキャラクター設定。
数多くの伏線の絶妙さ。
司法制度の問題点と闇。
そしてちゃんと本格要素も盛り込まれてる。
もう全てが超一級品の歴史に残る傑作である。
まさしく再読に耐えうる名作中の名作である。

ただ苦言もある。
なぜ犯人は被害者の部屋にわけもなく入れたのか?
なぜ兇器に付着した血痕と髪の毛を消去しなかったのか?

この点は物語自体が素晴らし過ぎただけにもう少しリアリティを追及してほしかった。


推定無罪〈上〉 (文春文庫) Amazon書評・レビュー: 推定無罪〈上〉 (文春文庫)より
4167527073
No.21
(5pt)

圧倒的本物っ!

こういう本を読むと、
どうしても日本人作家の小説がしょぼく見えてくるから困る。
圧倒的に「本物」の小説。
リアルなキャラに、リアルなストーリー。

冒頭は主人公による推理。
次に、罠にかけられてしまう主人公とその失脚。
そして、大逆転。真相の発表。

ピンチと逆転の方程式が決定的にうまく作用していた。
主人公が泣き出すシーンとか、思わずジーンと来てしまった。

でもこれって、推理小説じゃない気がする。
大きな推進力のひとつに法廷バトルがあったし。
なんというか…もうジャンルの枠に収まるもんじゃない。
本物のストーリーを持つ小説はジャンルの枠をさっくり破壊するいい見本。
新装版 推定無罪 (上) (文春文庫) Amazon書評・レビュー: 新装版 推定無罪 (上) (文春文庫)より
4167812088
No.20
(5pt)

圧倒的本物っ!

こういう本を読むと、どうしても日本人作家の小説がしょぼく見えてくるから困る。圧倒的に「本物」の小説。リアルなキャラに、リアルなストーリー。冒頭は主人公による推理。次に、罠にかけられてしまう主人公とその失脚。そして、大逆転。真相の発表。ピンチと逆転の方程式が決定的にうまく作用していた。主人公が泣き出すシーンとか、思わずジーンと来てしまった。でもこれって、推理小説じゃない気がする。大きな推進力のひとつに法廷バトルがあったし。なんというか…もうジャンルの枠に収まるもんじゃない。本物のストーリーを持つ小説はジャンルの枠をさっくり破壊するいい見本。
推定無罪〈下〉 (文春文庫) Amazon書評・レビュー: 推定無罪〈下〉 (文春文庫)より
4167527081
No.19
(5pt)

圧倒的本物っ!

こういう本を読むと、どうしても日本人作家の小説がしょぼく見えてくるから困る。圧倒的に「本物」の小説。リアルなキャラに、リアルなストーリー。冒頭は主人公による推理。次に、罠にかけられてしまう主人公とその失脚。そして、大逆転。真相の発表。ピンチと逆転の方程式が決定的にうまく作用していた。主人公が泣き出すシーンとか、思わずジーンと来てしまった。でもこれって、推理小説じゃない気がする。大きな推進力のひとつに法廷バトルがあったし。なんというか…もうジャンルの枠に収まるもんじゃない。本物のストーリーを持つ小説はジャンルの枠をさっくり破壊するいい見本。
推定無罪〈上〉 (文春文庫) Amazon書評・レビュー: 推定無罪〈上〉 (文春文庫)より
4167527073
No.18
(5pt)

一人称叙述が冴える、法廷ミステリーの白眉

’88年、「このミステリーがすごい!」創刊号で海外編第2位。
ハリソン・フォード主演で映画化もされた、オールタイムベスト10にも名を連ねる世界的ベストセラーである。

リーガル・サスペンスとして有名だが、本書の魅力は、主人公ラスティ・サビッチの一人称叙述にあると言っていいだろう。殺された女性検事補と実際に愛人関係にあった‘わたし’の彼女に対する狂おしいまでの愛、被告人として裁かれる立場となった‘わたし’が今まで信じたことのなかった神に祈る姿、そして実際の法廷シーンで見せる緊張の連続、これら‘わたし’の私的・公的懊悩がすぐれた心理小説として読者の胸にダイレクトに響くのである。

一方で本書は、アメリカ中西部の架空の大都市を舞台にして、裁判の判事や検察官、証人たちを通して、政治的な司法制度そのものへの批判を含んだ社会小説としての側面も持っている。

私は、映画を先に観たので、プロットや真犯人を承知したうえで原作に挑んだが、なかなかどうして、以上述べたような本書の魅力ゆえに、面白さのあまり文庫上・下巻あわせて708ページを一気読みしてしまった。まさに本書は歴史に残る傑作である。
新装版 推定無罪 (上) (文春文庫) Amazon書評・レビュー: 新装版 推定無罪 (上) (文春文庫)より
4167812088
No.17
(5pt)

一人称叙述が冴える、法廷ミステリーの白眉

’88年、「このミステリーがすごい!」創刊号で海外編第2位。ハリソン・フォード主演で映画化もされた、オールタイムベスト10にも名を連ねる世界的ベストセラーである。リーガル・サスペンスとして有名だが、本書の魅力は、主人公ラスティ・サビッチの一人称叙述にあると言っていいだろう。殺された女性検事補と実際に愛人関係にあった‘わたし’の彼女に対する狂おしいまでの愛、被告人として裁かれる立場となった‘わたし’が今まで信じたことのなかった神に祈る姿、そして実際の法廷シーンで見せる緊張の連続、これら‘わたし’の私的・公的懊悩がすぐれた心理小説として読者の胸にダイレクトに響くのである。一方で本書は、アメリカ中西部の架空の大都市を舞台にして、裁判の判事や検察官、証人たちを通して、政治的な司法制度そのものへの批判を含んだ社会小説としての側面も持っている。私は、映画を先に観たので、プロットや真犯人を承知したうえで原作に挑んだが、なかなかどうして、以上述べたような本書の魅力ゆえに、面白さのあまり文庫上・下巻あわせて708ページを一気読みしてしまった。まさに本書は歴史に残る傑作である。
推定無罪〈下〉 (文春文庫) Amazon書評・レビュー: 推定無罪〈下〉 (文春文庫)より
4167527081
No.16
(5pt)

一人称叙述が冴える、法廷ミステリーの白眉

’88年、「このミステリーがすごい!」創刊号で海外編第2位。ハリソン・フォード主演で映画化もされた、オールタイムベスト10にも名を連ねる世界的ベストセラーである。リーガル・サスペンスとして有名だが、本書の魅力は、主人公ラスティ・サビッチの一人称叙述にあると言っていいだろう。殺された女性検事補と実際に愛人関係にあった‘わたし’の彼女に対する狂おしいまでの愛、被告人として裁かれる立場となった‘わたし’が今まで信じたことのなかった神に祈る姿、そして実際の法廷シーンで見せる緊張の連続、これら‘わたし’の私的・公的懊悩がすぐれた心理小説として読者の胸にダイレクトに響くのである。一方で本書は、アメリカ中西部の架空の大都市を舞台にして、裁判の判事や検察官、証人たちを通して、政治的な司法制度そのものへの批判を含んだ社会小説としての側面も持っている。私は、映画を先に観たので、プロットや真犯人を承知したうえで原作に挑んだが、なかなかどうして、以上述べたような本書の魅力ゆえに、面白さのあまり文庫上・下巻あわせて708ページを一気読みしてしまった。まさに本書は歴史に残る傑作である。
推定無罪〈上〉 (文春文庫) Amazon書評・レビュー: 推定無罪〈上〉 (文春文庫)より
4167527073