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赤ヘル1975



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【この小説が収録されている参考書籍】
赤ヘル1975
赤ヘル1975 (講談社文庫)

赤ヘル1975の評価: 4.66/5点 レビュー 53件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.66pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全51件 1~20 1/3ページ
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No.51:
(5pt)

ノスタルジー

広島市民にはグッときます!
赤ヘル1975Amazon書評・レビュー:赤ヘル1975より
4062187043
No.50:
(5pt)

ノスタルジィで気持ち良くなるだけの小説ではない 。

なぜ泣けるのか。この本が私の心に響いたのは、カープ暗黒時代のまっ只中(末期ではあったが)に発表されたからでした。「絶対に負けられない戦い」に20年以上負け続けたプロ球団と、その球団を好きになってしまったファンの惨めさよ。私は忘れない。2013年、長嶋茂雄と松井秀喜の国民栄誉賞授与式のセレモニーが行われた東京ドームの巨人戦。カープは見事な負けっぷりで、完璧な引き立て役だった。あらゆるスポーツニュースが長嶋を松井を巨人を祝福した。だけど、この日は5月5日だったのだ。鯉のぼりの日だったのだ。
絶望の底にいた私にこの本は語りかけた。カープは素晴らしい球団だ、ファンは胸を張れよ、と。お前たちが信じられなくて誰がカープを信じるんだ、と。

中学生でも分かるような易しい言葉で、優しい感情をすくい取るような重松文学の真骨頂のような作品です。

私は1978年生ですので、生まれる前の広島が舞台ですが、カープを中心に世の中が回る街の様子は私が小中学生を送った80-90年代にもありました。夏になると、どの家も網戸になるせいか、家の周りを歩くとどこからもカープのラジオやテレビ中継の音が聞こえます。カープが勝てば翌日のクラスの話題はペイやコージや大野です。大勝に気分を良くして宿題を0にしてくれる先生もいました。
赤ヘル1975Amazon書評・レビュー:赤ヘル1975より
4062187043
No.49:
(5pt)

切なくて胸が張り裂けそう

1975年当時、自分は小学4年生。この中心人物に程近い広島のカープっ子だった。もちろんカープ少年の会にも入っていた。当時の広島の少年は三歳児でも一人称は「ワシ」。外出時にはカープの帽子だった。
また、貧しく複雑な家庭環境に育った身としても、切なくて胸が張り裂けそうになりながら。読了した。
大人の感覚も子供の感覚も、カープとの距離感も、今となっては随分と違ってしまったけど、このお話しは、出来ればアニメ化してもらえないだろうか?
現代の広島の人以外にどう映るのか見てみたいと思う。
赤ヘル1975Amazon書評・レビュー:赤ヘル1975より
4062187043
No.48:
(5pt)

あの年、広島はアツかった

転校生にはややハードルの高かった1975・広島。市民の間でしか共有できない深い傷、市民の間でも分かち合えない体験の差異。だからこそ彼らは市民球団・カープの奮闘に心躍らせ、奇跡の「アレ」を気を揉みながら心待ちにしている。「期待すること」をそっと手放していたマナブはしかし、いつか彼らの狂奔に心を寄せ、短い日々の中でかけがえのない友情を育んでいく。…遠い記憶のムーブメントが渾身の取材によって蘇り、繰るページ全てに胸を熱くした。登場人物はみな一癖ありながら笑えない事情を抱えており、運命を受け入れるしかないマナブの諦観を共有させられていく。人の数だけ狂わされた人生の数があるヒロシマを、小市民のつましい暮らしを通して描く著者の力量に敬服した。
赤ヘル1975Amazon書評・レビュー:赤ヘル1975より
4062187043
No.47:
(5pt)

広島にまつわる人には、ぜひ読んでほしい。

私は広島人ではありませんが、東京から引っ越して長く広島で育ったので、東京もんの主人公に深く感情移入しました。この本を読んでやっと広島の人を理解した気持ちになりました。幼い頃からなんとなく感じていた広島独特の雰囲気というか人間性というか、やっと理解できた気がした。

広島人でない私がこれほどの感銘を受けたのだから、親戚縁者も広島にいる本当の広島人にはさらに深い感動があると思う。実際何人かの人に勧めましたが、皆さん「良かった。教えてくれてありがとう」と言ってくださった。
広島に少しでもご縁のある方には、ぜひ読んでみてほしいです。1975年辺りを実際に生きた方々には特におもしろいのでは。
もちろんそれ以外の方にも、これを読むと「広島」がとてもよく分かります。

広島人でないのに、ここまで空気感をつかみ書き上げた作者は、本当にすごいと思う。広島弁も上手に書かれていて、光景が目に浮かぶようでした。
赤ヘル1975Amazon書評・レビュー:赤ヘル1975より
4062187043
No.46:
(5pt)

広島と野球と友情が詰まってる

とりあえず600ページあります。
広島出身の方はしゃべり言葉が懐かしく、本が読みやすかったと言ってました。
赤ヘル1975Amazon書評・レビュー:赤ヘル1975より
4062187043
No.45:
(5pt)

広島弁がいい!

方言の中でも広島弁は、別格です。そして、カープのささやかなファンでもあります。そして何より、重松清さんのファンでもあります。文庫本で読み、今回は電子書籍で読みました。ええ話です。
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4062187043
No.44:
(5pt)

1975年の赤ヘル旋風を題材にした着眼点に敬服。

万年最下位の市民球団広島カープが奇跡の赤ヘル旋風を巻き起こした1975年の広島を舞台にして、転校の常連となっているマナブと酒屋の息子で野球少年のヤス、新聞記者志望のユキオの友情を軸に、物語は展開していく。薄い選手層で経営難の広島というチームの奇跡の優勝という大ニュースに熱烈な広島市民は色めき立ち、心震わせる。そこにマルチ商法の怪しい話を持ち込むマナブの父、勝征の甲斐性のなさが絡んでゆく。原爆投下から三十年の歳月が流れても、人々の心や身体の傷は癒えることはない。広島という舞台で当時は衝撃的だった赤ヘルへの転換と大躍進。何もかもが、劇的だった1975年。これを捉えて作品化したところが重松清の着眼点のすばらしさであろう。
赤ヘル1975Amazon書評・レビュー:赤ヘル1975より
4062187043
No.43:
(4pt)

あの年に戻ったような気持ちで読んだ

重松 清は抒情的すぎるきらいがあって、これまで読まないできた。
たぶん、これからも読まないと思う。
それでも、この本を読んだのは、1975年の広島カープ初優勝を縦糸にし、それをめぐる広島市の下町の人たちの心模様と小さな事件のつらなりを、原爆を横糸にして描いていたからだ。
ぼくは広島県の出身だが、生まれ育ったのは県東部の福山市と三原市。
だから、子供のころの広島カープに対する思い入れは、この小説に登場する中1の少年たちのような熱いものではなかった。
広島市では、大人も子供もカープ一色のような書き方だし、事実、その通りだったと思うが、県東部の子供たちにとってカープはそれほど身近な存在ではない。
何しろ、少年マガジンや少年サンデーなどの雑誌に登場するのは巨人だけ。王や長嶋しか登場しなかった。
今のように、地方のローカル局が独自に広島カープの野球中継を行うということもなく、毎日、テレビでやっている野球中継は巨人戦でしかなかった。
大人たちはラジオの野球中継とスポーツ新聞でカープを応援していたが、少なくとも子供たちは巨人のことしか知らなかったのだ。
それでも、大学に入って東京に出てきて、何というか周りが巨人ファンばかりなので、アイデンティティのようなものを求めていたのだろうか、広島カープを応援するようになった。
その一番大きな転換点が1975年だった。
まさにカープ初優勝の年だった。
その年に初めてカープが赤ヘルをかぶったということもある。
何しろ、ぼくらは当時、学生運動で赤ヘルをかぶっていたのだw
だから、ぼくはかろうじてカープ初優勝を、カープファンとして迎えた。
そんなぼくでも、カープがいかに広島市民に愛されていたかは、よく知っていた。
貧乏球団で、遠征に行く時にホテル代もなく、民家に泊めてもらったというエピソードも知っていたし、球団が潰れそうになって市民のカンパで何とか生き延びたというエピソードも知っている。
当時のカープは今のように東洋工業=マツダがスポンサードしておらず、純粋な独立採算の市民球団だった。
それでもつぶれなったのは、カープは被爆都市広島の希望であり、アイデンティティだったからだ。
その貧乏球団が、初優勝した。
前年まで3年連続で最下位で、球界のお荷物化していたカープがだ。
それがいかに驚くべきことであり、広島の人たちにとって、夢のような一年であったことか、俄かファンであったぼくにもよく理解できたし、思い入れもした。
あの年の山本浩二と衣笠、そして外木場たちは、まぎれもなく王長嶋を凌駕するスーパースターだった。
それ以降の彼らがどうであれ、あの年に限れば、あれほどまでに人々の想いを一身に受け、そして体現したスポーツ選手は、それまでも、それからも他にいなかったと思う。
そういう特異な年である1975年の物語である。
しばし、あの年に戻ったような気持ちで読んだ。
赤ヘル1975Amazon書評・レビュー:赤ヘル1975より
4062187043
No.42:
(5pt)

感動

広島生まれです。父から聞いた弱小貧乏球団カープのエピソードが史実に沿って描かれている。また、戦争、原爆で傷ついた広島の人々や子供たちの描写も丁寧。ぐいぐい引き込まれていきました。タイムスリップしたような気分。カープの話というよりは、カープを通して、戦後の広島を生きる人々の哀しみ、心の傷、そして希望を描いた素晴らしい作品。カープファンではない人にもぜひ読んで欲しい。カントクさんが市民球場でユキオに呟いた言葉が心に響きました。
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No.41:
(5pt)

カープファン必読の一冊

カープファンなら絶対に読むべき本。
昭和40年代の広島の街で主人公の3人の少年がカープを通じて成長する姿が活き活きと描かれています。
カープが広島で愛されている理由が納得できます。
どのエピソードも素晴らしいですが私は特に最後のシーンが大好きで涙が止まりませんでした。
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4062187043
No.40:
(5pt)

カープ万年最下位脱出元年の作品

広島の本当の復興は、カープが初優勝した1975年に始まったのではないかと思う。
主人公の3人の少年はとても魅力的で、ほぼ同年代で広島に住んでいた私と重なるものがあり共感できた。彼らを取り巻く大人たちも魅力的でストーリーを引っ張っていく。
あの3人の少年たちはその後どんな人生を歩んだのだろう? 続編に期待したい。
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4062187043
No.39:
(4pt)

1975年の奇跡と時代の軌跡を描いた作品

広島人としては、いつかは読まないといけないと思っており、ようやく読みました。悲願のカープ初優勝に向かってペナントレースを勝ち進むカープと原爆投下後の復興と悲惨な記憶の継承といった広島の人と街の軌跡を、転校生マナブやヤスなど中学生の視点で描く重松作品。話はよいと思うが、学たちの物語の行方いわゆるクライマックスと悲願のカープの奇跡が一致して終わらないので、不安的な気持ちのままカープの優勝を迎えてしまうといった感じで、感極まる終結というものではない。やはり、最後まで重松作品でした。考えさせられる。物語的にはどうなったの?万事解決といった具合ではありません。重松氏の意図、作風にそって読み解けば、これでよいのかもしれません。がフィクションで、広島人であれば、どうしても題名からしてカープの物語がメインとして読んでしまって、カープが「明」であれば、原爆、マルチ商法、家族のつながりなど「暗」の部分が私は純粋に心にひっかかり、楽しく物語を読み進めるという感じにはなりませんでした。悲惨な広島の経験とその記憶や想いを往時の町や時代背景などをこれだけ詳細に広島弁で描く重松氏の力量と熱意に広島人として感謝に値します。戦争の記憶が風化しつつある昨今、この作品を次世代へ読み継がせたいとも思います。そんなわけで、個人的満足度は古葉監督の背番号のちなみ100点満点中72点といったところです。(^_^)>
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No.38:
(4pt)

千羽鶴

1964年生まれのストライク世帯です。当時広島カープが優勝した年 担任の先生が産休休まれた時みんなで千羽鶴折ったの覚えてます。 当時千羽鶴折るの意味あったのでしょうね。  なんとその時生まれたて子供が 今私の子供の担任の先生になってます。 この本読んでかなり感慨深いものがあります。
今 広島は豪雨災害で大変な状態です。広島のみんな励ますためにも今年は日本一になってくたさい!
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4062187043
No.37:
(4pt)

広島が好きになりました

広島が好きになりました。
作中のカープファンのアツさに泣き、ガラの悪さに笑いました。

この作品をきっかけにはじめて広島に旅行に行ってしまいましたし、市民球場跡地を見てなんだかジーンとしてしまいました。
赤ヘル1975Amazon書評・レビュー:赤ヘル1975より
4062187043
No.36:
(4pt)

懐かしい1975

作者と主人公達より2年歳下の私にはまだ幼くて戦争を意識した事はなかった。
丁度30年後の広島では、まだ生々しい傷だったのだろうと想像します。
まあ、作中で言う所のよそもんなんですが。
東京だって大空襲があったのに、多くの人が流れ込んで来る都会では薄まって
しまうのか、それとも能天気な子供だったのか。。。。
広島が初優勝した年。中日ファンな私には悔しい思いをしたのを良く覚えてます。
赤ヘル1975Amazon書評・レビュー:赤ヘル1975より
4062187043
No.35:
(5pt)

昔にタイムスリップ

懐かしい、あの頃、私は小学生だった。広島市ではなかったが、同じような状態だった。カープ優勝の日に小学校の休み時間に友達の持ってきたラジオを聴いていたのは、懐かしき思い出です。
カープ、原爆、戦争と広島とは切ってもきれない事を真正面から描いた作品。是非広島出身の方に。それ以外の方には広島を知ってもらうため、是非読んでもらいたい。
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4062187043
No.34:
(5pt)

多感な時期

原爆投下の30年後の1975年にカープは初優勝した。中学1年生ヤス ユキオ そしてマナブの多感な時期の物語。
これは是非一読すべき名作です( ̄▽ ̄)=3
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4062187043
No.33:
(5pt)

ありがとう

カープが初優勝した年、広島に転校して来た中学1年生が経験したエピソードと言う形で話は進む。実はこの本、本屋で見た瞬間にいつかは読まねば、と思いながら入手するのをあえて後伸ばしにしていた小説。あの初優勝の感激を実際に体験したカープファンとしてはすぐにでも読みたい内容なのに待機していたのは、生半可な覚悟じゃ読むべきでないと言う本能が働いたから。ノンフィクションでなく重松清ほどの作家が小説に仕上げたからには、もっと重たいテーマーはっきり言えば原爆ーについても触れられているはずと何も知らないうちから感じていたし、読んでみると正しくそうであった。これは読み飛ばしは出来ないなと覚悟して、貪るように読み続けた。睡眠時間を削り、通勤電車の中でも、職場の昼休みも、白状すると勤務時間にも読むのをやめられなかった。そして帰宅してから夕食の支度を待っている間に読み続けてようやく読了したのである。

 私自身この年は小学校5年生で、主人公達とほぼ同年代。だから優勝決定試合の日に、授業ではみんなでラジオ中継を聴いて後ろの黒板に試合経過を書いていたり、この小説のまんまの熱狂を経験した。作者は岡山県人だけど素晴らしい取材の成果で会話の広島弁など完璧だし、あの時代の広島の雰囲気を忠実に再現しているように感じた。だからこそ、本当に貪るようにこの長編を読みことが出来たのだ。

 この小説の主人公は、マルチ商法などいかがわしい仕事をやめられない父親のせいで夜逃げを繰り返し、今度も広島に転校して来た中学生だが、これも実は私と重なる。私も小学校時代から10度近く引っ越し、転校も経験してるので強く感情移入する事が出来た。私の場合は父親が自衛官だったからだけど。そしてこれは小説ならではだが、主人公が経験する2人の親友たちやクラスで一人浮いていた女子とのエピソードが、原爆とも絡み劇的で感動的。
 今は九州に暮らしている私だが、この小説はカープ初優勝のあの感激と、その時代の広島をまざまざと蘇らせてくれた。カープ初優勝が近付いて、球場には昔からのファンだった故人の遺影を持って観戦する人が沢山いて、決まった時も大騒ぎする前に静まって誰もが「ありがとう」と心の中で祈ったと言う。私もこの小説を書いてくれた重松清に言いたい。「ありがとう」

http://blog.livedoor.jp/nattolove-002/archives/12572491.html
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4062187043
No.32:
(4pt)

広島弁で読む赤ヘル初優勝と広島の戦後史。好小説である

この本の魅力は「読む広島弁」とでもいえようか。
広島出身者にとっては小説中の広島弁が心地よい。出来ることならばオーディオブックがあって広島弁で語ってほしいくらいだ。
で、以下、広島弁でレビューを。

ワシが大学3年生の時、カープは初優勝を果たした。 その瞬間を後楽園で実際に見たあの時は40年以上たった今でもつい昨日のように思い出すんよ。後楽園球場レフト側で水谷のグラブにウィニングボールが吸い込まれていくんを見とって、一緒に行った広島出身者同士で肩を叩き合って歓声をあげて喜んだのを覚えとる。 ファンがフェンスを乗り越えてフィールドになだれ込んだこと、お立ち台に立ったコージが男泣きに泣いてインタビューにならんかったこと。 うれしかったのお。
同時に思い出すんは、あの優勝した年のペナントが始まる前に出た選手年鑑の中での今年の抱負。 記憶に間違いなければ、他の選手やコーチがせいぜいAクラス入りを目標にします、と言っていたのに古葉だけは「目標は優勝」とはっきり語っとったんを思い出す。 実際、6月が終わってもまだカープが沈んでいかんのには予想外じゃったし、ほいで、7月に大学が夏休みにはいって、広島に帰ったら本通りで「それいけカープ」応援歌の発表会をやっとたんよ。びっくりしたのぉ、あん時は。評論家や新聞は皆そろって「ここまでが出来すぎ」とか「まぐれ」としかゆうとらんのに、 広島では本気で優勝じゃ思うとるんじゃねぇ、と。
オールスターでの山本浩二と衣笠のアベックホームランは本当に衝撃的じゃった。オールスター2戦目はちいとも覚えとらんが、一戦目の二人のアベックホームランとカープのユニフォームが元気よう動きまわとったんだけはよー覚えとる。
本を読んどってもあの年の外木場の活躍やら、三村と大下の鉄壁の二遊間、終盤で復活した金城のアンダースロー。カープ狂で一杯になった市民球場の大騒ぎ具合などが昨日のように思い出されるのぉ。 そうじゃったね、あのころは紙吹雪を山のように作って球場で撒くのがあの当時の応援のスタイルじゃった。

この本ではワンパク坊主どもと大人たちの交流が様々なシーンを通して描かれる。ワルどもやケンカもあるが、しかし、「イジメ」はありゃあせん。今ほどには物質的に「豊か」な生活ではないかもしれんが、心と気持ちとしては今よりもよっぽど「豊か」じゃったんかもしれんねえ。
様々なバックグラウンドを持つ大人たち、地元の大カープファンのワンパク坊主と東京からの転校生の交流がこのカープ初優勝の年の時系列の試合経過を挟みながら展開される。 田舎者と思っていた仲間たちにやがて影響を受け、複雑な家族環境を背負いながらも新しい広島の地になじんでいこうとする転校生。 当時の暮らし具合や世相までもが、この小説を読むとわかってくるから不思議じゃねぇ。
もう一つ。この本を読んどると中沢啓二のマンガ「広島カープ誕生物語」にイメージがダブルね。ほいじゃけぇ、ぜひこの本を読んだ人は中沢啓二のマンガ本も読みんさい。
両方を読んだらどんだけカープが広島人に愛されてるかよーわかるけえ。
ま、原爆のことはちょっとしつこい気もする。わしの両親も親戚もえっと被ばくしとるんがおるけど、この本に書かれているほどのことはないような気がする。ただ、わしが小さいころはまだ戦後から20年もたっとらんかったけえ、親父もオフクロも原爆のことは話したがらんかったのは事実じゃ。戦後50年を過ぎてから、孫には話を聞かせてやっていたようじゃけどね。

今年ももうすぐペナントが始まる。野球の季節じゃ。 がんばりんさいよ、広島カープ!! 今年も優勝じゃ!!
赤ヘル1975Amazon書評・レビュー:赤ヘル1975より
4062187043

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