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(短編集)
ままならないから私とあなた
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ままならないから私とあなたの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.67pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全18件 1~18 1/1ページ
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朝井リョウの描く物語にはいつも心がキュッとなる。悪いことをした覚えはないのに先生に名前を呼ばれた時のような心臓を一瞬、締め付けられる感じ。繕った自分が剥がされるような気持ちになる。当たり前に信じていたものや常識的に思っていることが否定され偽善でできた衣を剥がしていく彼の文章に虜になっている。剥がされる瞬間、自我を否定されたような気持ちになる、だけどその感覚が忘れられなくて次の作品次の作品と手が伸びてしまう。ここまで来ればもう全ての作品を網羅したとしても私は満たされないだろう。完全なる中毒症状である。 | ||||
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「レンタル世界」はともかくとして、「ままならないから」の方は、一体何が書きたいのかわからない作品だった。途中脱落しました。 | ||||
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二篇ありますが,どちらも一般的には肯定される「人のあたたかみ」,「絆」などの人間らしい価値観,正義を改めて吟味させられる作品です. | ||||
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これからの、テクノロジーと思想の関わり方、の話。 朝井リョウは妥協しない人だな、と思う。SNSに落ちてそうな意見を、登場人物の思想の結論に据えることはしない。そこからさらに「でも実際こうじゃん」「でもやっぱりここは譲れない」と議論を進めさせることで、登場人物の本当のスタンスを浮き彫りにする。その一部始終が結果的に読んでいる私たちへの問いかけとなっており、読後は「うーん、自分はどうなんだろう」と自然に考えさせられる。(ちなみに私は薫の台詞に共感することが多かった。) 月並みだが、合理性と人間らしさ、これらをどう両立させるか、その塩梅が、ビジネスでもプライベートでも大切になってくるのだろうと感じた。 | ||||
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文庫本に加筆されたラストがあまりに安直と言うか、軽い感じでそれまでのストーリーとのつながりが感じられません。長い間心にしまっていた気持ちを薫にぶつけたユッコに訪れた、彼女のアイデンディを揺るがす出来事。しかし、2人にはそれまでにいくつもいくつも積み重ねてきたストーリーがあるはずだ。そのラストがこれでいいのかと思った。できるならユッコと薫の先を読みたかった。加筆しない方がましだったと思う。 | ||||
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良い意味でモヤモヤする作品。 効率性と人間性。どっちが重要か。どっちが重要かという二項対立では語り切れないのか。 これからは、テクノロジーによって、どんどん効率化されていく時代。 少し立ち止まって考える必要があるかもしれないと感じた。 | ||||
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もしかしてありそうな2つの物語です。 レンタル彼女ってシェアリング・エコノミーの最終型? AIが進歩すると、人間の癖もマネしちゃう? 何が本物か分からない時代に合った、小説だと思いました。 | ||||
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レンタル世界は、主人公の未熟さ、人をコントロールしようとする傲慢さが嫌で、 最後高松さんに打ちのめされ、ちょっとすっとしました。 ままならないから私とあなたは、どちらの価値観にも共感できる部分がありました。 薫と雪子は、正反対ながらも、2人とも夢のために真っ当な方法で努力している。 いろいろと言い合えたわけだし、分かり合える時がくるといいなと思いました。 | ||||
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私の大好きな朝井さんの小説。 ひさびさに読み返そうと思い手に取りました。やっぱり10年前に書いた小説よりどんどん強くなっていっている。これからもずっと大好きです。あと、どの作家さんの本にも言えるのですが、アマゾンのレビューなんて気にしないほうがいいです。読んでない人でも書けるんだから。 | ||||
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『何者』は ただの「あるあるネタじゃん」と思い、 途中で読むのをやめた。 同世代が読んで「あーこの気持ち分かる〜」と言ったところで、そんなことをわざわざ文章にすることには何の意味もないと思う。 その点、本作は違った。 確かに若者に馴染みのある表現は多々出てはくるものの、決して過剰ではなく程よい。 作品のテーマも「果たして何が正しいのか」、はっきりと明言できないものになっていて、この辺りはまさに文学だと思った。 学生から社会人、専業作家となった筆者の成長が分かる作品だった。 | ||||
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レンタル世界 これなー、小籔さんも言ってたなぁ 何でも話せる関係ってありえんのよ 『世にも奇妙な君物語』で「空気を読む人がいるから、空気を読まない人がいる」って言ってたのと近くて、何でも話せるって言ってる人はそうでも相手は絶対にそんなことないよね 実際、自分も中学まではアホほど喧嘩して今ではずっと交流続いとるやつおるけど、我慢すること普通にありますがな 多様化だからこそ、人の全部を見せる必要も知る必要もなく、理解することが大事やと思う。 ままならないから私とあなた 迫力があった。 『何者』と同じ手法で読者に主人公に共感させながら物語を進めて最後にそれを論破する構成。 しかし、本作は一味違う。 ほとんど薫が正しかったけど、ユッコは反論した。 ままならないから私とあなたなんだと。 生身の部分だけは大切。違うからこそ知りたい触れたい。 それにしても朝井さんの小説は心臓に悪い。 断崖絶壁に向かって強制的に歩かされている気分。 まぁそれが好きなんやけど笑 | ||||
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レンタル彼女 朝井リョウさんらしい、いまの若者の、人と人との間にながれる、微妙な言語化されていない気持ちを言葉にしていく、という部分に関しては、相変わらず共感し、すごいなと思いました。 ページ数が少ないながら、最後はよかったです。世にも奇妙な〜感はありました。レンタルも既にやりつくされてるテーマ感はありますが、(伏線が目立ちすぎてオチが想像できたという部分はありながらも)、朝井さんだからできる心理の切り取りに、ハッとし、ドキドキしながら読めました。朝井リョウさんが好きな方は、読んでみる価値はあるとおもいます。 ままならないからわたしとあなた うーん、あまり、インサイト描写にもストーリーにも新しい発見がありませんでした。技術進歩でオリジナリティがなくなる、というのも、恋愛話も友情話も、最後の数ページ以外は美しい物語すぎているように感じました。それこそオリジナリティをあまり感じませんでした。。普段青春モノや恋愛モノがお好きな方は、すこし毛色のちがった物語として楽しめるかもしれませんが、ファンとしては朝井さんだからこそかける話を、もっとみたいです。 いつもの朝井節の「最後の言い合いで相手が実はこんなことを思っていたことがわかってくる」みたいなシーンでも、もうすこし意外性が欲しかったです。 | ||||
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2本の中・短編からなる、実に後味の悪い小説集だ。 それぞれのどこからエグ味が出てくるのかといえば、大方の人々が感情移入するであろうサイドの人物が、完膚なきまでに打ちのめされてしまう点にあると思う。 だが、そもそも彼らが武器とする論理は都合よくピックアップされた人情論/理想論でしかない。そこから優れた点のみで組み立てたモデルケースを使って全体を語ろうとすることが土台、歪であるわけだ。構図からすれば2本の物語とも思想のベクトルが対極にある者同士の交流であり、対立である。だがどちらの場合も相手のことを憎からず思っているからこそ、相手の属する精神/姿勢を変えようと思い、そしてその驕りにも似た行動の結果を、それぞれ身をもって味わう結末となってしまう。 ニヒルな目線で持って善悪の二元論では語れない現代の心の在り方を抉った上に見せびらかしてしまうという、サービス精神にあふれたメンタル・グロ小説である。 | ||||
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朝井さんの小説が好きで、新作が出るたび読んでいます。 でも最近の作品は、着想を小説に仕上げてるだけな感じがして、 なんかあまり刺さらないです。 今回も、読んでいて伏線ぽいとこが見え隠れし、少し冷めてしまいました。 また、ままならない最後が妊娠っていうのも、個人的にはいまいちかな。 | ||||
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ちょうど自分のプライベートがうまくいっていないからか、終始違和感のようなものを感じながら読み進めた。いつも問題提起をしてくれて正直辛い。 途中まで読み進めるうちに、著書で言いたいことをなんとなく、わかったつもりになっていました。 合理化・効率化ばっかりじゃなく、人間味をもっと大切にしていこうよ。 というよくある話。 最終的に良かったのが 「みんなが何でもできるようになったら、みんなが同じになってしまう。 ままならないから皆別々の人間でいられる」 この文章にて今回作者が伝えたいことが見えました。 単に人間のあたたかさとか、苦労してえたものとかそういうのを伝えたいのではなくて、全てできること、できるようになることが全てではないんだということを考えさせられました。 なんでもかんでも効率化、合理化と聞きホリエモンを思い浮かべました笑 | ||||
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2篇ともあっという間に読んでしまいました。 特に、最初の「レンタル世界」は思いがけない展開でした。 朝井リョウさんの作品は本作品を初めて読みましたが、他の作品も読んでみたくなりました。 | ||||
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2編とも「相手を尊重」という概念が事がすっぽり抜けたキャラだった。 「レンタル世界」の方ではきっちり「仕返し」されていた分、ざまあみろ的に胸がすく感じ。 表題作の方は、なんで「おうちでピアニスト」の時点で疎遠にしなかったのかが分からなかった。流儀の違いが決定的な場合、離れるのが無難だろうに。「お友達をコントロール」しようとするのは本人意識しなくても「悪意」だよな。という感じでした。 読後感は「今からでも遅くない。とりあえず縁を切る事に全力を尽くせ。縁を切る事はままなるよ」でした。 楽しく読みました。 | ||||
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一篇目。 結婚式に参加してくれる友人を、レンタルでまかなう、という考え方。 岩井俊二さんの「リップヴァンウィンクルの花嫁」にも描かれていたので、 もしや・・・? と思ってネットで検索したら、本当にそういう仕事があるようでした。 レンタル恋人、レンタル友人、レンタル両親、レンタル・・・。 そこに違和感を感じる私は主人公と一緒ですが、 その主人公を最後に待ち受けるエピソードには驚愕ものでした。 二編目。 タイトルにもなっている「ままならないから私とあなた」。 データと生身、無駄だと思えるものを排除していくか、 無駄なものだから大切だと思うのか・・・。 主人公が作曲家をめざす少女だからか、 地の文も、音楽的な感性の繊細な表現が散りばめられる。 男性の作家だなんて思えないほど、 地の文章が、高校生の多感な女の子が書きそうな文章で、いい。 タイトル、もうちょっとなんとかならなかったのかなぁ、 なんて思いながら読みましたが、 読み終えたら、やっぱりこのタイトルしかないか、と納得しました。 日進月歩のデジタルの進化の中で、 それでも変わらないもの、変わっちゃいけないものってなんなのかな、 そんなことを考えさせられる、いいお話でした。 | ||||
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