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アオハル・ポイント
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アオハル・ポイントの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.75pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全12件 1~12 1/1ページ
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不思議な読書体験でした。 物語の展開は時々唐突で、クライマックスの盛り上がりも少し足りない感もあった。しかしながら、著者が得意とする軽妙な語り口と質の高いコメディに引っ張られ、するすると読むことができる。 ポイントに振り回されてはいけない、という、強いメッセージ性を感じる作品でした。 青春の苦さや汚さもストレートに表現しているので賛否ありそうだけど、私はとても好きでした。 | ||||
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おっさんの繰り言なので別にどうでも良いんでしょうが、何一つこの作品には響くものを感じませんでした。 全てが平坦で、淡々として物語が進行し、予想通りの結末を迎える。 ラノベだから許されるレベルの作品なのか・・・。 まあ、読んでる私が年を取って偏屈になってしまい、柔軟性を失ってしまったのかもしれませんね。 | ||||
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よかった | ||||
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「何の裏切りもない、単なる良作」に過ぎなかったデビュー作。しかし実力の片鱗は当時から見えていました。 その後、素晴らしい2作目で作家としての羽根を広げての本作です。 青くて泥臭くてダサい人物しか登場しない、痛みを伴った青春小説なので、受け入れられない人も多数いるでしょう。しかしこういう作品も書ける幅の広さを見せつけたことが、作者の今後の作家人生にとってプラスになることは疑いありません。 キャラでは成瀬が良いですね。とにかく可愛いてダサい、愚かな女子。 一点だけ残念というか今後に期待したいのは、今まで読んできた3作とも、主人公に特徴がない(ありふれてる)こと。本書の青木くんはポイントが見える能力を持っている点や、ある過去を抱えているというキャラ付けはありますが、ただそれだけ。ありふれていて、別にこの造形である必要は全くないのです。 次回作は、その人物にしかない魅力をもった主人公が見たいdesu. | ||||
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春日のキャラが魅力的でした。 青木と春日で青春なんだなと気づいた。 | ||||
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前半の流れは大好きです。後半 、個人的に嫌な部分があり点数さげました。一般的には素敵な小説でないでしょうか。 | ||||
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学校のいじめが嫌で、 大人になったらなくなると思ってたらそうではなくて、 せめて本だけでも自由でいられるようと読書に読書を重ね やっと自分を確立できるぐらいまで保てると思ったら この本で現実に戻された。 また、いつ、敵が来て、いつ、みんなが敵になって また、いつ、心が平和にならない日がくるのだろうと 心臓が痛くなった。 そういう本。 こういう切り口苦手。 ハッピーエンド風、なのに全然違う。 耐えられない。 いじめを助長する担任がいや。 概要に書いてなかったから油断した。 「いじめ」を体感したことがある人読まないで。 辛いから。 R指定や、ホラー本とかエリアがあるように、 みたくない人が選ばないようにできる指定をして欲しい。 | ||||
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心に刺さる。青春は誰しもそうじゃなかっただろうか。 自分はこの作者が好きで、予約していまかいまかと待ちわびた。 発売してから何度も読んだ。何度読んでも、思い出すあの日あの時。 重なる部分が多いんじゃないだろうか。 | ||||
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佐野徹夜氏の3作目となる今作。デビュー作から読んでいる私としては非常に楽しみにしていたのですが、正直言ってガッカリしました。それに尽きます。 佐野徹夜氏は物語のテーマや骨組を立てるのは眼を見張るものがありますが、今作は非常にキャラクターの動かし方が下手だった。元々、この作者のキャラは魅力が足りないと思っていましたが、今作は物語を動かしたいが為に無理やりキャラクターが動かされている気がして楽しめませんでした。 また、主人公含め主要人物の不快感が凄く読むのが途中から苦痛に感じてしまいました。 まだ若い作者なので次作に期待します。 | ||||
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最高だった | ||||
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大流行のSNSで「いいね!」を集める事に必死になるのが現代人の精神病理みたいに言われる様になって久しいが、 そんな風潮に皮肉の一つも飛ばす人もこれまた他人からのウケを気にしてなるべく「ウケる皮肉」を口にしようと 言い回しやタイミングにとアレコレ工夫しているという笑うに笑えない状況がそこかしこに見られたりする。 他人から認めて貰う事で初めて「愛される自分」を確認できるし、「自分の価値」みたいなものを実感できる…… 現代人を振り回すナルシズムに注目したのは70年代のクリストファー・ラッシュあたりからだと思うが そう考えてみれば今の「いいね!が欲しい症候群」みたいなのもSNSが作られたから生じた訳ではなく、 元々満たされない自己愛を欲するのが現代人だったから、その必然としてSNSみたいなものが作られたとも言える。 そのSNSでウケる方法が「誰にでも一目で分かる良さ、分かり易さ」である事に皆悩んでいるのだが…… ちと前置きが長くなってしまったが、佐野徹夜の第三作となる本作もこのナルシズムがテーマとなっている。 主人公は他人の頭の上に二桁の「ポイント」が見えるという悩みを抱えて医者に通い、カウンセリングを受けては おクスリを出してもらっている高校生・青木直人。 ダメな奴の数字は低く、イケてる奴の数字は高く出る「ポイント」の意味に気付いている青木の目には クラスのリア充の中心である曽山は「78」に見えるし、 「54」である自分の人生はつまらん会社でつまらん資料を作って終わるのだと割り切っている。 そんな灰色の青木の学生生活で唯一胸が華やぐのは「74」であるクラスのマドンナ的存在・成瀬と 昼休みの視聴覚教室で元からハマっていた少女マンガについて話をする事。 たまたま見られてしまった少女マンガに成瀬も興味を持っていた事から運よく始まった交流だけど 自分のポイントの低さから成瀬とこれ以上の関係にはなれるまいと諦めている青木。 そんな青木は密やかに他人のポイントの詳細を「背が低い(-2)、頭が悪い(-1)」と記録していたが、 ある日教室にその他人に見られたら一大事のノートを置き忘れた事に気付き慌てて学校に戻る事に。 戻った教室で青木の目に飛び込んできたのはバカでダサくて空気の読めない事で浮いている女子・春日。 ノートの秘密を黙っている代わりに自分のポイントを教えてくれと言う春日に仕方なしに「42」と応える青木だったが 人の目を気にして生きている様に思えない春日が何で自分のポイントを気にするのかと不審に思い問い質す。 なんと春日は告白したいと思っている相手がおり、しかもその相手は曽山だと言うのだ。 あまりの格差に「無理だ」と見捨てようとした青木だったが、「それじゃ諦めろと言うの?」と言い返す春日に 口を突いて出た返事は「ポイントを上げれば良い」という自分の意志に反した物だった。 しかも何故か自分の成瀬への想いまで白状してしまった青木は春日が曽山に告れば自分も成瀬に告ると約束してしまい…… 痛々しいという他無いな、と一読して思わされた。 自意識の問題から逃れられないのは現代人の宿命みたいなものかもしれないし、 それをテーマにした作品はもはや珍しくもなんとも無いのだけど、本作で描かれているのは 「自意識ゼロで生きていけるわけ無いのに、自分らしく生きる事の素晴らしさなんか説かれても」と 思春期らしい過剰なまでの自意識を持て余し、矛盾を前に立ち尽くす少年の姿である。 紹介させて貰った冒頭部分だと主人公の青木は高校生の癖に自分の人生を達観した様な コマっしゃくれた、いけ好かないガキみたいに思われるかも知れないが、 読み終えて見れば、素の青木は人一倍感受性が強くそれ故に自分や他人がポイントを上げる事=素の自分を隠して 世間的価値に擦り寄り、リア充然と振る舞う事へのどうしようもない抵抗感を感じている少年なのである。 そもそもリア充然と振る舞う事に何の欺瞞も感じない様な少年がダサくて空気の読めない春日に手を貸したり 姉の連れてきた婚約者の社会的成功者としての裏面にある冷徹さに不安を感じたりする筈もあるまい。 本来は少女マンガが大好きでその感想を女の子と語り合う事を楽しいと感じる大人しい少年が 「ポイント」という虚妄に支配されて自分を殺し、無理やり自分をリア充側に寄せる苦しさこそが どこまでも自分に正直な春日に手を貸すという行為を自らの手で殺し続けている自分自身への救済にしている ……青木の行動に透けて見えるのはそんな所だろうか? 「他人に分かり易い価値」に振り回されているのは青木に限られない。 話の中盤で「そもそも少女マンガなんて大して読んでなかった」という意外な事実が明かされる成瀬もまた 「卑屈すぎる」と青木を評しながらも「付き合うのに大変そうじゃないから」という事で選び、 「若さ」や「美しさ」といった他の誰かを納得させる理由なんか無くなっても自分を一生愛し続けてくれる特別な人を求め続けている。 要するに本作に登場する少年少女はこの「インスタ映え」する様な他人にも分かり易い価値に擦り寄る事への苦しみに のたうち回り「素でありたい、素のままで愛して欲しい」と悶えているのだが、 これだけであれば「自分らしく生きる事」に無邪気なバンザイをしてみせる些か楽観主義の過ぎる話で終わるだろう。 素でありたいと心の底で願いながらも青木は姉の元カレであり26歳のプータローであるコウちゃんの様な 徹頭徹尾「GOING MY WAY」な生き方は出来ないと思っているし、青木の姉の口から出てくる 「大人になれば綺麗ごとだけでは生きていけない、ただ子供が出来たら綺麗ごとばかり聞かせて育てる」という 台詞にも世間的価値と素の自分の間で振り回される事に疲れながら逃げられない現代人の本音は滲み出ている。 徳の高いお坊様であればともかく、世俗に生きる人間ならではの苦しみと言うべきかもしれないが。 思うにこれはガガガ文庫で刊行されている「弱キャラ友崎くん」の対となる作品ではないだろうか? ガガガ文庫の看板作品「俺ガイル」のリア充キャラ・葉山の人物造形あたりから「過剰な分離性を持つ自我」を テーマとして扱うラノベ作品が出てきたが、その流れの一つとして 自己愛性パーソナリティ―の権化みたいな少女・日南をヒロインに据えた「友崎くん」みたいな作品が出てきたのではないかという認識を持っている。 ラッシュはナルシストの在り方を 「ナルシストは、人生の意味と空虚さの克服とをうたっているセラピーに通ったりもするのだが、 そのくせ、職業上のキャリアではかなりの成功をおさめていることが多い。 ナルシストには、人に与える印象を自由にあやつれる才能がそなわっている。 ――つまり、こんな複雑な芸当をマスターしているため、政治やビジネスの世界でうまくたちまわることができるのだ。 なにしろ、現代の政治やビジネスの世界では、実績などより、「人目につくこと」「いきおい」、あるいは勝利の記録などのほうが大切だからである。」と語っているが、 ナルシストの自我と存在の分離に苦しみ、傷付きやすい自分を他人から供給される「自己愛」で癒す側面に注目すれば本作の様なテーマが生じるし、 時に超人的な努力家となるナルシストの別側面に注目すれば「友崎くん」みたいな作品になるのだろう。 結局のところ主人公である青木はすったもんだの挙句に「足の速い男の子がモテる」子供世界に 今しばらくは留まれる事に救いを得るのであるのだけど、自意識に目覚めたティーンエイジャーが 自我を引き裂かれるほどのナルシズムに侵されねばならない「分かり易い価値」に支配された現代の病理を描いた作品、 世俗に生きねばならんとはいえ、世間的な価値に競争する様に染まる事を求められる時代を生きる少年たちを描いた 苦みの利いた作品として本作は作者の持ち味が出た作品になっている。 死と向き合ったデビューからの二作品とはまたテーマの方向性を変えてきたが、テーマの掘り下げその物は徹底している。 世間から「いいね!」と言われようとする生き方に疲れを感じている人こそ読むべき一冊であろう。 追記 読み始めて暫くは「えらく作風変わったな」と思わされた。 デビューしてからの二作目まではまさに「我が道を行く」といった感じの佐野徹夜だったけど、 今回はなんというかえらくライトノベル調というか「柔らかめ」な感じ。 特に前半の春日が「ポイント」を上げようとジタバタ悪戦苦闘するコメディー感はこれまでに無かったかと。 (ただし「無理無理無理無理エスカルゴ(かたつむり)だよ……」あたりで披露した作者のギャグセンスには かなり難しい顔になった……元ネタになった伊集院808の「童貞マニア」は2001年の代物だぜ?) | ||||
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世界観と文体、物語の進め方は特徴的なので好みは別れるかもしれない。 そして、テーマは重くて、読んでいて、しんどい気持ちにもなっていく。 それでも読んだ方がいいと思える、深みと痛みの感じる作品だと思った。 人の価値をポイント化した形で、その数字に振りまわされる主人公が、まるで他人事にはないと思えるほど自分にも当てる事に気づく。世間には偏差値という相対評価があるように、この社会の仕組みがそうさせているのもあるが、今までの自分の人生も常にポイントと周りの目ばかりを気にしてばかりだったなと気づいて、心の傷を広げるような辛い感覚にもなった。 重くのしかかってくる、スクールカーストというヒエラルキーは誰でも経験した事があると思う。 自分はあの人にふさわしいのだろうか? この人と一緒にいていいのだろうか? 自分は消えた方がいいのでは? そういう疑問と悩みは多くの人が持っているのではないだろうか。誰でも一度は経験してきたのではないだろうか。 そういった悩みは学生の時だけではなく、大人になってからも一生、つきまとうものだと思う。 それだけに、スルーすることのできないテーマだと私は思った。 ああ、自分もそうだよな~って振り返る事になったし読んでいて生き苦しさを覚える。 思い出したくない学生時代の敗北感と、認めたくない自分の価値を嫌でも意識してしまうから… それでも生きていく限りは避けられない…この問題に触れてほしいと強く思います。 人間の暗い心理を引きずり出していく、天才、佐野徹夜の描く世界を多くの人に見て感じてほしい。 この本は人間関係に悩んでいる、すべての人に読んでもらいたい作品です。傑作だと思います。 | ||||
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