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怪物の木こり
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怪物の木こりの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.08pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全90件 61~80 4/5ページ
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サイコパスというよく聞く言葉ですが、それを人造する、という発想がすごい。また、医学的に、こうすれば、あり得ないオカルト話ではないなと、妙にリアルで、それがまた腹正しい。作家の勉強、力量ともにさすがと思うけど、こういうテーマにまず、マイナス☆一つとします。これは全くの私情。完成度は高い、「まさかぁ」「そんな馬鹿な」という気は全くしない。ゆえに恐ろしさが先に立つ。 | ||||
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帯買いで失敗しました。主人公や怪物以上に、脳外科医でありながら人体実験で他人の脳をかき回す主人公の友達が最強のサイコパス(笑) 弁護士だから弁が立つとか、お嬢様だからわがままでツンデレとか、登場人物がとにかく安易に設定されており、誰にも感情移入出来ない。 もう一人の主人公らしき女刑事は何の洞察力もなく、彼女視点の章はただダラダラと警察の無能ぶりが描かれているだけ。何の手がかりも得られないって描写ばかりであまりに退屈。 しかも、唐突に自分が尊敬する先輩を疑ってかかる展開が、ホントにこの人刑事ですか?ってなります。 全ての発端になった連続児童誘拐殺人事件もあまりにリアリティがなさすぎ。 途中で犯人を推理する気もなくなります。 医学もサイコパスの解釈も浅すぎで、結局全ての不都合が脳チップのせい、でくくられてしまう。 文章はひたすら同じような会話と表現で薄っぺら。 これで大幅な加筆修正がなされたというなら大賞受賞したこと自体が一番のミステリーですね。 | ||||
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このミス大賞ははずれが少ないので期待したが、同人誌レベルの作品だった。 文章が稚拙すぎて読みすすめるのがつらい。途中でやめたかったがもしかしたらおもしろくなるかもと、流し読み。 着想自体は悪くない。叙述トリックはよくある感じ。 | ||||
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楽しかったです。あっという間に読み終わり、続きが見たいと思った! ただ、今の子供達が将来こう言うサイコパスになる可能性は有ると思うと怖いな! | ||||
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ミステリーがすごい.大賞受賞作品なので、わくわくして読みましたが、私にはつまんなかったです。スリル盛り上がりも,込み入ったトリックもなく文章が退屈なんです。全く面白味感じませんでした。お金の無駄です。 | ||||
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帯で購入しました。 このミス大賞で、狂気の男が主人公、とありました。 大分期待してしまいましたが、薄っぺらい人物像で、思慮に浅く、過去映画や小説でこれまでに出会ったサイコパスのキャラクターよりも格下であるという感想を抱きました。(○○博士とか) その時点でまずがっかり。 サイコパスは共感を抱く能力は欠如してるけど、そんなにパカパカ大した理由もなく人を殺すほどバカなのかと疑問に思ってしまいました。 また、スリルを感じる間もなく画面が他の人物の視点に切り替わってしまうので慌ただしいです。 刑事、犯人、とその恋人、友達 誰にも共感出来ず、また、共感は出来ないけど好きだという事もありませんでした。 新人ということ、犯人が主人公、童話になぞらえてあるという設定は好きなので、星は2つを付けました。 でもこの話の続きは興味無いです。 大賞の割にアレだなと思ったので書評を拝見しに伺いましたが、やっぱりな結果でした。 現実ではない事を書くにしても、もうちょっと学校や会社に行ってリアリティのある設定を混ぜていくとか、もしくは読む人が全く想像が付かない世界を作り込んで書くか、何かしらお話を書くに当たって人物や設定に深みが出るような経験や勉強が必要かな・・・と思いました。 荒削りとか技術が無いというよりも、何かツッコミどころが多く夢中では読み進めませんでした。 ごめんなさい。 | ||||
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読み終えてから、いくつかのレビューをみた。 批判するのはいいが、個人的な嫌悪感をだしたり、判決をくだすのは、建設的な行動ではなく、私は怒りを覚えた。そこに正義などない。 粗削りではあるが、魂を削って書き上げた作品なのはわかる。大賞は伊達ではない、と私は思う。 題材はシリアルキラーで暗いかもしれないが、ヒトとは何か、幸せとは何か。 可能性を感じる。 まして、倉井さんは10年雌伏していたと、後書きに書いてある。傷ついたことも沢山あるだろう。11年目に地上にでたセミのようなもので、まだ翅は薄く弱い。しかし、それは羽ばたく可能性を持った若者だ。 このレビューワーは、読者は裁く権利があると勘違いしている。若い翅を折ることに意味などない。 倉井さん、貴方を育てる気のない単なる誹謗には 負けてはいけない。 大賞を自信にして下さい。私は4000冊以上読んできましたが、煌めきを感じました。 そして、いつかヒトをえぐる傑作をものして下さい。期待しています。 | ||||
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小説には2種類ある。1つは娯楽小説で、その時の流行を反映させて大量生産され、商業性が非常に高い。しかし、大衆の退屈凌ぎにしか過ぎず、時代と共に廃れていく。2つ目は、芸術性の高い小説で、その時代に評価されなくとも、時代を経るごとに評価は高まり、不朽の名作となる。そして、それは人生に苦しみ悩み抜く者への心の糧となる。あるいは、大衆を啓蒙したりする。 後者に関して、昨今の出版界の状況から、日の目を見ることなく世に埋もれていく作品や作家が数多くいることは想像に難くない。この不幸を無くしていくことこそ書評家の役目である。したがって、現代社会において多忙な日常生活を送る大衆にとって、書評家の役割は重要性を増している。 「このミステリーがすごい!」大賞は書評家が選考をするということを宣伝文句にしている。誰よりも多くの本を読み、鋭い批評を行うことを生業とする書評家が選んだ本ということで、期待して本を手に取った。応募総数は400作を超え、どれもが長編小説揃いである。本書はその中で選び抜かれた大賞作品である。しかしながら、その期待は14ページ目から一気に失望へと変わる。なるほど、最初の10ページ程はリーダビリティがあり、読者を引き込ませるものがある。だが、10ページだけなら、小説にはならず、誰でも時間をかければ書ける。 結論を先に言うと本作は全くの駄作である。なぜなら、快楽殺人を繰り返してきた殺人鬼を主人公にして、その視点で物語を進めているからである。殺人という非人間的な行為は、それを描く時にはたとえ表に出さなくとも、厳然とした批判がないといけない。現実世界では、殺人者の手記は昔からよく売れる。大衆の醜い好奇心を刺激するからだ。一方で、被害者の感情はないがしろにされ、この点も昔から批判されてきている。 したがって、主人公に全く共感できず、感情移入ができない。主人公が人間の心を取り戻すというのならば、これまでの戦慄すべき悪行に主人公はまず葛藤すべきである。しかしながら、主人公の良心の葛藤は全く描かれておらず、最後まで主人公は自己中心的なサイコパスのままである。こんな人間のくずに誰が共感を寄せることができるであろうか。したがって、読後感は最悪のままである。 真っ当な書評家ならば、商業主義の観点から殺人を面白おかしく書いていることを賞賛すべきではない。本書は他にも欠点が無数にある。書評家は仕事をおろそかにして書いていないようだから、代わりに私が以下詳細を記す。以下ネタバレがあるので、未読の方は気を付けていただきたい。 ①本書のタイトルにもなった「木こり」の物語があまりにも幼稚過ぎて、この段階で読書熱を一気に失う。グリム童話もかぐや姫も、オズの魔法使いもその背景には奥深さがある。童話のような物語を書くには、深い教養がなければならない。残念ながらそのような奥深さは全くない。 ②主人公の被害者があまりにも簡単に殺され過ぎており、リアリティが欠如している。それに、これだけの監視社会で、人目を避けて単独犯で一年間に(毎年?)12人も殺すことは不可能だ。現代の警察の捜査能力はかなり進歩しており、それらをどうやって逃れてきたのかも全く描けていない。その上、大した偽装やトリックも全く描かれていない。主人公(もしくは杉谷)に殺された被害者遺族やマスコミが全く騒がないのは不思議だ。殺人という行為の重みを全く考慮していない証左であろう。 ③この著者は脳チップの背景にある人間牧場についての知識が全く欠如している。世界的な巨大な陰謀でも描くのかと思って期待して最後まで読むと読者はがっかりするであろう。したがって、脳チップの話が取ってつけたような矛盾含みの話となる。 例えば、主人公が自分に脳チップが埋められていると知ったら、その目的を考え、調べれば、すぐさま大金をかけてでも(弁護士だから金はある)除去手術をするはずなのに、犯人捜しのために後回しにする点、東間翠が自分の子供の素行を良くするために他人の子供を実験台にして殺した点(高学歴な医学者が脳チップによって行動を改善させるというのは安直すぎる思考)、東間の支援者・金木が娘を殺されたサイコパスを憎んでサイコパスでもない子供に実験を行うことを支援した点(この場合、サイコパスの発見や病理現象の解明に金を使うのだ)は大きな欠点である。 これらの点は、校正されても改善されていないということは、大賞を受賞しての大手出版社からの出版は不合格ということである。 ④主人公は児童養護施設で育ったという暗い過去があるにもかかわらず、その陰が全く見られない。その上、その境遇から弁護士になるのは並み大抵ではないにもかかわらず、この経緯が語られていない。したがって、人物の背景が浅く、また感情移入もできず、弁護士の殺人者という設定ありきのプロットであったと批判できよう。 他にも無数の欠点を指摘できるが、巻末の大森望・書評家が「問題点は受賞作出版までに修正されることを信じて」と記しており、出版界の内幕を暴露している(この言葉の意味は分かる人には分かる)。出版の段階で、これだけ多くの問題点がある作品が、なぜ大賞受賞になったのか甚だ疑問に思う。本書は作者よりも、この作品を選んだ書評家が批判される対象となろう。 このミスの特徴の一つに、一次選考合格者の冒頭部分の公表がある。本書を読んだ後、参考までに目を通したが、もっと新味があるか、流行に乗っていなくとも本格派の投稿作品を選出しても良かったのではないかと思える。書評家の方々には、私が最初に述べたように、埋もれた逸材を発掘し、多くの人々の心を潤すという本来の役目に忠実であってほしい。 | ||||
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読み始めて3分の1くらいで、エピソードとの関連でなんとなくわかってしまう。そのため少し中だるみ感がでるが、サイコパスを使った題材としては斬新で、最後に殺した相手との過去の繋がりがほろっときた。 | ||||
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冒頭一番、サイコ・パス(シリアル・キラー)が多過ぎると思った。 (1) 主人公のサイコ・パス二宮(弁護士) (2) 26年前に起こった、大量少年・少女誘拐脳壊殺人事件(生存者あり) (3) 二宮の命を狙う謎の「怪物の木こり」 (4) 現在起こっている、大量脳壊殺人事件 (5) 二宮の唯一の友人の杉谷(医者)もサイコ・パス (4)の被害者は多分(2)の生存者だろうが、動機が不明。「怪物の木こり」の正体・動機も不明(二宮の被害者が多過ぎて特定出来ない)。これに二宮の脳に衝動を抑制する"脳チップ"が埋め込まれている(「怪物の木こり」に襲われて頭蓋骨骨折になって判明したが、尚かつサイコ・パスとは(!))とあっては、流石に装飾過多だろう。二宮と「怪物の木こり」は(2)と関係があるのだろうか ? 即ち、作者が何を本線と考えているのか分らないのである。衝撃による"脳チップ"の故障で二宮の感情が甦るという設定もどう活かす積りか。 しかし、二宮の年齢・境遇の説明があった時点で、二宮が(2)の生存者だった可能性が高まる。二宮の頭にフラッシュバックする40歳くらいの女とは(2)の犯人だろうし、違法に"脳チップ"を埋め込んだ(人体実験した)のも(2)の犯人だろう。物語の進行に伴い、謎が自然と解けて行くので、展開にもっと創意工夫が欲しい所。結局、"脳チップ"が全ての諸元じゃ面白味がない。(4)の動機も不自然。サイコ・サスペンスの道具立てを過剰にしながら、結局は人情話に落とす点も未熟と言える。まだ、デビュー仕立ての様なので、今後の作品に期待したい。 | ||||
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人が残酷に次々と殺される本は苦手で普段あまり読まないのですが、 不思議にこの作品はそのことに冷静に対処出来て、 しかも最後まで一気に読んでしまいました。 読んで良かった。 70才の女性です。 最初の書評がひど過ぎる、私は若い これからの彼を応援します。 | ||||
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完全なる読者応募型である「このミステリーがすごい!」大賞(宝島社)はリスクは伴うが、海堂尊のような大型作家も誕生させる。新人作家としては高額な賞金を目当てで応募される若い意欲も集められ、最初は原石でも将来性を見込んで選者たちが作品の何を見るか、作家のどこを見るかという辺りにも興味を惹かれる。何よりも大賞を獲る作品とは今、どんなものなのだろうか? 毎年でなくとも、数年に一度レベルで、国産ミステリの現在の風を伺うために読んでみた。 アイディアや小道具には凄いひらめきが散らばっている。脳内チップ。洋館に閉じ込められた子供たち。野に放たれたサイコパスの群れ。トリッキー極まりない時制のずらし。さらに表題の『怪物の木こり』という童話が物語中に「幕間」という形で挿入されるが、これもユーモラスなようであり怖いようでもあり、作者のアイディアの広がりを伺わせる良い一幕だ。 本作のアイディアの根幹となる脳内チップが少々SF的で、サイコパスとの関連が少々強引であるが、これを認めてあげないと作品全否定となるのでここは目を瞑って、全体の仕掛けの凝りように眼を向ける。不思議な連続殺人の殺し手である怪物は、斧で頭部を破壊し、脳の一部を持ち去る。怪物に襲撃され、難を逃れた主人公・二宮は実はサイコパスの連続殺人鬼である。しかし彼の殺人を問う小説ではなく、彼は被害者でありながら、真相を追う探偵役でもある。彼の親友もサイコパス。やり過ぎでは? 悪乗りと思えるくらいの意匠。思わず駄目出をしたくなるが、大賞作品なので眼を瞑る。 荒っぽいストーリーテリングにも眼を瞑ろう。文章の気品などはこれから身に着けてくれればよい。とにかくスリリングで面白く楽しい、遊園地のような娯楽作品であることには間違いない。奇抜なアイディア、そして人間の生きる小説としての最後のポイントは抑えてくれている。サイコパスの涙。生き方の選択。数多いトリックとトラップの果てに、しっかりと主人公、他の犯罪者をも救い上げようとしているに好感を感じる。 アイディアの宝庫の作者と感じる。もしかしてローレンス・ブロックばりの短編作品で勝負するというのも手かもしれない。あるいは欧米ミステリによくあるように、彼の原作力と、文章で魅せる人との共作、というのも選択肢となるかもしれない。このアイディアを、流麗な旋律に乗せて語らせたいと感じたゆえに。 | ||||
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もう「このミステリーがすごい」は信じない!! 星つけないと投稿出来ないので。 | ||||
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突然、怪物の仮面をかぶった人物に襲われたサイコパス弁護士。自ら殺すため警察へも情報提供せず独自のルートから怪物に迫っていく。一方、都内では頭蓋骨を破壊し脳を持ち去っていく無差別殺人が発生し、警察が捜査にのりだす。 サイコパス弁護士の視点と警察の視点が交互に入れ替わりながらテンポよく展開されていきすらすら読めた。 物語の中盤から26年前に発生した静岡児童連続誘拐事件との関連が明らかになって展開が加速していくのだが、最後まで怪物の正体がわからない展開になっているので楽しめた。 ただ、サイコパス弁護士の終盤の推理が冴えすぎていたり、狙われているにも関わらず危機感がなかったりするのがもったいなかった。また、警察官のキャラクターがあまりにも平凡すぎてインパクトがなかったのも残念。 | ||||
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このミス大賞の大賞作品。 書評で良い評価が多かったのでとても楽しみにしていたが、ある意味驚いた。 多くが会話文で構成されていて、地の文がない。 情景や心情を想像させるのではなく、登場人物が自ら話してしまう。 特に後半、怒涛の「」の応酬には萎えてしまった。 「ははっ。ごめん、ごめん。〜だよ」 「なんだ、〜なのかと思ったぜ」 こんな薄っぺらい会話が最後まで続く。 ティーン向けのライトノベルとしてであればテンポ良く読めて楽しいと思うが、普段からミステリーを嗜む読書家が満足出来るものではない。 これが大賞だなんて…。 この賞を獲った他の作品さえ読む気が無くなる。 読了するのが辛かった。 | ||||
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ミステリ一大賞作品 まだ 文章の表現があらいと思うとこうもあったが 久し振りに一気に読み終えました 冒頭の表現は圧巻❗ | ||||
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第17回このミス大賞受賞作。近未来が舞台のSFとホラーの要素があるミステリー。 (あらすじ:ネタバレはなし) 視点人物となる主人公は二人いて、一人は、サイコパスであり殺人を何とも思わない二宮彰。もう一 人は、警視庁の女刑事城戸嵐子。この二人を中心にして、二つの時系列で交互に物語が進行する。その 際、切り替わる毎に、二宮彰◯◯日目、城戸嵐子◯◯日目と示される。 二宮彰は有能な法律家という表の顔とは裏腹に、何人もの人を殺してきた。冒頭でいきなり殺人シー ンがある。その二宮は、怪物のマスクをかぶった男性から斧で襲われ負傷するが、間一髪逃れる。その 男を自分で殺そうと誓った二宮は、警察よりも先に見つけて殺すため、単なる強盗だとウソをつく。 一方、連続殺人事件が起き、城戸らが捜査を担当する。被害者は皆、後頭部が破壊されて脳が持ち去 られる。そこから犯人は「脳泥棒」と呼ばれる。捜査を進める内に、被害者は皆、養護施設の出身で、 しかも捨て子として引き取られたという過去があることが分かる。被害者は五人にも上る。 暴漢に襲われた二宮を診察すると、頭蓋骨の一部が骨折していたが、CT検査により、脳チップが入 れられていることが判明する。実は二宮を含めて被害者らは、プロローグで語られる事件によって誘拐 されて脳チップを植え付けられた幼児達だった。そしてまた、二宮もその一人だった……。 (感想:多少ネタバレ気味の部分あり) ・サイコパスを取り上げた発想は斬新で、今後の「伸びしろ」を期待させる。 ・殺人被害者の脳が持ち去られるという設定はインパクトがあり、次を読みたくさせる力がある。 ・長編としてはやや短い作品に仕上げられていて一気に読める。 ・二つの時系列は一見同時進行のようにみえて実はズレがある。これが良い意味でのミスリードになっ ているが、本格推理として見た場合、◯◯日目という表示はフェアな情報提示といえる。 ・読点の位置が不自然だったり、「のであった」等のくどい表現もあり、文章はやや稚拙な部類。 ・本格推理として見た場合、推定でしかないサイコパスの特性を根拠としている部分が多く、ロジック 的に納得しにくい。 ・脳泥棒の殺人動機が不自然。彼らを殺すことも、後頭部を割ってチップを持ち去ることも動機が弱い。 衝撃的な死体を示してインパクトを出すための手段に過ぎないように思える。 ・サイコパスだから人を殺せるはずなのに、脳泥棒は、普通の人間に戻ってから更に平気で連続殺人を するのは不自然。 ・二宮と彼女の映美は「共に怪物のマスクに襲われた」となっているが、二宮は自分を襲った相手のこ とを警察にも秘匿していたはずなのに、最後の部分で何事もなかったかのように語るのはおかしい。 (まとめ) インパクトも大きく読みやすい作品ではあるが、瑕疵も多い。したがって☆の数は3とした。 | ||||
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読んでいて展開がワクワクします | ||||
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私はミステリを読む目は肥えているほうだと思うが、この作品は面白いとおもう(だから有名な賞も獲ったのだろうが)。 ピカレスの傑作といえば小説の「ボップ1280」「Mr.クイン」や映画の「ありふれた事件」が思い当たる(ふ、古い…)。罪悪感もなく軽々と主人公が殺人を犯していくテイストはよく描けていてそれらの作品を彷彿させるものがある。 さらにこの作品はノーマルの倫理観を持つ主人公の視点と随時切り替えながら記載している。そのおがけで、前述の2作品などでは、残虐な感性に途中で拒否反応を覚えてしまった私も無理なく最後まで付いていけた。 途中で時系列がわからづらすぎたり、別の視点の情報を、もう一方の視点の人物がなぜが持っていたりするおかしなところもあるが、新人ゆえの拙さとして大目にみたいと思う。 ただ、後半の悪のほうの主人公が実はいいやつみたいな流れは、これまで取返しのつかないくらい悪いことをしてきているので、中途半端な印象を与えてしまっている。これも新人の賞を獲って世に出たいがための守りに入ってしまった部分として、本作品は大目に見てほしい。 | ||||
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先ず主人公がサイコパスで異様、おまけに怪物マスクも犯行もグロテスク。速いテンポで進むホラーミステ リィ。ページを繰るのももどかしい位にスリルに満ちた作品です。 事件発生後まず犯人と犯行動機を推理し、自分の考えを補強し或いは修正しながら読む楽しみがあります。 もう少し物語を膨らましてじっくり味わいたいと願うファンもいるかも知れないが、ストレートに展開する 迅速さに迫力を覚えるファンも多いと思います。 | ||||
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