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ロスト・シティZ 探検史上、最大の謎を追え
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ロスト・シティZ 探検史上、最大の謎を追えの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.71pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全7件 1~7 1/1ページ
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有名な探検家といえば一般には誰を思い浮かべるだろうか。 歴史上ならコロンブスやマゼラン、日本では植村直己、現代なら角幡唯介。 さて、探検家 パーシー・フォーセット。 日本語版wikiのページもない。 しかし、このひとほど有名な探検家は誰もいない。 どういうことか。 サファリハットに鉈を片手にジャングルを切り開く男の物語。 人々が漠然と思い描く「探検家」のイメージ、 それは彼、パーシー・フォーセットから来ているのだ。 フォーセットはアマゾンに魅せられた。 そしてアマゾンにはかつて高度な文明があったと信じ、 それを探すため遂にジャングルに行ったまま帰ってこなかった。 「秘境を求め ジャングルに消えた 探検隊」 この響きに、世界中がロマンを掻き立てられ 彼を基にした創作が溢れ、100人以上が実際に死んだ。 フォーセットは自分の名声を否定するような人ではなかったが、 真に求めたのは学術的証明であり、黄金都市といわれる富を欲したわけではない。 しかしフォーセットの偉業は、むしろフィクションに影響を遺したことだと思う。 彼自身は知らずとも、あらゆる空想の冒険がフォーセットの最期から始まったのだ。 もし彼がそれを知ったら、後世に残した影響についてどう思っただろうか。 的外れと憤慨するか、大したものだと喜ぶか、どちらもあり得る気がする。 結論からいえばフォーセットの考えは正しかった。 しかし発見をしても、説明できなければ証拠もただのモノだ。 彼の時代には、彼の直観を裏付けるだけの科学観がまだ無かったのだ。 如何なる才能も時代という枠組みは超えられない。 本書は現代からすると歪を通り越して邪悪とすら言いたくなる、 フォーセットの時代の白人的考古学観も分析しているのが面白い。 アウトドア作家でなくジャーナリストだからこそ出た目線だ。 フォーセット自身の数奇な人生とそれを取り巻く激動の時代、 そして彼の最期の真相以外は解明された現代という三層構造で、 失われた都市Zに著者は挑んでいく。 因みにブラッド・ピットのプランBによって本作は映画化されており、 なんと配給はAmazonでアマゾンで撮影され、現在ならPrime Videoで観られる。 本書を読んだ人、或いは読もうかと思ってるひとにもお勧めである。 | ||||
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探検家の角幡唯介さんが『地図のない場所で眠りたい』(講談社:高野秀行×角幡唯介)のなかで紹介されていたので、気になって読んでみました。 とても引き込まれる内容で、ズンズン読みすすめてしまいました。 ちなみに最後のオチというか余韻も心地よく、"探検"に興味のある人やインディー・ジョーンズなどが好きだった人たちは打って付けの一冊かと思います。 近々ベネディクト・カンバーバッチがこの本の映画版を主演するらしいので、そちらも楽しみです。 | ||||
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オカルトの老舗『ムー』に出てきそうなキワモノ的タイトルではあるが C・ドイルの『失われた世界』をこよなく愛する者としては思わずジャケ買い。 アマゾン奥深く眠る謎の古代文明を追い求め密林に消えた伝説の探検家と、 現代の世にテクノロジーの恩恵を受けながらその足跡を追う筆者の姿が交互に描かれる。 幻の古代都市は謎のままというお決まりの結末の筈がアッと驚くどんでん返しが待っている。 但、筆者がこの事実を知らずに旅立ったのかは定かではない。ロマンはあっても虫地獄の魔境には行きたくない。 それにしてもアマゾンの変貌には唖然呆然。 | ||||
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著者デイヴィッド・グランはアメリカ人ジャーナリスト。1920年代に南米アマゾンの奥地にエル・ドラードに相当する古代都市遺跡を探しに出かけたまま消息を絶ったイギリス人探検家フォーセットの足跡を追いながら、著者自らもアマゾンへと赴いて著わしたルポルタージュです。 大貫良夫著『』(講談社現代新書)を読んだとき、多くの南米探検家たちが、数週間などという生易しいスパンではなく、数年単位で奥地へと旅立っていったことを知り、その気の遠くなるような探検行に眩暈を感じたものです。 この『ロスト・シティZ』のフォスターも、まさに苛酷な環境へと、何を好き好んで幾度も長期間分け入っていこうとするのか、まさに尋常ではないその行動を目の当たりにして読む側の神経も尋常さを脅かされていくように思います。 さらにまた21世紀に生きる著者グランも、フォスターに比べれば確かに充実した装備を携えているとはいえ、妻と子どもを残してまた異境へと向かうのです。その神経や、なかなか信じがたいものがあります。何が彼らを駆り立てるのか、実のところそれはこの本を読んでも十全に理解できたとは思えません。それは理屈で読み解けるものではないのかもしれません。 そして夫の命を賭した決死行を許し、必ず夫はいつか無事で帰ってくると信じ続ける妻。 フォスター夫人がやがて神秘主義に走って霊媒師たちに夫の無事を確認してもらうようになるのですが、その姿は哀れをさそわないではいません。 南米探検は実はまだ緒についたばかりといえる点もあるようです。 フォスターの見果てぬ夢に、到達する探検家が現れる日が来るのかもしれない。そんな希望を抱かせないでもない結末が待ち受ける書です。 *ランドーに批判されたルーズヴェルトが「返す刀で」ランドーを批判したというくだりが160頁にありますが、「返す刀」の使い方が間違っています。「返す刀」は一人の人がひとつのことを批判した直後にすぐさまもうひとつ別の事柄を批判するという意味です。訳者はランドーに批判されたルーズヴェルトが「逆批判した」という意味で使っていますが、誤りです。 *「言及があるのをを見逃さなかった」(288頁)とありますが、助詞「を」が誤って二度使われています。 | ||||
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当然、トロッコでの逃走劇もないし、滝から落ちたりもしない。しかし、探検家のカリスマ性、資金力のあるライバル、原住民とのコンタクト、探し求めているモノの魅力とその結末等、その冒険の魅力はまさにインディー・ジョーンズ。 100年前の話にリアリティをもたせているのは、主人公のハリソン・フォーセット(名前も似ている)の魅力もさることながら、著者自らが、アマゾンまで出向いて答えを求めようとしているところにある。 ワクワクしない訳がない。 | ||||
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わくわくする本である。 1925年に、アマゾンの奥地でZと呼ばれる古代都市をたずねて姿を消した探検家フォーセットを辿る記録である。 どうやらこのフォーセットという人物は、多くの人をとりこにするらしい。 あの、コナンドイルの「失われた世界」も彼がモデルだという。 そして著者もその一人になる。 著者がフォーセットの足跡を辿るシーンと、フォ−セットの最後の探検の記録がまるで映画のように交錯し、一体フォーセットの手掛かりはどうなったのか、ロストシティZは、存在したのか。と一気に読み進んでしまう。 そして、よくできた結末が待っている。 秘境を求める人間の性質はすばらしい。 だからこそ、人類が発展してきたのだと理解できる。 | ||||
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書店で購入しましたが、面白かったので、こちらにレビューを書きます。 これは(著者を、刊行者を信じるとすれば)「ノンフィクション」だが、単に経緯を綴った記録ではなく「物語」である。 著者デヴィッド・グランは自らの体験と、 アマゾンの森に消えた冒険家パーシー・ハリソン・フォーセットの物語を交互に語っていく。 英雄視されているフォーセットの業績と、 こんなヤツに任せて大丈夫なのか、と思うほどダメっぷりを見せる著者の対比、 前半はそんな風に綴られている。 日本のそれとは比較にならない蚊、蛭、蛆の脅威、 とどまることを知らない痒み、狂気を引き起こす熱、空腹、絶望 したたり落ちる膿、剥がれる皮膚、 ジャングル生活の描写は食欲がなくなること請け合いで、 それを乗り越えたフォーセット、というだけでもかなり面白いのだが、 書籍の真ん中、写真ページが差し込まれる少し前辺りから、ゆっくりとだが、 話の様子が始める。 英雄の人物像を掘り下げれば、非情な人間であり、 後年は架空都市「Z」にとりつかれ、金はなく老いている。 にも関わらず無謀にも再び、Zの発見に挑戦し、 そして息子、息子の友人と共に姿を消す。 フォーセットの輝きが失われる一方で 足跡を追って、着実にコマを進める著者のほうが頼もしく見えてくるのだ。 その後フォーセットを追ったフォロワーの失敗談や、 残された家族、カルトめいたフォーセット信者の話は冗長に思える。 ここだけが残念なところだが、 著者グランの旅との比較のために必要ではあったのだろう。 最後の1/3ほどになると、果たしてグランはフォーセット最後の足跡をたどれるのか、 Zの存在を確かめることができるのか、結末が気になってしかたなく、 読むスピードがどんどん速くなっていく。 1つのゴール地点に辿り着き、ああ、これで終わるのか、と思ったところに また驚くような展開が起こり、そして安らかな終末が訪れる。 読み終わった読了感と共に眠りにつける安堵感も共に。 | ||||
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