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(短編集)
アーモンド入りチョコレートのワルツ
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【この小説が収録されている参考書籍】
アーモンド入りチョコレートのワルツの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.40pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全47件 21~40 2/3ページ
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『アーモンド入りチョコレートのワルツ』です。あまり厚くない本ですが、三本収録の短編集です。 いずれの作品も中学生が主人公で、サブタイトルが付いている通り、クラシックピアノ曲を題材としている、という共通点がありますが、連作ではなく、個々独立した短編三作です。 また、題材とした曲を知らない方でも小説自体は充分に楽しめます。私も知らなかったクチです。 路傍の石文学賞をとっていますし、主人公が中学生ですから、メイン読者ターゲットは中学生前提といっていいでしょう。中学生が読んで楽しめるような平易な文章で書かれていて読みやすいです。小学校中学年くらいからでも読めそうです。だからといって文章の品格を犠牲にしているとか深みを損なっているとかいうことは一切ありません。大人が読んでも読み応えがある文章であり内容です。本は薄いけど中身はボリューム満点です。 中学生というのは、あるいは不登校のケースを考えて中学生の年代というのは、誰もが経験してきています。あるいはこれから経験するか、現在進行形か。 でも大人になっちゃうと、案外その頃の気持ちが色あせちゃって忘れ去っていたりします。あの頃、「あんな大人にだけはなりたくない」というピュアな憤りを抱いていたのに、気づいてみたらその「あんな大人」になっちゃっている自分がいたり。 でもこの作品は教えてくれます。中学時代というのは、過去の思い出として通りすぎて消えたものではありません。誰もが、今でも持っているもの。 人生というのは、一つ一つの齢を「重ねて」いくものです。「使い捨てする」ものではありません。重ねているから、仮に今28歳だとすると、28の年の重なりの真ん中あたりに、ちゃんと13、14、15歳というのがあります。28歳の自分は、重ねた年齢のタワーの上に乗っかっている状態。だから真ん中の13〜15が抜けてしまうと、だるま落としじゃないですし、成り立ちません。 どの作品にも、優しさが溢れ、でも決して甘いだけではなく、中学生くらいなら充分に分かるような世間の厳しさのようなものもきちんと内包していて、でも甘い時は永遠に続くものではなく、いつか必ず中学校を卒業する日が来るように、終焉を迎える。でもモラトリアムを卒業するからといって、悲観したり絶望したりすることはないです。そういう後味です。 「子どもは眠る」「彼女のアリア」「アーモンド入りチョコレートのワルツ」の三作なのですが、もう個々の作品を語るスペースすら無くなってしまいました。それくらい、どの作品も共通して愛おしく美しい珠玉の短編です。 もう今更中学生には戻れないような大人でも、この作品に出会えて良かったと思えることでしょう。そう思える心を、誰しも少しでも持っていると信じたいです。 | ||||
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この作品で初めて森 絵都さんに出会いました。 自分が昔、ピアノを触っていたこともあり、すんなり 小説中に溶け込むことが出来ました。 その後も森さんの著作物を色々読みましたが、 この作品がワタシにとっては1番デス。 誰かに森 絵都さんの小説を紹介するなら、ワタシなら コレ、です。 | ||||
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ちょっぴり切ない、でも温かい穏やかな気持ちになれる作品だと思います。 主人公はみんな中学生。 主人公の感じたままの世界が作品の中に広がっています。 だからこそ、まわりの登場人物の心の奥については 深い説明がそんなになされていません。 主人公の見たこと、感じたことから 他の登場人物について知ることができます。 少年たちの過ごす二度と巡ってこないひと夏の思い出が描かれた「子どもは眠る」 不眠症の男の子が、旧校舎の音楽室でピアノを弾いている どこか不思議な女の子と出会うことから始まる「彼女のアリア」 ピアノ教室に突然現れたフランス人の奇妙なおじさんとの交流が綴られた 「アーモンド入りチョコレートのワルツ」 どの作品も題名にあるクラシックの曲をモチーフに彩られています。 ささいな変化の訪れにより、いつまでも続いていくと思っていたものが 自分の意志とは関係なく突然終わりを告げてしまう そういった切なさの先に、新しい成長が見えてくる気がします。 作品に出てきた曲を、思わず聞きたくなっちゃいました。 | ||||
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初めて手にした森絵都さんの短編集。なんで今まで読まずに来たのだろう!!それ位感動しました。 この気持ち忘れずに、ずっと持っていよう。大切な記憶の一つずつに、そっと。 微笑み掛けて来てくれる、優しさに溢れている森さんの文章。あの頃から今まで。 長い間知りたかった、確めたかった、思いや言葉が頁を捲る度飛び込んで来る。 1つ年上のお兄ちゃん章くんとの夏休みの日々を描いた【子供は眠る】。 そうなんだよ、年上って絶対だったからこそ眩しかったし反発したんだ!。 不眠症という秘密で知り合った、ぼくと藤谷【彼女のアリア】。うんうん。 互いの欠けてる所こそに惹かれるんだよね。そんな風に読み進んで行って、 【アーモンド入りチョコレートのワルツ】。<ワルツはわたしに教えてくれる。 何を忘れて、何をおぼえていればいいのか。何もかもすべてをおぼえているわけにはいかない。 楽しかったことをおぼえていなさい、とワルツは言う。大好きだった人たちのことをおぼえていなさい、 とワルツはうたう。>目にした時、涙が止まりませんでした。 人間、いい事ばかりをおぼえている訳じゃない。 でも、森さんのようにキッパリとした覚悟で優しく言える人と出逢えるなら、 おぼえていることも素敵じゃないか、と。うん、これでいいのだ!! | ||||
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森さんという作家の作品をはじめて読みました。 この本を手にとったのは、今年の夏の100冊のブックカバーがほしかったからで、手軽に読めそうで、装丁が綺麗だからというただそれだけの理由で。 で、面白さに打ちのめされました。 ひとつが1時間もかからず読める3つの短編でありながら、心に触れてくる優しさ・切なさが凄いです。どの作品にも、それぞれのためのピアノ曲があり、私はクラッシックをまったく知らないのですが、どの曲も聞いてみたい!と思わせられました。 一気に彼女のファンになってしまいました。今日、次の本を買いにいこうとおもいます。 | ||||
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ピアノ曲の副題がついた短篇三作から連なっている。物語を読んでいるうちに、自然にあくまでも自然に、リズムが聞こえて来る。どれも中学生くらいの子達の思春期をえがいているが、どれも綺麗ごとではない。虚像の中にもリズムが刻まれている。 この三篇の主人公は、これから社会の理不尽さを目の当たりにしながらも、音楽に導かれてまっすぐと自分を確立していくんだろう。 機会があったら、サティの『童話音楽の献立表』を聞いてみたいと思った。 | ||||
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ピアノ教室でのお話や、夏休みの出来事、旧校舎での不思議な経験といったどこかしら懐かしくかわいいお話が音楽について書かれてあります。 全編が音楽に関係したお話のせいか読んでいるとどこからかきれいな音楽が聞こえてくる気がします。 クラッシックが苦手な私でもクラッシック音楽が聞きたくなりました。 文章しかないのに何故か絵本のような響きを持った優しい気持ちになれる本です。 のどかなお昼に日向ぼっこしながら読んだら最高だと思います。 | ||||
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もともとは、中1の夏に出遭った本。 文庫になって大人が読む本に仲間入りしてたのにビックリした。 大人にならなきゃいけなくなった子供の切ない心 ・・って子供は案外自覚してて、 だから子供は絵都を読むんだろうなって思ってる。 (いや、最近の子供ドモはケータイ小説なのかもしれませんが。。) うちは。最近久々に読んで、昔ほどじーんて来なかったしさ。 でも当時…子供の頃の「じーん」自体は 今でも忘れてないのが、人間て不思議ですよね。 | ||||
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恩田陸や姫野カオルコと同様に、この人も映像的な記憶力を持っているんでしょうねぇ。あの頃をはっと思い出させます。短編だけに読後感は軽いですが楽しめます。 | ||||
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3つの短編が収録されています. どれも中学生が主人公です. 自分より若い主人公の話だと,ついつい昔を思い出しながら読んでしまいそうですが, この本は,「そうそう」と共感する感じでした. いつまでも続いて欲しい時間が,終わる瞬間. いつまでも続かないことが分かる瞬間. それでも,なんとか続けようとする自分. そんな場面を読みながら,「そうそう」と思っていました. 「この時間が永遠なら」「この日常が続けば」と誰しも思ったことがあると思います. いいことも,嫌なことも,正面から書かれているような本です. ものすごい癒し効果があるわけではないけれど, ちょっとほっとする,良い本だと思います. | ||||
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とてもおもしろかったです。 私的にわ『アリアのワルツ』が一番かなぁ・・・。 この本は、森絵都さんの作品の中でも、かなりオススメ↑↑ 特に難しぃ表現も無くて、読み易ぃデス。さッぱりしている感じが好き!!! 買ッて損することわ無ぃ!!!・・・ハズ((爆 『カラフル』とかも大好き(0v0●)+* 森サン、これからもがんばって''さぃ。 | ||||
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その瞬間は一生懸命でもいつの間にか忘れてしまう出来事。 そんなことを繰り返しながらいつしか大人になっていく。 なぜ、森さんの手に掛かるとこんなにも生き生きとした話になってしまうのだろう。 成長していく過程の一瞬を鮮やかに切り取って見せてくれる。 どんなにあがいても時間の流れを止めることは出来ない。 今だからこそ理解できる成長期の自分。 忘れかけていた情熱を思い出させてくれる作品。 | ||||
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なんて清々しい本なんだろうと思った。 思わず窓を開けて空気を入れ替えて、カーテンが風にそよぐ様をじっと見ていたくなるような。 うっとりと木漏れ日を浴びていたい気持ちになる。 これはそんな本だ。 3つのお話から成り立っている本。 どれも思春期の少年少女たちの心情を切り取ったように読者に見せてくれる。 それがもたらすのは、純粋な失われた時に対する感傷。 きっと僕がその時期を通り過ぎてしまったからなんだろうけど。 中学のころに読んでいたら大事にできたと思う。 でも僕は二十歳で少し大人になりすぎているから。 この本は眩しくて、ちょっぴり憎らしくてそして美しい。 | ||||
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短編というコトで初めはそのことは知らずに買ってしまってちょっぴり後悔しましたが、可愛いお話だなって今は思います。 特に「彼女のアリア」という話が好きでした!同じ悩みを持つ男女のお話で2人は放課後にお互いの悩みを話し合っていくうちにどんどん親密になっていったりで本の名前どうりワルツのような感じですすんでいくお話デス(^^) | ||||
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誰もの肌になじむことばで綴られた三篇の物語。 この奥歯に沁みるやさしい痛みは、繰り返し傷ついて耐性のついた(と思っている)大人には より身近に感じられるのではないかと思います。 またたく間に過ぎ去ってゆく一瞬が、「ぼく」と「わたし」の血となり肉となるのです。 たとえそれが大人たちにとって都合がいいだけの現実だとしても。 めいっぱい泣いて笑って輝いていた、あのときのあなたが目を醒ますかもしれません。 | ||||
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傑作中編集.初めて映画の「スタンド・バイ・ミー」を見終えたときと似た感覚を受けた.上手く説明できないことがもどかしい.表現力が陳腐なのか,語彙量が少ないのか,はたまたその両方なのか. 誰にでもあった青春時代に入る一歩手前,心が一番弱く,繊細で,感じやすかった時期.その時期の最後の時間が各作品とも綴られている.登場人物たちはみな優しかった.取って付けた様な「偽善的優しさ」ではなく不器用でリアルな優しさ.それでいて物語はファンタジーにも似た幻想的な魅力に溢れていた. 戻りたくても戻れない.時は流れていて,誰にもそれを留めることは出来ないのだから. でもこの物語はそんな時間を切り取ってくれた.戻れなければ思い出せばいい.実際よりも過去の時間を少し綺麗に加工してくれたこの本を読むことによって. | ||||
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この本は図書館で児童書のコーナーで見つけたが、読んでいくうちに、これは大人でも充分共感できる本だと思った。 なぜなら、自分が心身とも複雑な思春期である年齢に戻り、(または、思いおこし)どれかの登場人物に自分自身を当てはめることができるからだ。それだけ、筆者の13〜15歳の心理に精通しているかのような文章には驚かされる。 そして、多少なりともピアノを弾いたことのある人、弾いている人は、この本に紹介されているかのようなピアノ曲を弾いてみたいと思うのではないだろうか(実際私がそう)。 なかには、バッハの「ゴルドベルグ変奏曲」など、なじみのない人には曲が想像しにくいのでは、とは思うものの、ちゃんとその曲の逸話(不眠症のために創られた・・など)が説明してあって、問題なく、物語に入っていけると思う。 | ||||
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多感な年頃の男のコたちの切ないけれど、きらきらした夏の物語。 あたたかくて淡い、可愛いちいさな恋の物語。 素敵な人たちと夢のような時間を過ごす物語。 3篇からなる作品。どの物語もとても素敵でこころに響きます。 思春期特有の気持ちが。とても繊細かつ巧みに描かれていて その頃の自分を懐かしく重ね合わせてしまいました。 どの物語にも、素敵なクラシックが美しく溶け込んでいて 良い雰囲気を生み出しています。 3篇とも凄くお気に入りで、だいすきだけれど・・・ ひとつを選ぶとするならば、3篇目かな・・・ 素敵な洋館に住むピアノの先生、絹子さんがとても魅力的。 ピアノレッスンでの夢のように煌く素敵な世界と、 現実の冷静な世界が上手く融合していて素晴らしいです。 サティを聴きたくなってしまいます♪ | ||||
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恥ずかしながらこの作品で森絵都さんデビューしました。文章がとても 読み易く、物語の背景・曲目を思い浮かべながら(予想しながら)、 少年・少女達の心情を感じている自分に気づきました。3作品とも 読み終えた後「この感覚、懐かしい・・」と感じました。もの凄く昔 なのに(しゅ〜ん・・) リアルタイムの学生さんたちはもちろんですが、仕事に疲れている人に もお勧めだと思います。自分自身がそうなので・・ | ||||
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中学生の時に「カラフル」を読んで以来、好きな作家さんです。 数年でお肌の曲がり角を迎える歳になっても、何故こんなに すっと清々しく読めるんでしょうか。 子供と一緒に、親子で楽しめるのではないでしょうか。 優しくて、澄んでいて、とても素敵な小説です。 さすが森さん、と言いたくなってしまいました。 | ||||
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