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宇宙のみなしご
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宇宙のみなしごの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.36pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全47件 21~40 2/3ページ
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『宇宙のみなしご』です。 タイトルに宇宙とついていますし、SF的要素があると思っていたのですが、全くありません。普通の女子中学生を主人公とした、現実的な内容の児童文学です。 また逆に、表紙イラストのイメージから、あまりにも子供向け過ぎないか、という気もしたのですが、読んでみれば、普通に小学校高学年くらいから中学生、大人にいたるまで充分に楽しめます。 物語の舞台は1990年代ですが、中身の方は時代が変わっても価値の落ちない普遍的なものです。 森児童文学作品は、なんといっても文章が、平易で読みやすいながらもユーモアがあり、それでいて芯の部分では感情移入しやすいです。読者対象である中学生以下もですが、大人が読んでも心の琴線に響いて透明な音色を奏でます。 主人公と弟リンが、夜中に屋根にのぼる、という遊びを始めます。それが表紙イラストのイメージです。そこに主人公の友人?二人が加わり…という話です。 これ以上はネタバレ避けしますが、全10章構成の中で小さな伏線を回収しながら進む物語は、文章やキャラの魅力と相まってとても魅力的です。作者の他の児童文学作品と比較しても、ご都合主義の無さなどからいって随一の完成度だと思います。 あまり安易に感動という言葉を使いたくないのですが……とりあえず自分はこの作品を読んで良いと思える心のきれいさを一部とはいえ持っていたのですね、ちょっと意外かも。というわけで評価は文句無しで★5です。 駅のキオスクはやっぱり便利ですけどね。 | ||||
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登場人物と同じ中学時代に読み、その当時から好きな本です。 先輩・後輩の位置づけがはっきりし、小学校のときとは一味違うクラスメイトと友達になり、よく見えない受験に向かって勉強する時期の心の揺れが、鮮明に描かれています。 そういう青春時代の不安や「どうにかしたい」という気持ちが、全部詰まっています。 「こういう仲間がいたらいいのに」ではなく、「仲間は努力して作るものだ」と、気付かされた作品です。 | ||||
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******* ぼくたちはみんな宇宙のみなしご。 ばらばらに生まれてばらばらに死んでいくみなしご。 自分の力できらきら輝いてないと、 宇宙の暗闇にのみこまれて消えちゃう。 大人も子どももだれだって、 いちばんしんどいときは、ひとりで切り抜けるしかない。 でも、ひとりでやってかなきゃならないからこそ、 ときどき手をつないで心の休憩ができる友達が必要。 ******* そんなすみれ先生の言葉が胸に響いた1冊です。 | ||||
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ぼくたちはみんな宇宙のみなしごなんだから。ばらばらに生まれてきて ばらばらに死んでいくみなしごだから。自分の力でキラキラ輝いていないと、 宇宙の暗闇に飲み込まれて消えちゃうんだよ。 でも、ひとりでやっていかなきゃならないからこそ、ときどき手をつなぎあえる 友達を見つけなさい なるほどなあ〜〜と思った作中の文章であります。 | ||||
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最近少し難しい本ばかり読んでいて、知らないうちに疲れていたのかもしれません。 中学時代に、同作家の『カラフル』を初めて読み、わくわくしながらページをめくっていたのを思い出しました。 主人公が持っている情熱を、私も同じように持っていました。屋根には上らなかったものの、負けないくらい沢山の遊びをしました。 今では、千人の小人は大分減ってしまいましたが、読んでいると、自分もあの日の遊びがしたくなります。 小中学生は勿論のこと、大人がゆっくりと読んでも楽しめるものだと思います。柔らかく、テンポよく話が進むので読書慣れしている人なら一時間もあれば楽しめます。 けれど、その短い中に伝えたいメッセージははっきりと盛り込んであるように思いました。 「友達が、むかえにくるのよ」の一言に、中学生には今を、そして大人には過去を思い出させるための、作者の優しい心遣いを感じました。 | ||||
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こういう作品はあらすじや読みどころを書いてしまうと、楽しみが半減するので止めておきますが、遅ればせながら先日読んだ恩田陸の「夜のピクニック」を思い出しました。本作は主に中学生の視点を通して描いているので、若干全体的に軽めで、その分作者の手際の良さが際立って見えます。ただ、恩田陸にしろ重松清にしろ、こういう小説はうまくて当たり前なので、その辺が鼻につく人もいるかと思いますが、あとはお好みでといったところでしょう。しかし、この年代の混沌とした気持ちをストレートに描こうとして、結局安易な暴力的な表現に行き着くという陥穽に陥るくらいなら、こういったウマさを満喫するほうが随分ましという気もします。散漫な内容になってしまいましたが、そういった余計なことは普通読んでいる時にあまり考えないと思うので、本書自体について言えば、良い映画を観るくらいの時間で読了でき、かつまた同じような感興を味わえること請け合いの佳作だと思います。 | ||||
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こういう作品はあらすじや読みどころを書いてしまうと、楽しみが半減するので止めておきますが、遅ればせながら先日読んだ恩田陸の「夜のピクニック」を思い出しました。本作は主に中学生の視点を通して描いているので、若干全体的に軽めで、その分作者の手際の良さが際立って見えます。ただ、恩田陸にしろ重松清にしろ、こういう小説はうまくて当たり前なので、その辺が鼻につく人もいるかと思いますが、あとはお好みでといったところでしょう。しかし、この年代の混沌とした気持ちをストレートに描こうとして、結局安易な暴力的な表現に行き着くという陥穽に陥るくらいなら、こういったウマさを満喫するほうが随分ましという気もします。散漫な内容になってしまいましたが、そういった余計なことは普通読んでいる時にあまり考えないと思うので、本書自体について言えば、良い映画を観るくらいの時間で読了でき、かつまた同じような感興を味わえる佳作だと思います。 | ||||
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森絵都さんの本は殆ど読破していましたが、宇宙のみなしごは「屋根のぼりかぁ…う〜ん」という感じで躊躇していました。しかし皆さんの書評を読みやっと決心がつき、今日買ってきました。結果、読んでよかったと心底思いました。私も今14歳で、遅生まれのため今は中3ですが陽子やリンの退屈感は身に沁みて感じました、というか思い出しました。ラストは本当に綺麗でよかったです。沢山の人に読んで欲しいです。 | ||||
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読みやすい文体だが、10ページの「顔見せできない」は、「顔向けできない」の言いまつがいだろう。 主人公の女の子は、キリリとしてかわゆい。 最後に、題名の「宇宙のみなしご」の意味が、明かされ、 明日に向かって決意して、力強く終わる。 感動した。(←小泉か) | ||||
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狙ったものを逃さない、計算しつくされたストーリー。わかっちゃいるのに泣いてしまいます。勇気と思いやりに満ちたラストもいいなぁ。 | ||||
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題名に惹かれてたまたま読んでみました。 例えば主人公は、不登校の理由もないのにさぼりぐせがついて、先生からフトーコーといわれそんな気になり、でもおおごとになりそうなので、もっとも簡単な解決策としておとなしく登校します。 全編を通し、強い女子中学生だな、羨ましいな、えらいな、と思い、私も見習わなくてはという気になります。 宇宙の暗闇にのみこまれないために、あの手、この手で、遊びを生み出して来たのだそうです。 だれでも宇宙のみなしごだけど、心の休憩は誰にでも必要だと読んで、ほっとしました。 私は、昼間の屋根には登ったことはありますが、夜中は登ったことがありません。 大人が読んでも勇気が出る本だと思います。「そうだね。おもしろい遊びを考えなきゃね。」と言いたくなりました。 | ||||
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「宇宙のみなしご」も「つきのふね」も人が孤独を乗り越えて、一人で歩いてゆこうとするとき初めて得られる安堵を感じます。子供が思春期である自分は、「どうか彼らをお導きください」と祈るような気持ちで読みました。 | ||||
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この物語に影響されてキオスクのようにヘンな行動するひとが居ませんように!だってホントおもしろそうなんだもの。登場人物の心理描写が上手なのですね。以前読んだ恩田陸さんの「夜のピクニック」という本もおもしろかったけれど、森絵都さんの「宇宙のみなしご」いいです。 | ||||
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デビュー15周年で何かと話題の森絵都さん。彼女の著作の中でも三本指に入る好きな作品です。 本書を読んで感じたことは、たとえば、 ・子どものたくましさ、子どもゆえの底力 ・友だちの大切さ ・孤独に打ち負かされず、自己を確立していくことの意味 などであるわけですが、このように書き連ねるとなんとタテマエ的で陳腐なのでありましょう。その陳腐な柱に細工を施し、魅力的な物語に仕立て上げられているのが本書です。物語とは、つくづく、ディテールなのだなあと感じさせられます。人物配置の妙、エピソードの楽しさ、制御不能な感情の揺れのリアリティ、文章・会話のセンス、大人からのスパイスのような言葉・・・・・ 印象深いクライマックスが用意されているのも本書の特長。タイトルにもなっている宇宙のみなしごのくだりは、忘れることができません。 このようなすばらしい本が、廉価版として刊行されるのは好ましいことだと思います。ひとりでも多くの児童・生徒の皆さんに手にとっていただきたいです。涙が出て、勇気が出て、元気が出ます・・・・・と断言はできませんが、きっと大切な一冊になると思いますよ。 | ||||
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デビュー15周年で何かと話題の森絵都さん。彼女の著作の中でも三本指に入る好きな作品です。 本書を読んで感じたことは、たとえば、 ・子どものたくましさ、子どもゆえの底力 ・友だちの大切さ ・孤独に打ち負かされず、自己を確立していくことの意味 などであるわけですが、このように書き連ねるとなんとタテマエ的で陳腐なのでありましょう。その陳腐な柱に細工を施し、魅力的な物語に仕立てられているのが本書です。物語とは、つくづく、ディテールなのだなあと感じさせられます。人物配置の妙、エピソードの楽しさ、制御不能な感情の揺れのリアリティ、文章・会話のセンス、大人からのスパイスのような言葉・・・・・『カラフル』に並ぶ代表作と言ってよいのではないでしょうか。 印象深いクライマックスが用意されているのも本書の特長。タイトルにもなっている宇宙のみなしごのくだりは、忘れることができません。 ところで、このところ大人向けの作品の刊行が目立つ森さん。子どもの問題の多様化・複雑化など、児童文学を書きにくい時代の反映なのでしょうか・・・・・と考えたりしていたら、『DIVE!!』文庫版(下巻)の佐藤多佳子さんによる解説で、森さんが次作のためにフルマラソンに挑戦されたという情報をキャッチ! 『DIVE!!』に劣らぬ胸躍る物語を期待・・・・・していいですよね!? | ||||
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屋根に登りたくなっちゃいました。 少年少女の、宝石のような心。少女の語りで物語は進みますが、絶妙な文体です。ぐっとひきつけられてしましました。是非ご一読を。 | ||||
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人は生まれてから死ぬまで一人ぼっち。 どんなにつらい時だって、どんなに哀しい時だってそれは変わらない。 そんな時だからこそ、本当に大切なものに気付く事だってあるでしょう。 本当の意味での友達を教えてくれたこの本を、ぜひともたくさんの人に読んでもらいたいです。 世界はいつでも冷たいけれど、温かいと思いたいから。 | ||||
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『カラフル』を読んだときにも思いましたが、言葉の1つ1つがとてもキレイです。比喩的に、いろいろなものに例えて表現してるのに、そのすべてに納得できます。 私も、くだらないことをする楽しさはすごくよくわかります。 くだらないことだからこそ、おもしろくて、毎日がそれだけのために過ぎていくような…。 私には、いつもくだらないことばかりして、一緒にいる友達がいました。 今は全く話さないです。 ケンカ中というわけじゃなく、何でも真似されるという理由だけでシカトした私が一方的に悪いです。 でも、どうしても謝れない自分がいて…。 この本を読んで、許してくれるかわからないけどきちんと謝ろうかなと思いました。 離れてみて、やっとその友達が自分にとって親友だったことに気づきました。 よくわからない文章になってしまいましたが、主人公のすべてが自分と重なって、涙が出てきました。 何度でも読み返したい本です。 | ||||
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森絵都さんの小説を読むのは『いつかパラソルの下で』と『カラフル』に続いて三作品目になりますので、まだまだ、 森絵都ファンとしては駆け出しでおこがましいですが、この作品が個人的にはいちばん好きです。 私は大人の読める児童文学というカテゴリが大好きで、読み漁っていますが、こうした作品に欠かせない 小気味よいリズム感と、なつかしさを感じました。 一文一文はそれほど長くなく、リズム感があり、すっと頭の中に入ってきます。陽子やリン、七瀬さん、キオスクの 感じるくだらない楽しさも、悩みも10年前の私が感じたもので、そして今の私が感じるものでもあります。 何かあると我が家の屋根に上って一夜を過ごし、甲府盆地の扇状地の縁の明かりを見上げていた私にとって、この文章は、 背中が疼くほどに共感を感じました。 千人の小人たちの例えは大好きだし、その節のラスト三行の「ひとりきりで」の記述も美しいです。 楽しい姉弟の掛け合いの中で、七瀬さんの悩みと、キオスクの悩みを上手く織り交ぜて話に仕上げた構成には恐れ入ります。 軽めの人物かと思っていた彼女たちが、次第に自己主張を始めて、主役となっていくこと、そして、大人にわからない 中学生の部分をそれぞれと、みんなが持っていることが素晴らしく感じました。 最後まで、太い線で貫き通した結論の部分は、ぜひご一読願いたいと思います。 蛇足ながら、私立に通ったことのない私も、学業の傍ら塾で教えていて、入試問題で森絵都さんをみかけることも 増えてきました。直木賞候補になったことで、 重松清など同様、小中学生への知名度が上がっていますが、実際この小説も過去に国立の中学などで出題されています。 ぜひ同年代の子どもたちにも読んでほしい作品ですし、内容や長さからも読みやすい本だと思います。 そして、一度くらい屋根の上に上ってほしいかな、と思います。 | ||||
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「友だちが、むかえにくるのよ」 この言葉が一番好き。 会社を辞めることは簡単で、好きなこともやろうと思えば自分のしたいようにできる。 自分の好きなように、有利なように、自分のことだけを考えて選択することができる。 中学生の頃は『学校』という枠の中で、たいした自由もなかったけれど(自由を手にする器もなかったが)、 それでも毎日友だちの顔が見たくて元気に登校した。 明日が楽しみで楽しみでしょうがなかったあの頃。 ああ、あの頃は、友だちがすべてだった・・・とかぐわしい中学生時代を思い出した。 | ||||
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