すべて真夜中の恋人たち

【この小説が収録されている参考書籍】

【この小説が載っている参考書籍】

評判

すべて真夜中の恋人たちの評価:

3.37/5点 レビュー 127件。 C ランク

Amazon書評・レビュー点数毎のグラフです

平均点3.37pt

Amazonレビュー一覧

Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全150件 101〜120 6/8ページ
No.50
(4pt)

どこか心に残る恋愛小説

登場人物は、基本的に、主人公であるフリーの校閲者・入江冬子、その友人の石川聖、
それに冬子が恋をする相手の中高年男性・三束さんの3人しかいない。
確かに他のレビュアーの方が述べられている通り、
登場人物の人物像も、ストーリーの展開も、冬子の恋の結末も、あまりにも陳腐だ。
ストーリーだけなら、世の中にいくらでもある恋愛小説の1つにすぎない。
しかし評者にとっては、心に残るものがある作品だった。

それは、女性心理の繊細な描写と、細部にまでこだわった文章と言葉のおかげだと思う。
本書の文章については美しいだけでなく、格調の高さのようなものを感じる。
あまりにも陳腐な設定なのに、(少なくとも評者にとって)心理描写と文章力だけで
読ませてくれた作者・川上未映子の力量は確かなものだと思う。

しかし前作「ヘヴン」に比べてクリエイティビティに欠けることは否めないので、
星を1つ減らして星4つとします。
すべて真夜中の恋人たち Amazon書評・レビュー: すべて真夜中の恋人たちより
4062172860
No.49
(5pt)

とても美しい作品

「乳と卵」で川上未映子さんのファンになった私は、新作の長編小説が出るということを知って、単行本が出るのを待ちきれず、群像を購入して読みました。
そして、単行本が出版されたということで、単行本も購入しました。単行本はラストに少し手が加えられています。

そもそも、「乳と卵」での独特な文章表現に引き付けられ、その次の「ヘヴン」では文体がガラッと変わったものの、世の中で持てはやされている小説とは一線を画したテーマを扱っており、地味ながらも引き付けられるものがありました。
そして、今回の「すべて真夜中の恋人たち」ですが、私の期待以上の作品に仕上がっていました。
相変わらず、一般受けするようなサスペンスものや禁断の〜を前面に押し出したような内容ではなく、じれったいほどの会話のやり取りが繰り返され、非常に地味な印象を受けます。ですが、普通は取り上げないような中高年の恋愛をこんなにも美しく表現したところに、また新しい彼女らしさを感じました。じわじわと心に染み入る、とても気持ちの良い読後感を得ることが出来ました。

文句無く、お勧めです。
すべて真夜中の恋人たち Amazon書評・レビュー: すべて真夜中の恋人たちより
4062172860
No.48
(4pt)

けっこうな、川上未映子のファンとしては

デビュー作から最新のエッセー、雑誌や新聞などのこまごした文章まで読んでいるほどの、川上未映子ファンであるし、すべて真夜中の恋人たちも、本になるのが待ちきれなく、群像を買って読んだのだけれど、正直、読みすすめるのが辛かった。しかしでも思うのは、この「すすまない感じ」が、すべて真夜中の恋人たちの、狙いの一部なんじゃないかということ。

この「すすまなさ」は、本作が初めてじゃない、川上ファンならきっと
感じると思う。あのたたみかけるような怒涛の未映子節が恋しくなる反面、すべて真夜中の恋人たちのなかの、人物が語るセリフの数々は、やや詩的だけれど、一つ一つ洗練されていて、川上さんのうでを感じずにはいられない。「光のようなものをかきたい」と言っていた意味が、とくにセリフに顕れていると思う。

恋愛小説という読み方をしないほうが、愉しめる。とにかくページの
いたるところで、セリフが輝いている。川上さんの言葉のセンスというのに
惚れ惚れする人は、少なくないはずだし、恋愛小説としては失敗している
という人もおられる。しかし、ファンにとっては、ヘヴンに続くほどの
衝撃はないかもしれないけども、こんな川上未映子もあるのか、という
驚きと、発見がある。
すべて真夜中の恋人たち Amazon書評・レビュー: すべて真夜中の恋人たちより
4062172860
No.47
(4pt)

極めて観念的な恋愛小説

川上未映子の長編恋愛小説である。前作の『ヘヴン』を読んでいたので、私は、特に中身をほとんど確かめずに、書店の平台の上に積まれている1冊を取って、すぐに購入した。前作の『ヘブン』の時から、川上は、文章がとてもがうまい、と思っていたので、物語の内容は、すらすらと読むことが出来た。物語の内容に踏み込むことは控えるけれど、恋愛小説マニア(というのがいるのかどうか知らないのであるが)からすると-ちなみに、私は、その恋愛小説マニアではない-たぶん、もの足りない内容ではないか、と感じてしまう。もっとドロドロしたものがあった方が良いのではと思ってしまうのではないか。だから、「極めて観念的な恋愛小説」ではないか、と思うのである。それは、彼女が、哲学などを学んでいることと関係するのかもしれない、と邪推してしまう。この小説に出てくる主人公の会話も、何となく、形而上的な香りがするのである。ただ、私は、そのような会話がとても気に入っているけれど。
すべて真夜中の恋人たち Amazon書評・レビュー: すべて真夜中の恋人たちより
4062172860
No.46
(5pt)

すごい恋愛小説です。びっくりしました!

本当に、不器用に生きていていて、感情をうまく表現できない冬子さんの感覚。すばらしい描写ですね。私には共感呼びすぎでした。
突然見つけた三束さんへの思い。どう表現して良いのかわからないし、自信がないんだよね。
でも、その自然の戸惑い感、本能的な愛の感覚、すごく良く表現されています。
後半は、残りのページが減っていくのがとても寂しく思えるようになりました。

喫茶店の前、雨で立ち尽くすシーン、泣きたくなるような気持ち、良くわかりました。すごく描写が強烈で印象に残ります。
そして、ルンルン気分で帰って来たアパートの前で聖が待っているシーン。ちょっと驚き。冬子さんを本気でほっといて、という感覚。

登場人物がたった3人のこの小説、ストーリーの展開はちょっともったいない感じがしますが、感覚の繊細さ、鋭さは驚くばかりです。
私も真冬の寒い夜の散歩が好きで、あの研ぎ澄まされた暗さや光の感覚はわかる気がします。

川上先生の作品は初めてだったので、大変驚きました。良い読書体験でした。
すべて真夜中の恋人たち (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: すべて真夜中の恋人たち (講談社文庫)より
4062779404
No.45
(5pt)

ショパンの子守唄の描写が最高

現実みたいで泣いた。
冬子も聖も私のことのように思える。
こんなひどい感覚で生きている私はどうかしてるんじゃないかと思っていたが、冬子も聖も私以上にひどい為、救われる。でも同時に傷をえぐられる。
他の登場人物の言動への突っ込みの入れ方も同感。

冬子がショパンの子守唄を聞いている時の妄想の描写がすごい。それを書くためにこの小説を作ったのかなと思った。聞きながら読んだらトリップした。
すべて真夜中の恋人たち (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: すべて真夜中の恋人たち (講談社文庫)より
4062779404
No.44
(4pt)

きれい

文体がとてもきれいできらきらしたような印象が残りました。
読みやすいか読みにくいかで評価が分かれそうだと感じましたが、個人的には読みやすく一気に読み進めてしまいました。
すべて真夜中の恋人たち (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: すべて真夜中の恋人たち (講談社文庫)より
4062779404
No.43
(4pt)

すばらしい文体。もっと深くへ。

川上未映子は「みみずくは黄昏に飛びたつ」で知り、その後「乳と卵」「ヘヴン」「きみは赤ちゃん」を読み、続いて本作を読んだ。
どんどん文章に磨きがかかっていて、「みみずくは」で村上春樹と語っていた重要である文体について、彼女ほどのものを書ける若手作家はいないんじゃないかという域に達していると思う(エラそうにすいません)。1ページ読めば、この文章が川上未映子が書いたものだというのがすぐわかる。
純文学の恋愛小説らしく、ありきたりな恋愛は描かれていない。ちょっとひねくれた恋愛である。
主人公の冬子がアル中みたいになっていくのも、狂気を感じる。

ただもう少し、渾身の小説が読みたいと思った。
「みみずくは」で話していた「地下二階へ連れていく物語」を川上未映子の小説で読んでみたい。
すべて真夜中の恋人たち (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: すべて真夜中の恋人たち (講談社文庫)より
4062779404
No.42
(4pt)

いろんな人の感情を知る小説

とても良い作品でしたが、レビューが低い方が多かったので書かせていただきます。
恋愛小説として期待すると、最後まで盛り上がりのシーンが多いわけではないので物足りなく感じる方が多いのかもしれません。人と接するのが得意でない主人公が、如何にして世間から自分が見られているか客観的に理解しながら、自分のやり方で人生を切り開いていくという物語です。淡くてはかない恋心が、恋愛を知らない主人公の中では“恋”とさえも認識されず、ただただ気持ちだけ大きくなって行く展開は、読んでいて本を閉じる間もないほどわくわくする展開でした。
すべて真夜中の恋人たち (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: すべて真夜中の恋人たち (講談社文庫)より
4062779404
No.41
(4pt)

じょうずに愛をかわせない人々

基本的には何も起こらない物語という印象。
主人公は、友だちとも、異性とも、じょうずに心をかわすことができない。
誰かを愛するということもどうも難しいままに34歳になってしまったらしい。
初体験も相手にひどいことを言われて女子として異性と関わるのにも挫折し、同性の他人にもずいぶんひどいことを言われっぱなしのままになっていて、他人と本当の意味での関わりが持てないまま、ついに酒に溺れるようになる。

そんな彼女が異性にはじめてエロスじゃないけど愛を感じて、関わりを持ちたいと思うまで
そして肉体的な関わりはないけれど、はじめて自分の中から"言葉"が"生まれた"。

という感じかな
初恋物語のような感じだが
誰もが人生に一度くらいこういうことってあるなあと思った。
今時こういうタイプの人は多いだろうな…。
しかし読後感としてはすごく痛い。

聖と主人公はネガとポジのような関係でこの友情も、こうしてはじめて、つながりを求めることを通じて主人公たちが手に入れたもの、ということになるだろうか。
すべて真夜中の恋人たち (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: すべて真夜中の恋人たち (講談社文庫)より
4062779404
No.40
(5pt)

いいですよ。

予想に反して評価が悪いなと思い、レビューしてみました。
私はとても面白かったですよ。
途中でダラダラする事もなく。
お酒の部分はそこを読んでいる時はなんじゃ?と気持ち良くないのですが、読み手にそう思わせる事も重要では。最終的には主人公を語るに必要な流れだと。
評価はバラついているので、八方美人な物ではない。それで良いんじゃないですかね。
すべて真夜中の恋人たち (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: すべて真夜中の恋人たち (講談社文庫)より
4062779404
No.39
(5pt)

面白くないけど素晴らしい

この本のテーマは「それぞれの価値観」と「美しさ」かと思います。
私は、一度この本を途中で放り出してしまいました。しかし、思いたって最後まで読んだ時、素晴らしい作品だと思いました。 詳しいことはあえて言いません。
すべて真夜中の恋人たち (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: すべて真夜中の恋人たち (講談社文庫)より
4062779404
No.38
(4pt)

単身赴任の暇な夜用

最近川上さんの本を読むようになりました。なかなか心理描写が上手です。そのたび感心して読んでいます。ただ、少し時間が経つと中身を忘れてしまいます。私に問題があるのかもしれません。
すべて真夜中の恋人たち (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: すべて真夜中の恋人たち (講談社文庫)より
4062779404
No.37
(4pt)

純粋に人を想う気持ちがすごくリアル。

普段あまり小説を読まないもので、技法だとか難しいことはよくわかりませんが…稚拙ですが感じたままに感想を述べさせていただきます。
主人公の女性の、純粋に人を好きでいる 熱くて綺麗で切ない気持ちが、すごくリアルに鮮明に描かれています。だれかを「好き」という想いが、本当に綺麗で素敵な気持ちだなと感じさせられます。恋人が、好きな人がそばにいてくれることだけでもう、本当にしあわせなことだな、と改めてすごく思わさせられ、純粋な気持ちを大事にしたい、恋人を大事にしたいなと思いました。
ラストも少し意外でこれはこれでリアルというか、変につくりものっぽくないのがよかったと思います。
川上未映子さんの本はヘブンも読みましたけど、物語自体にそんなに起伏はないのになぜかはやく続きを読みたくなります。
ただドカンと心に響いて余韻が残るほどではないので星4つです。でも、面白かったしなかなか好きな本です。
すべて真夜中の恋人たち (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: すべて真夜中の恋人たち (講談社文庫)より
4062779404
No.36
(4pt)

濃紺の世界

言葉を丁寧に扱って 紡いで 出来た本なんだなあと思いました。

ひとつひとつ、じっくり丁寧に描かれていて
その気持ちがずんずんと伝わってくる物語でした。

女性ってこんなだよね というようなお手本のような女性が出てきて
あー、あるある。わかる、わかる。

と、頷いて読みました。

女性の友情って どこで繋がってるかがわかるような。

なんとなく、主人公の気持ちがわかる気がしました。
すべて真夜中の恋人たち (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: すべて真夜中の恋人たち (講談社文庫)より
4062779404
No.35
(4pt)

何という美しい小説、だが技法にやや欠陥も

若い女性のとても切ない純愛が、美しく描かれている。ほとんどありそうもないと思われるくらいピュアな恋の物語。恋愛経験もない地味な35歳の女性が主人公の「わたし」。偶然知り合った高校の物理学教師の58歳の初老男性「三束(みつつか)さん」に片思いになる。彼から「光」の物理学について教えを受ける。酒を飲まないと男の人と話すことができないくらい内気な「わたし」は、悶々と苦しんだあげく、彼の誕生日にお祝いの会食を企画する。食後、夜道に立つ二人のどちらからともなく、手が触れ、「わたしたちは指と指の背をふれあわせたまま、動かなかった」(p276)。彼が指先を握り返してくれる。思わず、「三束さん、わたしは三束さんを、愛しています」と告白してしまう。みるみるうちに涙が溢れ、顔をぐしゃぐしゃにして泣いてしまう「わたし」。「彼は何も言わずに、わたしに手をにぎられたまま、わたしのまえに立っていてくれた」(p278)。口づけがあったわけでもない。それで別れて、物語は終幕に。彼から手紙がきて、彼は高校教師ではなかったことが分る。

散文詩のような美しい純愛物語だが、しかし本書は、小説の技法という面で、まだ少し欠陥を抱えている。「わたし」と「三束さん」を抽象的に描く為かもしれないが、それ以外の登場人物があまりにも類型的に描かれすぎているからだ。とりわけ「わたし」と同い年の親友の女性「石川聖」は、本書で重要な人物なのに、週刊誌などにありがちな紋切り型に造形・表現されているので、いかにも低俗な女性であることしか分からず、彼女のディテールと個性が描かれていない。フロベールやプルーストのように、脇役の個性やディテールをも絶妙に表現し得たならば、本書はもっと傑作になっていただろう。
すべて真夜中の恋人たち (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: すべて真夜中の恋人たち (講談社文庫)より
4062779404
No.34
(5pt)

何を持って良しとするか

読了後、そういえばこの本の評価はどれほどなのだろうと思って見てみたら、あまりに評価が低いものが多いのと、どうやってこの本を読んだのだろうか? と思い、いつもは書かないレビューを書くことに。

まずこの本は、恋愛小説ではないと思います。確かに恋愛の描写は出ますし、それが一つの転機やきっかけになっていることも事実ではありますが、この作品が描いているのは、それがメインではないと思います。

主人公の女性の持っている静謐さ、誠実さ、弱さ、長所短所、そのどちらも彼女であり彼女を成立させている要素です。
主人公や登場人物に共感できないという感想を抱いた人は、ある意味この本の良い読者なのかもしれません。
だって、それほどまでに私や自分という存在と、この本に出てくる人物がきちんと違う人物だからです。
また、切実さを感じないという感想を抱いた人もそうです。きっとそれが、あなたとこの主人公の違い、なんです。

彼女は彼女の生き方があって、彼女だけが持っている独特な空気や感じ方を持っている。
世の中に生きる誰しもがある意味そうであるのと同じように。
作者は、それほどまでに誠実に冬子という一人の人物を描いたのです。

こうであるべきという前提でこのお話を読んだら、きっと面白くないかもしれません。
寄り添い読み進めることで、誠実に描かれた冬子という人物をどれだけ「彼女という人物」として読んでいくことを楽しめるかでこの本の読後感は変わるかもしれません。

*以降ネタバレ注意
校閲の仕事をしていることもあり本をまともに(楽しんで)読めない、そして担当の聖(や過去の彼氏)からも自分がない(選択してない)・イライラするといわれた彼女ですが、彼女は、三束さんと出会い、別れ、一つの『言葉』を自分の中から生み、見つけます。
彼女という人物に寄り添い読み進め、そんな彼女が自らの『言葉』を最後に一つ生み出す/見つける。
その言葉は、彼女自身なんだと思います。誰にも何にも代えがたい、彼女という言葉なのです。
すべて真夜中の恋人たち (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: すべて真夜中の恋人たち (講談社文庫)より
4062779404
No.33
(4pt)

無表情な瞳に涙があふれる瞬間

主人公はごく大人しい真面目な女性で、他人が苦手だし集団の中では自己主張どころかほとんど話もしない。一人称だから書いてはいないけれど、他人から見たら彼女の顔は能面のような無表情に見えるのではないか。生き生きとした感情の浮かばない顔、何を考えているかわからない。だから他人は彼女を見ているとイライラする。彼女にもなんとなくそれは解っているけれど、自分ではどうする事もできず、せいぜい酒でも呑むしかない。
だけど彼女も恋をする。おずおずと、ためらいながら、やはり心はときめく。しかしそれでも、他人には彼女の顔はやはり無表情に見えるのかもしれない。けれどせつなくてたまらなくなると、そんな彼女の瞳からいきなり涙がポロポロとあふれるのだ。そのとき大方の他人は、ただ面喰らうだけではないだろうか。そして何か妙に真面目な顔で彼女を眺める、ああこの人だってやっぱり人間だったんだ、と。
そんな彼女を面倒な女と思うか、可愛いと思うかで、この小説の評価は分かれる気がする。私は後者だったので、面白かった。
すべて真夜中の恋人たち (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: すべて真夜中の恋人たち (講談社文庫)より
4062779404
No.32
(5pt)

折に触れて何度も読み返すだろうと思います。

適当に買った本でしたが、今のところ人生トップ3に入ると思います。これからも折に触れて何度も読み返すだろうと思います。それくらい共感したし最後の部分で救われました。
すべて真夜中の恋人たち (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: すべて真夜中の恋人たち (講談社文庫)より
4062779404
No.31
(4pt)

五感を刺激されて、楽しい時間でした

紙のうえに文字がのっているだけなのに、
どうして床のつめたさや日本酒の香りがじぶんの体に
つぶさに感じられるのか。

三束さんの嘘はあれだけじゃないと思うし、
冬子はあの漢字を「さんたばさん」なんて素で読む人じゃないと思う。
三束さんには家庭があるような気がするし、
冬子は初めて名前を知るシーンで酔いとともに、自身も気づいていない媚びを発揮している気がする。

小説って、すべてのことをわかりやすく丁寧に説明してあればよいわけではないんだなあ。
いろいろなシーンが丹念につくられていてページをめくるのが楽しかった。
ありがとうございました。

そしてわたしは聖に惹かれました。聖の冬子への不器用な友情の示し方が特に好きです。
すべて真夜中の恋人たち (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: すべて真夜中の恋人たち (講談社文庫)より
4062779404