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与楽の飯 東大寺造仏所炊屋私記
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与楽の飯 東大寺造仏所炊屋私記の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.67pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全18件 1~18 1/1ページ
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なんの事ない当時の食事を思い起こさせる。 砂埃や蒸気を浴びる気持ちが時折します。 様々な事情で大仏建立に集まってきた人々。 それを支える人々もまた様々な立場で多様。 今も在る様々なプロジェクトに対して今までも今日も色んな人が色んな事情で関わるのであろうなというのを眺めている感覚になりました。 今日も何か解決されていく。でも取り上げられる訳でも無く。残っているのは大仏と少しの記録のみ。募るのは無情感。その割にそれでも今日をやっていこうという気持ちを起こされる読み物でした。 | ||||
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傑作である。この作家の直木賞作品も読んだことがあるが、こちらの方が個人的には好きだ。私はクリスチャンなので、大仏のような偶像のために、全国各地から召集されて、辛い労役を課せられる一般庶民に同情しながら読んだ。大仏建立のために日々汗まみれになって働く肉体労働者のために、うまい飯を作り続ける老人は謎多き人物。それが物語の最後で秘密が明かされる。生きるとは?人間とは?仏とは?その答えを明確に読者に教えてくれる澤田文学の最高傑作である。 | ||||
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本文を読み終えてから解説文を読んで、ミステリーとして構成されてたんだと納得した。 | ||||
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今(2021年11月)、奈良国立博物館にて開催されている「正倉院展」を観てきました。 びっくりしました。 展示されている古文書に「安都雄足」「葛井(某)」の名があったのです。 真楯や牟須女、宮麻呂が働いていたのがこの辺りなんやなぁと、一気に現と小説世界が重なりました。 | ||||
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命を頂いて命を繋ぐ事を改めて思い知りました。 当時の日本にも大きな身分格差があった事。 その上で今の時代が成り立っていることのありがたさを知りました。 | ||||
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この作者の著書は以前にかなり読み続けていましたが、蔵書を整理した際に多くを処分してしまいました。久しぶりに電子書籍なら本を増やさずにすむとの想いで購入しました。 読み返していると丹念な下調べに基づいて書かれていたこと、関西の歴史文化や風俗、女性の生き方などの作品が多いことを思いだしました。あらためて心温められております。 この作品も著名な東大寺大仏を作ったのは学校で学ぶ為政者、発願者、技術者の陰には、全国から徴集された多くの庶民(あるいは貧しい)人々の本当の血と汗と苦楽があるのだとおもいわされました。 | ||||
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作者、澤田瞳子さんの小説を読むのは初めてですが、始めから終わりまで作者の人間に対する優しさが滲み出ている作品です。遠くの地方から、又近隣から集められた仕丁(作業員)や底辺の奴婢(生まれながら品物のように売り買いされ当然精神がひねくれるか、諦める。)や下級役人。仏教経典の写経師達。中間役人や高級官僚、天皇まで作者の暖かい目が行き届いています。国家の歴史的大事業、大仏建立を柱に、若い仕丁、真盾と食堂の料理長、宮麻呂を軸に当時の食の状態が良く分かります。底辺の人間から天皇まで、各々事情があり心の底から悪い人間はいない。作者の他の作品も読むつもりです。最後に父親を殺された雄足がすぐに宮麻呂を許したり、陸奥に金鉱があるとか、少し強引な幕引きが残念です。 | ||||
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とても登場人物が近しく感じます。予定調和でもあります。楽しく拝読しました。 | ||||
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奈良時代の小説はあまり見かけないなぁと興味をそそられ即購入。 過酷な大仏造りに取り組んでいる主人公とその同僚たち。彼らを支えているのは炊屋で美味しい食事を作って迎えてくれる宮麻呂。 周囲で起こる事件を解決し乗り越えながら、造仏所での1日が終わっていきます。 短編形式ですが、メインの登場人物は変わらないので感情移入しやすいかと思います。 1話1話よく練られた構成で、どれも読み応えがありました。 また、言葉選びの巧みさも素晴らしいです。時代を感じる単語の数々に日本語っていいなぁと改めて思いました。 難しい言葉があれば辞書で調べてみるのも楽しいですよ!勉強になります。 とにかく情景が浮かべやすく、奈良時代にタイムスリップしたかのよう。ロマンを感じます! 炊屋の描写とかホント素敵です、一緒に食べてみたいなぁ。そして奈良グルメ作りたい!宮麻呂に弟子入りしたい! 本格的な奈良時代の小説が読みたい方、ぜひ購入してみてはいかがでしょうか?オススメです。 | ||||
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江戸時代や戦国時代はドラマなどで見る機会があるけど奈良時代は学研の漫画で読んだぐらいでイメージが全くなかった。飯×小説で引っかかったから読み始めたら、感じる時代の息吹、そびえたつ巨像と、人々がありありと浮かんできて、これはもしかして自分の遠い記憶なのでは?という気さえしてきた。小説だけどきっと登場人物と同じような考えや願いを持った人々が、この時代を生きていたんだろうな。 | ||||
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良いお話でした。我々の遠い祖先も、旨いメシに喜び、大仏建立に様々な思いを重ねる描写に、普遍的なものを感じた。 | ||||
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聖武天皇がはじめた奈良東大寺の大仏造営。近くは近江、遠くは西国や陸奥からも、3年の年限で、徴用されてくる人々。故郷の妻子の困窮を気遣い、役人には牛馬のようにこきつかわれる年期明けを待ち望む彼らの唯一の楽しみは、うまい飯を食わせる食堂だった。 損得抜きで、心と手間のかかった飯を出す、主の宮麻呂は、とんでもない悪舌の持ち主。 大仏の鋳造に配属された、主人公の真盾は、民衆を苦しめる労役に反発しつつ、頭や奴婢、書写生たちと交流して、宮麻呂と行基上人の謎に満ちた関わりを知っていく。 仏はいずこにおわすのか?そして、大仏造営の鍵となる大切なものとは? 食を通して、人々の心と暮らしを浮かび上がらせる手法が、奈良時代にまで応用された面白さ。 | ||||
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本屋で文庫新刊で平台に並べられているのを見て装丁が気に入り、その時は時間が無く購入できなかったので電車移動中にAmazonで購入しました。 時代小説は大好きですが、この著者の本を読むのは初めてで、しかも(私としては)珍しい奈良時代が舞台ということで、読んで面白いと思うかどうか不安もありましたが、良い意味で裏切られました。 主要な登場人物は、いずれも無名の者たちで、話の中でも歴史的に重要な事件が起きることもありません。けれど、どの時代でも通じる自分だけでは如何ともしがたいことに直面したときの悲哀や、友人や仕事仲間に対する人情など、ぐいぐいのめり込むように最後まで一日で読み終えました。 仏教や信仰心について、説教くさくも押しつけがましさも全く感じられませんが、深く考えさせられた良質の一冊でした。 単行本と違い、文庫本には解説が付いていることもおまけで嬉しい。ちなみに解説者は西條奈加氏です。 | ||||
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楽しく読ませていただいました。一気に読んでしまいました。ありがとうございました。 | ||||
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面白い本でした。 庶民の立場からあの時代に大仏を作ることの意味、 たいへんさがわかります。 主な登場人物が暖かい目で 描かれています。 | ||||
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東大寺の大仏 とにかくデカい それはこの目で見て知っている… けど、それに携わる人の事って知らない。 それに触れられた、作品でした。 個人的には時代背景的にちょっと難しかったけど 楽しめました。 食事というものを考え直す必要があるじゃないかって 思いもしました。 | ||||
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奈良東大寺の大仏殿は修学旅行や観光で誰もが訪れたことがある思う。 大仏殿建立のため強制的に全国から連れてこられた仕丁(労役にあたる役夫)達の食事を造る炊屋を舞台として物語は展開する。 主人公は仕丁の真楯だが、もう1人の主人公は炊屋の主である宮麻呂。大勢の仕丁が働くところには食事が必要になる。 宮麻呂はその仕丁たちのために、美味しい食事を提供するやさしい思いやりのある男。彼の正体は・・・・。物語の後半部分で 判明する。この2人を中心に大仏の建立の物語は展開する。 大仏建立の背景、役人と仕長や奴婢達との関係や役人達の競争関係が描かれている。 仕丁たち虐げられた弱いものに対する作者の暖かいまなざしを感じることが出来る。 登場人物が多いので、登場人物をメモしながら読むむことをお勧めしたい。 建設業に携わり工事現場ごとに事務所や宿舎を作り、炊事婦を雇って炊事もそこで造ってもらってきた者にとっては、出来上がった大仏の 背景にそれらを作る者達が良く調べて描かれていると思う。 考えさせられる言葉「仏はどこにもおらず、またどこにでもいる融通無碍なる存在」 是非お読みになってください、投稿者もこの小説の視点に立って東大寺の大仏殿を再訪したいと思っています。。 | ||||
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奈良・東大寺の大仏盧舎那仏像(るしゃなぶつぞう)の建立の為、労役に徴発された若者の目線から物語が短編スタイルで進みます。1話ごとに大仏建立の工程が進みつつ、同時に諸問題が発生し、この奈良時代の暗部や意外な食生活など馴染み薄い奈良時代を知る事が出来ます。 短編スタイルなので難しい名前や歴史的背景もすんなり入りスムーズに読み進める事ができ、奈良東大寺をこれから訪れようとする方、歴史好きの方、仏像好きの方、建設業などの工事関係者の方など、自分の興味ある目線で読み進めることが出来、日本の歴史的偉業の東大寺大仏建立を歴史の授業以外で知ることが出来ました。 | ||||
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