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満つる月の如し 仏師・定朝
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満つる月の如し 仏師・定朝の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.52pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全21件 21~21 2/2ページ
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仏師定朝と、比叡山の学僧隆範を中心に、末法到来前の平安時代の京都の貴族たちの姿や定朝のとびぬけた造像の才能を描いたフィクション。 仏像の話だけかと思いきや、ストーリー展開、登場人物の描き方が見事で、一気に読み切ってしまった。 特に、己の造像の才能を自任しているものの、御仏の存在を信じられず、仏像を彫ることに意味を見いだせず懊悩する定朝に、叡山の色稚児の甘楽丸がその悩みの無意味さを諭す下りと、定朝が内裏の女房の首(遺体)に、真実の御仏の姿とは何かを見出す下りが素晴らしい。 「御仏が本当におるのかおらぬのか、そんなところは実のところ、大した話ではないのよ。 肝心なのは、それを信じたい者がおり、それにすがるため、寺を建てたり念仏を唱えたりする人々がおる。そうせざるを得ない弱い人心を如何に救い、慰めるかが、仏師や僧侶の務めじゃわい。」 「真実の御仏の姿とは、人の裡にこそあるのですね。」 読み終えた後は、無性に平等院鳳凰堂に、そして、京都そのものに行きたくなる。 年度始め、新しい環境に慣れない人、将来に漠然と不安を抱いている人など。 ぜひ、本書を手に取ってみてほしいです。 | ||||
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