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アンダーカバー 秘録・公安調査庁
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アンダーカバー 秘録・公安調査庁の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.25pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全24件 21~24 2/2ページ
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巻末にもフィクションと断っているのですが、描写が具体的なのでつい本当かなと思ってしまいそうになりますね(笑) 評者は何度か本庁を訪れてここに登場する実在する複数の役職の方々と会い、街中でたびたび現場の方とお会いする浅からぬ縁があります。公安調査庁は確かに警察と違って専業の情報機関として外国の情報機関同様に協力者(スパイ)を獲得し、金品を渡して情報を得るという仕事を実際に行っています。犯罪組織の摘発ではなく情報を収集して重要なものは官邸に上げるというのも事実です。ただ現実は非常に歩留まりが悪く報われない地味な作業を続ける現場と次の異動まで大過なく過ごすことを考えている検事たちが微妙な距離感のなかで運営している役所という印象です。 本書に登場する秘匿通信の仕組みの真偽は私は知りえませんが、研修やら引き出しのカギなどマニアックな描写は麻生さんならではの味で私は好きです。麻生さんは取材をされていますからいろいろ断片的な事実が含まれています。情報活動に理解のある検事が長官または次長として着任している間は現場の士気はがぜん上がりますが、本書に登場する次長はその意味でリアルな設定でした。 でも主人公のようなスーパーヒーローが活躍するストーリーはまさにエンターテインメント小説ならではのものといえるでしょう。 | ||||
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主人公(芳野綾37歳)は公安調査庁の本庁で中国を担当する部門の分析官。分析官とは、全国に散らばっている調査官(スパイマスター)が協力者(スパイ)から受け取った情報を報告としてもらい、その情報を精査し重要そうなら上に報告する役職らしい。分析官自体はどこの誰がスパイなのかは分からず(薄々は感づいてはいる)、それがわかるのは直接運用している調査官と工作推進参事官室という部署の参事官(ZEROの校長みたいなもの)だけ。 ストーリーとしては、近畿地方で活動している調査官(沼田)が協力者の中国人から「一週間後に人民解放軍が大量の漁船を偽装した上、尖閣諸島に一気に上陸し実効支配するそうです。」というメッセージを受け取り、その情報を主人公に報告するところから始まる。その中国人スパイはこれまでも数々の確実な情報を伝えてきており、主人公の芳野分析官は「これは大変だ!すぐに官邸に報告しないと!」と上司に報告するのだが、上司からは「他からはそんな情報は上がってきていないし、人民解放軍にもそんな兆候は見られない」と一蹴される。しかし芳野と沼田はその中国人スパイは共産党幹部にも近く非常に信用できる人物と考えており、誤報な訳がないと多方向から情報を集め裏付けを取ろうと奮闘するのが序盤の展開。 組織の中でも横の繋がりは薄く、調査官は個別で活動しており情報源も別々。主人公にもたらされる情報も今回の件に関係が有るのか無いのかわからない。中国人スパイたちも普段いったい何をしている人物か主人公には分からず情報の信ぴょう性も確かめようもない。何が本当の情報で何が誤報なのか、誰が信用出来て誰が信用できないのか、色々と張り巡らされた伏線ともいえる情報が終盤に一気に収束する。 アクション要素は追尾程度。もちろん犯罪者を捕まえる内容でもなく、誤った情報で誤った行動とり中国から尖閣諸島を奪われないよう、情報戦のみで展開する諜報小説。 今回も相変わらず登場人物は多いが苗字も憶えやすく役職の立ち位置も分かりやすい。 仮に中国が本気だった場合タイムリミットがわずかしかないので、中盤以降かつて人気だったテレビドラマ【24 トゥエンティフォー】みたいなスピード感があった。 ZEROや外事警察が好きな方なら間違いなく楽しめる内容。最後のオチも「えっ!」って感じがありミステリーとしてとても楽しめた。 | ||||
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麻生作品にしてはまとまっていて,SARAと同じように一気に読めました。某漫画と似たような話で,その漫画はその時代にはリアルな設定だったのかな,と感じました。この小説の設定も現代ではリアルな設定だと思います。すんなり読めたのは,麻生作品への慣れなのか,私の「知性」の向上なのか,筆者がより広い層にターゲットして書いたのか,のいずれかだと思います。 結局のところ,政府がいかに優秀かで国の命運が分かれてしまうのであり,いかなるシステムをもってしても国の平和を担保することはできないのかな,と考えています。 我が国には,この小説に出てくるようなパワフルな人々はどれくらいいるのか気になります。 麻生さんの文章は読みにくい,というレビューもよく目にしますが,他方この舞台の人々がどのようにものを考えているか,本の語調から想像することもできなくはないので,読みにくさ,とっつきにくさも味わい深いものかもしれません。 やっぱり,前より読みやすい作品になっていると思います。登場する組織も少ないですし。 | ||||
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フィクションとしては、なかなか面白かったのですが、「ぼくのかんがえたさいきょうのこうあんちょうさちょう」感が強く、中の人が読んだら、赤面しちゃいそうなくらいスーパー機関に仕上がってます。 あと、主人公が女性である必要は無かったのでは?女性であることの意味がほぼほぼ性的な文脈でしか描かれておらず、男社会であろう組織の中での生き方、多忙な業務に追われて荒む私生活といったリアリティが皆無。なんだか「東京カレンダー」に出てきそうな主人公さんでした。作者さんは昔から女性が描けないのだから、無理しない方がいいと思います。 とはいえ、こーいう風にかっこよく描いてくれる作品が少ない組織ですから、それなりに中の人は喜んでくれているのではないでしょうか。それだけでも、この作品の価値があるような気がします。 | ||||
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