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ふる



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【この小説が収録されている参考書籍】
ふる
ふる (河出文庫)

ふるの評価: 3.57/5点 レビュー 28件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点3.57pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全28件 21~28 2/2ページ
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No.8:
(4pt)

何とも言いようがなくて

「池井戸花しす、28歳。
職業はウェブデザイン会社での画像加工。
誰にも嫌われないよう、
常に周囲の人間の「癒し」である事に、
ひっそりと全力を注ぐ毎日。
だが、彼女にはポケットにしのばせているICレコーダーで
日常の会話を隠し録るという、
ちょっと変わった趣味があった」

「ICレコーダーをポケットにしのばせている」
そうなんだ、きっとあの人もこれだったんだ、そういう人を
身近に感じることが現実にあり、その時は立ち話を軽くは
出来ないんだと思い知らされもしたたもんだったので。
それで好奇心いっぱい。勿論こんな下世話な話ではないことは
わかってはいたけど。発想がおもしろいと思いましたので。

現実と過去が入り混じり、緻密な構成の元に成り立っている
小説だとは思うのですが、如何せん、集中的に読めない
もどかしさをおおいに感じてしまったのは、一度も今まで
おもったこともなかった、小説を読むことに対して何らかんけいない、
年齢というものを初めて感じてしまいました。
最後まで読むのが苦痛でした。
この独特なコトバのやわらかさ、周囲に対するこまやかさ、今の
わかいひとってこんなかんじなのかもと何か違うものを
感じてしまったりしました。
池井戸花しす(いけいどかしす)という名前は忘れがたい。
画像加工という職業が性器を隠すモザイクを画面上で処理する
そういう仕事があることも知らなかったし、だからと言って
それが汚らしいかんじは全くしなくてむしろ爽やか。
にんげんを愛しているというカンカクはちゃんと伝わってきました。
それは哀しいくらい伝わってきました。

西加奈子ワールドは独特な世界なんだとおもいます。
自分の詠む能力では感動するところまではいけなかったけれど。
申し訳なくもおもいます。
初めて先取りプログラムにて読ませていただきました。
ピンクの可愛い表紙が届くのかと楽しみにもしておりましたが
実際に届いたのは校正前の本でした。
如何なんでしょう。これって内容と深くかんけいするのか
わかりませんけど奇妙なかんじで読んだことは確かです。
ありがとうございました。
ふるAmazon書評・レビュー:ふるより
4309021484
No.7:
(4pt)

最後まで読むべし。そこで一気にやって来る温かさ

人は自分の意思とはかかわりなく生み出され、周囲の人に育てられながらも「自然に」成長する。十代にでもなれば、「自意識」も芽生え、自分の独自性を考えたりもする。そして、一応大人になる。でも、単に自意識があるだけでなく「主体としての自分」になるのはいつなのだろう。何をきっかけに「主体」を手に入れられるのだろう。
ある意味で主体を意識的に避けてきた主人公:花しす(かしす28歳)の現在の日々と、子どものころ、社会人になってからのいくつかの断片を織り交ぜながらのお話は、彼女の心の景色を淡々と描いていく。彼女は世界から他人を引き去った後に残る隙間のようだ。そして、8割まで進んだところで、それまでの静かだった水面が急に踊りだすように、職場に一人休日出勤した花しすの心が波立つ。最後の10頁で一気に沸騰し、彼女は自分と他者の共通点、繋がるところを認識することで、逆に自らの主体を得る。「自らの主体を発見するまで」の物語である。
と、解釈してみたが、題名の「ふる」の意味が最後から3頁目でやっとわかったような鈍感な私には、この「イメージで描かれた小説」は難しい。花しすにしか見えない「白いもの」とは何か、分かるようで断言まではできない。帯に書かれたコピーは、確かにそういうことも内容に含まれるものの、何か外しているような気がする。
何にせよ、確かに温かいものが心にやって来る小説である。これが私の心に沁み込むにはもう少し時間がかかりそうな点を減じて、★4つ。
注意事項:気が急いている時には読まないこと。最後の部分までのゆっくりしたお話に我慢できず投げてしまうのはもったいないので。
ふるAmazon書評・レビュー:ふるより
4309021484
No.6:
(5pt)

傑作

「ふくわらい」が評判ほどにはすごくなかったので、ちょっと
不安だったのですが、これは「きりこについて」と並ぶくらいの
大傑作だと思います。性とは、生きる心と書くんだよ。ということを
この作者はいつも思い返させてくれます。
ふるAmazon書評・レビュー:ふるより
4309021484
No.5:
(5pt)

ふわふわ

ニシカナらしい
スマートな書き方で
すっとはいることが出来ました。
全体的にふわふわで
気軽に読める一冊です。
おすすめ。
ふるAmazon書評・レビュー:ふるより
4309021484
No.4:
(5pt)

探して見つかった

西さんの本すきです新刊なので読みたかった。全種類持ってます。
ふるAmazon書評・レビュー:ふるより
4309021484
No.3:
(4pt)

『今』をいきる僕たちへ

西加奈子さんの作品は、きいろいゾウ以来。
きいろいゾウは、女性の目線から書かれていることや、舞台が田舎のため、非常に独特の世界感をもっているように感じました。

今回のふるは、かわって都会で暮らす(暮らそうとしている)女性の話。
きいろいゾウとはテイストの違った作品に仕上がっています。

端的にいうと僕はこちらの方が好きです。
生きること、時間がたつこと、自分の存在意義や位置について悩む主人公。
なやんだあげくした行動が、『今』を記憶する会話のレコーダー録音。

実際この本を読んでいる僕にも『今』は流れています。
この『今』をとめることは出来ない。

主人公は僕達で、共感できることを多く悩んでいます。
もちろん、共感できることは人それぞれ、違うかもしれません。

でも、僕はこの主人公に共感できることは自分を見つめ直すことも同時にしているのかなと。
そんな風に感じたりするのです。

内容の中で少し性的描写はありますが、『今』をいきている人におすすめの本です。
ふるAmazon書評・レビュー:ふるより
4309021484
No.2:
(3pt)

花しすの関西弁が可愛い。

ウェブのエロ画像のモザイクかけという職業やICレコーダーで日常会話を録音する癖があるといったエキセントリックな設定なのに
それによって騒動や事件が起きるわけでもなく、日常を丁寧に描くことで物語は進行していく。
そうすることで、見落としがちな平凡な日々の幸福や葛藤を描いている。
狂言回しは、いたるところで、様々な年齢、職業となって登場する新田人生という謎の人物。
これは「新たな人生」でしょうか。
ちょっと不思議なテイストの作品です。
一番印象に残ったのが、花しすの関西弁が可愛い、という事でした。
ふるAmazon書評・レビュー:ふるより
4309021484
No.1:
(5pt)

祝福が空を舞うように。

西加奈子さん。この著者の本を読むのは初めてでした。
『きいろいゾウ』なる作品が映画化されるというので、
なんとなく軽い気持ちで手に取った、それだけだったのですが……、
これはなかなかいい拾い物をした、という気持ちでいっぱいです。

「ふる」……シンプルなタイトル。ほんわりした表紙。
そこから想像できる通り、とても温もりのある作品です。

特に大きな事件が起こるわけでもなく、派手な展開にもならない、
とにかくほんわりした作品です。でもそれがいい。

主人公の過去の記憶と、現在の日常を交互に描きながら、
世の中にはたくさんの「奇跡」があるということを教えてくれます。

ただこうして「生きている」という事実が、どんなに奇跡的な事か。
何かに感動して、笑って、泣いて、心震わすということが、
どんなに眩しいことか……。

そういうことを思い出させてくれた作品でした。
ふるAmazon書評・レビュー:ふるより
4309021484

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