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うつくしい人
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うつくしい人の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.25pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全30件 1~20 1/2ページ
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読み始めて、ずいぶん前に読んだことがあるのを思い出しました。おそらく10年以上前のこと、その時は全く心に刺さらずそのまま読み流してしまったようです。 その後、私は大きな病気をし、人生のすべてだった仕事を辞め、今もそのことを上手に受け止められないでいます。 大病を患ったのはおそらく悲鳴をあげる心と体の声に耳をふさいで走り続けたせいで、10年前には理解できなかった百合の気持ちが今回は痛いほどわかりました。 最後に百合が姉への本当の気持ちに気づき泣き続けるところでは、私も涙が止まらなくなりました。でも、百合と一緒に泣き、少しだけ心が軽くなったように感じます。 どのタイミングでその本に出会うかでこんなに受ける印象が変わる。読書ってやはりすごいと思います。 これも前回は全く記憶に残らなかったブローティガンの「愛のゆくえ」の引用が今回は心に沁みました。 “これらの本の暗闇のなかにこうして座っているのはほんとうにいい気持ちだ。わたしは疲れていない" | ||||
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多かれ少なかれ誰もが持つ感情を 文字としてよく表されているように感じました | ||||
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社会(他人)から認めらることに必死で、 姉のように、ただ「自分」であり続け、その「自分」の欲望に従って生きることができない。 自分にはない美しさを持った人を、 傷つけたり蔑んだりしないと「自分」を保てない。 でも、美しさを決めるのは、自分自身。 結局、自分の見方でしかない。 最後、主人公がそんな自分を認められてよかった。 | ||||
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あたたかい作品。 レビューを見る限り、どうやらこの作品は西加奈子の作品の中であまり人気がないようです。たしかに主人公は傷つきやすく繊細な性格のため、前半は些細なことにいちいちこじれる主人公に付き合うのが少し気が重いことも。しかし後半からクライマックスにかけて、点と点がつながり線になって行くに連れ、なんてあたたかい作品だろうと目頭が熱くなりました。その深いあたたかさに思わず本を抱きしめたくなりました。 主人公の心情の変化と同時に私自身も癒やされ、救われました。私自身の日常と照らし合わせても読むタイミングがバッチリで、よい気づきを与えてくれました。 繊細で生きにくい、人生に疲れたと感じている方には共感できることが多いのではと思います。一方で器用に図太く順風満帆に生きてこられた方には主人公の心情描写がうっとおしく感じられてしまうのかも。私にとっては星5です。 | ||||
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小説を読んでこんなに心が軽くなったのは初めてです。 自己肯定感が低い方、人目が気になる方や、自分を見失った方、人生に疲れた方にオススメです。 | ||||
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まだ半分ほどしか読んでいませんが。ネタバレ含みます。 主人公があまりにも自分と重なる部分が多く、体の中にある膿をそのまま言葉にしたような描写に現在の私を照らし合わせていました。 主人公は空気の変化、特に人が発する苛立ちに敏感で、影響されやすい。良い部分が見えると同時に嫌な部分もはっきりと感じてしまう女性。湿度の高いような息苦しさが文字からじんわりと伝わってきます。 何かを蔑む自分が何よりも辛く、しかしやめられない。その自分に蓋をしても這い出てきて苦しむ。そこから非現実へ逃げる。 主人公はリゾートホテルへ一人旅をしますが、女性の一人旅特有の感情の機微の描写がこれ程自分と似ている事は今までなく、その観察力、想像力に圧倒させられました。また、姉妹間の「観察」、これもまた私に重なる部分が多く、綺麗事では無いリアルを捉える西加奈子さんの描写にははっとさせられます。 これからどのように主人公の心情が変化するのか、未来の自分を見るようで少し怖いですが、楽しみです。 | ||||
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主人公(ある時期の西加奈子)の内面が細やかに書かれていて、勉強になりました。人の内面をここまで文章にできるとは!人の話を聴くときにも役に立ちそうです。 | ||||
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はじめは物語の進み方に、若干の退屈さを感じました。でも、とにかく、この島の、このホテルに泊まって、ビールが飲みたい!と何度も思わされ、一人旅がしたくなりました。笑 どの登場人物も、私があまり共感できない価値観で描かれていて、イラッとしてしまう部分もあったのですが、逆に、自分の知らない考え方を知ることができるというのが小説のいい所だなとも改めて思いました。 | ||||
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ちょっと間抜けに描かれるバーテンダー坂崎。アメリカの大学でGPSの仕組みを教えていたという。英語は読めるが、読めない他の国の言葉で書かれている本も読んでみようとする。暇を持て余すマティアスは、日本語が難しいから勉強した。別に日本が好きではないという。この、力の抜けた二人の登場人物を見ても、ほかのレビューにある<鬱陶しい>小説ではないことが分かるかな?ヒロインも、自分探しに来たんじゃなく、結果的にそうなるかなどうかな・・・と言う具合。マティアスのちょっと変な日本語や、坂崎の接客業とは思えない言動を楽しみながら読みましょう。 | ||||
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他人の悩みなんてものは大抵ちっぽけに思えるし、 でも自分の悩みも他人からはちっぽけだと思われているかも。人と会ってひとつの観念から開放されることは大切ですね 自分のダメなとこばかりじゃなくて良い部分を知ることが出来るようになりたい そして、坂崎さんのことがもっと知りたい | ||||
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ふくわらい、円卓、通天閣など西加奈子さんは一流のストーリーテラーです。その一方で、自分を表現しようとする、私小説作家的な面も強くもった作家ととらえています。 うつくしい人は私小説的な面が強く出た作品です。サラバがこの面を昇華させた作品ならば、うつくしい人はうまくいかなかった作品かも。けれど、それだからこそ、本を閉じた後の余韻が強い作品です。生々しく、たどたどしく。 同時代に生きる作家の貴重な記録です。 | ||||
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評価が高くなく、つい左右され、期待せずに読み始めたのが良かったのか…。 私はとても心に染み入り大切な本の一つになりました。 みんな不器用で、実はどこかで折り合いを付け見て見ぬ振りをしてなんとか生きている人たち。 実は人ってそういうものなんだろうな〜、器用不器用の度合いが違うだけで、何とか何とか生きているんだろうな〜… 私も色々乗り越えたつもりだったけど、本当はちゃんと向き合わずに見えてないものが沢山ある…という事実を突きつけられたようで、 後半から涙が止まらなくなってしまいました。 ただ、主人公のように、それを受け入れた途端に今まで感じたことのない感情が生まれ、それが「癒し」なのかもしれない。 それを感じられただけでも本当に良かった。 改めて。 私にとっては大切な一冊になりました。 | ||||
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評価が低い人も多いですけど、私は好きでした。他者の目を気にして窮屈に生きる姿、嫉妬心などみんな同じように生きているのかなと感じられる作品でした。読んだ後に気持ちが軽くなるような小説です(*^^*) | ||||
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主人公の心理描写に共感できる人は、読んでホッとするのでは。ああ、飛行機での移動中だけが、世俗から解放される時間だなんて。自分の心の声を聞いているようでした。 | ||||
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他者からの評価ばかり気にして、余計な気を使ったり、勝手にイライラしたりという百合が、まさに自分のような気がして、入り込めた。 逃げるように旅立った先のホテルで、同じように不器用に生きる2人の男性との出会いから、自分を見つめ、気持ちがほどけていく。 読了後、自分も前向きになれる本。 本編230ページと、一気に読み切れるボリュームも良い。 | ||||
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ちょっと「痛い」印象の女性が主人公。周囲を気にして、相手にどう見えるかをたえず考えてしまい・・そんな女性がリゾートホテルで出会った男性二人。恋愛ものとは趣が違うなと感じましたら・2人のおかげで、みごとにはじけちゃいますね。といっても恋愛に目覚めるのではなく、自分で縛っていたある呪縛と正面から向き合う主人公に拍手です。 | ||||
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素直に素敵な本だと思った。そう思えた本は初めてでした。百合と同じような経験をしたからだと思うし、あとがきにあった西加奈子さんの当時の不安定な気持ちに似ている時に読んだからだと思います。 こう、なんていうか、自分だけじゃないとか、不安定な気持ちを理解し合える仲間に出会えた気がした。 | ||||
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この人の作品は結構読みましたが、いつも最後のモヤモヤ・絶望感を残して終わるものが多いです。「サラバ」の主人公のように、家族以外順風満帆の人生も頭が剥げて劣等感を感じてから凋落していきます。そして主人公はなにかを見つけそうになり、物語が終了するところは本作品にも通ずるかと思います。たぶん、著者も解決策がなにかわかっていないし、「そんなこんな死にそうなくらい悩んでいるけど、見方が変われば生きていけるよねー」って感じ。今回の主人公、バーテンダーは、なんかの精神障害を抱えているのは明らかで、自分らしく生きようと描写しているところがよかったです。ただ、「サラバ」のように、著者自身、ある種のシスターコンプレックスを抱えているのは、姉とのこじつけを感じました。特に周りを気にしていたのは、姉に見てほしかったからという結論らへん。でも、全体的に雰囲気よく、面白かったです。 | ||||
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現在大学4年の女です。 もうすぐ社会人になろうとしているいま、本当にこの道を進むことが自分の望んでいたものだったのかという葛藤や、自分の夢に向かって突っ走っている同世代のキラキラした姿を目の当たりにし自己嫌悪に苛まれていたところでした。つらくて、本屋に行って手に取ったのが平積みされていたこの本でした。 最初の3ページを立ち読みして、この主人公はまさに私だ、と感じて即購入。家に帰り休むことなく読んでいました。 主人公の百合は、自分が周りからどう思われているかということについて常に考えているようなタイプ。その自意識過剰っぷりが加速して社会で生活していくことが息苦しくなり、しかしそんな状況に陥る自分にさらに息を詰まらせている。自宅にこもる日々から抜け出そうと旅に出た先で、百合が気にするようなことを気にしないで生きる二人の男性に出逢う。 結果としてこの二人の男性は、百合に何か力強いメッセージをくれるわけではありません。 これは、百合が自分で心を癒していく物語です。 これまで自意識というものにはあれだけ囚われてきたのに、自分の本当の気持ちに全く気づかぬ振りをしてきた女の子が、長い年月、蓋をしてきた自分の心に耳を傾けるまでのお話です。 うまく生きよう。普通に生きよう。恥だけはかかないようにしよう。そして出来れば、皆に羨まれるような生き方がしたい。 学校という小さな社会や大人達に混ざって生活するようになるうちに、いつの間にか根ざしているこの考え方。必死に守ろうとすればするほど、うまく生きるって何?普通って何?と、どんどん守ろうとしているものが何かわからなくなる。そして、自分が普通に生きられていない気がして、自分を責めるようになる。 レビューで酷評が多く驚いたのですが、それはこの主人公の年齢設定や自立した生活が送れていないことにも関係しているのでしょうか。 でも現代には、そして東京には、こういう百合みたいな女性って少なからずいると思います。TwitterやInstagramで友人や知人が楽しそうに生活をしているのを見て羨ましく思い、そして負けじと、周りから見たら間違いなく楽しそうに過ごしているであろう写真をとり、それをSNSにあげて満足する。いつのまにか見栄をはることばかりに労力を費やしていて、ふと過去を振り返った時に自分は何をしてきたんだろうと愕然とする。 私はこの本を読み終えると同時に泣いていました。涙といっしょに、息苦しかったものの正体も流されたような気がします。とりあえず自分の決めた生き方で生きてみよう。たとえそれが世間的にダサかったとしても。誰かにとっての、そして自分にとっての「うつくしい人」になろう、と思えました。 西さん、ありがとうございます。 | ||||
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ついこの間、肉子ちゃんを、とある人からお勧め頂き、結構気に いってしまったので、サラバの前にこの本を、って手に取りました。 物語はアンニュイって表現がいいのか悪いのか。 とある、裕福な家庭のお嬢様。32歳という曲がり角。 ご家庭には、裕福な家独特の悩み。とっても美しいお姉様。 会社を、よくある理由で辞めて、自分探しの旅に出る。 少しづつ語られる、お姉さまの悩みが、問題が、わかっていくとともに、 旅に出た宿泊先のホテルで出会った男達。 わずかな五日間。 明かされていく男達のキャラと、自分の境遇が妙にシンクロして、波紋が 波紋と重なり合い、見えてきたのは? という、うつくしい人。 酷評のレビューが並ぶ中、きっとこんな状況が理解できない幸せな 人たちが多いんだろうな。と思ってしまいました。 少しくらいの問題があっても、自分は自分って割り切って、頑張っていても、 自分がうまくいかなくなると、問題が一気に倍増。 そんな環境から逃げたくなる人いるんじゃないでしょうか。 80点。 こういう心理状況になったことが無い方には、ダメな作品でしょう。 こんな経験を、何回もしている私には、むしろこんな心理状況をよくぞ ここまで描き切ったね。って私的には賞賛。 序盤は書いていても、苦しかったでしょうね。作者は若いのによくそこを 乗り切りました。評価が分かれる一冊です。 でも、実際には逃げた旅先で、もっと嫌なことがある時が多いのですが。 そこが減点。 | ||||
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