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うつくしい人



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【この小説が収録されている参考書籍】
うつくしい人
うつくしい人 (幻冬舎文庫)

うつくしい人の評価: 3.25/5点 レビュー 56件。 Cランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点3.25pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全9件 1~9 1/1ページ
No.9:
(3pt)

がっかり

i が素晴らしかったので、また西神奈子さんの作品を読みたくなってこちらを購入しました。
あまりにも非現実な設定に最初から感情移入できず、特に主人公を好きになれなかったので、、、
それぞれの登場人物にそれぞれの理由があったにしろ、この3人が現実の世界で出会うことは有り得ないし、なんだかあまり美味しくないレストランでつまらない人と食事をしたあとのような、不満とまでは言わないけれど、行かなきゃ良かったな、と言うあの感じに似ています。読まなきゃ良かったな、時間の無駄だったな、という感じです。
うつくしい人Amazon書評・レビュー:うつくしい人より
4344016343
No.8:
(3pt)

どうしても設定が気になってしまう

自分に向けられたものではないのに、他人の言動に過剰に反応しまい、生きづらさを感じてしまう主人公の話。旅行先のホテルで重苦しい想いを置き残すことで立ち直っていく姿を見ると、日常からの逃避も必要なのだと感じられました。
でも、設定が気になるのです。主人公とホテルで出会った青年は生活に困らないお金持ちだし、旅行先で生活している人をなんか見下しているところがあり、なんか後味の悪さも残ります。あとがきで、少し、緩和されましたが、、、。
うつくしい人Amazon書評・レビュー:うつくしい人より
4344016343
No.7:
(3pt)

32歳。独身。とにかく、疲れすぎているのだ。

百合は、32歳。華やかなプリントのクロエのワンピース、赤いウェッジソールを纏って、赤いスーツケースを持って旅行に行く。会社でミスをして、やり手の女上司から「疲れているね」と言われて、どっと涙が出た。そのまま会社を辞めてしまった。そして、部屋に閉じこもっていたが、旅行のカタログを見て、青い日本の海(沖縄のような海ではない)と青い芝生の見えるホテルに5日間の旅に出るのだ。何かを変えたかったのだが、変えるべき自分もなく、何が変わるのか?ということであるが、とにかく、疲れているのだ。途方もなく疲れている。大丈夫だと自分に言い聞かせる。
 百合は、3歳上の姉をいつも見ていた。姉は美しく、活発な少女だった。親から褒められる姉の後を追っていたが、「親から認められる優等生」は、中学生になると失速し、いじめられるようになり、結局不登校となってしまう。35歳になるが、いまだに家に閉じこもっている。そんな姉を見ながら、自分の居場所をきちんと見定め、いじめグループにも加わって安全なところに自分を置いている。常に、他人の評価、親の評価、姉の評価を気にしながら、百合は行動して今日に至っているのだ。自分を中心に、周りに気を遣いながら生きていることに疲れて、瀬戸内海の島のホテルに来た。
 バーテンダーの坂崎は、一つのことしかできない。元は大学で物理学を教えていた先生だった。ドイツ人のマティウスは、母親の遺産で、裕福に生きているが、暇でしょうがない。坂崎とマティウスと話をすることで、やっと百合は、不器用な二人に対して自然に打ち解けることができるようになった。この本を読みながら、日本という国の生きづらさがよく見えるような気がした。自分としての判断基準を無くしたまま生活することで、自分を見失ってしまう。社会的適応性がなくなってしまう。何がいいことなのか?何がしたいのかが、全くわからない。そういう人たちが、たくさん存在するのだね。うつくしい人の心の充実が、どんなふうにできるのだろうか。
 姉をねとましく思いながらも、姉に評価されたいと思っていた自分を発見するのだった。
本当に、これで回復できるのか。でも、図書室で本に向かって、やっと泣けるようになったのが、ニンゲン回復への一歩なんだろう。
 著者自身も、心の表面張力がパンパン、無駄な自意識と自己嫌悪に苛まされ、面倒な三十路女性で、些細なことを敏感に受け取りすぎて、何かしらビクビクして、酒を食らって泥酔という状況だったという。心は、いたるところから、切りつけられ、傷だらけなのだ。
うつくしい人Amazon書評・レビュー:うつくしい人より
4344016343
No.6:
(3pt)

著者が自身のために執筆した小説って感じ。

著者があとがきで言っているように「この小説を書いていた時、私はすごく落ち込んでいた。この小説を書いて抜け出すことができた」とのこと。

主人公は仕事をミスしたことで辞め、他人の目が気になりすぎたり、家族との関係も消化できずにいる。どうしても姉を嫌悪してしまう自分にも嫌気が差すほど。

そんな主人公が旅先で出会う人々に心を救われるといった話です。

確かに退屈に感じてしまうかもしれません。正直、西加奈子の本を読むのが初めての方にはオススメはしません。やはり通天閣やサラバ!をオススメしたい。

既に西加奈子好きな方が読む分には、一読してみるのもいいかもしれません。

初めに書いたように、この小説は著者が落ち込んでいる時に執筆したとのこと。オチも正直まとまっているかと言われれば、キレイにまとまっているわけでもない。最終的に「姉はうつくしい人だよ」と言っていますが、心の変わり様が突然にも思える。

でも、それが当時の著者の気持ちを表しているんだなぁ、と思いました。

人間ってきっと、大嫌いだと思っていた人のことを、ふとしたことをきっかけに「あの人も悪くないかも」「私が悪かったかも」と思うような生き物だと思うから。

コロコロ変わる心情が人間らしいなぁ、と感じました。また、キレイにまとまってない感じも、それが当時の著者の気持ちなんだと思うと、愛おしいです。

そして『姉からの電話を無視してしまう自分。きっと相手は普段通り「大丈夫?」と聞いてくるだけなんだと思うけど』といった文章に、現在の自分が親に対して行っている行動にピッタリと当てはまって、ビックリしました。

あとがきで、ともさかりえさんが言っているように「その作家さんの雰囲気が感じられる小説」の部類ですね。

エンターテイメント性を求めている方は退屈してしまうかもしれませんが、西加奈子ファンなら一読してみるのもいいかもしれません。
うつくしい人Amazon書評・レビュー:うつくしい人より
4344016343
No.5:
(3pt)

ちょいめんどくさい自意識過剰女性、自己回復の話。分からんでもないけど

周囲がどう考えているのか、何を期待されているのか。
そういうがめちゃくちゃ気になる時期ってあるとは思います。私、体毛が濃いのですが、そういうのは中二くらいまでは死ぬほど悩んだりしました。また、駅のホームを歩いていて、どっかの女子校の生徒たちが後ろでクスクス笑っていると、「学ランにフケとかついていないかな?」「てかだれか俺の背中に張り紙とか張ってないかな」とか気になったりしました。

でも、この主人公は大分過剰です。その過剰感が、読んでいて結構疲れを覚えさせます。被害妄想的なレベル(詳しくはお読みください)。

結末で主人公は回復への光明を見出しますが、これが自分の嫁だったらどうしようかと妙な想像をし、すこしぞっとしてしまいました。
○○だったらどうしよう?××だと大変だから一応▲▲さんにも意見を聞いておかない?など、常に周囲からの見え方を気にして心配感漂う妻を相手にする。。。嫌なことがあると家出でも海外にでも行ってしまうという私ですので、到底優しく包んであげる自信がありません。
このような自意識過剰気味な女性に対し、世の男性がどのように対応するのかちょっと気になりました。

・・・
巻末のあとがきで、筆者が本作を執筆するときに相当に精神を病んでいたとあり、道理でこの重たさ、と合点がいきました。
小説からいちいち教訓めいた話をするのは野暮ですが、私が思うに、本作の主人公のように息詰まったら物理的に逃避!と思いました。以前仕事のストレスきついなあと感じていた時、年に6回旅行に行くというへんてこな目標を立ててみました。結果財布も身体も疲れ果てましたが精神は寧ろ平静を保つことができたと感じています。
ただ今は、コロナ禍にあっては気安く外出もしづらいですね。主人公の百合さんには運動によるストレス解消をおすすめしたい気分になりました。
うつくしい人Amazon書評・レビュー:うつくしい人より
4344016343
No.4:
(3pt)

あなたにはこの物語が突き刺さるか?

タイトルのとおりです。
ここのレビューを読み、改めて思いました。

世間にはこの本のキャラにほとんど感情移入できない人と、痛いほどに分かる人がいて、それこそが人と人の分かりあえなさ、誰かの生きづらさに繋がってるんだと思います。

この主人公は繊細ながらも、ある男性二人の前でだけ心を落ち着け気取らずにいることができます。
なぜなら、その男性たちにはどこか見下せる部分があるから。

私達は日頃、ちょっと変な人たちや、不器用な人たちにイラ立ちながらも、その不器用さに大いに支えられているのではないか?

私はこの本の主人公とその周りのキャラのやりとりからそうしたメッセージを受け取りました。
うつくしい人Amazon書評・レビュー:うつくしい人より
4344016343
No.3:
(3pt)

鬱陶しい設定

鬱陶しいくらいに自分を見失った女性の一人旅を描いた作品だ。

引きこもりの美しい姉に対する複雑な感情で、主人公のメンタルも姉に劣らずイタんでいるというこれまた鬱陶しい設定。宿泊先である高級リゾートホテルで出会った中年バーテンダー、超裕福な外国人青年といった主要な登場人物たちも、何やらちょっとずれている。

さてさて主人公の心は、この旅で再生することができるのか。

本作品は、人生に煮詰まった女性が、他者とのふれあいで気づきを与えてられ・・・といった方向性ではあるのだが、著者らしい印象深いシーンが、所々、見受けられる。

執筆中に著者自身も悩みの中にあったそうで、なるほどなぁという感じの作品。
うつくしい人Amazon書評・レビュー:うつくしい人より
4344016343
No.2:
(3pt)

ネガティブな心理描写が重くて多い・・・。

瀬戸内の島で男二人に出会い、主人公のこれまでの気持ちが徐々に溶解していく。かつてフジテレビで放送されたビーチボーイズの瀬戸内版かと、思い切り偏在的視点で物語を読み進めていきましたが・・・。ちょっと違ってました。物語自体、まぁ、ん~わからないでもないが、如何せん、主人公の心の葛藤、罪悪感などネガティブな感情が正直半分くらいの頁を占めているのかと思うくらい重い。堀井小百合も後半に続く伏線かと勝手な勘違いをしたり、坂崎の正体を勝手に想像したりしたが、こちらの予想とは裏腹に物語はフェードアウトしてしまった。ん~微妙だ。とは言いつつ、物語の展開が気になり2時間で読破してしまいました。作者もあとがきで、執筆した時の精神状態といい、読み返して前半は苦しいと書いてあるくらいなので、やはりそうなんでしょう。個人的な満足度は100点満点中50点と言ったところです。
うつくしい人Amazon書評・レビュー:うつくしい人より
4344016343
No.1:
(3pt)

試されます

ストレス解消手段として、よく(主に女性が?)旅行を挙げますが、
作家にとっては、執筆仕事もそのはけ口となるのかもしれません。

現状に行き詰まった三十路女の一人旅。
旅先での風変わりな人との出会いで、
リセットのキッカケ、、の、その入り口、、の、ヒントを、
なんとか見つけられたような、そんな可能性を感じる物語です。

旅で得られたモノは何もありません。
ただ、どん底に落ちている人は、しばらく底でもがいて、苦しんで、、
もがき抜いて、やっと初めて上を向ける。って事を、描いた作品。
なんか作家さんのストレスをおすそ分け頂いてしまいます。

頑張って読んだご褒美が、あとがきですね。
「めっちゃしんどい」心理であったそうです。

西さんのパーソナリティが滲み出る本作ですが、
めっちゃしんどい作家を、好きだな〜このめんどい人。
と思えるか、試される作品とも言えるでしょう。
うつくしい人Amazon書評・レビュー:うつくしい人より
4344016343

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