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紫色のクオリア
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紫色のクオリアの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.20pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全54件 21~40 2/3ページ
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量子干渉に量子コンピューター、平行宇宙、干渉性、フェルマーの原理、シュレディンガーの猫、万物の理論、人間原理、そしてクオリア(感覚質)。量子力学に認識論を掛け合わせ、SFの大物ガジェットを次々に投入し、魔法少女まで持ち出し、アルフレッド・ベスターの超名作「虎よ、虎よ!」へのレスペクトの上に描かれた愛のお話。 まなぶが偶然に実感したゆかりの体重と体温。この実体を守りたい、・・・。なんと熱いストーリー。 ストーリーが動き出した後半は一気に読まされた。加速に次ぐ加速で後半は足下が見えない感もあるが、大風呂敷の広げ方も、その畳み方も良し。1冊単独のライトノベルでここまでできるとは驚異の作品だ。間違いなく★5つ。 古いSF読みであるレビュアーにはたまらない傑作。科学と一般意味論を掛け合わせたヴァン・ヴォークトのワイドスクリーン・バロックが思い出された。 蛇足:本作の登場人物アリス・フォイルの名は「虎よ、虎よ!」の主人公ガリヴァー・フォイルからだろう。 | ||||
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ライトノベルとして出版されるべきではなかったと思う。 表紙のイメージと全然違うし。 ラノベくくりにするから、「納得」とか「理解」とか 「キャラ」について言及されるんでしょう。 | ||||
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クオリアという単語に過敏な反応を示してしまった……悔しい。 面白さという意味では「毬井についてのエトセトラ」が飛びぬけていました。いや、2編しか載ってませんが。 モノの見え方という、知覚と心の問題を上手い具合に物語にまで落とし込んでいたのが凄いです。よくもまあ、こんなことを思いついたものだ、と驚きに浸っています。 人がロボットみたいに見える以上の能力があるところは、やや不満ですが。 もう一つの話も、観測者の問題を扱っているのか、真の意味での第三者は存在しないという大きな問題を上手い具合に使いこなしていたように思いました。 なんで、こいつにはなれないの? という読中の疑問もしっかりと説明されていましたし…… とはいえ、毬井についての〜のインパクトが大きいために、二つ目のお話をおまけみたいになってしまっていたのが勿体ないなあ、と思います。 実に面白い一冊でした。 | ||||
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2つの短編とエピローグで構成される短編集。作品ごとに印象が異なるので、別々に記述します。若干ネタバレを含むので注意してください。 <毬井についてのエトセトラ> やや無理やり設定を拡大している感が否めないものの、人間がロボットに見えるという設定を上手くストーリーの展開に組み込んでいるように思います。単なる認識の相違にとどまらず、この特異な設定を展開しているように思いました。特にラストの「人を信じる大切さ」とのコネクトは、感受性の高い人ならホロリを涙を流してしまうでしょう。 冒頭がやや説明的で流れが悪いところを除けば、起承転結もしっかりしており、短編としてはかなりの秀作だと思います。 <1/1,000,000,000のキス > 前作が良かっただけに、こちらは若干目劣りしているように感じました。いわゆるループものなのですが、同時に存在する並行世界云々の設定を過去や未来への改変にまで拡大させているのは、やりすぎなように思います。話が複雑化しすぎて、読者をおいてけぼりにしています。ラストも「仲間の大切さ」を主張してはいますが、結局は元の木阿弥で進歩がありません。設定としてはとても面白く、上手に活用すればシュタインズ・ゲート並みの作品になっていたと思えるだけに残念極まりないです。 毬井についてのエトセトラを星5、1/1,000,000,000のキスを星3とし、二つの平均を取って星4とします。 | ||||
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量子力学・科学論・理論とパラレルに話はぶっとんでいきますが、根底にあるのは 人に対する想い。 誰でもしたことがある、ゲームでのセーブ。 いい結果を求めて枝分かれにあれでもない、 これでもないと探し求めるGOOD END。 主人公マナブちゃんは、友達ゆかりのために奔走します。 ずっと一緒にいたいから。 | ||||
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この小説は300ページでしょうか? 少なくともぼくは、この300ページの小説を読み終える頃、もしかしたら自分は別の300ページを読んでいたのかもしれないという錯覚に陥りました。 錯覚でしょうか? もしかしたら本当に読んでいたのかもしれません。 量子論にまつわるあらゆる要素や過去SF作品のオマージュ、引用がこれでもかというほど盛り込まれているにも関わらず、文章に濃密さがなく、とても読みやすいです。 そして、このボリュームで話を畳み込む潔さと、圧倒的な技術。実はこれ、死ぬほどすごいことです。読み終わってからしばらく呆然としました。 あまりにすごすぎて、逆になんでもない文章に見えてしまいます。 ややもすると、一見さんお断りになりがちなテーマと要素を、平易な語彙と文章でまとめ上げ、的確/スピーディに物語を展開。 これは作者が的確な知識と端的に説明できる言葉をもっていなければ出来ません。 この本に出てきた内容だけでも、普通に書けば文庫3冊以上はいけるはずです。掘り下げればいくらでも書ける内容です。 それを、あらすじのピュアさを失わないよう潔くまとめあげています。作家としてのプライドと、作品に対する真摯な向き合いかたが感じられます。 毬井には、読んでいてときどき寒気がします。かわいいけれど不気味で、途方もない闇があるように見えます。 マナブのも寒気がします。愛がありすぎて、圧倒的すぎて。 けれど、別の300ページを読んだ自分も、果たしてそう思ったのでしょうか。そこにあった文章は、同じ文章だったでしょうか。 そうでないといいです。多分そのほうが、おもしろい気がしますから。 | ||||
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こうゆう作品にたまに出会えるからラノベ読みを止められないのかも知れない。 | ||||
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これもループ系作品とカテゴライズしていいと思います。 前半と後半でかなり読み方が変わってくる作品だと感じました。 「こんな展開は悲しい」と思いながら読み進めると ラストで救われました。 このラストじゃなかったら、即売りに出していたかもしれませんw オススメです。 | ||||
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作者が日常物ながらSFやファンタジーについてしっかり知識を持っていることがわかる。 文章力も確かで表現も気を使われているようで、陳腐なラノベと違いまた読み返したくなる出来です。 この作家さんの他の作品も読みたいですね。 | ||||
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主な登場人物は、女子高生3人で、 人間がロボットに見える少女が主人公。 肉体が金属製に見えるといった錯視のレベルではない特殊な視力を持っています 特殊な能力を持つ異質な者を拒絶し排除するのか、 あるいは受容するのか/できるのかがテーマ 謎解きもあり、ミステリー的要素もあり、楽しめるストーリーです。 背景設定も、観念的なものが実在性をもつという観念論を下敷きにした パラレルワールド的な要素があって面白いです。 | ||||
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いい話です! 話が、まどかマギカやシュタインズゲートに似てますね! タイムループ物 平行世界物の話の小説の中でもトップクラスの面白さです! 買って損はないので、是非読んでください! | ||||
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これはとある少女の愛の物語である。 億千の巡り会いの中で、最後まで捨てられなかった、求め続けていた出会いの物語。 1人の大切な友人の為に自分を捨てたとある少女の姿はとても尊く美しい。 人生で大切なのはゴールである、だがゴールとは何か、ゴールとは何処かを考える事こそが人生で越えるべき最初の門なのかも知れない。 並行世界、量子力学、シュタインズゲート、インフィニティシリーズ、ガンダム00。 上記のキーワードにピンと来た方、この作品を強くオススメします。 | ||||
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この作品の中心となる女子中学生・毬井ゆかりは自分以外の人間がロボットに見えるそうで、例えば作品の語り手である彼女の友人・波濤学は『汎用性で最強』『すごい換装システムを持っている』ように見えるのだとか。さしずめ私の場合は外付け記憶装置がゴテゴテ付いていて重そうで、フレームが年中きしんでいるようにでも見えるのですかね? まあそんな視点の持ち主で、基本的に隠してはいても何かの拍子でポロッとこぼれてしまうのですが、小動物っぽい外見と相まって周囲からは『不思議ちゃん』キャラクターとして愛されているなんて、やっぱり美少女は特権階級なのだろうかと思ったり。ともあれそういう感じでロボット、機械、そして彼女の趣味のプラモデルが、機能や目的や複雑さが違うだけで全部人間と同じように認識しているものだから、ゆかりの周囲はいささか奇妙な会話や出来事が繰り広げられるわけでして。 私的にはそうした日常とちょっとした事件を描いた短編「毬井についてのエトセトラ」だけで十分楽しめるのですが、ネットで注目されているのは文庫の半分以上を占める「1/1,000,000,000のキス」のようでして、天才を見つけ出し、育成する組織に目を付けられ、最終的には死んでしまうゆかりを救い出すため、波濤学が短編の事件でゆかりの手で左腕に埋め込まれた携帯電話の力を使い、幾多の並行世界やら可能性やらを跳びまくるストーリーになってます。 とにかく生半可な手段ではゆかりの死を食い止められず、気の遠くなるほどの失敗と再挑戦を繰り返していく様が、「シュタインズ・ゲート」で何度も何度も過去へ戻ることを繰り返す岡部倫太郎と被ってまして、再挑戦の方法や話のスケールなどは違ってますけど何らかの影響を受けてるのかなと思いました。 | ||||
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かれこれ、最後に読んだのは1年半前に遡るが、自身の記憶を辿ってレビューしたいと思う。 ラノベ界では決して珍しくない、読者に媚びるかのようなアニメ絵ではあるが 本編は打って変わって、真正面からハードSFに挑戦している。 辺り一面ロボットだらけ。なぜわたしだけ皆と違ったかっこうをしているの? そんな感想をもってしまう紫は、人間がロボットに見える不思議ちゃんである。 その紫についての人物説明、周りの反応などが100ページほど割かれ、読者の中で人物像が完成する。 ここまでのアットホームな話に終始するなら、他で見受けられる凡作程度で終わっただろうが 紫が関わった事件から場面は急転直下する。文字通り、いままでは前菜であり、メインはこのあと。 ○が殺害された未来を改竄するため、持てる知識と能力を総動員して、救済への道を探すマナブ。 後半からの神をも凌ぐ力を手に入れた過程は、少々突飛すぎてついていけませんが すべて親友を救うための、ひたむきな情熱が叶ったからというメルヘンチックな理由付けで解釈することにした。 たしかに希望を捨てず、現実に抗ったマナブはエゴに塗れた女かもしれない。 それでも、トライ&エラーを繰り返し、偏執的ともとれる行動に結果はちゃんとついてきた。 そして、最後の○オチでの紫の発言、クオリアは共有感覚ではなく固有のクオリアだから‥ マナブの行いは妄想だったのか、真実だったのか判らないが、本作はこの一言に集約される。 無限の自分を味方につけ、歴史を改竄し、時を越えて‥。 これほど壮大でファンタスティックなラブストーリーは、金輪際ラノベ界ではお目にかかれないだろう。 中学生や高校生でも頭を悩まさずとも、マナブと七美の会話を聞き漏らさなければ 豊富な例えと質疑応答ですんなり頭の中で、用語の概念がつかめるはずだ。 その中には、クオリア、平行世界、シュレディンガーの猫など、SFの基本的概念であり、 理解の出発点になる要素がぎゅぎゅっと詰まっており、丈夫な知識の基盤が出来上がるはず。 最後まで、ハラハラドキドキしながら、このパラレル世界を堪能してもらいたい。 最後に、紫色のクオリアは、ラノベ界で後世まで伝えるべき一冊になったはずだ。 これを読まずして何を読む。ラブコメ・ファンタジー・バトルものも構わないが 読書好きなら、1冊は手元において、何度でも読み返してもらいたい。それこそ、ボロボロになるまで。 さらに考察し、そして世界観を追及し、誰かと激論を交わすのも大いに結構。 本は読んで利用してこそ価値がある。読んで、はいおしまい。ではあまりに勿体無い。 ラノベだからと敬遠せず、多くの目に止まってほしい、紛れもない名作だからだ。 絶版になる前に一読せよ。埋もれるには惜しい逸材だ。 | ||||
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『紫色のクオリア』です。クオリアとは哲学用語です。本文にも記述があるので説明は省略。 雑誌掲載だったらしい単発短編と、その続編ともいうべき中編、とエピローグという構成です。この本一冊で読み切りです。 短編は、キャラ紹介的なエピであり、形としては上手くまとまっていて良いのですが、特にこれといったインパクトはあまり無かったと思います。こういう傾向の方が好み、という向きもあるでしょうけど。 中編からが、本作の本領発揮です。 さほどの描写もなく淡々と思考実験を繰り返すのですが、なんか退屈っぽいかなーと思っている間に量子論による分岐とループにだんだん引き込まれました。 SFでよくある平行世界、シュレディンガーの猫を上手く料理していたと思います。 SFであり、哲学でもあるのですが、どっちも素人であってもライトノベル作品として全く問題なく読めます。読みやすさという観点からいうと軽いけど、内容はしっかりしていた感じです。 ちょっと百合っぽく感じるかもしれませんし、キャラが中学生っぽく見えなかったり、中編における汎用型が最強すぎるとかありますが、単発ライトノベルの良作といえます。 ★5 | ||||
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未読の方へのメッセージはタイトルで終わりです。以下もご覧にならない方が!笑。 本当に、予備知識なく読めてよかった!と思える作品でした。「人間がロボットに見える女の子話」とだけ聞いて「手塚治虫が火の鳥でやってたあの感じかな」 と思いながら読み始めたら、あれとは全く違う、主人公である普通の女の子の一人称で語られる「人間がロボットに見える(という)女友達との変わった日常」 が、彼女を不思議ちゃん呼ばわりするかつての友達との軽い確執などを踏まえつつも、とても優しいタッチで描かれていて、 「ああ、ちょっと不思議な感覚をベースに描かれる、友情の物語なのかな(それにしてはぶ厚いな)」と思っていたのですが、 そういうのは序盤で終わってしまいます。 「○○事件」という物騒な単語とその犯人が出てきた辺りから、「えっ?これひょっとして『ロボットに見える』ことが実はとんでもない異能で それで事件解決する話なの?しかもロボットに『見える』だけじゃなく……ああ、ここから特別な子をめぐる本当の葛藤と友情の物語がはじまるのか!」と思っていたら、 そういうのも中盤で終わってしまいました。 その後は……ものすごいことになります。ものすごいことに。ある強烈な出来事が起き(この時点でひっくり返りました)主人公が特殊化したことから、彼女を中心にたたみかけるように展開される量子力学理論とそれに牽引される物語。 どうすごいのか、あえて伏せますが、とにかく主人公の主体、時間、空間、人称、倫理、と飛躍に飛躍を重ねる展開。話のスケール(というより世界そのもの)が とんでもない方向に飛んでいきます。読んでる方もにぐいぐいと引き込まれ(良い意味で)どこかへトびそうになるほどに。普通だった主人公が最後に「とんでもない事」になってしまい、「こ、これどうなんのよ!もう話に決着のつけようがないじゃん!」と思ったところで、 とてつもなく優しい言葉と、真実に満ちた結論によって、物語は見事に収束を迎えます。 そして振り返ってみれば、やはりこれは「不思議な少女との日常」の物語であり、「私と、私でないあなた」を主題とした、普遍的な友情の物語でした。 最初は、「なぜ、人がロボットに見える、というとてつもなく魅力的な視点を一度も描かないのだろう」と不思議に思いましたが、そこにこそ『紫色のクオリア』の 「同じ視点に立つことの出来ない他者と向き合うことの意味」が現れているように思えました。 「難しい理論が出てくるのは苦手」という方も大丈夫。これはSFでありながら、「人と向き合うこと」を描いた素晴らしい物語です。だって、文系の僕も読めたもの。笑。 ……ところで、「かそくちてん」こと「加則智典」って、結局なんだったのでしょう? | ||||
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自分の好きな作品を紹介しているリストマニアからたどって発見した傑作。前半は脳の認識について、後半は量子論、相対性理論などの近代理論物理学のパラドックスを応用した物語。人がロボットに見える少女という設定だが、見えていてもわからない、理解できないという現象は識字障害、高次脳機能障害など現実に多数ある。虚淵玄の「沙耶の唄」なども典型かと思う.実際他人が見ている物が自分と同じであることを証明することはできない.ゆえに共感できない、わからないことから争いが生まれる.後半は一転して、多重世界との交信が可能になった主人公が不確定性理論、多重世界理論から自分の理想とする結論へたどり着こうとする壮大な話へと進行する。最終的に量子力学と相対性理論を結びつける「万物の理論」を手に入れ、究極の観測者になるのだが・・。科学の論理をわかりやすいエンタテイメントとして昇華させた傑作SF。これだからラノベ読みはやめられない。 | ||||
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久しぶりに読み返して改めて、この作者の突き抜けたセンスに感服した。だからレビューをかくことにした。 私はSFはそこまで読む方ではないから、この作品がSFとしてどれだけ優れているのか、についてはよくわからない。ただ、そこらへんの作品とは明らかに一線を画すであろう並はずれた発想力。怒涛のようにたたみかけてくる文章。とにかく面白いし、ひきこまれるし、小説の醍醐味がいっぱい詰まっている。もっともっと多くの人にこの人の凄さを知ってもらいたいと思った。 同著者の「悪魔のミカタ」も個人的に大好きなのだけれど、とがったているので万人受けはしないのだろうな。と思っていた。 ただそのとがっているところがこの著者の一番の魅力であり、そしてこの作品「紫色のクオリア」も十分とがりまくっている感はあるのだけれど、こうして絶賛されている。「紫色のクオリア」を読んで、この人の文章に圧倒されたなら、ぜひ「悪魔のミカタ」や「シフト」なども読んでみてほしい。きっと同じようなドライブ感を味わえるはず。 | ||||
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前半からも勿論おもしろくすぐに引き込まれていきましたが、後半からホントすごいです。 内容を簡単に言うとパラレルワールド、バタフライエフェクトの話ですね。 パラレルワールドものが好きだという方は是非読んでください、もしそうでない方も出来れば読んでいただきたい。 ラノベだからといってあなどることなかれ、パラレルワールドものの一級作品と言えるでしょう。 | ||||
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自分以外の生き物が全てロボットに見える、ロボットと人間の区別がつかないという少女、毬井紫と友人になった少女、波濤学は、ゆかりの友人でありながら彼女に憎悪を抱いている少女、天条七美と反発したり近づいたりしながら、普通の学校生活を送っていた。 しかし、ゆかりと一人の殺人鬼との出会いが、普通とは少し変わっているけれど平凡な日常をどこかへ追いやり、まなぶにななみが抱いている憎悪の理由を悟らせることになる。まなぶの機能拡張がなされることを代償として。 クオリアの相違という変わった設定はあるけれど、日常のドタバタをまったりと描いていくのかなと思わせる第一章から、第二章ではまなぶを主役として、思いっきりSF的な展開へと変わっていく。 一言でいえば並行世界での試行錯誤なのだが、感覚的にいってこのジャンプの仕方が半端じゃない。そして、ジャンプして戻ってくることで、ゆかりという人物に対する深みと、まなぶという人間の徹底ぶりが理解できるようになっている。 第一章の展開を引き継ぐべきなのはこの回帰した後の世界なのだが、そこは描かれることはない。まさに不確定だ。ただ、あらゆる可能性を検証した上でその経験を捨てたことで、まだ生まれていない可能性を選択できる可能性が生まれたことは確かだと思う。 | ||||
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