それまでの明日

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それまでの明日の評価:

3.69/5点 レビュー 91件。 C ランク

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平均点3.69pt

Amazonレビュー一覧

Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全24件 21〜24 2/2ページ
No.4
(3pt)

かくも長き不在

あるいはヒッソリと鬼籍に入られているのではと失礼な想像も巡らせていた著者の望外の新作、ファンが欣喜雀躍するのもむべなるかなです。チャンドラーに魅せられ、かの特徴的なスタイルを踏襲しようとした作家は多くあれど、中でも著者は亜流に終わることなく見事に衣鉢を継いだと考えるのは、まんざら同国人としての身贔屓ではないでしょう。 
 そもそも本家チャンドラーが読者の好みで毀誉褒貶が分かれる作家ですが、著者は一歩間違えば単なる悪趣味になりかねない、気取りと諧謔と怜悧さと若干の感興をブレンドした一人称の文体を全面に押し出し、都会の喧騒から抽出された事件達を探偵に絡ませ、やがて再び一人になる孤高の探偵の姿を描き出して、中毒性の高い読み物を作り上げました。著者がかくも遅筆で読者を焦らせてきたのは、独自の美学を妥協なく貫徹するため、文章表現やプロット、著者の心眼たる探偵の立ち位置を、一ミリの狂いもなく満足のいくまで、ひとえに推敲し尽くしてきたからだと思料します。
 新作に邂逅した喜びはさておき、本作においてもトレードマークの原節が健在であるかが最大の関心事でしたが。読後感としては、構成が過去作品に比べて捻りが少なく若干御都合的で、本のボリュームは以前と変わらないものの、紆余曲折が乏しいだけにスラっと読め過ぎ、巧緻なプロットで事件の様相を万華鏡のように変化させて読者を瞞着した過去作品のような緊迫感は味わえませんでした。冒頭登場した「紳士」のような依頼人をどう絡ませるかが謎を魅力的にする成否のポイントだったと思いますが、蓋を開けると当該人物の依頼の動機はメロドラマ的で他愛なく、拍子抜けします。また従来のような緊密なプロットに守られていない分、沢崎探偵の言動がやや戯画的に見えてしまったという印象も持ちました。やはり精妙な構成があってこそ沢崎のキャラクターが成立するのだと実感します。 
 気になったのは、強盗未遂事件から姿を現す青年の存在です。この青年に対して沢崎は最初から好意を見せており、2人が意気投合している雰囲気が最後まで続きます。過去には沢崎は全ての関係者と頑なに距離を置いており、ここまで感情移入した相手はなかったと思うので、読んでいて何だか居心地の悪い気分になりました。さしもの沢崎も年を重ねて軟化したということでしょうか?軟化と言えば御馴染みの錦織警部とのやり取りも、ややルパンと銭形警部化した感じでした。
 ドイルは一旦殺したホームズを読者の熱望により、仕方なくライヘンバッハの滝から復活させましたが、その後のホームズが以前と違うと苦情を述べた読者がいたとか。著者がかくも長き不在から沢崎を復帰させたのは、決して自身の意に反しての出来事でなく、必ずや新たな沢崎像を造形するべく心中期するものがあったと思いますので、期待を込めて今後の成り行きを見守るしかないのでしょう。ファンとしては、アナクロニズムまがいであっても古風な優雅さを纏った著者の世界の中で、いつまでも鋭く輝き続ける沢崎の姿を再び見たいと願っています。
(キンドル版、せめて章別の目次くらい付けてください。読みにくくて仕方ないです。)
それまでの明日 (ハヤカワ文庫JA) Amazon書評・レビュー: それまでの明日 (ハヤカワ文庫JA)より
4150314462
No.3
(3pt)

かくも長き不在

あるいはヒッソリと鬼籍に入られているのではと失礼な想像も巡らせていた著者の望外の新作、ファンが欣喜雀躍するのもむべなるかなです。チャンドラーに魅せられ、かの特徴的なスタイルを踏襲しようとした作家は多くあれど、中でも著者は亜流に終わることなく見事に衣鉢を継いだと考えるのは、まんざら同国人としての身贔屓ではないでしょう。 
 そもそも本家チャンドラーが読者の好みで毀誉褒貶が分かれる作家ですが、著者は一歩間違えば単なる悪趣味になりかねない、気取りと諧謔と怜悧さと若干の感興をブレンドした一人称の文体を全面に押し出し、都会の喧騒から抽出された事件達を探偵に絡ませ、やがて再び一人になる孤高の探偵の姿を描き出して、中毒性の高い読み物を作り上げました。著者がかくも遅筆で読者を焦らせてきたのは、独自の美学を妥協なく貫徹するため、文章表現やプロット、著者の心眼たる探偵の立ち位置を、一ミリの狂いもなく満足のいくまで、ひとえに推敲し尽くしてきたからだと思料します。
 新作に邂逅した喜びはさておき、本作においてもトレードマークの原節が健在であるかが最大の関心事でしたが。読後感としては、構成が過去作品に比べて捻りが少なく若干御都合的で、本のボリュームは以前と変わらないものの、紆余曲折が乏しいだけにスラっと読め過ぎ、巧緻なプロットで事件の様相を万華鏡のように変化させて読者を瞞着した過去作品のような緊迫感は味わえませんでした。冒頭登場した「紳士」のような依頼人をどう絡ませるかが謎を魅力的にする成否のポイントだったと思いますが、蓋を開けると当該人物の依頼の動機はメロドラマ的で他愛なく、拍子抜けします。また従来のような緊密なプロットに守られていない分、沢崎探偵の言動がやや戯画的に見えてしまったという印象も持ちました。やはり精妙な構成があってこそ沢崎のキャラクターが成立するのだと実感します。 
 気になったのは、強盗未遂事件から姿を現す青年の存在です。この青年に対して沢崎は最初から好意を見せており、2人が意気投合している雰囲気が最後まで続きます。過去には沢崎は全ての関係者と頑なに距離を置いており、ここまで感情移入した相手はなかったと思うので、読んでいて何だか居心地の悪い気分になりました。さしもの沢崎も年を重ねて軟化したということでしょうか?軟化と言えば御馴染みの錦織警部とのやり取りも、ややルパンと銭形警部化した感じでした。
 ドイルは一旦殺したホームズを読者の熱望により、仕方なくライヘンバッハの滝から復活させましたが、その後のホームズが以前と違うと苦情を述べた読者がいたとか。著者がかくも長き不在から沢崎を復帰させたのは、決して自身の意に反しての出来事でなく、必ずや新たな沢崎像を造形するべく心中期するものがあったと思いますので、期待を込めて今後の成り行きを見守るしかないのでしょう。ファンとしては、アナクロニズムまがいであっても古風な優雅さを纏った著者の世界の中で、いつまでも鋭く輝き続ける沢崎の姿を再び見たいと願っています。
(キンドル版、せめて章別の目次くらい付けてください。読みにくくて仕方ないです。)
それまでの明日 Amazon書評・レビュー: それまでの明日より
4152097485
No.2
(3pt)

こんなもんかな

読めます、一気に読めます
読んで損はないと思います
が、買う必要はないと思います

ネタバレあり
調査中に、偶然に強盗事件に巻き込まれる
その強盗事件の関係者のなかに事件の鍵になる人間がいる
その人間は、いまどき、少々の金で人間性がどうとか、
彼女に本当のことがどうとか、いう
前時代的な男である
また、若い時、料亭で介抱してくれた女将を犯した上に、
思い出にと絵画まで持ち去るような輩を、若気の過ちを犯した成功した紳士と描写する
全てが旧い
一言でいうとそういうことです
共感が持てないし、ズレてると感じてしまう
筋立てにしても、本筋から離れたところを本筋に錯誤させようという
意図が早くから見え見えです
ハードボイルドは独りよがりではないと思います
なんかがっかりです
それまでの明日 (ハヤカワ文庫JA) Amazon書評・レビュー: それまでの明日 (ハヤカワ文庫JA)より
4150314462
No.1
(3pt)

こんなもんかな

読めます、一気に読めます
読んで損はないと思います
が、買う必要はないと思います

ネタバレあり
調査中に、偶然に強盗事件に巻き込まれる
その強盗事件の関係者のなかに事件の鍵になる人間がいる
その人間は、いまどき、少々の金で人間性がどうとか、
彼女に本当のことがどうとか、いう
前時代的な男である
また、若い時、料亭で介抱してくれた女将を犯した上に、
思い出にと絵画まで持ち去るような輩を、若気の過ちを犯した成功した紳士と描写する
全てが旧い
一言でいうとそういうことです
共感が持てないし、ズレてると感じてしまう
筋立てにしても、本筋から離れたところを本筋に錯誤させようという
意図が早くから見え見えです
ハードボイルドは独りよがりではないと思います
なんかがっかりです
それまでの明日 Amazon書評・レビュー: それまでの明日より
4152097485