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水曜日のジゴロ 伊集院大介の探究



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水曜日のジゴロ 伊集院大介の探究の評価: 2.67/5点 レビュー 6件。 Dランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点2.67pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
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全1件 1~1 1/1ページ
No.1:
(3pt)

あなたが藤島樹を嫌いでないなら、きっと読める

私はこの話は不思議と嫌いではない。ミステリとしてはけして評価できないし(またすべきではないと思っている)、小説としても一応まとまっているというぐらいにしか公には評価できないかもしれないが、私は、この小説がけして嫌いではない。

一つには、本作の語り部である藤島樹という女性が嫌いでないからである。彼女は、すでにシリーズの旧作「魔女のソナタ」で登場したキャラで、やはりそちらを抜きには理解しにくいところがあるかもしれないが、とにかく、一般的でない、特殊な世界に生きてきて、その世界でひとかどの人物とみなされるようになった女性が、人生の晩秋にきて、ふと自分のありように自問自答する、というところに少なくとも私は無理なく感情移入でき、彼女の心の軌跡を素直にたどることができた。とにかく、本作は、水商売で同性愛者でという、彼女の特殊さに辟易するか、さもなければ、それは変り種、世間からのはぐれ者、少々個性的すぎるという記号とみなせるか、そこが鑑賞の分かれ目であろう。

また、もう一つ興味深かったことは、著者の作品、ことに伊集院大介モノには、選ばれた才能のもち主(しかも美形!)がよく登場する。単にちょっと秀でてる程度でなく、その道で人を魅了する至上の才能のもち主が。しかし、本作に登場する美形、藤島樹ともう一人の重要人物は、たしかに抜きん出て美しいかもしれないが、世間を圧倒する才能のもち主ではない。ちょっとばかり抜きん出ているが、しかし最上・至上ではないゆえの存在。二人のありようにそんなことを思ったのは私だけか。とりわけ藤島樹は「魔女のソナタ」で栗本得意の才能のもち主である"魔女"に敗北を味合わされているのだ。同じ麗人といわれても、伊集院大介ゆかりのオリエンタル・クイーンとは恐らく肩を並べることはないのだ。いずれにしても、伊集院大介モノを通じて、このような中途半端な美形の存在は特筆すべきではないかと思う。
水曜日のジゴロ 伊集院大介の探求 (講談社文庫)Amazon書評・レビュー:水曜日のジゴロ 伊集院大介の探求 (講談社文庫)より
4062751259

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