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秋月記
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秋月記の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.43pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全30件 1~20 1/2ページ
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●藩内抗争をベースにした青年藩士群像物語。起伏が少なく情景描写を多用し武家社会の理不尽さを 活写している。主人公の成長記とともに武士としての苦悩や義憤が滲み出ている力作です。 | ||||
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『秋月記』を読み進めてゆくと、別の作家の作品を思い浮かべてしまう。描かれる時代や風土が異なるのに、何だか妙に懐かしく感じた。 家老宮﨑織部の専横を許せば御家が危ういと、主人公小四郎ら秋月藩の若侍たちが君側の奸排斥を藩主に直訴しようとする場面では、黒澤映画「椿三十郎」での加山雄三、田中邦衛らの勇姿が瞼に浮かんだ。 映画は山本周五郎『日々平安』を原作とするが、本作品には三船敏郎扮する素浪人役は出て来ない。代わりに、石橋完成を機に奪われた恋人を返してくれと迫る長崎の石工が、家老供廻りの姫野三弥に斬殺される。 この二天流剣士は醜聞の噂さが絶えない得体の知れぬ新参者で、藤沢周平『蝉しぐれ』に登場した犬飼兵馬を彷彿させる。小四郎が三弥との決闘を制し、織部処分が流罪に決すると郡奉行に抜擢され、まさに牧文四郎の出世をなぞらえる。 福岡本藩の隠密(忍び)「伏影」は仕物(暗殺)で黒田家に仕える者らしいから、『秘太刀 馬の骨』に似てなくもない。主人公を慕う男装の令嬢、猷(みち)が登場するに至っては、池波正太郎『剣客商売』の女剣士佐々木三冬を想起するが、藩校教授の娘で漢詩に秀でた論客で酒豪という猷の似て非なる点が面白い。 ところで、柔術の達人海賀藤蔵が二度も「辻投げ」を仕掛け敗れた居合の遣い手で、謡曲を口遊むカタバミ紋の中年武士は一体誰か? 小四郎の上役の差配役となった井出勘七なのか、それとも通り縋りの秋山小兵衛(『剣客商売』の無外流の達人)か、とても気になる。 山仕事の合間に寒根蔓を晒す葛作りに精を出し、換金作物として役立てたいと、労咳に侵されながらも気高く生きた亡き石工の恋人いと。評論家の縄田一男をしてその「心の高潔さ」に「何度落涙したことか」と解説に書かしめた薄幸の登場人物は、「作品の陰の主人公ともいうべき」清涼な存在感を醸し出す。 藩政を掌握した織部に倣い、吉田小四郎改め間(あいだ)余楽斎が悪名厭わぬ武士の系譜に連なったのも、「逃げない男」となる決意に殉じた証。藩の独立を護るために藩政の中枢にあって手練手管を駆使した男の覚悟が町に漂う「静謐さ」で報われたと信じられぬ者たちは、権力に近づかぬが一番良さそうだ。 | ||||
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黒田藩の流れをくむ支藩の運営に絡む人間模様が描かれていました。人が営む組織運営は、江戸時代も今もあまり変わらなく、学べる所がありました。山間の小さな城下町の情景描写も楽しめ、爽やかさを感じる読み物でした。 | ||||
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その時代に引き込まれ、黒田藩秋月を舞台にしたところは身近に感じました。 | ||||
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大変楽しく読みました。葉室麟さんの小説はとても良く、これからも葉室さんの小説は読んでいきたいと思っています。 | ||||
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大藩黒田に従属しつつも秋月の独立を守ろうとする主人公。 正義と思って追い落とした家老は弁解もせず流されて行く、 しかしその真の思いが判った時、己もまた。 それは今では観光地となった秋月のまぎれもない葛藤の過去を描いて佳作である。 作品に登場する人々もそれぞれキャラが立っている、 作品に色を差す女性たちも個性的である。 | ||||
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江戸時代の文化の頃(11代将軍徳川家斉の時代)に、九州の小藩である秋月藩で実際に起きた「織部くずれ」という政変に絡んだ話です。 秋月藩は大藩である福岡藩の支藩で、その本藩でもある福岡藩との間には抗争、秋月藩内においては確執があって、そんな中で発生した政変のようです。 物語の主人公である間小四郎を通して武士としての生き方を描くなど、いつもの葉室麟らしさが出ている作品でした。 「杉の馬場」、「瓦坂」、「目鏡橋」、「練習館」、「野鳥川」など知ったところが出てくることもあって、ついつい引き込まれて一気読みとなりました。 | ||||
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お恥かしい事ですが、山本、藤沢作品等は、数冊読みましたが葉室作品は実は初めてです。 楽しみです。 | ||||
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作風が似ているといわれた藤沢周平さんの作品でいえば、「」にも通じる青春ものといえばよいでしょうか 少年時代、怖がりだった間小四郎が、父親、道場の師匠、家老ら「大人」たちの生き方に触れ、自らも、立派な「大人」になっていくまでを描いた作品です さて、本書が、面白いのは、物語が2本立てになっていること 具体的には、少年時代の仲間たちとの、「時に仲良く、時に反目すること」を縦糸に、「本藩である福岡藩とタイトルにもなっている支藩である秋月藩との抗争」を横糸に物語が進んでいきますので、350ページほどの文庫本ですが、一挙に読めてしまう面白さを持っています しかし、葉室麟さんの登場人物に共通しているのは、皆、「凛とした生き方」をされていること 本書でも、主人公の小四郎が「自らの大事なものは自ら守らねばならぬ」として、時には、自分の命を「捨て石」にしてまでする生き方がすごいと思いました 「自分はそういう生き方ができるだろうか」と思うとともに、「そういう生き方をせねば」と自戒をさせられる本でもありました しかし、葉室麟さんの本は、読むと、次々に読みたくなる素晴らしさがありますねえ 本当に、今年、惜しい作家を亡くしたものだと改めて思います | ||||
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思った通りに、楽しく読むことができました。地元が舞台なので一層良かった。 | ||||
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重厚な内容で気合を入れて読まないと、わからなくなるが、読後感は好い。 | ||||
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自分が正しいと思う道を選び、結果はどうあれ悔いを残さない。そういう生き方をした武士の物語。主人公だけではなく、高潔な人物がたくさん登場します。凛としていたり、清廉であったり、こういう姿を読み込めるのは、時代小説の醍醐味でしょうね。藤沢周平さんの小説をほとんど読みましたが、葉室麟さんは、そう思わせる作家の方かもしれませんね。 | ||||
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単なる、苦労して悪い奴を倒してめでたし的な話ではなく、執政者というものを違った角度から捉えていて面白い作品です。人生に対する葉室麟の洞察にあふれていて、私の好きな作品の一つ。オススメです。 | ||||
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この本を読んでいる間にTVで、作者原作『銀漢の賦』が6回連続で放映されていました。共通するテーマは、政事に携わる者は、たとえ汚名を着せられ最後は追放されることになろうとも、組織のため(ここでは藩)になることであれば、厭うことなく邁進すべき覚悟が必要だ、ということです。著者は福岡出身、その福岡にあった黒田藩では江戸時代初期にお家騒動が起こり、家老栗山大善が自らは追放されることを覚悟して幕府に訴状を出したとの歴史があります。このあたりを意識しているのでしょうかね。 | ||||
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主人公が秋月藩のために愚直に守ろうと しています。その思いに感銘していたものの だんだんひとりよがりに感じてくる。 現代に置き換えて考える、大企業の営業部長さんが 会社のためひたすら身を粉にするというものです。 私にはあまりすっきりしなかった。 | ||||
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自分としては蜩ノ記よりこちらの方が好きだ。 悪役として出てくるキャラクターに微妙な変化が見られ、そして最終的に主人公も……。 中盤にやや冗長になるきらいがあるものの、かなりの良作。 人の心の変化に悲哀を感じる。 | ||||
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蜩に続いて読んだが、とても良かった。葉室さんのほかの作品も読みたいと思った。 | ||||
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九州の小藩である秋月藩を舞台にした時代小説。 主人公の間小四郎は、志を同じくする仲間の藩士たちとともに、専横を極める家老・宮崎織部への糾弾に立ち上がり、 本藩・福岡藩の援助を得てその排除に成功するが、実は背後には秋月藩を実質支配下に置こうとする福岡藩の策謀があった。 小四郎は孤立化するが、自分の信じる道を進もうとする。。。 主人公の生き様には、多くの学ぶことがあると自分の人生に重ねて読んだ。 | ||||
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男の生き様を描いています。 間小四郎。 舞台は福岡近傍の小藩、秋月藩。 時代は頼山陽の頃なので、寛政の頃でしょう。 もよさんと小四郎、藤蔵と小四郎。織部と小四郎。 小四郎と七人の仲間達。三弥と小四郎。 そして福岡藩と小四郎。 スリル溢れる決闘のシーンが一部の剣客ものと イメージが重なりますが。 闘い。それこそが生き抜く手段なのだと。それが 刀があろうとなかろうと。 猷さんと七ヨさん。その織り成すあやが、物語の 紅葉黄葉なんでしょうか。 物語を象徴するか否かは分かりませんが、とても 耳に残った印象的な会話を引用します。 「ひとは美しい風景を見ると心が落ち着く。なぜなのか わかるか。」 「さて、なぜでございます。」 「山は山であることに迷わぬ。雲は雲であることを疑わ ぬ。ひとだけが、おのれであることを迷い、疑う。それ ゆえ、風景を見ると心が落ち着くのだ。」 織部の言葉です。 80点。 蜩の記を読んだ後だから、銀漢の賦を読んだ後だから、 かなり厳しい。 導入と結末までの距離が長すぎる。 結末までの間があまりにも冗長。 収穫は織部の言葉。 | ||||
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蜩の記がすばらしかったので、読んでみたが、中盤読み進みかたが、ペースダウンした。 | ||||
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