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秋月記
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秋月記の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.43pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全30件 21~30 2/2ページ
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あまり深くは考えず、物語の中に入ってしまうので楽しめる内容だと思います。 | ||||
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何度か訪れたことのある秋月の街。 静かだけれど寂れつつある城下町。 しかし、この小さな世界においても作者が描いたような 文字通り「必死」で生き抜いていった侍がいたことを知ることができました。 それにしてもこの小さな城下町の細かな郷土史を良く調べ抜いています。 物語は、勧善懲悪的なやや単調なものと、 当初読者は誤解してしまいそうです。 が、二転三転するダイナミックな展開、堅実な構成。 で、「実はこうだったのか」というカタルシスへと導かれるのです。 ただ、主人公がやや正義感過剰、御立派すぎる、 というかその浅薄さがまた面白いのですが。 今日の目から見るとKYにも思えるのでした。 他の登場人物も、やや型にはまりすぎている、 そういった点が読者としては読後、何か釈然としません。 複雑な物語ですから止むを得ないのかもしれませんが。 | ||||
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この作家の本としては、初めて読む本でした。 この本に登場する人物は芯がしっかりしており、人生の目的をしっかり把握し、どんな困難にもくじけることなく前に進んでいます。 今の日本人から失われてしまったものをしっかりと持って、人生を生きており、若い時の友人との長い時間がたった後の相互の理解、愛する人を命がけで助ける勇気など、是非多くの人に読んでほしい本でした。 今後も、この作家の本を全部読破していきたいと思っています。 | ||||
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本には先をどんどん読み進みたい、と思うものもありますがそこまでは心が弾みませんでした。 秋月藩を思うあまりに最後は無念のまま玄海島にながされていく 間小四郎。何かの書評で藤沢周平を思わせる、というようなことを読んだように思うのですがそれほどに 余韻のある文章ではありませんでした。しかし、もう少し時間をおいて別の作品を読みたいと思います。 | ||||
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葉室 麟さんの作品を読むのは「オランダ宿の娘」に次いで2冊目です。 時代小説はあまり読んだことがないのですが、どちらも最初慣れるまでを乗り越えればぐいぐいと引き込まれて一気に読み進められました。 「秋月記」は、知人に薦められて読んだのですが、舞台となっている福岡県秋月の近くに住む義父がその直後に亡くなり、感慨深くまた読み直しました。 小学校の教員を最後まで頑なに管理職試験を受けず早期退職し、地域のために奔走した義父の姿が秋月藩のために生涯を捧げた小四郎の中に見えたような気がして、義父が生前勧めてくれた葛はいとが地域の人のために命を削って生み出したものかと思うと、新たな涙があふれました。 秋月の近くの原鶴温泉の「六峰館」という宿のもてなしの心にも打たれ、足湯に浸りながら悠久と流れる眼前の筑後川を眺めていると、小四郎、後の余楽斎の「それがしは弱い人間でござった。その弱さに打ち克ちたいと思って生きて参った。そのために一生があったようなものでござれば、これでやっと重い荷を下ろせ申す」と言う言葉に、義父の死も前向きに受け止められるようになりました。 | ||||
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葉室麟の小説を読むのは本作が初めてで名前から勝手に女性作家だと思っていたのですが、情緒性を排した淡々とした静謐な文章に「ああ、男性作家のものだな」と思いました。小藩である秋月藩の独立を守るため毅然と福岡藩に対峙する主人公・小四郎の姿も清々しいですが、女中奉公が妾奉公と誤解され、周囲の冷たい視線を浴びながらも「人の役に立ちたい」と冷たい水に手を浸し続けて質の高い葛の生産に成功し、最後は労咳で儚くなるいとの姿に心打たれるものがありました。地味ながらも信念をもって、人を想って毅然と生きることの美しさを感じさせる作品だと思います。 | ||||
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著者の作品ははじめて読ませていただいたが、しっかりした時代小説に仕上がっていた。雰囲気は違うが、展開が藤沢周平氏の著作に似ている部分もあったので、ワクワクして読みきった。 次回作も時代小説をお願いしたいです。しっかり武士の生き様を堪能できました。ありがとうございます。 | ||||
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本書は、黒田如水、山本常朝など 九州になじみの深い人物を題材にした作品を発表し続ける 著者による長編歴史小説。 九州・秋月藩で起きたお家騒動『織部崩れ』を中心的な題材とし、 間小四郎、宮崎織部など事件の当事者たちや 原古処、采蘋、緒方春朔ら同時代を生きた文化人の諸相を描きます。 息づまる白刃の攻防、忍者同士の戦いなど アクションシーンもふんだんに登場しますが やはり、本書の大きな魅力は陰影に富んだ人物造形。 『奸臣』織部や、人心を玩ぶ姫野三弥も、 物語が進むにつれて別の一面を見せ、 一心に藩の将来を思い続ける小四郎もまた、 単なる『忠臣』にとどまらない行動をとるようになる― 身分や性別を問わず、清濁を併せ呑む登場人物たちが 葛藤しながらも、『自分』を生き抜く姿は心を強く打ちます。 また、個人的に印象深いのは すべてが終わった後、小四郎らが交わす会話。 「政事はどのように行っても、すべての者によいということはないようです。 それゆえ後の世の人に喜ばれるものを、何か作っておきたくなる」 という言葉になるほどなぁと感心しつつ、 同時に、これほどの心境で公園やら建造物を立てた政治家が 現在どれほどいるのだろう―と、余計なことも考えてしまいました。 己の信念をひたむきに貫いた生きた男女の姿を 静謐ながらも力強い筆致で記した本作。 著者の作品が好きな方はもちろん、 歴史小説にあまりなじみのない方にも、広く読んでいただきたい作品です。 | ||||
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葉室麟さんの新作ということで楽しみにしていました。 ロマンチックな題ですが、九州の秋月藩という小藩の武士の物語です。 ある程度、史実に基づいて、その上でストーリーを作っているのだと思いますが、淡々と話は進んでいきます。 最初のうちは、やや登場人物や説明が多くて、早くは読み進めませんが、主人公の幼い頃の出来事や、その後の行動の一貫性には、説得力があり、引き込まれます。 ただ、最後がややしりきれとんぼで終わっているところが気になりましたね。 「銀漢の賦」に描かれた友情や愛などはこの本にはあまり描かれず、その意味で、ちょっと物足りない感じもしました。 | ||||
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葉室さんの本は初めてですが、サッパリとした文調で、お休みせずに読めました。 小藩とはいえ、国を治めるのって難しいんだなあと思いました。きれいごとだけでは事を成せないが、本当の思いは伝わらないし、伝えられない。 印象に残ったせりふを残しておきます。 「金というものは天から雨のように降ってくるものではない。泥の中に埋まっている。金が必要であれば、誰かが手を汚さねばならぬ。どれだけ手が汚れても胸の内まで汚れるわけではない。心は内側より汚れるものです」 「山は山であることに迷わぬ。雲は雲であることを疑わぬ。ひとだけが、おのれであることを迷い、疑う。それゆえ、風景を見ると心が落ち着くのだ。おのれがおのれであることにためらうな。悪人と呼ばれたら、悪人であることを楽しめ。それが、お前の役目なのだ」 故郷を愛する健気な思いに貫かれた作品だと思います。 | ||||
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