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不発弾
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不発弾の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.79pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全38件 21~38 2/2ページ
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速読で読みまして、良かったです。もう、愛知県の方にメルカリで売却しましたが。 | ||||
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本作のテーマは「不適切会計」ですが、同じ図式が、ひと頃、怒涛の勢いで推し進められた確定拠出年金(401K)にもあったのではないでしょうか? 冷静に考え直してみても、その仕組み自体は企業も国も働く人達を守るためではなく、放り出すための道具だったわけで、その裏には、本作に登場するような我利我利亡者がひしめいていたのでしょう。もしかすると、浮いたカネは事業や財テクの赤字補填に使われていたのかもしれませんね。宮沢賢治の「はたらけど はたらけど猶わが生活(くらし)樂にならざり ぢつと手を見る」は今でも健在 (?) というわけです。(追記) P155に出てくる「洞窟」という名のスペイン語、cuevaは女性名詞なので、正しくは la cueva じゃないですかね?el は男性名詞に使われる定冠詞ですしね。 | ||||
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本書は現在(2015年~16年)の章と、過去(1977年)の章と交互に描かれ、現在の章は警視庁捜査2課小堀管理官がメインとなり、過去の章は古賀良樹(遼)の高校生時代から世の中へ這い上がってくる過程を描き、現在まで続く。プロローグで東芝と思われる三田電機の不適切会計が取り上げられ、この二人が相対する構図になる。 各章が短いのでその分テンポがよくどんどん読み進められ、金融・株式市場に疎い者でも判り易く説明され、出色のエンターティメントになっている。タイトルの不発弾であるが、これは地方の信用金庫の理事長が「不発弾を背負って死ぬ」という遺書を書いて自殺した描写があり、実際の不発弾は何十年も地中に埋まっているが、ほんのわずかな振動をきっかけに爆発すると言われ、この小説世界の主題となる。 このレビューを書いている2017年8月現在、東芝決算は「限定付き適正」となり、上場廃止懸念はひとまず後退した。本書の誰かが言っている通り、絶対上場廃止にならないのか、非常に興味深い小説を書いてくれたものだ。 | ||||
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不適切な会計処理を行った企業を掃除し無理に延命させる「飛ばし屋」と呼ばれる一人の金融コンサルタントと、現場主義の警視庁捜査二課の異質なキャリアとの対決の図式かと思いましたが、少し違いました。巨大電機企業の粉飾を捜査する刑事たちと、金融コンサルタントの古賀が高卒後中堅証券会社に就職し、その世界では知らない者がいない程名をはせる人物になるまでの2つの視点で語られます。 どこまでがノンフィクションなのかは分かりませんが、バブル時代の企業の財テクやその後の後始末に取り入り収益を稼ぐ証券会社や、一介の証券マンでしかなかった古賀が、ある決意を胸にのし上がっていく姿は読み応えがあります。その歴史がメインとなりますので、粉飾を暴く警察小説や経済ミステリーを期待している読者には合わないと思います。 | ||||
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東芝がM&Aした米原発会社損失1兆円はホントなのか? 日本郵政の海外M&A失敗で数千億円規模の減損損失するのか? 東田 - 西室(西田) 芦田総理ー でんでん 「財テク」失敗を隠そうとして失敗した「オリンパス事件」となにもかわらない。 目先の損失をかくそうとし、おまけに一時的な利益をうみ後世に莫大な負債をのこす。 この小説に希望はない。それがマイナス1。 | ||||
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爆発するかしないかわからないのが不発弾。だけどノックインしたら必ず爆発するんですよね。 買い手の目論見が外れたという意味での不発弾なら、莫大な損失発生の状態と不発という語感があいません。 妹の身に危機が迫っているのに、なぜ9年も地元に残したままだったのか? 本書で最大のミステリーです。 すばらしいのは、今はなき東証の立会場の情景が描かれていること。 ただし、「下取会員」とあるのは「才取会員」のことですね。 これは正確に記してほしかった。 あと、撃柝取引なんかの描写があると最高でしたが。 これに、星1つ。 生霊は、55頁4行目に出てきます(初版)。 小堀と相楽、二人しかいない部屋にとつぜん古賀の生霊が現れ、相楽を見つめます。 直後、小堀は古賀の写真を見せられ名前を教えられるのですが、生霊が先に出てきちゃってる(笑)。 誤)古賀→正)小堀 なんでしょうけど。 結論:買う必要なし。だが珍しい本なので、借りて読むことをおすすめします。 | ||||
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終盤まで一気にとてもおもしろく読むことができました。いよいよ、警察と古賀の直接対決か、というところであっけない終わりを迎えます。ここがミソなようですが、今まさに世の中で起きていることをそのまま再現したようなエンディングにもうちょっと小説らしい試みが欲しかったです。刑事物の小説というより、ドキュメンタリー的にバブルが生まれるころから現代に至るまでの世の中の裏側を垣間見れると考えれば、経済に疎い人間にとって勉強になる内容でした。 | ||||
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楽しく読ませて貰いました。映像化してほしいです。証券会社の商品には気をつけようと思いました。 | ||||
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あの名作「震える牛」を書いた相場さんの最新作。 そう考えると、彼は社会派のライターなのだろう。 東芝の不正経理問題をベースに、バブル時代、バブルの崩壊、その不良債権問題を先送りするためのデリバティブの手法。結局先延ばしにしかならずに債権を増やしての決着、そして経理担当者の自殺が全国各地で頻発…。 フィクションですが、日本の80年代からの経済の流れを復習するいい資料になるような本です。 ストーリーとしては、福岡の大牟田から夢を求めて上京した若者が、金融の世界でもまれて育つていく姿、それには妹の死、母親との固執そして母親殺し…。愛する人との出会い、その女性の父親との因縁、裏切り…。最終的には「国家の意思」による救済。一気に読ませてくれます。 | ||||
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東芝や郵政の海外子会社の損失は、もしや不正隠しかもわからないと思ってしまいます。 | ||||
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とても楽しめました。しかし表紙が厚いので持ち運びが不便でしたソフト表紙なら家でしか読めませんでした。 | ||||
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私は個人投資家歴が長いので、思い当たることが多すぎて、これは企業名や人名を変えただけの全くのノンフィクションではないかと感じた。全部、「この会社はあの会社のことだよね」とわかるんだけども…登場人物の「小堀」というキャラクターには「こんな子供みたいな大人いないだろう」(実在しなさそうなキャラ)と憤慨しつつ読み進めたが、主人公の古賀のキャラクターがものすごくいい!そして圧巻の最終章。読後の怖さは「残穢」と似ている!!!!「これって、もしかして、予測されることが実際に起きたりしないよね」というあの感じと同じだ。経済にかかわるすべての人にお勧めの本です。 | ||||
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大企業と政治の癒着、、日本経済の歴史の一端が小説として分かりやすく描かれています。 内容自体は日本経済の黒幕 VS 警察のように描かれていますが、 どのように黒幕になっていくかという部分が非常に面白かった。 | ||||
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本人も意図しないうちに金融界のフィクサー的な存在になってしまった男の半生を 時系列に描く一方で、 現在時制では、男を追う若手キャリア警視を描く。 最後に笑うのはどっちか…それは読んでのお楽しみ。 企業の巧妙な損失飛ばし(別に損失が消えてなくなるわけじゃない)やノックイン債については 金融・経済本で知っていたが、 無理なM&Aをわざと仕組んで隠していた巨額損失を明るみに出す手口は初めて知った。 おっそろしい! 悪巧みの極致のような手口を考え付くのは、わが大和民族ではなく、外国の頭脳優秀な方々です。 前述のフィクサーさんは、まあ、橋渡し役のようなものです。 マネーロンダリングのように、損失もころころ転がせるんですね。 そういえばジョージソロスが、 「最初はアメリカのサブプライムローンから始まったのに、 なんでいつのまにかEUの危機の話になったんだろうねぇ…」などと仰っておられました。 あと、国連銀行(?)だかなだかの元職員が、 シカゴの自治体破たんについて、「そしてバチカン銀行にお金が…」などと言っていました。 なんでシカゴの破たんとバチカン銀行が関係あるの、と一瞬きょとんとなってしまいました。 もう、私にはなにがなんだかわからない。 渦中にいる頭脳優秀な人たちも、 もしかしたら自分のやっていることが全体から見てどういう位置を占めどこへ響いていくのか、 よくわからなくなっているのでは…。 もう、ついていけません。 ストーリーを楽しむだけにしておきます。 | ||||
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経済小説、警察小説、どちらも好きなジャンルです。 古賀の母親の強欲さには辟易する。最後の妹のお墓の近く、、、という下りは信用できない。 古賀も被害者のように感じてしまう。 最近読んだ「罪の声」にも通じる暗闇を感じてしまう。 あの時代、山一證券がつぶれ、社長が「社員には罪がない」と絶叫した。 飛ばし、という言葉も初めて知った。 バブルとその崩壊、金融資本主義、金融工学、、、これまでのいわゆる労働のもつ価値を棄損する時代でもあった。 時事ネタをいろいろと取り込んでいるところも自分には面白かった。 | ||||
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この手の小説の難しさはデリバティブの解説書ではないため、その仕組みを読者にかみ砕いて説明できないとこにもあると思う。 恐らく読者のほとんどは「デリバティブ」の言葉が出てきただけで思考がフリーズしてしまうだろう。 だからスキームの説明はせずに話を展開しなければならない。 それ故、なぜ損失が雪だるま式に膨らんで首が回らなくなるのかが不明瞭となり、すっきりしない形になってしまう。 しかし、これは致し方ない。本文で出てきた仕組債の内容を素人でもわかるように説明しだしたら、10~20ページでは収まらないし、 1~3ページの説明ですら理解が困難であろう大部分の読者にそれは流石に酷である。 その辺に対する作者の苦悩が窺える作品で、デリバティブについてそれなりの知識を持っている人にとっては 相場氏がどのような闇を解き明かしてくれるのか期待して読むと物足りなく映ると思う。 しかし、小説という性格上、読者はデリバティブに全く関わったことが無い人であるというと前提にたたざるを得なく、 スキームの中身はもうブラックボックスにしてしまうしか無いのであろう。 そういう意味では作者が読者に対して本文中で説明できない(実際にはしたくでもできない)ジレンマ(=不発弾)を抱えている とも言えると思う。 様々な本文中に登場する企業、金融機関のみならず、最後警察までも不発弾を抱える。 そしてそれらを包み込むかのように作者自身も不発弾を抱えている、 そして読後に読者自身も何らかの負の感情(=不発弾)を抱える。 そんな面白い本だと思います。 ただ、最後小堀氏に対しては「ざまあみろ」と思い、佐知子氏のことは「頭が悪い、恩を仇で返す卑怯者」と思ってしまった。(笑) | ||||
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もっとリアルな展開を期待していたのですが、さしずめ「相棒スペシャル劇場版」といったところでしょうか。そういう風に読めば面白いと思います。 | ||||
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本書の「表」の主人公は、警視庁捜査二課の若手キャリア管理官・小堀警視です。白物家電から原発設備まで揃える老舗総合電機メーカー・三田電機(どう考えてもモデルは東芝)が1500億円もの損失隠しをしたというのに、粉飾決済ではなく「不適切会計」で済まされ、東証1部上場廃止にも監理銘柄にもならないことに不審を覚え、内偵を開始します。 一方、「裏」の主人公は、金融コンサルタントの古賀。1978年に高校を卒業し、福岡の寂れた炭鉱町を飛び出して、東京の中堅証券会社に就職。その後、フリーのコンサルタントに転じます。 話は、現在の小堀たちの捜査と、1977年からの古賀の半生が交互に語られる形式で綴られます。 本書の主眼は、古賀の人生と共に語られる、この40年間の日本経済、金融の変遷です。景気の上昇、一般人の株式市場参入、バブルの崩壊、不良債権‥‥。古賀がコンサルティングするのは、企業の損失隠し、「飛ばし」などと呼ばれる隠蔽工作の方法でした。 警視庁捜査二課の活躍譚というよりも、日本の裏の経済史という感じです。経済の話がメインなので、警察小説を期待されている方には少々肩すかしかもしれません。(「震える牛」「ガラパゴス」は刑事ものという感じでしたが。小堀警視も薄味で、田川刑事のようにキャラが立っていません) それにしても、金融関係者はこんなえげつないことをしていたのか、と読んでいて改めて驚きました。そして、これから日本経済はどうなっていくのか。本当に不安です。 | ||||
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