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ロボットの魂
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ロボットの魂の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.50pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全6件 1~6 1/1ページ
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「ごらんください。われわれがみずからの手で殺しました。どんな優秀な暗殺者でも、もう任務の遂行は無理です。」 このところが、大好きです。だから、「禅銃」のお猿さんみたいに性格の悪い主人公でも許してしまいます。 | ||||
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主人公ジャスペロダスは人間の命令は無視しまくり、人間の危害を加えまくり、そして死の恐怖を電子回路の奥深くまで刻み込んだ感じの生き生きとしたロボットでした。人間サイドがロボットの意識を認めればさほど大惨事にはならなかったのでは…?なんて考えながら読み進めました。 ちなみにジャスペロダスの意識の秘密は最後に明らかにされるのですが、正体は日本人感覚でいう付喪神もしくは入魂の一品といったところでしょうか?ただし作者さんはキリスト教圏イギリス出身だけあって制作には重いペナルティのようなものがあるそうです。 | ||||
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自分に意識は存在するのかと悩むロボットの話と聞いて、てっきりややこしい話だと思っていたら、全然違った。確かに哲学的な悩みに捕えられたロボットが世界をさまよい歩く話ではあるのだけれど、ストーリーは波乱万丈。解釈に悩むようなところはほとんどなく、ベイリーには珍しく一気読みしました。ずっと昔に読んだ「カエアンの聖衣」以来かも。 冒頭、意識を持ったロボット、ジャスペロダスが目覚めた時、目の前にいたのは自分を生み出したロボット師の両親。鉄腕アトムにもあるようなシーン。しかし、ジャスペロダスは両親の望みを断って家を出ていきます。両親は彼に自意識を持たせることを選択した時から、この可能性は予期していたと涙で見送るほかありません。 そこから、ジャスペロダスの自己を捜す旅が始まります。舞台は、世界規模の核戦争で一度文明が停滞した800年後。世界は複数の帝国とその周辺の封建諸国に別れています。興味のままに地方の列車強盗団に同行したジャスペロダスは、略奪後の彼らの乱痴気騒ぎが理解できず、強盗団を離れて地方の封建領主の町にたどり着きます。 その町で、野放しのロボットは奴隷として人間に従うものだという掟を聞かされ、自分には自意識があるので奴隷にされる必要はないと反論しますが、政府公認のロボット師から、ロボットに人工意識は存在しないことは証明されており、ジェスペロダスがそのように信じているのは虚構のセルフイメージに過ぎないと指摘されてしまいます。自己の存在意義を否定された彼は、しばらくの間奴隷労働に従事しますが、ある事件をきっかけにその能力を発揮し、王の信頼を得て重用されるようになります。そして王の異母兄を味方につけて国軍の司令官にまでなったジェスペロダスはクーデターを起こして王を追放し、遂にその小王国を簒奪します。 しかし、それでもなお、魂を持たない自分には存在価値がないのではないかと悩む彼は、自分の国を捨てて、帝国の首都へ向かうことを決意します。ここまででだいたい三分の一ぐらい。この後、首都にたどり着いた彼は、帝国の野良ロボットのまとめ役になったり、当代一と言われるロボット師を探し出して質問したりしながら世俗の権力を求めていきます。ジェスペロダスは自分の存在意義を見つけることができるのでしょうか?彼の自意識はプログラムに過ぎないのでしょうか?結末にはあっと驚く展開が待っています。 ええっ、これってありなの? という結末ですが、舞台設定を含めて、このとんでもない物語を哲学テーマのSFとして読ませてしまうのがベイリーの才能でしょう。中表紙の紹介文には寓話的本格SFと書かれており、人間と社会の設定や描写など、確かにそういう感じもありますが、寓話と呼ぶにはちょっとリアルすぎるかも。 | ||||
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ベイリー作品の文庫をそろえていて、 なせか、この作品だけが抜けていた。 注文後、すぐに届き、ストレスがなかった。 | ||||
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解説には悪漢小説(ピカレスク・ロマン)とありますが、ロボットSFというより、そう分類するほうが内容を的確に表わしているといえるでしょう。 なにしろ本作の主人公であるジャスペロダスは、ロボットであるにもかかわらず、ロボット三原則の重要事項である人間の命令を守ることや、人間に危害を加えることをあっさりと無視するのです。 冒頭、誕生して間もなく、生みの親を無視して家出(?)するなど、実に痛快。 あとは、(微妙に違いますが、簡単にいうと)ジャスペロダスが人間の王として君臨するまでを描く側面と、ジャスペロダスが自分に意識があるかどうかを模索する、思弁的SFあるいは哲学的SFの側面とが交錯しながら物語は進んで行きます。 他のベイリーのSFのようにアイデア満載というほどではありませんが、小説として面白く、400ページ弱を一気に読ませるあたりは、さすが代表作に推す人もあるだけある作品です。 | ||||
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ついに国王にまで登りつめたジャスベロダスは、旅の道化師と 問答し、「あなた様は魂のない機械に過ぎない。」と言われて、 全てが嫌になり国王の座を捨てて、再び放浪します。 これこそ、彼が人間の魂を持っている証拠です。 作者はロボットの魂と題して、実は人間の魂とは何かを描いています。 | ||||
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