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キミとは致命的なズレがある
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キミとは致命的なズレがあるの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.17pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全3件 1~3 1/1ページ
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※ネタバレ無し 著者の次作、"俺が生きる意味"からこちらに辿り着きました。 内容としては、暗いサスペンス物で、叙述ミステリを含んでいます。視点が"信用できない語り部"に置かれた、高い技術力を感じる作品でした。 最後まで読まないと腑に落ちないと言う点において、この小説を見つけ出した編集者のファインプレーが光る作品です。 また、現実の心理学(集合的無意識)に絡めて空想の心理学(アインズヴァッハの門)を織り交ぜているため、妙に現実感があり生々しさを感じさせます。 星-2について 惜しむらくは、登場人物の会話内容が現実に則しているように感じられない部分が多い点です。 キャラの会話がお芝居のように感じられ、会話分の語尾のくせが強い(感嘆符や促音の多用)ため、冷める読者もいるかもしれません。 このくせは次作でも同様なので、著者が意識して多用しているのでしょうが、会話の臨場感よりも"そう言わせている"わざとらしさが目立ってしまっています。著者の技術力が悪い方向に働いている部分だと感じられました。 評価点である空想の心理学においては見識の深さとともに、くどさ(意図しない知識のひけらかし)も感じられるため、読者を選ぶ作品でもあります。 また、地の文でも表現の粗が目立ちますが、この点は処女作と知っているかで評価が分かれるでしょう。 作品そのものにはシリーズ化できるポテンシャルがあったと思いますが、売れ行きが伸びなかったのか、作者がキャラをリアルに感じられなかったのか、単巻完結です。 "たられば"になってしまいますが、編集と協議して、より洗練された作品に仕上げていれば神作になっていた魅力があります。 ライトノベルというよりは文芸寄りな作風であり、見るものを選ぶ一方、努力と才能を感じる力強い作品でした。 | ||||
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ミステリというより猟奇サスペンスな感じの作品でした。 場面にっては結構グロイシーンもあるので、苦手な人はご注意を。 叙述に仕掛けが施されていますが、ヒントも結構だしてくれるので 前の章と行きつ戻りつ読みすすめました。 一切の躊躇なく人を殺せる犯人は、致命的にズレていて好きです。 そんなキチガイの心を覗いてみたかったのですが、そこまでは 語られていないのが残念でした。 こんなのもアリかなって思える作品ですね。 | ||||
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評判がよかったので購入してみたが、期待はずれな部分もあった。全体として粗が多く雑然とした印象。 以下に評価の観点と評価理由を示してみる。 ■まず作風。本作はミステリではなくサスペンスだ。謎とされていた多くの要素は、作者独自の精神分析学的 理論によって説明されるため、物理的なトリックや純粋な謎解きを期待すると痛い目に合う。そしてその説明も、 「そうなのか」とうなずくしかない、やや現実味や説得力に欠けるものであったように思う。 ミステリっぽくミスリードを狙っているような節もあるのだが、少しあからさまで看破しやすい(その弊害か、 回収されていない伏線もある。あのカレッジノートとか)。 「ミステリを書きたかったがサイコサスペンスに逃げたのでは」、というのが個人的な印象。 ■次に登場人物。最後まで読んでも真犯人の行動原理がわからなかった。いちおう最後には犯罪心理学の用語に 託して説明されているものの、衒学的に濁しているような気が。なぜ真犯人は主人公と接触し続けてきたのか、 ○○をなぜ最後になって殺そうとしたのかなど、もう少し説明してくれてもよかったのでは。 また、登場させるだけさせておいて、物語を盛り上げるためのコマとしてしか使役されなかったキャラクターも 目についた(雨笠や犬飼先生など)。この手の作品がシナリオありきになってしまうのは詮無いとしても、本筋に からめずに捨て置くのではなく、彼らを掘り下げて十分に機能させるだけの努力がほしかった。 □よかった点。純粋に物語として続きが気になる構成だった。サスペンスシーンの演出もこなれていて、読み手を 引き込むような凄みと勢いがあった。これまでつらつらと難点を挙げてきたが、それは作品全体の均整とか緻密さ にかかわる問題であって、「おもしろかったか否か」と聞かれれば、「おもしろかった」というのが正直なところ。 □最後にその他。文章自体はソツがなく読みやすい。時おりドキッとするような上手い表現もある。ほどよい間隔で 盛り込まれたギャグもセンスがあって、この作者の日常物を読んでみたい気がした。 ――以上。読み終えた勢いで書いてみた。これからの成長に期待をこめ、あえて厳しめの三点。好みが分かれる作品 だとは思うが、手にとって読んでみて、一回でも引き込まれれば最後まで読みきってしまってかまわないと思う。 | ||||
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