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空飛ぶタイヤ



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空飛ぶタイヤの評価: 4.69/5点 レビュー 739件。 Sランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.69pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全699件 661~680 34/35ページ
No.39:
(5pt)

飛べ!赤松プロペラ機

皆さんのレビューに、感謝しないといけない。
「直木賞受賞」なら読んだかも知れないが、「直木賞ノミネート」だけでは、手に取らずに忘れてしまうことがほとんどだからである。
「経済小説」と言っても、モデルとなった事件は広く知られており、広告スポンサーの影響力など、これを読んで新たに知るという情報は、ほとんどないだろう。
それよりも、これは第一級の人間ドラマだ。
何より私の心を熱くしたのが、赤松プロペラ機こと運送屋の二代目、赤松徳郎の大奮闘である。
大企業の論理の前に、人間としてあるべき道をただし続け、最後に勝利する、このあらすじが単なる予定調和の物語になっていないのは、この人物に血が通っているからである。
中小企業の資金繰りの大変さ、自分に非がないのに責められるつらさ、潔白を証明出来ない間、加害者にされ続けてしまう理不尽さ等々、数え挙げたらキリがないが、彼の怒りが、嘆きが、すべて私自身のものとなって行くのである。
彼を動かすのは、「こんなことが許されていいのか!」という強烈な怒りだ。
人を本当に本気にさせるのは、怒りなのだ。
この本を読む間、私も彼と一緒に怒っていた。
もっともっと多くの人に読んでもらいたい。
こんなことは、絶対にあってはならない。
空飛ぶタイヤ (実業之日本社文庫)Amazon書評・レビュー:空飛ぶタイヤ (実業之日本社文庫)より
4408552720
No.38:
(5pt)

飛べ!赤松プロペラ機

皆さんのレビューに、感謝しないといけない。「直木賞受賞」なら読んだかも知れないが、「直木賞ノミネート」だけでは、手に取らずに忘れてしまうことがほとんどだからである。「経済小説」と言っても、モデルとなった事件は広く知られており、広告スポンサーの影響力など、これを読んで新たに知るという情報は、ほとんどないだろう。それよりも、これは第一級の人間ドラマだ。何より私の心を熱くしたのが、赤松プロペラ機こと運送屋の二代目、赤松徳郎の大奮闘である。大企業の論理の前に、人間としてあるべき道をただし続け、最後に勝利する…、このあらすじが単なる予定調和の物語になっていないのは、この人物に血が通っているからである。中小企業の資金繰りの大変さ、自分に非がないのに責められるつらさ、潔白を証明出来ない間、加害者にされ続けてしまう理不尽さ…等々、数え挙げたらキリがないが、彼の怒りが、嘆きが、すべて私自身のものとなって行くのである。彼を動かすのは、「こんなことが許されていいのか!」という強烈な怒りだ。人を本当に本気にさせるのは、怒りなのだ。この本を読む間、私も彼と一緒に怒っていた。もっともっと多くの人に読んでもらいたい。こんなことは、絶対にあってはならない。
空飛ぶタイヤ (Jノベル・コレクション)Amazon書評・レビュー:空飛ぶタイヤ (Jノベル・コレクション)より
4408535354
No.37:
(5pt)

コンプライアンス教育の教材として使用したい

上場企業で働く者のひとりとして、赤松社長というよりは、沢田課長に感情移入しながら
読んでしまった。ホープGほどではないにしろ、他では通用しないような組織の論理は、
多かれ少なかれ、どのような企業にも存在する。幸いにも、今までのサラリーマン人生の
中で社内の不正を目にしたり耳にしたことはないが、自分だったらどうしただろう、世間
を欺かずに、毅然とした態度を取ることができるだろうか、と自問自答しながら読んだ。

現在、多くの企業でコンプライアンスに関する教育がなされていると思うが、恐らくは、
どれも表面的なものなのではないだろうか。人材育成を担当する身としては、この本こそ、
「もしも自分ならどうするか」と考える格好の材料になりえるのではないかと考えている。

様々な組織で働く登場人物たちの苦悩を読み進めるうちに、あっという間に時間は流れた。
特に、中盤以降はページを開くたびに涙があふれてきた。一人でも多くのサラリーマンに、
真の意味で「組織を守る」とはどういうことが考えてほしい、と自戒も込めて思った。
空飛ぶタイヤ (実業之日本社文庫)Amazon書評・レビュー:空飛ぶタイヤ (実業之日本社文庫)より
4408552720
No.36:
(5pt)

タイトル以外、文句なし

死亡事故も起きたトラック製造メーカーのリコール隠し事件をテーマにした作品。被害者、加害者、関係者、傍観者と、一つの事件を巡って様々な人が関わっていく群像劇になっている。かといって話が散らばることなく、軸がしっかりしているのがすごい。
死亡事故を起こしてしまった運送会社の社長が中心人物。被害者遺族から責められ、社会のバッシングを浴び、経営も苦しくなっていく。だが、整備不良ではないとの信念から、隠された真実を見いだそうと懸命になっていく。そこに立ちはだかるのが”一流企業”のトラック製造メーカー。彼らは自分達に非があるなどとは絶対に認めないのだ。真実を明らかにすることはできるのだろうか。。。
重いテーマで、読み応えもあるが、堅いだけではないバランスの良さがある。タイトルがちょっと軽すぎるのだけが難点かも。
空飛ぶタイヤ (実業之日本社文庫)Amazon書評・レビュー:空飛ぶタイヤ (実業之日本社文庫)より
4408552720
No.35:
(5pt)

罪罰系迷門企業

2006年に刊行された池井戸潤氏の経済小説。
以前からタイトルだけは知っていたのですが、この度WOWOWにてドラマが放送されるということで、先立って読んでみました。
こちらのレビューやその他のサイトでも評価が高いことや、吉川英治文学新人賞と直木賞候補作になったことも知り期待して読み始めたのですが、いやはや、全くもって期待通りの快作でした。
本書のプロットは、トラックが脱輪事故を起こして死傷者を出してしまった運送会社の社長が、無実を証明するために奔走するというものです。
社長はトラック自体の欠陥を疑いメーカーに直訴するのですが、このメーカーのムカつき具合ときたら。どんだけ消費者を馬鹿にしてるんだと思ってしまうような、最低の対応。社長さんはめげずにメーカーに掛け合うものの、読んでいるこちらまで腹が立つ応対ばかりです。まさに罪罰系迷門企業。さらに欠陥を隠そうとするメーカーの陰湿さのみならず、周りから浴びせられる猜疑の目や、被害者の遺族の怒り、辞めていく社員、そして倒産の危機。この後どうなるんだろうとハラハラしっぱなしでした。
ただそんな中でも、社長を信じる家族や社員、救済の手を差し伸べる人々の存在が、なんともほっとさせてくれます。先が見えない状況の中でも支えてくれる人がいるということは、こんなにも暖かくて力になる。そして、社長の努力と苦労が結実し、最後の最後にメーカーの不実が暴露され、勝利を手にした瞬間。圧倒的な爽快感に、本当に、胸が震えます。
経済小説というジャンルは何か敷居が高そうな気がして今まで読んでなかったのですが、私のつまらない先入観を吹き飛ばしてくれるほど、実に良い小説でした。未読の方はぜひ読んでみてください。胸が熱くなること請け合いです。この爽快感を体験してください。
お勧めです。
P.S.本書を読むと、話のモデルになったであろうあの事件がありありと思い出されるのですが、最後に「この物語はフィクションであり、実際の事件等とは関係ありません(編集部)」というような注意書きをしれっと載せているあたり、なんだかなぁと思いました。
空飛ぶタイヤ (Jノベル・コレクション)Amazon書評・レビュー:空飛ぶタイヤ (Jノベル・コレクション)より
4408535354
No.34:
(5pt)

罪罰系迷門企業

2006年に刊行された池井戸潤氏の経済小説。
以前からタイトルだけは知っていたのですが、この度WOWOWにてドラマが放送されるということで、先立って読んでみました。

こちらのレビューやその他のサイトでも評価が高いことや、吉川英治文学新人賞と直木賞候補作になったことも知り期待して読み始めたのですが、いやはや、全くもって期待通りの快作でした。

本書のプロットは、トラックが脱輪事故を起こして死傷者を出してしまった運送会社の社長が、無実を証明するために奔走するというものです。
社長はトラック自体の欠陥を疑いメーカーに直訴するのですが、このメーカーのムカつき具合ときたら。どんだけ消費者を馬鹿にしてるんだと思ってしまうような、最低の対応。社長さんはめげずにメーカーに掛け合うものの、読んでいるこちらまで腹が立つ応対ばかりです。まさに罪罰系迷門企業。さらに欠陥を隠そうとするメーカーの陰湿さのみならず、周りから浴びせられる猜疑の目や、被害者の遺族の怒り、辞めていく社員、そして倒産の危機。この後どうなるんだろうとハラハラしっぱなしでした。

ただそんな中でも、社長を信じる家族や社員、救済の手を差し伸べる人々の存在が、なんともほっとさせてくれます。先が見えない状況の中でも支えてくれる人がいるということは、こんなにも暖かくて力になる。そして、社長の努力と苦労が結実し、最後の最後にメーカーの不実が暴露され、勝利を手にした瞬間。圧倒的な爽快感に、本当に、胸が震えます。

経済小説というジャンルは何か敷居が高そうな気がして今まで読んでなかったのですが、私のつまらない先入観を吹き飛ばしてくれるほど、実に良い小説でした。未読の方はぜひ読んでみてください。胸が熱くなること請け合いです。この爽快感を体験してください。

お勧めです。

P.S.
本書を読むと、話のモデルになったであろうあの事件がありありと思い出されるのですが、最後に「この物語はフィクションであり、実際の事件等とは関係ありません(編集部)」というような注意書きをしれっと載せているあたり、なんだかなぁと思いました。
空飛ぶタイヤ (実業之日本社文庫)Amazon書評・レビュー:空飛ぶタイヤ (実業之日本社文庫)より
4408552720
No.33:
(5pt)

気持ちいい、痛快な小説でした!

思いっきり某大手企業のネタを題材にした内容ですが、メインテーマ以外にもモンスターペアレント?的なネタもあり、大いに楽しめました!
赤松社長の苦難に一緒になって悔しい思いをしながらも、後半以降の事件が解決してくにあたっては気持ちいい!の一言です。
社会っていやだな〜と思いつつ、実際の社会でもやっぱり正義が正しいんじゃないかなと思いました。
とにかくいい話です。是非読んでみてください。
空飛ぶタイヤAmazon書評・レビュー:空飛ぶタイヤより
4408534986
No.32:
(5pt)

気持ちいい、痛快な小説でした!

思いっきり某大手企業のネタを題材にした内容ですが、メインテーマ以外にもモンスターペアレント?的なネタもあり、大いに楽しめました! 赤松社長の苦難に一緒になって悔しい思いをしながらも、後半以降の事件が解決してくにあたっては気持ちいい!の一言です。 社会っていやだな〜と思いつつ、実際の社会でもやっぱり正義が正しいんじゃないかなと思いました。 とにかくいい話です。 是非読んでみてください。
空飛ぶタイヤ (実業之日本社文庫)Amazon書評・レビュー:空飛ぶタイヤ (実業之日本社文庫)より
4408552720
No.31:
(5pt)

非常におもしろかった。

この本は、例の自動車会社のリコール隠しを題材にしています。メーカーの理屈で、弱者を圧殺しようとする。社内からも批判者がでたり、それも左遷で押しつぶそうとします。その流れが非常に臨場感があって最後まで飽きさせません。今も裁判になっていますが、あのような企業エリートはいなくなって欲しい。
空飛ぶタイヤ (Jノベル・コレクション)Amazon書評・レビュー:空飛ぶタイヤ (Jノベル・コレクション)より
4408535354
No.30:
(5pt)

非常におもしろかった。

この本は、例の自動車会社のリコール隠しを題材にしています。 メーカーの理屈で、弱者を圧殺しようとする。 社内からも批判者がでたり、それも左遷で押しつぶそうとします。 その流れが非常に臨場感があって最後まで飽きさせません。 今も裁判になっていますが、あのような企業エリートはいなくなって欲しい。
空飛ぶタイヤ (実業之日本社文庫)Amazon書評・レビュー:空飛ぶタイヤ (実業之日本社文庫)より
4408552720
No.29:
(5pt)

「社会」とは何でしょう?

池井戸潤氏の渾身の力作が、Jノベル・コレクションのラインナップに加わりました。
単行本が出版されたときにきっちり購入済みだけど、せっかくなのでJノベル・コレクション版も購入。
こんなことばっかしてっから金が貯まらないのね、と思いつつ。
出版されて久しいし、直木賞候補にもなったし、あの、散々報道された事件に題材を取っているこ
とでもあり、内容の概略は割愛中。
池井戸潤氏の小説を読むと、これってエンターテイメントではあるのですが、いっつも考えさせられます。
「社会」って何なんだろうって。
それを専門に考えるはずの学問でも、実はあんまり正面きって問われることのない問い。
ほんまに、「社会」って何だか、難しい。
友人・知人・親族の範囲、自分がこれまで生きてきた履歴の範囲、生産関係のアンサンブル、制度
的に客観的な仕組み、個人に対して外在的で拘束的な規範、主観的に意図された目的が了解で
きること・・・etc、どれも的を射ているけれど、どれも「それだけじゃないしなあ」ってなるし。
ゲゼルだのゲマインだの、それからゲノッセンだの、シャフトな定義はいくつかありますけども、どうにも定
義してから、それに立脚して考察を進めるってのに(何故だか)そぐわないんですよね。
「社会」という翻訳語の、そのオリジナル言語での概念にさかのぼっても、それらオリジナル言語の大元
のラテン語だのギリシャ語だのの意味にさかのぼっても、それは私たちの「社会」とは違うのですね。
だって「社会」という語が意味する内容は、その意味が通用する時代なり地域なり文化なりのコミュニ
ケーションの範域の従属変数でしかないから(※ 定義にそぐわないとか言った端から、こう述べた途端
に、「社会」について、私がどんな定義を採用しているかもろバレ中)。
でも、池井戸潤氏の小説を読むと、なんとなくその範囲がおぼろげに立ち上がってくるような気がする
のです(アンダーソンじゃないけれど、でも小説によって想像の共同体が個人に内面化される機制に
間違いはないけれど、しかしそんな気になる作家は実に稀)。
一例を挙げれば、この物語の当面の主人公とは、結局一面識もないまま物語が閉じられた、ホープ
自動車のメインバンクの融資担当の調査役の人とか。
「神の見えざる手」が作動する水準を、神ならぬ私たちが内面で想像する範域。
これを文字列を通じて読者の脳裏に描いてみせる、池井戸潤氏の(いわゆる経済)小説は、実は
非常にすぐれた「社会」の範型を描いているのではないか、とか。
妄想は広がります。
空飛ぶタイヤ (Jノベル・コレクション)Amazon書評・レビュー:空飛ぶタイヤ (Jノベル・コレクション)より
4408535354
No.28:
(5pt)

「社会」とは何でしょう?

池井戸潤氏の渾身の力作が、Jノベル・コレクションのラインナップに加わりました。
単行本が出版されたときにきっちり購入済みだけど、せっかくなのでJノベル・コレクション版も購入。
こんなことばっかしてっから金が貯まらないのね、と思いつつ。
出版されて久しいし、直木賞候補にもなったし、あの、散々報道された事件に題材を取っているこ
とでもあり、内容の概略は割愛中。

池井戸潤氏の小説を読むと、これってエンターテイメントではあるのですが、いっつも考えさせられます。
「社会」って何なんだろうって。
それを専門に考えるはずの学問でも、実はあんまり正面きって問われることのない問い。

ほんまに、「社会」って何だか、難しい。
友人・知人・親族の範囲、自分がこれまで生きてきた履歴の範囲、生産関係のアンサンブル、制度
的に客観的な仕組み、個人に対して外在的で拘束的な規範、主観的に意図された目的が了解で
きること・・・etc、どれも的を射ているけれど、どれも「それだけじゃないしなあ」ってなるし。

ゲゼルだのゲマインだの、それからゲノッセンだの、シャフトな定義はいくつかありますけども、どうにも定
義してから、それに立脚して考察を進めるってのに(何故だか)そぐわないんですよね。
「社会」という翻訳語の、そのオリジナル言語での概念にさかのぼっても、それらオリジナル言語の大元
のラテン語だのギリシャ語だのの意味にさかのぼっても、それは私たちの「社会」とは違うのですね。
だって「社会」という語が意味する内容は、その意味が通用する時代なり地域なり文化なりのコミュニ
ケーションの範域の従属変数でしかないから(※ 定義にそぐわないとか言った端から、こう述べた途端
に、「社会」について、私がどんな定義を採用しているかもろバレ中)。

でも、池井戸潤氏の小説を読むと、なんとなくその範囲がおぼろげに立ち上がってくるような気がする
のです(アンダーソンじゃないけれど、でも小説によって想像の共同体が個人に内面化される機制に
間違いはないけれど、しかしそんな気になる作家は実に稀)。
一例を挙げれば、この物語の当面の主人公とは、結局一面識もないまま物語が閉じられた、ホープ
自動車のメインバンクの融資担当の調査役の人とか。

「神の見えざる手」が作動する水準を、神ならぬ私たちが内面で想像する範域。
これを文字列を通じて読者の脳裏に描いてみせる、池井戸潤氏の(いわゆる経済)小説は、実は
非常にすぐれた「社会」の範型を描いているのではないか、とか。
妄想は広がります。
空飛ぶタイヤ (実業之日本社文庫)Amazon書評・レビュー:空飛ぶタイヤ (実業之日本社文庫)より
4408552720
No.27:
(5pt)

事故に対する各々の立場でのリアルなやりとり

リアリティがあっておもしろかった。 実際に事故を起こしてしまった中小企業に対して銀行や取引先がとる態度や、原因を追究しようとする運送会社に対して大手自動車会社がとる態度もリアルだったし、事故を起こした運送会社、大手自動車会社、銀行それぞれの立場から思惑や苦労が表現されていて、1つの事故を様々な角度から検証していくのが見事だった。 また、事件の容疑者扱いされた運送会社社長の家族を巡るやりとり、特に小学校のPTA総会について、直接PTAとは関係ないのに事故を起こした責任をとってPTA会長を辞めさせようと追い込むほかの親たちとの攻防も見応えがあった。
空飛ぶタイヤ (実業之日本社文庫)Amazon書評・レビュー:空飛ぶタイヤ (実業之日本社文庫)より
4408552720
No.26:
(5pt)

事故に対する各々の立場でのリアルなやりとり

リアリティがあっておもしろかった。実際に事故を起こしてしまった中小企業に対して銀行や取引先がとる態度や、原因を追究しようとする運送会社に対して大手自動車会社がとる態度もリアルだったし、事故を起こした運送会社、大手自動車会社、銀行それぞれの立場から思惑や苦労が表現されていて、1つの事故を様々な角度から検証していくのが見事だった。また、事件の容疑者扱いされた運送会社社長の家族を巡るやりとり、特に小学校のPTA総会について、直接PTAとは関係ないのに事故を起こした責任をとってPTA会長を辞めさせようと追い込むほかの親たちとの攻防も見応えがあった。
空飛ぶタイヤAmazon書評・レビュー:空飛ぶタイヤより
4408534986
No.25:
(5pt)

実在の事件をモチーフにした経済小説

走行中の大型トレーラーから突然外れたタイヤが、主婦と幼い子ども
を死傷させる。自動車会社の悪質なリコール隠しを白日のもとにさらし、
自らの潔白を証明するため、赤松運送の社長赤松は、ホープ自動車との
絶望的な闘いに身を投じる―。
もろに実在の事件をモチーフにした小説です。赤松を中心に、彼を見限る
社員と信じる社員、被害者の夫の慟哭、隠蔽に奔走する自動車会社の社員
と誇れる会社を取り戻そうとする社員、メインバンクの思惑、巨悪を追う
マスコミと、様々な立場の人間を重層的に描くことに力点が置かれています。
そのせいか、経済小説特有の小難しさはなく、とても読みやすい本でした。
モデルとなった自動車会社は未だに再生計画の途上にあり、事件の傷は
とても深いようです。また、脱輪事故を起こした運送会社はその後どう
なったんでしょうか?本書を読まなければ、その運送会社に思いを馳せる
ことも無かったと思います。
また、犯罪者と容疑者は決してイコールではないという当たり前のことに
改めて気付かさた本でした。
空飛ぶタイヤAmazon書評・レビュー:空飛ぶタイヤより
4408534986
No.24:
(5pt)

実在の事件をモチーフにした経済小説

走行中の大型トレーラーから突然外れたタイヤが、主婦と幼い子ども
を死傷させる。自動車会社の悪質なリコール隠しを白日のもとにさらし、
自らの潔白を証明するため、赤松運送の社長赤松は、ホープ自動車との
絶望的な闘いに身を投じる―。

もろに実在の事件をモチーフにした小説です。赤松を中心に、彼を見限る
社員と信じる社員、被害者の夫の慟哭、隠蔽に奔走する自動車会社の社員
と誇れる会社を取り戻そうとする社員、メインバンクの思惑、巨悪を追う
マスコミと、様々な立場の人間を重層的に描くことに力点が置かれています。
そのせいか、経済小説特有の小難しさはなく、とても読みやすい本でした。

モデルとなった自動車会社は未だに再生計画の途上にあり、事件の傷は
とても深いようです。また、脱輪事故を起こした運送会社はその後どう
なったんでしょうか?本書を読まなければ、その運送会社に思いを馳せる
ことも無かったと思います。

また、犯罪者と容疑者は決してイコールではないという当たり前のことに
改めて気付かさた本でした。
空飛ぶタイヤ (実業之日本社文庫)Amazon書評・レビュー:空飛ぶタイヤ (実業之日本社文庫)より
4408552720
No.23:
(5pt)

自問自答させて貰える一冊

今日図書館で借りてきて、夕食後夢中で貪り読み切った一冊。
爽やかな青空の表紙の本書で一見芸能人のエッセイ本と言った様子だが、
内容は三菱自動車トラックのタイヤ脱輪で通行中の主婦が犠牲になった
リコール隠し問題を題材にした社会派小説。
主人公は、事故を起こした運送会社の社長。
事故原因を整備不良と各方面から決め付けられ、
得意先から取引を切られ、銀行の貸し剥がしに遭い、
家族・子供も学校でイジメに遭うなど、社会的制裁を受けながら、
自分の会社の整備を信じ大メーカーに立ち向かい続ける姿に心を打たれる。
明日も早いのにこんな夜中まで、ついつい読みきってしまったのは、
大メーカー三菱自動車(本文中ではホープ自動車)の酷い対応に対する怒り。
自己の保身と社内政治しか考えていない組織ピラミッド。
最終的には、内部告発も有り、社長はじめ役員から品質保証担当まで
複数のメンバーが業務上過失致死で逮捕された。
人の振り見て我がふり直せとは言うが、ふと自分の仕事に置き換えると、
問題は近いところにも有るものだと思う。
コンプライアンスと声高に叫ばれ続けて、しばらく経つ。
然しながら、実際に日々の業務上の判断は間違っていないか?
そんな自問自答をしたくなる一冊。ぜひ社会の歯車の一員として読んでほしい。
間違いなく☆5つ
空飛ぶタイヤAmazon書評・レビュー:空飛ぶタイヤより
4408534986
No.22:
(5pt)

自問自答させて貰える一冊

今日図書館で借りてきて、夕食後夢中で貪り読み切った一冊。

爽やかな青空の表紙の本書で一見芸能人のエッセイ本と言った様子だが、
内容は三菱自動車トラックのタイヤ脱輪で通行中の主婦が犠牲になった
リコール隠し問題を題材にした社会派小説。

主人公は、事故を起こした運送会社の社長。
事故原因を整備不良と各方面から決め付けられ、
得意先から取引を切られ、銀行の貸し剥がしに遭い、
家族・子供も学校でイジメに遭うなど、社会的制裁を受けながら、
自分の会社の整備を信じ大メーカーに立ち向かい続ける姿に心を打たれる。

明日も早いのにこんな夜中まで、ついつい読みきってしまったのは、
大メーカー三菱自動車(本文中ではホープ自動車)の酷い対応に対する怒り。
自己の保身と社内政治しか考えていない組織ピラミッド。

最終的には、内部告発も有り、社長はじめ役員から品質保証担当まで
複数のメンバーが業務上過失致死で逮捕された。

人の振り見て我がふり直せとは言うが、ふと自分の仕事に置き換えると、
問題は近いところにも有るものだと思う。

コンプライアンスと声高に叫ばれ続けて、しばらく経つ。

然しながら、実際に日々の業務上の判断は間違っていないか?

そんな自問自答をしたくなる一冊。ぜひ社会の歯車の一員として読んでほしい。
間違いなく☆5つ
空飛ぶタイヤ (実業之日本社文庫)Amazon書評・レビュー:空飛ぶタイヤ (実業之日本社文庫)より
4408552720
No.21:
(4pt)

すばらしかった!

某大企業のリコール隠しをベースに描く社会派ドラマ。
登場人物のひとりひとりが魅力的。
思わず赤松さんとその家族に肩入れしてしまうし
欲と正義の間で揺れる沢田の決断にハラハラしたし
はるな銀行の新藤氏の発言には快哉をさけびたくなる。
もっと評価されてよい、素晴らしい小説でした。
☆ひとつ減点はタイトルと装丁。あまりにも勿体無い。
「空飛ぶタイヤ」と最初に聞いたときは、ファンタジーかと思った。
「点と線」「理由」「白夜行」「悪人」のような、シズル感のあるタイトルと
引き締まったデザインの目を引く装丁があれば、もっと話題になるはずなのに。
内容があまりに良い分、ジャケ買いをそそられなさが。。
映像化されたら嬉しいけど、沢田が織田裕二とか勘弁だなぁ・・・。
空飛ぶタイヤAmazon書評・レビュー:空飛ぶタイヤより
4408534986
No.20:
(4pt)

すばらしかった!

某大企業のリコール隠しをベースに描く社会派ドラマ。
登場人物のひとりひとりが魅力的。
思わず赤松さんとその家族に肩入れしてしまうし
欲と正義の間で揺れる沢田の決断にハラハラしたし
はるな銀行の新藤氏の発言には快哉をさけびたくなる。
もっと評価されてよい、素晴らしい小説でした。

☆ひとつ減点はタイトルと装丁。あまりにも勿体無い。
「空飛ぶタイヤ」と最初に聞いたときは、ファンタジーかと思った。
「点と線」「理由」「白夜行」「悪人」のような、シズル感のあるタイトルと
引き締まったデザインの目を引く装丁があれば、もっと話題になるはずなのに。
内容があまりに良い分、ジャケ買いをそそられなさが。。

映像化されたら嬉しいけど、沢田が織田裕二とか勘弁だなぁ・・・。
空飛ぶタイヤ (実業之日本社文庫)Amazon書評・レビュー:空飛ぶタイヤ (実業之日本社文庫)より
4408552720

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