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重力ピエロ
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重力ピエロの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.65pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全267件 101~120 6/14ページ
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主人公の父親が、主人公の弟に最後に言った一言。 「*****************」 これにガツン、とやられました。 しばらくして、ジワーっと感動が、、、。 参りました、って感じです。 放火事件と、街の落書きと、遺伝子との奇妙なリンク。 謎解きの楽しさがありながら、さらに、家族についてもっと重要なことを考えさせてくれる作品です。 社会的な家族と、遺伝的な家族。 どちらも家族を定義付けるには十分な要素だけど、本当に大事なことは、家族のそれぞれが家族のそれぞれを愛情を持って家族と認めること、だと感じた。 人を殺すシーンが出てきて、それを正当化する場面もある。 これに関しては、賛否分かれるだろうな、と思った。 殺人を償うことよりも、家族の愛が大事なんだ、といわんばかりの構成だったが、現実に考えるとやっぱり殺人を償わせることが本当の家族の愛だろう、って思った。 それと、ひとつ気がかりなのが、主人公があの橋で夜中に出会った青年、、、。 彼の役割は一体、、、? | ||||
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原作を読んだ後にDVDを観る方が、よろしいと思います。 映像化に際しては、若干の変更が有りますので、映画好きな人には、そこも楽しみとなるでしょう。 両方を楽しんで感じたことは、文章の楽しさを再認識したことです。 しばらくは、個人的な伊坂さんのブームが続きそうです。 | ||||
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あっさり犯人の予想がついてしまうので、 次の展開はどうなるかとハラハラドキドキする要素は少ないです。 ただ、重い過去を持つ家族が前向きに生きている様子を描いているのは好感が持てます。 よって星4つなのですが、 「ガンジーの言葉」とか「ネアンデルタール人」とか「フェルマーの最終定理」だとか そういうウンチクが過剰で、それが少々鼻につきます。 ウンチクを語らせると長くてうるさいおじさんっていますよね。 そういうタイプが苦手な人には向かない小説かもしれません。 | ||||
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現実と虚構がみごとに溶け合う仙台の街と、固い絆で結ばれた男三人の家族。 誰が放火犯なのか、早くにわかってしまうのが玉にきずだが、やはり「私」の弟「春」はとても魅力的だ。小さなエピソードの積み重ねで、彼の魅力を描いていくのもさすがにうまい。整形して、まったく別人のチョー美人として再び現れる「順子」のストーカーぶりも笑えるし、自殺の名所、八木山橋の描写なども面白く読めた。なにより、絶対に自首するなという「私」の、じつに健全な家族愛には感動させられる。 最近はいろいろ批判があるようだが、「本屋大賞」が、読書の喜びを与えてくれるこうした本を選ぶなら、それなりに意味があると思わされた。 | ||||
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所謂ミステリーとは違うかもしれないが やはりこれはミステリーであると思う。 一言で表すなら、彼ら家族の生き方に感銘を受けた。 けして明るい話ではない。 なのに、力強く光が差しているように感じられる物語。 『春が二階から落ちてきた。』 という一行目から、私はすっかり虜になってしまった。 泉水の夢に出てくる過去の母とバットを持った春は とても衝撃的で考えさせられるシーン。 重いものを抱えていても、春は泉水を兄として頼っていて 泉水も春を大切に思っている。 ふたりは兄弟で、父を尊敬し、母を愛している。 それが苦しいほどに伝わってくる。 父が誤魔化すことなく息子たちに向きあい お蔭で一歩間違えばぐれてしまうかもしれなかった泉水に 深い感銘を残してくれた回想シーンも素晴らしい。 父が泉水と春を食卓に呼び、話があるというシーン。 私は父の握手を、ありがとうと言いたいのだと解釈した。そして、涙が止まらなくなった。 彼の行為自体は本当は許されることではなく、 またありがとうの一言で語りつくせる訳も無い。 男と男同士の会話として、様々な感情があの握手にこめられていたのだと思う。 ビジネスホテルのフロントの男と仙台銘菓の"オチ"はまた素晴らしく 春が「行け!」と言うところから下に降りるまでの流れも美しい。 とてつもなく深く、優しく どうしようもない人間もいる半面 やはり人間というのは素晴らしい生き物なのだと 思わせてくれる物語。 | ||||
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絆は血より濃いもの。 泉と春の父と母が素晴らしい。 最強の家族には重力さえ関係ないのだ。 会話がいちいちしゃれている。 そして父と息子の会話には深い愛情がある。 すべてを超越しているような父親、彼の存在がこの物語のすべてかもしれない。 | ||||
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飛び降りるという行為は、それが死のダイビングでないかぎり、潔いと思うな。この小説の主人公が、冒頭で二階から飛び降りた時、その性格や体型まで描写されたように感じた。彼は”坊ちゃん”の主人公のように思い切りがよく、またワンピースのルフィーのように、しなやかに着地できる身体能力を身に付けている。解説にあるように、この作家はこのような表現が確かにうまい。感情描写を最小限にとどめながらも、動きや状況の中にそれとなく潜ませている。 自分の出生に決定的な不幸を持つ子供は、その後どのように生きていくのか?とりまく家族はどうか?成人した彼は、絶望的な出自を、どう受けとめてどう対処するのか?これは非常に残酷な設定だ。しかし誰もが知りたい。結末は7割がた思惑通りであるが、3割の意外性も確かにある。正義の鉄槌は罰せられることはないというのは、溜飲は下がるが、後味があまり良くない。レイプとか肉親の死といった身近な不幸を、この作者はなんら躊躇も無く、さらりと取り入れるが、このあたりは、かのJ.アービングばりの飄々としたストーリー展開で、僕らも難なく受け容れられる。もしかしたら村上テイストの由来は、ここにあるのかもしれない。また、他の作品同様、登場人物には、皆機知がある。それこそ、飲み屋でナンパされるミニスカートの姉ちゃんから、精力ギンギンの強姦魔まで、自分のポリシーを持っている。人生にこのようなキャラクターが溢れていたら、さぞや楽しく毎日を過ごせるだろうが、反面うざったくて仕方ないだろう。同様に挿入される偉人たちの箴言、格言の類いも、なんとも作者の自恣や、高踏さが見え隠れするようでイヤミだ、なんて感じるのは僕らみたいな挑戦的な読者だけで、伊坂ファンには堪らないんだろうな。 緻密なストーリー同様に、文章の隅々にも伏線を忍ばせていて、それに気付くのは再読した後だ。 僕らの負けだね。 二度読みを勧める。 | ||||
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推理小説として読むなら意外性はなく軽いし、ドラマという程重くもない。 新しい感覚の小説だと思いました。 時々ドキっとさせるようなセリフ、遺伝子に関する専門的な知識も本の中では割と 軽快に語られていて読みやすかったと思います。 なんといっても登場人物に好感が持てました。 「深刻なことは陽気に伝えるべき。」というセリフがありましたが、 それがこの小説のテーマの一つではないでしょうか。 母親のレイプやガンの父親、複雑な弟、全てが重いのに、 軽く読めてしまうのは、伊坂さんの才能のせいでしょう。 | ||||
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癌に冒されながらも、血のつながらない春を最後まで我が子として応援し信じる父の姿が力強い。「おまえは、俺に似て嘘が下手だ。」という父の言葉。染色体、遺伝、血のつながりを超えた最後のこの言葉が心に響く。春のとった行動は、この父の最後の言葉によって救われたような気がする。 魔王 (講談社文庫) | ||||
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何か読みたいなーと思って本屋で色々物色してみて裏表紙を読むと、私の興味のあるテーマが盛り沢山だったので買ったのですが、 小説特有の難しい言葉が無くて読みやすかったです。 芸術、偉人の言葉、人類の歴史、遺伝子、家族愛、兄弟愛、人の苦悩、そして日常。 日常があくまで中心になっているような感じです。 我々が普段使うような言葉や、あるある〜と思わずププッとなるユーモアなんかも散りばめられていて、 日常の中にはこんなに沢山の驚きやユーモア、楽しさや苦しさ、挫折や再生が溢れている。 人は一人ではない、家族や仲間が必ずいるのだ。 ミステリー小説ではなく、日常の中にこんなミステリーが潜んでいるのだと思って読んでみるといいかも。 重いものを求める方には物足りないと思うので☆4つで。 | ||||
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これまでの作者は、心地よい会話の中に社会的メッセージを込めるのが作風であり、長所でもあったと思う。 この作品では、社会性を前面に押し出している。 レイプによって人生を変えられてしまった家族の物語。 よく兄弟の物語と紹介されるが、私は家族の物語だと思った。 今までの作品のような軽い感じのお話を期待していると、読みにくいと感じるかもしれない。 どちらかと言えば、私もそう感じてしまった。 ただミステリーとしてよくできているし、レイプ・遺伝子などの社会的テーマを扱っている分、最後の感動も大きい。 個人的には、この作品の核となるのは父親だと思う。 父親の最後の一言には感動した。 ここでの感動を生み出すために、この作品は創られたのだと思う。 それでもこれを集大成というのは違和感がある。 むしろ(この時点では)新しい試みだったのではないか。 今までポップなものが多かったが、今回は本格派だ。 たしかに面白い。 さまざまな物語が交錯し、最後にはつながる手法にはいつもながら興奮させられる。 だが、私は伊坂さんの作品はもっと手軽であってほしい、というと失礼だろうか。 | ||||
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私はこれはミステリーではないと思います。 小説らしい小説を求める人には好まれないかな、と思いました。 ミステリーとしてのドキドキ感はありませんでした。 本文中にもあったとおり、みんな考えすぎなんだと思います。 犯罪を犯した人間に対して複雑な人生背景とか、凝った犯行動機とか そう言う物を求めて、そう言うものに「おもしろさ」を求める人には 拍子抜けでおもしろくない物語でしょう。 犯罪と言われる物を犯す人間の思考回路として もしかしたらこれは過半数を占めるのかもしれないと思うことは 被害者になるかもしれない立場としての恐怖と同時に 加害者になるかもしれない立場としての恐怖も感じました。 犯人の行動を否定するのも肯定するのも結局きれい事だと思います。 所詮他人が評価できる物ではないと言うのも納得しました。 そう言う意味では裁判員制度に対する恐怖も感じました。 被害者とか加害者とか命とか正義とか悪とか たくさん考えさせられて、哲学的なのかもしれません。 多くの片が拒否反応を示されている文学作品の引用については 私自身が同じことをするのが楽しいので気になりませんでした。 同じ文学や偉人について肯定的でも否定的でも意見を持った同士で その文言を会話中に引用するというのはそんなに特殊なんでしょうか?? 知識のひけらかしではなく、言葉遊びと共感だと思うのですが。。。 | ||||
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ミステリーの体裁をとっていますが、もちろんそれだけに終わるものではありません。 主人公一家とその周辺に、一風変わった人物たちがちりばめられています。そういう人物たちを登場させるのは簡単ですが、それらをうまくまとめ上げるには少々の手腕が必要です。それが可能になったとき、こんなスタイリッシュな小説が生まれるのでしょう。 一見街全体を脅かしているように見える連続放火事件が、実は身内だけの間で進行していたという話です。また、救いようのない悪い人間を殺害しても罪に問われるべきではないという、アガサ・クリスティの「オリエント急行殺人事件」の結末も思い起こされます。黒澤という、ある意味「神」的な立場にある人物が事件を総括に導きます。 家族愛の物語として読むのもいいでしょう。正義の書としても、滑稽本としても、教養小説としても。もちろんミステリーとしても。 ただ、郷里で公務員をしている「父」のところへ、いわゆる押しかけ女房をした美しい「母」というのは、私には魅力ある人物のようには思えません。 | ||||
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個人的には楽しめました。 東○圭吾氏の著書のように、暴力やレイプなどがなく、安心して読めます。 普段本を読まれない方でも比較的ラクに読めるのではないでしょうか。 | ||||
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読み終わった後、もう一度読み直したくなったのは初めてでした。 深まっていく謎に惹きつけられ、ドキドキし続けました。 推理小説と言い切るのはちょっと違う、でも家族愛の話と決めてしまうのもちょっと違う。 登場人物たちの交わす会話が独特のテンポでいいんです。彼らの背負うものが切なくて、でも淡々と進められていく物語にますますのめりこみます。 そして、終盤で、すべてのからくりがわかってからのドキドキは、それまでのものよりも大きく、 読み終わるのがもったいないと初めて感じました。 登場人物一人一人がとても鮮やかに描かれています。 どの人物もある意味突飛で個性が強いのですが、それぞれに惚れこんでしまいます。 それゆえに、ラストは切なく、愛おしく、まだずっと彼らを見ていたくなるのです。 残酷でありながらも、この上なく神聖で、愛にあふれている、不思議な魅力いっぱいの作品でした。 | ||||
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羨ましいくらい仲の良い兄弟、泉水と春。 私がガールフレンドだったら、家族として一緒に過ごしてきた、共有してきた時間に嫉妬するだろう。 現実世界ではありえない、小説ならではの世界の中で、それぞれが自分の苦悩を信念を持って生きている。 このおもちゃ箱のような世界に行ってきました。 楽しかった〜! | ||||
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バタイユ的な「禁止の侵犯と祝祭的蕩尽で超越する」実存主義、具体的には、セックスと暴力によって生の強度を得るという発想と、生物学主義的な家族関係論が徹底的に批判されている。 エロオヤジの妄想(言い訳?)めいたこの種の言説にうんざりしていた私にとっては胸のすくような痛快な作品だった。(先日も、「草食系男子」に説教を垂れる勘違いエロオヤジと、「レイプは遺伝子の適応だ」とぬかす自称生物学者の文章を読んで気分が悪くなったところだ) 春は、セックスと暴力の結果、呪われた遺伝子を背負って生まれてきた。 性を忌避する彼はしかし、ピエロのように軽快に、社会を超越してみせる。 遺伝子的にはつながりのない親子が、強い絆で結ばれている。 結局のところ、セックスだの暴力だの、生物学に裏打ちされたコミュニケーションだのは、身近な他者としょぼい関係性しか築けないヘタレの逃避にすぎないのだ。 ところで、若者に支持されたこの手のエンタメ小説には「人間が描けてない」との批判が絶えないが、しっかり人間を描いている(らしい)純文学様が晒している醜態を見るに、そんなものは描かないのが正解だと思う。 そもそもそんなもん読みたくないし。 | ||||
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経緯があって映画を見てしまって、うーん、あんまり面白くないなと思いました。 それを友人に話すと、烈火のごとく「小説読みなさい」と怒られたので、読んでみると、なるほど傑作です。 色々な伏線がぐいぐい心を締め付けながらも、深刻なことは陽気にというどこかあか抜けた雰囲気にすっかり魅了されました。 | ||||
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最初と最後の一行が印象的な作品。 クライマックスでの春の言葉もまた鮮烈。 まもなく公開の映画が楽しみです。 | ||||
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ミステリーとしては無理がある。そんなに何回も落書きと放火を繰り返していたら、当然、目撃者が現れるだろう、大の男の死体を一人で運ぶのは結構、大変だ、殺害場所をごまかされるほど、仙台の警察は無能じゃないだろう・・。 普通の小説として読むと、物語にすっと入っていける。そして、その物語は、文句無く面白い。 テーマは暗い。だが、豊富な引用に富む、気のきいた会話を読むのは楽しい。読み終えた後の後味もいい。 結末について。 「人を殺してはいけない」「罪を犯したら、罰せられなければならない」 この手の紋切り型の正論(もちろん、これが正論ではある)に逆らうのは、たとえフィクションでも、勇気がいるだろう。正直、この作品も、いずれこの手の無難な正論へ流されていくだろうと思っていた。 違った。 主人公兄弟の父親同様、この作家自身も、ういきょうの花言葉が似合いそうだ。 「賞賛に値する」 | ||||
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