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タックスへイヴン Tax Haven
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タックスへイヴン Tax Havenの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.26pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全63件 41~60 3/4ページ
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橘氏の国際金融ミステリーといえば、処女作のマネーロンダリング以来か。軽く読める、そして、面白いってのはさすがといった感じ。話もマネーロンダリング、国際金融、戦後補償、3.11地震、原発、北朝鮮、クラブ、男と女といろんな方向。 確かマネーロンダリングもそうだったと思うが、金と男と女が必ず入ってきていて、時事ネタをかなり取り組むのが著者の特徴か。2014年に単行本が出て、2016年に文庫化、2017年の今読んでも、十分おもしろかった。表紙はコミカルな字体から絵かと思ったが、写真に煙のようなもやもやを合成しているようで、これぞ秘密のタックスヘイブンという感じで個人的にツボ。 セミ主人公といえる古波蔵がすき。 「馬鹿どもとつきあわなくて済むようにしてるんだ。」 「生きてるのって退屈だろう。その退屈な人生を耐えるために、先に金を稼いでおくんだ」」 | ||||
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橘玲さんの作品ほんとに全部面白い。最後の終わり方も文句なし。 | ||||
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久しぶりに読んだ小説、そこそこの文字数にもかかわらずすぐに読破してしまいました。 シンガポール在住ですが是非色々な人に読んでほしいです。この国には表面には見えにくいがドロドロとした人間、情報、そしてカネが絶え間なく渦巻いています。 | ||||
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マネーロンダリング系かな。なかなか面白く読ませていただきました。 | ||||
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「21世紀の資本」という本で、一躍有名になった経済学者、トマ・ピケティの弟子ガブリエル・ズックマンがいうには、世界のGDPの10パーセントがタックスヘイブンに隠されているとのこと(早大教授藪下さん監修の本による)。租税回避地=タックスヘイブン、2015年あたり、そして最近、ニュース等で話題になっていますね。そんな話を題材にしたのが、この金融ミステリー小説「タックスヘイブン」です。 紫帆の夫である北川の死をきっかけに、かつてともに学生時代を過ごした古波蔵と牧島と紫帆は再会を果たします。しかし三人はやがて、すでにある事件へと巻き込まれていたことを知り始めます。それは、‶トカゲ”と名乗る謎の男の画策による、巨額の資金消失にまつわる事件でした。 この作品で牧島と古波蔵は、ちょっと前にあったドラマ「ウロボロス」に出てくる2人のように、表と裏の世界から事件の謎をといてゆきます(もちろん古波蔵たちは敵と格闘系のバトルはほぼしませんが・・・)。ウロボロスは錬金術という古代神秘思想に出てくる自分の尾をかむ蛇のことで、完全性の象徴です。そんな二人(古波蔵と牧島)も陰と陽のごとく、パーフェクトに存在を支えあっています。二人ともそれぞれ好きな女性がいるわけですが、ここでいう存在を支えあうとは、恋愛とは違った存在の補完というか、自分の歩めない人生の‶部分”を相手に歩んでもらっている、といった具合でしょうか・・・・。 前半は人の死なないミステリーのごとく読めます。シンガポールが舞台で、豪華なホテル、異国情緒にあふれる街並み、食事。リッチな旅気分になります。 物語の運びがスムーズで、上手な運転手の車に乗車しているようで、古波蔵と牧島の表裏の活躍で、いい具合にテンポよく謎に対するヒントが与えられていきます。普段明かされない、プライベートバンカーやスイスSG銀行の描写もおそらく脚色はあるだろうけれど、興味をそそられます。 ただ、意外な形でこちらの予想は裏切られます。その裏切られ方とは、案外普通なところに落とされるというあり方です。犯人を予想してみても、答えは、 「あぁ、この人でよかったのかあ~」といった具合です。ただその後かなり深い闇へと落とされるので、そもそも著者は奇をてらった犯人を登場させて、エンタメ感を向上させよう、というよりは、人間の心の暗部を映し出しつつ、人間ドラマのような方向にもっていきたいんだな、という風に思われました。 ‶夜の動物園”も、児童文学かなんかに出てきそうで、こういったミステリーにはめこむと非常におしゃれに感じられ、いかにもここで謎の一端が明かされる感がありますが、とくに何も起きません(ただここはラストの牧島の心情と対比しうるところです。ラストで彼の心はちょっとした闇へと落とされるので・・・)。 そしてなによりも、この小説は金融情報小説だけあって、犯人に関しても、名推理の古波蔵のところに、最後ポンッと完結した情報として、犯人の名が他者から明かされます。古波蔵はこの瞬間、とくに推理を働かせません。このあっけなさが斬新でした(もちろん一瞬力が抜けましたが・・・)。最後の最後で、推理小説じゃなくて、金融情報小説、そして人間ドラマですよ、といわれたみたいです。 しかし、トカゲの深い闇はぞっとします。古波蔵も同情を示します(最後には経済的に蹴りを付けますが・・・)。劣悪な環境が人を変えるというのは確かにその通りだと思います。簡単に語れることではないでしょう。こういった話は聞いたことがあります。ただその反面、やはりトカゲはどこに行ってもトカゲとして自らを現したのではないかとも考えられます。 何故なら、トカゲに影響を与えた第2の世界、その世界は基本的に裕福で平和とされていますが、実際は、争い、犯罪は日々あるからです。最終的な人の心の善性みたいなものは信じたいところなのですが・・・。 この物語において、結局すべての登場人物が、お金に振り回された人生を歩んでいるという印象を受けます。お金を操っているようで、実際は操られているのでしょう。古波蔵も牧島も紫帆も、その他登場人物も、様々な社会的、経済的情報には精通し、その中に埋没していても、いかに生きるかという哲学(心の在り方)は語らなそうな感じがします。愛情も狭い範囲でしか働いていない気がします。結果として、ラストに牧島が抱える不安がクローズアップされます。 牧島の発言、‶紫帆が自分のところに落ちてくれた”(人間的なランクが落ちた、みたいなことでしょうか・・・)というのも、いかにも株価が落ちたかのような言い回しです。牧島は紫帆のために自らの内面を見つめ向上する、ということも無いようです。 このマネーゲーム事件の果てに二人(紫帆を入れて3人)がたどり着いた境地は、金が見せる幻影の部分の中で見失われた自らの心の片鱗なのかもしれません。 秋も通り過ぎ、冬になりましたが、この冬の夜長に、「タックスヘイブン」いかがでしょう? この著者の他の作品も読んでみたいです。 | ||||
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金融の知識としても参考になりました。面白いし、ためになる。超おすすめ | ||||
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金融関連を軸として、グローバルな展開で多岐に亘り、裏社会を描いていきます。 サスペンスとハードボイルドな世界が広がり、現代社会の構造を裏側から見ています。 銀行、警察、政治を巻き込み、どろどろとした世界で渦巻くものをうまく描いています。 とにかく冒頭部分から、一般には知られることがない世界が、あり得そうなリアル感に包まれていきます。 インテリジェンス小説と言われるように、幾層にも膨らみ、深くて複雑で込み入ったストーリーです。 533ページに亘る長編をしっかりと読み解いていくほどに面白さが倍増します。 エレガントでセレブな容姿、シンガポールを中心とした食べものの数々、スコッチウィスキーの数々。 きめ細やかに描写することにより、一層の臨場感とシチュエーションが浮かんできます。 ラストは簡単には迎えず、これで終わったと思いきや、新たなラストが待っています。 各シーンを切り返して、ラストシーンも切り返して、謎解き気分を満喫できます。 | ||||
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お金を 国際的なしくみで 動かすことに 経験と知恵がある 古波蔵は スイスの銀行さえも手玉に取る。 これは、痛快な感じで、古波蔵は、ものごとに動じず、 ちゃんと見えているのが 強いんだね。 日本の税制の中で 相続税 なるものが 一番大きな問題かもしれない。 それを、相続税のない国で 処理する方法があったが どんどんと改正されて いまは 日本国籍を捨てることでしか、 相続税を 節税することができるということらしい。 今回の主なテーマは タックスヘイヴンより マネーロンダリング が 主ですね。 ウラのカネを どうやって、摘発されずに、確保するのか ということを 古波蔵は 入国審査なしに、対馬から 韓国に行き、 韓国の銀行から スイスの銀行におくると言う鮮やかさ。 漁船による不法入国はできても、韓国からスイスにおくるというのは 無理があるのだとおもうが。韓国の銀行に顔があるということが。 堀山は、不法入国をして、パスポートで換金は できるのかな。 それも、アマチュアでは できないとおもう。 韓国のヒトに頼めばいい話であるが。 古波蔵、牧島、紫帆が 高校時代のなかよし。 古波蔵は 金融のプロ。牧島が 翻訳稼業。トレーダー北川の妻 紫帆。 紫帆は、かわいかったが、それが 磨きがかかる。 そんな中で、紫帆の夫 北川が シンガポールのホテルから 墜落して死亡する。 他殺なのか、自殺なのか わからないが 突然のことで 紫帆は 牧島を頼って、いっしょに シンガポールへ。 北川は 1000億円を 運用していた。 それが、大きな 穴を あけることに。 ブラジルへの 原発プラント輸出という構図がいいね。 しかし、3月11日によって、原発が 大きな危機にさらされ、 おじゃんとなることで、損失を つくった。あり得る話だ。 北川に くっついていたのが 大物だった政治家。 ふーむ。この政治家が いかにも あの人 のようで、 なるほど、こうやって、国策捜査がおこなわれるのか と納得。 そういえば 村上世彰 はどうしたんだろう。 ホリエモンは情報発信しているが。 それにしても スイスの銀行の エドワードは レベルが低そう。 バンカーの矜持はない。 チェンマイ、ゴールデントライアングルなどは、行ったことがあるので なんとなく、思い出してしまった。シンガポールに行ってみたい。 紫帆の 雰囲気が 意外とよかったな。崩れそうで、したたかさが。 まぁ。牧島くんとは 無理でしょう。 古波蔵と アイリスが なかよく 生きるといいね。 二人は あっているみたいだ。 古波蔵 シリーズで 続かないかな。 | ||||
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なんとしても眠れない飛行機の中では、時間を忘れさせてくれる、この手のスピーディな小説は有り難い。不快な飛行機旅を忘れることが出来ます。 魅力はチョイ悪の古波藏でしょう。 ヒロイン紫帆は、美形以外には全く魅力がないのが残念でした。 最初から最後まで、紫帆は止めた方がいい、という単純明快な事実が見えない牧島という男性がもっとも謎で不可解でしたが(笑)。 古波藏のその後を読みたいですね。 | ||||
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もう一度読みたいくらい情報が大量に含まれている。迂回送金やPOによる不正流用、法の目をかいくぐるお金の流れ。お金と権力に群がりのしあがる人々、そして呆気なく切り捨てられる人々。不安定な世界を描き出している。送金先国の設定や使途はもう少しレアなケースを引用する等した方が、さらに目から鱗になれたかと思う。 | ||||
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話のスピード感が好きです。疑問に思っていたところも後でしっかり分かる。 | ||||
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全体的にドラマティック作られていて、現実を求める読者には描写が足りない。そしてミステリー好きには決して、スリリングな展開も期待出来ない。個人的な星4つとしては、登場人物の与えるイメージと温度感、ラグジュラリー感がマッチして色濃く印象に残った。いつかまた読み返したいと思う。 | ||||
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数年ぶりに夢中で小説を読んだ。 著者の別のノンフィクション作品からこの作品にたどり着いた。 なので、片手間の小説かなとあまり期待していなかったのだが いい意味で裏切られた。 | ||||
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シンガポールのエキゾチックな風景とまとわり付くような熱気、そして多国籍国のエネルギーが感じられるスタイリッシュな小説。スピーディーな展開で一気に読ませます。 | ||||
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「マネーロンダリング」「永遠の旅行者」といった過去の作品に連なる、細部の情報が深みと興趣をそそるインテリジェンス小説。 「亜玖夢博士」シリーズや進化論紹介のノンフィクションも面白いですが、こちらの系統こそがこの著者の一番だと思います。 | ||||
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偶々Kindleで購入しましたが,thrill,violenceの中に哀愁を感じます。他の本も読みたいですね。 | ||||
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古波蔵という"金融何でも解決屋"を主人公とした「tax haven」をテーマとする充実した国際金融サスペンス小説。所謂「パナマ文書」の漏洩前に刊行されているので、その先見性には驚かされた。「tax haven」に関する金融知識も如何なく披露されており、手嶋龍一氏や本作の解説を務める佐藤優氏が言う一種の"インテリジェンス"小説の趣きも強く感じた。作者の事前取材の徹底振りと先見性は黒川博行氏「後妻業」を想起させるものがある。 ストーリーの紹介は避けるが、事件に巻き込まれる古波蔵の高校時代の同級生の牧島、紫帆と古波蔵の3名の甘酸っぱい青春回想を中心とした、幾つかのラブ・ロマンスを織り込んでいる辺りは、常道とは言え、作品に奥行を与えている(反面、サスペンス性を殺いでいる感もあり惜しい)。また、本作における「tax haven」の舞台はシンガポールで、東アジア、スイス、イランに跨った構想の雄大さにも感心した。国際情勢の機微を一作家がここまで書ける点が"インテリジェンス"小説としての本作の強みであろう。ただし、世界に冠たるスイスの銀行が、このような荒っぽい手口で窮地に追い込まれる辺りは、物語とは言え、やや雑な感が否めない。 本作の魅力の1つは古波蔵の個性である。「金のためなら何でもやる(=本作を貫くテーマでもある)」冷血漢の様でいて、実はロマンティストで情に厚い古波蔵をもっと深く掘り下げても良かったのではないか。いずれにせよ、国際金融サスペンス小説としても、"インテリジェンス"小説としても一級の出来の佳作で、多くの方に一読をお薦めしたい。 | ||||
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パナマ文書によってタックスヘイブンが騒がれていた頃に、佐藤優さんがおすすめされていたので、読んでみました。 フィクションではありますが、ニュースでは、よくわからなかった実態、政財界やヤクザら様々な立場の人がそれぞれの思惑で利用している姿などがイメージできました。小説としても面白いです。 | ||||
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面白かった。都合が良すぎると感じるところもあるけど、それを割り引いたとしても、文句なしに面白いです。海外の描写もとても詳しいので、ところどころ懐かしさも感じられたりします。SGに行ったことがある人は、同じような感覚で読めるんじゃないかと思います。 | ||||
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パナマ文書が問題となっている今のタイミングにぴったりの国際金融推理小説。 パナマ文書の生まれる背景を歴史や国際関係から紐解く手助けになります。 物語の論理構成に矛盾がなく登場人物のキャラクターも程良い味付けなので最後まで飽きずみ読めます。 巻末の佐藤優氏による解説も秀逸なのでここから読みはじめるのもオススメです。 | ||||
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