暗幕のゲルニカ

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評判

暗幕のゲルニカの評価:

4.19/5点 レビュー 199件。 B ランク

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平均点4.19pt

Amazonレビュー一覧

Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全397件 361〜380 19/20ページ
No.37
(1pt)

好感は持てるが評価できない

ピカソやゲルニカへの関心は掻き立てられるし、物語展開が気になって、最後まで読みはする。メッセージには全面的に賛成するし、アートの力に想いを馳せることにもなる。しかし、人物が固定的に描かれていて観念的であり、文章が陳腐である。美術評論で事足りる。ピカソの鋭い一言に敵わない。嫌いではなく、感動もしたが、評価するなら星一つ。
暗幕のゲルニカ Amazon書評・レビュー: 暗幕のゲルニカより
4101259623
No.36
(1pt)

好感は持てるが評価できない

ピカソやゲルニカへの関心は掻き立てられるし、物語展開が気になって、最後まで読みはする。メッセージには全面的に賛成するし、アートの力に想いを馳せることにもなる。しかし、人物が固定的に描かれていて観念的であり、文章が陳腐である。美術評論で事足りる。ピカソの鋭い一言に敵わない。嫌いではなく、感動もしたが、評価するなら星一つ。
暗幕のゲルニカ Amazon書評・レビュー: 暗幕のゲルニカより
4103317523
No.35
(5pt)

ゲルニカと9・11後の世界

ビカソの時代と9・11後のアメリカのイラクたたきを対比させ、ゲルニカの運命を描く。探偵小説的要素もあって、物語の展開に引き込まれる。直木賞は逃したが、十分に直木賞に値する作品。
暗幕のゲルニカ Amazon書評・レビュー: 暗幕のゲルニカより
4101259623
No.34
(5pt)

ゲルニカと9・11後の世界

ビカソの時代と9・11後のアメリカのイラクたたきを対比させ、ゲルニカの運命を描く。探偵小説的要素もあって、物語の展開に引き込まれる。直木賞は逃したが、十分に直木賞に値する作品。
暗幕のゲルニカ Amazon書評・レビュー: 暗幕のゲルニカより
4103317523
No.33
(5pt)

戦争のない社会は訪れるのか?

20世紀のスペイン内戦から始まった第二次世界大戦と21世紀の9.11同時多発テロによるイラク戦争を交互に織り交ぜた内容はとても興味深く読めた。
作者の視点を通してピカソという人物が少し見えた一冊でした。
暗幕のゲルニカ Amazon書評・レビュー: 暗幕のゲルニカより
4101259623
No.32
(5pt)

戦争のない社会は訪れるのか?

20世紀のスペイン内戦から始まった第二次世界大戦と21世紀の9.11同時多発テロによるイラク戦争を交互に織り交ぜた内容はとても興味深く読めた。
作者の視点を通してピカソという人物が少し見えた一冊でした。
暗幕のゲルニカ Amazon書評・レビュー: 暗幕のゲルニカより
4103317523
No.31
(5pt)

史実とフィクションの融合美

最近読んだ小説の中では一番のお気に入りです。
史実に基づく小説の骨格が重厚でありながら、著者の力量によって決して読みにくくない内容に仕上がっている。
結末も読後感を爽快にしており、エンターテイメントとしては一級品と断言する。
暗幕のゲルニカ Amazon書評・レビュー: 暗幕のゲルニカより
4101259623
No.30
(4pt)

今年の直木賞、大本命

「ナチスとたったひとりで戦った男・ピカソ」のゲルニカをスペインから借り出し、ニューヨーク・MoMAでの展覧会で展示する意味は大戦中ここで保管されていたのための「里帰り」でもあるはずはなく、9・11からの立ち直りと復讐と報復の「悪の連鎖」がなくなるまで全世界の市民全員が「戦争」こそが「私たちの敵」であり永遠に持続しなくてはならない戦いである、との明確なメッセージが伝わる。

9.11で夫を亡くした日本人キュレータの強い意志、時代を越えてつながる芸術を庇護する人々の決意、そしてそれを支える無数の市民たちの姿など物語としての巧さにも脱帽。

さらに複雑な国内、国際情勢をからめたうえで、若干のアクションシーンも盛り込んでかなり完成度の高い小説となっている。しかも、ラストでの意外ではあるが読者全員が待ち望んでいた展示には思わず感極まってしまった。

1980年代に「プラド美術館別館」でゲルニカを初めて見たときに勝るとも劣らない迫力と感動を追体験でき、作者には大感謝。またいつの日かマドリードそして本作で紹介されているビルバオ、ニューヨークを訪れたい思いがいっそう強くなりました。
暗幕のゲルニカ Amazon書評・レビュー: 暗幕のゲルニカより
4101259623
No.29
(5pt)

史実とフィクションの融合美

最近読んだ小説の中では一番のお気に入りです。
史実に基づく小説の骨格が重厚でありながら、著者の力量によって決して読みにくくない内容に仕上がっている。
結末も読後感を爽快にしており、エンターテイメントとしては一級品と断言する。
暗幕のゲルニカ Amazon書評・レビュー: 暗幕のゲルニカより
4103317523
No.28
(4pt)

今年の直木賞、大本命

「ナチスとたったひとりで戦った男・ピカソ」のゲルニカをスペインから借り出し、ニューヨーク・MoMAでの展覧会で展示する意味は大戦中ここで保管されていたのための「里帰り」でもあるはずはなく、9・11からの立ち直りと復讐と報復の「悪の連鎖」がなくなるまで全世界の市民全員が「戦争」こそが「私たちの敵」であり永遠に持続しなくてはならない戦いである、との明確なメッセージが伝わる。

9.11で夫を亡くした日本人キュレータの強い意志、時代を越えてつながる芸術を庇護する人々の決意、そしてそれを支える無数の市民たちの姿など物語としての巧さにも脱帽。

さらに複雑な国内、国際情勢をからめたうえで、若干のアクションシーンも盛り込んでかなり完成度の高い小説となっている。しかも、ラストでの意外ではあるが読者全員が待ち望んでいた展示には思わず感極まってしまった。

1980年代に「プラド美術館別館」でゲルニカを初めて見たときに勝るとも劣らない迫力と感動を追体験でき、作者には大感謝。またいつの日かマドリードそして本作で紹介されているビルバオ、ニューヨークを訪れたい思いがいっそう強くなりました。
暗幕のゲルニカ Amazon書評・レビュー: 暗幕のゲルニカより
4103317523
No.27
(5pt)

史実とフィクションの組み立てが素晴らしい!

ピカソのゲルニカのことは知っていたが、
反戦のシンボルということは知らなかった。

「史実に基づいたフィクション」と書かれている。

ピカソがゲルニカを描いた時代と、現代を交錯させている。
2001年9月11日のアメリカ同時多発テロ事件にひっかけており、
上記事件後、ニューヨーク近代美術館(MoMA)で
ピカソ展を開催する際の目玉にするべく、主人公が奔走する。

ゲルニカは、ソフィア王妃芸術センターに移された後、
ゲルニカ(地名)に近いビルバオ・グッゲンハイム美術館、
ニューヨーク近代美術館等が貸与を希望していたが、
全て拒否されている。

反戦のシンボル故、狙われているとしている。

何が史実なのか、分からなくなる程、すんなりストーリーが入ってくる。
暗幕のゲルニカ Amazon書評・レビュー: 暗幕のゲルニカより
4101259623
No.26
(5pt)

史実とフィクションの組み立てが素晴らしい!

ピカソのゲルニカのことは知っていたが、
反戦のシンボルということは知らなかった。

「史実に基づいたフィクション」と書かれている。

ピカソがゲルニカを描いた時代と、現代を交錯させている。
2001年9月11日のアメリカ同時多発テロ事件にひっかけており、
上記事件後、ニューヨーク近代美術館(MoMA)で
ピカソ展を開催する際の目玉にするべく、主人公が奔走する。

ゲルニカは、ソフィア王妃芸術センターに移された後、
ゲルニカ(地名)に近いビルバオ・グッゲンハイム美術館、
ニューヨーク近代美術館等が貸与を希望していたが、
全て拒否されている。

反戦のシンボル故、狙われているとしている。

何が史実なのか、分からなくなる程、すんなりストーリーが入ってくる。
暗幕のゲルニカ Amazon書評・レビュー: 暗幕のゲルニカより
4103317523
No.25
(4pt)

アートの力を信じて

ゴヤの「着衣のマハ」「裸のマハ」から筆名を得た著者・原田マハさんは元キュレーターであり、前作「楽園のカンヴァスの」「ジヴェルニーの食卓」によってアート小説と言うべきジャンルを切り開いた。

反戦を訴える作品として有名なパブロ・ピカソの「ゲルニカ」をめぐるミステリアスな物語である。スペイン内乱時に反乱軍とナチスがバスク地方の古都ゲルニカを空爆したことへの抗議としてピカソは「ゲルニカ」を描いた。パリ万国博覧会に出品された「ゲルニカ」は反戦平和の象徴として見なされるようになった。しかし、「ゲルニカ」はニューヨークの近代美術館(MoMA)に展示され、軍政が終わる1980年代までスペインには戻らなかった。

ピカソが愛人のドラ・マールと暮らす大戦前のパリと「ピカソ展」を企画するキュレーターの遥子のいる現代のニューヨークが交互に現われて物語は進む。ドラの眼からピカソがいかなる状況で「ゲルニカ」を描いたかが詳細に語られる。一方、9.11で最愛の夫を失った遥子は、迫りくる中東での戦火に対して反戦平和の願いを「ゲルニカ」をMoMAに招へいすることで示そうと奔走する。何度も失敗しながらも「ゲルニカ」を愛する人々の支援でゴールが見え始めた時に事件が起こる。

戦争の悲惨に対してアートを武器に立ち向かった女性の情熱が圧倒的な強さで迫ってくる。同時にピカソへの激しい愛情が全編にふれている。それもそのはず、著者はピカソの作品に10歳のときから親しみ、ピカソを「自分の人生は彼によって運命づけられた」とまで言っているのだ。この小説の表の主人公は遥子であるが、本当の主人公はピカソなのである。そして、この小説の主題は、巻頭に掲げられたピカソの言葉、「芸術は、飾りではない。敵に立ち向かうための武器なのだ」だと私は理解した。

この作品への世評はすこぶる高い。しかし、私は小説としていささか完成度が不足していると見ている。ネタバレになるので具体的な指摘は慎むが、ストーリーの運び方には少々無理を感じた。ことに後半の展開には強い違和感が残った。「楽園のカンヴァス」「ジヴェルニーの食卓」でも同じ感想を持った。また、心理描写が情感に欠けるためであろうか、登場人物に感情移入ができなかった。とりわけピカソが魅力的な人物に見えないのは困る。また、雑誌連載のためか繰り返しの記述が多く、くどさを感じる、等々。

しかし、作者のピカソと「ゲルニカ」への愛の深さには脱帽である。「アートは武器である」とのメッセージはしっかり伝わって来た。アート小説のパイオニアとしての原田マハさんの今後の活躍に期待したい。
暗幕のゲルニカ Amazon書評・レビュー: 暗幕のゲルニカより
4101259623
No.24
(4pt)

アートの力を信じて

ゴヤの「着衣のマハ」「裸のマハ」から筆名を付けた著者・原田マハさんは元キュレーターであり、前作「楽園のカンヴァスの」「ジヴェルニーの食卓」によってアート小説と言うべきジャンルを切り開いた。

反戦を訴える作品として有名なパブロ・ピカソの「ゲルニカ」をめぐるミステリアスな物語である。スペイン内乱時に反乱軍とナチスがバスク地方の古都ゲルニカを空爆したことへの抗議としてピカソは「ゲルニカ」を描いた。パリ万国博覧会に出品された「ゲルニカ」は反戦平和の象徴として見なされるようになった。しかし、「ゲルニカ」はニューヨークの近代美術館(MoMA)に展示され、軍政が終わる1980年代までスペインには戻らなかった。

ピカソが愛人のドラ・マールと暮らす大戦前のパリと「ピカソ展」を企画するキュレーターの遥子のいる現代のニューヨークが交互に現われて物語は進む。ドラの眼からピカソがいかなる状況で「ゲルニカ」を描いたかが詳細に語られる。一方、9.11で最愛の夫を失った遥子は、迫りくる中東での戦火に対して反戦平和の願いを「ゲルニカ」をMoMAに招へいすることで示そうと奔走する。何度も失敗しながらも「ゲルニカ」を愛する人々の支援でゴールが見え始めた時に事件が起こる。

戦争の悲惨に対してアートを武器に立ち向かった女性の情熱が圧倒的な強さで迫ってくる。同時にピカソへの激しい愛情が全編にふれている。それもそのはず、著者はピカソの作品に10歳のときから親しみ、ピカソを「自分の人生は彼によって運命づけられた」とまで言っているのだ。この小説の表の主人公は遥子であるが、本当の主人公はピカソなのである。そして、この小説の主題は、巻頭に掲げられたピカソの言葉、「芸術は、飾りではない。敵に立ち向かうための武器なのだ」だと私は理解した。

この作品への世評はすこぶる高い。しかし、私は小説としていささか完成度が不足していると見ている。ネタバレになるので具体的な指摘は慎むが、ストーリーの運び方には少々無理を感じた。ことに後半の展開には強い違和感が残った。「楽園のカンヴァス」「ジヴェルニーの食卓」でも同じ感想を持った。また、心理描写が情感に欠けるためであろうか、登場人物に感情移入ができなかった。とりわけピカソが魅力的な人物に見えないのは困る。雑誌連載のためか繰り返しの記述が多く、くどさを感じる、等々。

しかし、作者のピカソと「ゲルニカ」への愛の深さには脱帽である。「アートは武器である」とのメッセージはしっかり伝わって来た。アート小説のパイオニアとしての原田マハさんの今後の活躍に期待したい。
暗幕のゲルニカ Amazon書評・レビュー: 暗幕のゲルニカより
4103317523
No.23
(4pt)

「ゲルニカ」アートの力を信じて

ゴヤの「着衣のマハ」「裸のマハ」から筆名を付けた著者・原田マハさんは元キュレーターであり、前作「楽園のカンヴァスの」「ジヴェルニーの食卓」によってアート小説と言うべきジャンルを切り開いた。

反戦を訴える作品として有名なパブロ・ピカソの「ゲルニカ」をめぐるミステリアスな物語である。スペイン内乱時に反乱軍とナチスがバスク地方の古都ゲルニカを空爆したことへの抗議としてピカソは「ゲルニカ」を描いた。パリ万国博覧会に出品された「ゲルニカ」は反戦平和の象徴として見なされるようになった。しかし、「ゲルニカ」はニューヨークの近代美術館(MoMA)に展示され、軍政が終わる1980年代までスペインには戻らなかった。

ピカソが愛人のドラ・マールと暮らす大戦前のパリと「ピカソ展」を企画するキュレーターの遥子のいる現代のニューヨークが交互に現われて物語は進む。ドラの眼からピカソがいかなる状況で「ゲルニカ」を描いたかが詳細に語られる。一方、9.11で最愛の夫を失った遥子は、迫りくる中東での戦火に対して反戦平和の願いを「ゲルニカ」をMoMAに招へいすることで示そうと奔走する。何度も失敗しながらも「ゲルニカ」を愛する人々の支援でゴールが見え始めた時に事件が起こる。

戦争の悲惨に対してアートを武器に立ち向かった女性の情熱が圧倒的な強さで迫ってくる。同時にピカソへの激しい愛情が全編にふれている。それもそのはず、著者はピカソの作品に10歳のときから親しみ、ピカソを「自分の人生は彼によって運命づけられた」とまで言っているのだ。この小説の表の主人公は遥子であるが、本当の主人公はピカソなのである。そして、この小説の主題は、巻頭に掲げられたピカソの言葉、「芸術は、飾りではない。敵に立ち向かうための武器なのだ」だと私は理解した。

この作品への世評はすこぶる高い。しかし、私は小説としていささか完成度が不足していると見ている。ネタバレになるので具体的な指摘は慎むが、ストーリーの運び方には少々無理を感じた。ことに後半の展開には強い違和感が残った。「楽園のカンヴァス」「ジヴェルニーの食卓」でも同じ感想を持った。また、心理描写が情感に欠けるためであろうか、登場人物に感情移入ができなかった。とりわけピカソが魅力的な人物に見えないのは困る。雑誌連載のためか繰り返しの記述が多く、くどさを感じる、等々。

しかし、作者のピカソと「ゲルニカ」への愛の深さには脱帽である。「アートは武器である」とのメッセージはしっかり伝わって来た。アート小説のパイオニアとしての原田マハさんの今後の活躍に期待したい。
暗幕のゲルニカ Amazon書評・レビュー: 暗幕のゲルニカより
4103317523
No.22
(5pt)

この本を読んだ感想

この本を読んだ感想を申し上げますと、華麗さがあり、なおかつスリリングな美術小説であって、まことに満足できる内容だったと感じる次第であります。
暗幕のゲルニカ Amazon書評・レビュー: 暗幕のゲルニカより
4103317523
No.21
(4pt)

アートサスペンス

国連の安保理会議場のロビーにあるピカソの名画「ゲルニカ」に暗幕が掛け
られていた。時のブッシュ政権、パウエル国務長官の会見での一場面が
著者に強烈な印象として残った。反戦のシンボルであるゲルニカはイラク空爆を
仕掛ける会見場にはあってはならないものだったからだ。

ここからアートサスペンスの構想が生まれた。ピカソは戦争に反対の立場を取る
人で、彼は作品の中にそのメッセージを込め全世界へと発信した。ゲルニカは
スペインのレイナ・ソフィア芸術センターに所蔵されているが、それこそ世界中の
美術館が貸し出しを申請しても、ことごとく却下されてしまうという逸話が残って
いるそうです。

そこに著者は着目し、小説という、それもサスペンスという形で挑戦してみたいと
思い立ったという。その根底には、たとえアートであろうとも、反戦という機運を
高めるためのきっかけとなれば、という思いがあったようだ。

この小説の9割はフィクションで構成されているが、その出発点であるゲルニカから
いかに読み手の想像力を現実に近づけることができるかを、著者は斬新な手法で
試みている。
暗幕のゲルニカ Amazon書評・レビュー: 暗幕のゲルニカより
4103317523
No.20
(5pt)

ゲルニカのメッセージ

1937年のパリ。ピカソとその愛人との描写から物語は本格的にスタートする。当時、ピカソの母国スペインはスペイン共和国対ファシストであるフランコ将軍との内戦状態になっており、ピカソは共和国から「壁画」を描くように頼まれていたのだ。それが描けないうちに、スペインのゲルニカが空爆される・・・

そして舞台は現代へ。ニューヨークに住む八神瑤子(やがみようこ)はニューヨーク近代美術館(MoMA)のキュレーター。夫のイーサンはアートコンサルタントである。2人は幸せに暮らしていたのだが、あの出来事・・・米国同時多発テロを経験する。

この小説はピカソの時代と現代とが交互に入れ替わりながら進行する。

瑤子は9.11のテロで夫を失ってしまう。そして、戦争の愚かさを描いたピカソの「ゲルニカ」をMoMAで展示し、「ピカソの戦争展」を開こうと試みるが、うまくいかない。ニューヨークタイムズ記者の友人が彼女に国連安保理議場に飾られている「ゲルニカ」のタペストリーを借りるようにアドバイスする。しかしその後、瑤子はテレビでそのロビーにあるはずのタペストリーが消えているのを知る。代わりに掛けられていたのは「暗幕」であった。そのテレビ番組では、アメリカのイラクに対する武力行使の決定を国務長官が発表していた。反戦の意味を持つ「ゲルニカ」があるとまずい、との判断だったようだが、それを指示したのは瑤子だ、と言う噂が広まっていたのだ。

そして瑤子は「本物」のゲルニカを貸してもらうためにスペインのマドリッドへ飛ぶ。世界で巻き起こっている「負の連鎖」に歯止めをかけ、暴力では何も解決しないというメッセージを伝えるために。しかし、ゲルニカを狙っている連中は他にもいた。

再びピカソの時代に戻って、高貴な家柄の青年、パルド・イグナシオは「ゲルニカ」に出会って変わる。精神的にたくましくなったのだ。名画にはそれだけの力があると言うことかもしれない。

そして、過去と現在がしっかりとつながる。パルドは、ピカソと親交があり、ファシズムが台頭する不穏な時代にMoMAに「ゲルニカ」を避難させ、そして現在、瑤子の「ゲルニカ」を借りたいという頼みを拒否したのだ。しかし、この作品にはもう一波乱ある。エンターテインメント要素も十分だ。

果たして瑤子は、ゲルニカをMoMAに持ってくることができるのか?そして、この物語の行方は-?

作品全体を貫くテーマは「反戦」である。戦争は絶対にすべきではない。たとえ、テロとの戦争であっても。しかし、人種、文化、宗教といった壁を乗り越えない限り戦争はなくならない。それが非常に困難であることも事実だ。だからこそ、この小説のメッセージはより重く、より切実に私たちの胸に迫ってくる。
暗幕のゲルニカ Amazon書評・レビュー: 暗幕のゲルニカより
4101259623
No.19
(5pt)

ゲルニカのメッセージ

1937年のパリ。ピカソとその愛人との描写から物語は本格的にスタートする。当時、ピカソの母国スペインはスペイン共和国対ファシストであるフランコ将軍との内戦状態になっており、ピカソは共和国から「壁画」を描くように頼まれていたのだ。それが描けないうちに、スペインのゲルニカが空爆される・・・

そして舞台は現代へ。ニューヨークに住む八神瑤子(やがみようこ)はニューヨーク近代美術館(MoMA)のキュレーター。夫のイーサンはアートコンサルタントである。2人は幸せに暮らしていたのだが、あの出来事・・・米国同時多発テロを経験する。

この小説はピカソの時代と現代とが交互に入れ替わりながら進行する。

瑤子は9.11のテロで夫を失ってしまう。そして、戦争の愚かさを描いたピカソの「ゲルニカ」をMoMAで展示し、「ピカソの戦争展」を開こうと試みるが、うまくいかない。ニューヨークタイムズ記者の友人が彼女に国連安保理議場に飾られている「ゲルニカ」のタペストリーを借りるようにアドバイスする。しかしその後、瑤子はテレビでそのロビーにあるはずのタペストリーが消えているのを知る。代わりに掛けられていたのは「暗幕」であった。そのテレビ番組では、アメリカのイラクに対する武力行使の決定を国務長官が発表していた。反戦の意味を持つ「ゲルニカ」があるとまずい、との判断だったようだが、それを指示したのは瑤子だ、と言う噂が広まっていたのだ。

そして瑤子は「本物」のゲルニカを貸してもらうためにスペインのマドリッドへ飛ぶ。世界で巻き起こっている「負の連鎖」に歯止めをかけ、暴力では何も解決しないというメッセージを伝えるために。しかし、ゲルニカを狙っている連中は他にもいた。

再びピカソの時代に戻って、高貴な家柄の青年、パルド・イグナシオは「ゲルニカ」に出会って変わる。精神的にたくましくなったのだ。名画にはそれだけの力があると言うことかもしれない。

そして、過去と現在がしっかりとつながる。パルドは、ピカソと親交があり、ファシズムが台頭する不穏な時代にMoMAに「ゲルニカ」を避難させ、そして現在、瑤子の「ゲルニカ」を借りたいという頼みを拒否したのだ。しかし、この作品にはもう一波乱ある。エンターテインメント要素も十分だ。

果たして瑤子は、ゲルニカをMoMAに持ってくることができるのか?そして、この物語の行方は-?

作品全体を貫くテーマは「反戦」である。戦争は絶対にすべきではない。たとえ、テロとの戦争であっても。しかし、人種、文化、宗教といった壁を乗り越えない限り戦争はなくならない。それが非常に困難であることも事実だ。だからこそ、この小説のメッセージはより重く、より切実に私たちの胸に迫ってくる。
暗幕のゲルニカ Amazon書評・レビュー: 暗幕のゲルニカより
4103317523
No.18
(4pt)

長編アート・サスペンス

『楽園のカンヴァス』が好みなら読んでみてもいいかもしれない。
ラストはオチ自体は衝撃ではあるのだが、ストーリーの流れが唐突に終了という感じがし、余韻はなかった。
ラストもう少しヒネリ欲しかった。
暗幕のゲルニカ Amazon書評・レビュー: 暗幕のゲルニカより
4101259623