バラカ

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バラカの評価:

3.71/5点 レビュー 82件。 C ランク

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平均点3.71pt

Amazonレビュー一覧

Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全31件 21〜31 2/2ページ
No.11
(2pt)

うーん、何だか

「バラカ探し」に「震災」を強引に詰め込んだ感じが否めない。
ひとつだけでも充分成り立つ物語なのに、なんだか散漫。
他のレビューにもあったので調べてみると、「ドバイという人工楽園を舞台にした父と娘の物語」という構想で小説すばるに連載予定だったが、その打ち合わせ最中に
東日本大震災が発生。 連載開始を延期して物語に大震災を盛り込んだとのこと。
別に盛り込むこと自体は悪くは無い。 しかし、それによって散漫になってしまっている上に、無理に詰め込んだ震災後のストーリーに難あり。
反原発派が投獄、抹殺されていくってそんな・・・

もちろん反原発派を抑え込みたい人達はどんな状況でも存在するはずだが、物語の設定は現実の数十倍規模の放射能漏れ。
関東には住めなくなって関西に遷都しているわけだから国民の数分の一は被災者の筈なのに、
それをないがしろにしてオリンピックにまい進する政権?
国会前で大規模な反原発集会が続いたのは記憶に新しいが、仮にその中の一人でも国家から暴力を受けようものなら途轍もない暴挙として歴史に残った筈。
物語では反原発派の都合の悪い人間は投獄、抹殺されていき、報道はプロパガンダで被害に蓋をしようとする。
いったいどこの国の話をしているのか。
そもそも物語の設定通りの被害なら、投獄、抹殺で黙らせることが出来るような数の被災者ではないでしょう。

もちろんフィクションなのだから仮想でいい。 
だが仮想の中での整合性は、ある程度成立していないと駄目でしょう。
オリジナリティに富んだ話であることは確かだし、好きな作家だけに残念。
バラカ Amazon書評・レビュー: バラカより
4087716465
No.10
(3pt)

トッ散らかっています

トッ散らかってまとまりに欠ける印象がぬぐえなかった。
何がテーマで、どこに向かっている物語なのか焦点が今一つ定まらず、伏線と
言うより、まとまりの無いまま各エピソードが続いていく。
ただ、それもこれも読後に読んだ著者のインタヴューで合点がいった。

元々は父親が娘を探す物語だったが、執筆中に実際に起きた東日本大震災を
後づけで盛り込んだらしい。
また著者は現実と小説世界を行き来しながら、小説世界を太らせていく作業
だったと語っており、まとまりの無さも後づけで継ぎ足したものだとすると
腑に落ちる。

それから気になったのが、もちろん描かれてはいるのだが、震災後の
ディテールが淡泊過ぎ。
帯や装丁から本書を手に取りプロローグをサラッと読むと、原発4基が爆発
したあとの、終末的な世界を匂わせる。
少なくとも当方はそれで購入を決めた。
しかし実際はその辺りの描写が淡泊な上に、分量的にも多くは触れられて
いない。
反原発派と推進派が戦っている事、外国人が増えた事、それから各人の
「震災履歴」くらいしか描かれていないのだ。

政治の迷走、経済の破綻、国際的な立ち位置の失墜、日本の弱体化を機に
色めき立つ周辺諸国、風評、賠償問題、健康問題、そして最大の難題である
放射能を垂れ流す原発をどうやって処理していくのか。
すべては無理としても舞台設定としてその辺り、もっと緻密に描き込んで
あると思っていたのだが。
そういった話だと思って読むと、完全な肩透かし。

あと、カワシマが木下母子を垂らし込む下りは強引過ぎ。
片方ならまだしも、母と娘それぞれを個別に同時期に手なずけるなんて。
他にもカワシマの特別な悪魔的能力で片づけられている下りが散見されるが、
なんとも雑な印象。
そんなに毎度毎度、悪魔の都合のいいように事は運ばないでしょう。

序盤と中盤で2回くらい途中で放り出そうと思ったので、本来なら星2つ。
ただ聞いたような話ではなく、どれとも似ていないオリジナルなところに
敬意を表して星3つ。
人に勧めるかどうかで言うと「時間があったらどうぞ」とも言えず、
「よほど時間があって、且つオリジナルな話がいいのならどうぞ」かな。
バラカ Amazon書評・レビュー: バラカより
4087716465
No.9
(3pt)

バラカは、サラ・コナーズか?

気になる小説ではあった。

震災前の第一部は、現代女性の恋愛、結婚願望などが、赤ちゃん売買市場(ベビー・スーク)などというセンセーショナルな
仕掛けで、それなりに読ませる。3.11との遭遇は、これらの虚構をリアルたらしめるアンカー(碇)として、それなりの効果を
醸成している。

第二部の震災8年後の世界は、もうひとつのありえたかもしれない日本の近未来を描くが、登場人部の描き方や社会情勢
の変化が、紋切り型で、なんかいまいち乗ってこない。

もちろん、その場その場では、読ませるものはあるが、読後感は、あまりカタルシスには結びつかない。

ざっくりとした印象にすぎないが、少女バラカの生きざまは、かつて一世を風靡した映画「ターミネーター」に登場するサラ・コナーズを
連想させる。

余談ですが、表紙のマネキンのような少女は、私の想像力をむしろ制約する方向に作用しています。
中表紙の、原発廃墟?の白黒シルエットのほうがいいなあ。

二度読み返すかといわれると、ビミョーです。
バラカ Amazon書評・レビュー: バラカより
4087716465
No.8
(2pt)

人物描写が散漫

とりわけTVディレクターと出版社勤務の二人の女性描写が、余りにもご都合主義かつ平板。まぁ、TV屋なんかはそれでもいいのかも知れないが(それにしてもドキュメンタリーを製作するにはそれなりの覚悟がいるはずだが、その辺りもいい加減)出版社勤務の女性のフラフラぶりはあまりにもひどい。むろん出版社と一口に言っても、弥生や人文、白水社、みすずや小澤といった一流出版ばかりではないのは分かるが…。それにしても学生時代に妊娠させられ、墓場までその秘密を持って行こうと苦悩しているはずなのに、その原因になるヒール役の男にあっという間に取り込まれ、結婚してしまう。さらに婚姻後に「ねえ、結婚してよかったのかどうか教えて!」と、友人に依拠する。とても主体的に生きているキャリア・ウーマンとは思えない。この辺り、篠田節子さんの「アクアリウム」同様、筆者の同性フォビアを感じてしまうのはぼくだけだろうか。 また、ヒール役の男も「なぜそうなったのか?」がストンと落ちない。たとえば、宮部みゆきさんの「模倣犯」における、緻密かつ細緻なキャラクターの積み重ねと場面描写、その蓄積が最後のカタストロフに至るまで首尾一貫し、巨大なコーダを構築しているのと比べると、やはり相当物足りなさが残る。また、北野慶さんの「亡国記」同様に重要なテーマを軸にしながら、それが活きていない憾みを拭えない。「このシチュエーションだからこそ本作が生まれたんだ」という説得力が希薄と言わざるを得ない。力のある作家さんであるが故に残念だ。「模倣犯」のように、ハード・カヴァー二分冊の大分なヴォリュームでありながら希薄な部分がなく、かつ、圧倒するゴシック的構造感と深さ、余韻の長さを備えた、思わず唸る「ロマン・ノワール」を、次作に期待したい。
バラカ Amazon書評・レビュー: バラカより
4087716465
No.7
(3pt)

あり得る現実の巧みさ

あり得る現実――この作家に、構想する力は衰えていない。

 群馬県で働く日系ブラジル人夫婦は、夫の飲酒癖で夫婦仲に亀裂が入る。飲酒をやめるためには、いっそイスラム教国に。乳飲み子を連れた夫婦はドバイに渡る。一方、東京で暮らす男性不信の30代の編集者は、子どもを切に欲する。友人のテレビウーマンに「ドバイには赤ちゃん販売店」があると誘われ、旅した。買った子どもの名前は「バラカ」で連れ帰るが、なつかない。編集者は妊娠し、結婚する。夫の仕事の都合で仙台にいったときに、震災が発生。福島原発は爆発し、関東地方も避難勧告。首都は大阪に移転。愛されないバカラは、被災地をさまよう。甲状腺癌にかかった美少女バカラは、原発反対派・推進派双方が利用しようとつけねらう。10歳のバラカの冒険は――。

 ドバイのショッピングモールの暗い一角に、貧しさから売られた赤ん坊を陳列する店。現代世界で欲望の極点の都市のひとつドバイでは、あっても不思議ではない。桐野は読者をそう思わせる。実際よりひどい原発事故となり、東京にも一時避難勧告が出て、多くの住民は西へ避難。閑散とした東京は、出稼ぎの外国人労働者がすみつく街となった。5年前、事故処理を少し誤れば、いや、運がもうちょっとだけ悪ければ、実際になっていた事態だ。こうした「あり得る現実」を説得的に描くのが、桐野はあきれるほどうまい。「優しいおとな」では、代々木公園に子どもホームレスが棲息している実態を描いた。信じてしまう。子どもを欲する30代女性の欲望のいやらしさ、醜さを描く彼女の筆力は、これまでの作品同様、冴えわたる。

 こうした背景の「あり得さ」やリアリティーに対し、主人公の少女の冒険譚には現実味がほとんどない。したがって物語としては失格。しかし、読む意義は大きい。5年前の原発事故と、それによっていまも苦しむ人々が膨大にいることをすぐ忘れてしまう私たち。この忘却と、おのれの怠惰に気づかざるをえない。その意味で、読むべし。日頃から、フクシマを考えている人は読む必要がない。
バラカ Amazon書評・レビュー: バラカより
4087716465
No.6
(3pt)

あらすじを読まされている感じ。

傑作と凡作の差が激しい著者だが、今回は凡庸。前作「抱く女」は間違い無く凡作だったが、少しはマシな程度。

普通、不審死は1件だけで、1冊の本になると思うのだが、どんどん、周囲が死んでいく。それも「奴らの陰謀か」程度で、終わり。

さらには「見えない敵」(原発推進派の手先、ということになっている)が、余りにも見えなさ過ぎ。

結末もまあ、あんまりなところ。

考え得るに、その「敵側」から見た本をもう1冊書かれれば、何となく見えて来るのかもしれない。
バラカ Amazon書評・レビュー: バラカより
4087716465
No.5
(3pt)

もう一度読み直せばまた違う何かが見えるのかな・・・

プロローグ
第一部 大震災前
第二部 大震災
第三部 大震災八年後
エピローグ

大震災により人生がまったく違うものになった人たち
大震災によりむき出しになった人間の暗部
ということなのでしょうが・・・

大人の身勝手な都合に翻弄される
大震災の象徴のバラカ

バラカは「自らの責任ではないことに翻弄される弱きもの」の象徴なのでしょうか?
弱きものは数限りなくいるから
特殊化するためにはドバイで売られていた子供という設定が不可欠だったのでしょうか?

大震災で人生が変わらざることを得なかった
「ごく普通の多くの人たち」
その象徴がバラカというのはちょっと無理があると思う

大震災うんぬんよりも人間が生まれ生きて死んでいくことの切なさと
人間は←あえて子供はとは言いません いつどこに生まれたかという運に
いかに翻弄されるものかということ
それを運命と言ってしまえばそれまでなんだろうけど・・・

もう一度読み直せばまた違う何かが見えるのかな・・・
バラカ Amazon書評・レビュー: バラカより
4087716465
No.4
(2pt)

誰に向けて書いた本か

題材は、グンマ県のブラジリアンタウン、ドバイの赤ちゃん市場、福島第一原発の四基全部の爆発、東日本の汚染、大阪遷都と大阪オリンピックと、現実を少しずつ変えて派手に並べるのですが、読者の想像の上を行くものは何もない。とにかく無意味に長い。描写は手荒で、四、五歳の少女の思考を追う文章に、「なかろう」等の文章があるかと思うと、小六の男児が「古風だ」と言ったりする。また、登場人物は、老若男女が皆、何かあると「肩を竦め」る。
東京オリンピックで浮かれている日本人が、こんな本を読むわけはないし、関東まで広がる汚染の実態を気にしている人たちにとっては、既知の事柄以上の何も書かれていない。せめて、福島第一原発の水蒸気爆発がニュースで取り上げられたが、実際には福島第二の方が、事故は甚大だった、けれどもそれは、政府によって伏せられて報道管制が敷かれていた、という設定で話が進めば、もっとふくらみが作れただろう。それをしなかったのは、「福島第一」を固有名詞と見なしている人たちを、読者に想定しているからだと思われる。「第一」と「第二」の違いを、説明しないと分からない人たち。それはつまり、日本の汚染の実態を知らない、海外の人たち。
というわけで、おそらくこれは、英訳を前提に書かれた小説だと思います。アメリカ人なら、「肩を竦め」ることに違和感を抱かないだろうし。もしそうなら、日本人には読む価値がないという結論になり、星は二つまでしかつけられません。
バラカ Amazon書評・レビュー: バラカより
4087716465
No.3
(3pt)

文体も簡潔でサクサク読めます

『バラカ』の前に『ナニカアル』を読んだせいなのか、文学的な視点では少々雑な感じがします。
「桐野文学の最高到達点」というのはどうでしょうか。

『グロテスク』『アウト』等の文体の極みを求めて読むとがっかりするかも知れません。

カワシマユウスケに代表される男同士の同性愛が女性蔑視ひいては虐待に繋がっていると示唆されている。
この点が同書のメインストリームのひとつにもなっています。
バラカの実父はダメ男ですが、もっとずっと人間的。彼の行き着くところに無念さが残ります。
バラカも沙羅も優子も彼らの悪意や弱さに飲み込まれていきますが、
バラカには生まれ持った不思議な霊性が・・・

まるでダーク・ファンタジーのように物語は目まぐるしく展開していきますが
父親の娘探しと東日本大震災を絡めたために焦点がぼやけてしまった感があります。

ですが、桐野さんのストーリーテリングには今回も驚かされました。
バラカ Amazon書評・レビュー: バラカより
4087716465
No.2
(3pt)

借りるべし一冊

途中までテンポよく読み進むが、多数の人物が入り乱れるように出てきて、最後まで読む気をなくさせる、いつもの 中だるみ感。ここ数年、今回は、今回は!と期待しているが、もうこれからは図書館で、と思わせてくれた最後の一冊
バラカ Amazon書評・レビュー: バラカより
4087716465
No.1
(3pt)

重要なテーマだが、散漫なのが惜しい

福島の四基の原発がすべて爆発した、もうひとつの日本が舞台だ。
作者らしい暗黒絵巻が展開する。だが、何故か心に刺さらない。人物とエピソードが多すぎて、テーマがぼやけている。
四十代独身女性の悩み・幼児売買の闇・在日ブラジル人たちの日常・人格に問題のある男の鬼畜ぶり、そして大震災と政府の対応。
これらはすべて独立したテーマとなりうる。一作に詰め込んだために、散らかって支離滅裂だ。
タイトルロールのバラカを描くなら、直接関係のないエピソードは削ったほうがいい。
社会派テーマを追うなら、主要人物のあまりに奇矯な行動や異様な性癖は、かえって邪魔だ。
登場人物が馴染む間もなく死んでいくのも、いただけない。それほど人命が軽くなった世界を表現したのだろうか。
作者の都合で整理されたような印象を受ける。

前半は社会派女性小説として、後半は残酷な政治的サスペンス小説として読むこともできる。
スピーディーな文体や捻りの効いたプロットは健在だ。好意的に言えば一冊で二冊分楽しめる、と言えなくもない。
次回はひとつの題材をじっくり掘り下げた作品を期待します。
バラカ Amazon書評・レビュー: バラカより
4087716465