ユートロニカのこちら側
評判
ユートロニカのこちら側の評価:
3.82/5点 レビュー 22件。 B ランク
Amazonレビュー一覧
Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全26件 21〜26 2/2ページ
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ユートロニカのこちら側の評価:
3.82/5点 レビュー 22件。 B ランク
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小説の詳細ページを閲覧すると、ここに履歴が表示されます。最近閲覧した小説詳細ページへ簡単に戻る事が出来ます。
28歳が書いたとは思えないほど洗練された文章です。
テーマ的にはけっこう難しくて、哲学的思索が多いのですが文章の妙が読みにくさを打ち消しています。
テーマは大きく分けて3つあって
1、金銭と引き換えに個人情報を提供することの是非
2、高度な犯罪予測が可能になったとき思想犯を裁くべきか
3、人工知能による問題解決機能の外部化の帰結
どれも面白いテーマなので終始関心を持って読み進めることができました。
特に2は個人的に強い興味を持っている問題でした。
ニュースで凄惨な事件を見るたびに
「犯罪予測ができれば事件が起こる前に犯人を捕まえることができるのに」と常々思っていました。
しかし登場人物の一人であるドーフマン博士は別な視点を与えてくれます。
「アガスティアリゾートの犯罪予測は犯罪者を裁くためのものではなく
起こる必要のない事件を回避することで、被害者と加害者の未来を救うシステムなのです。」(セリフの要約)
作中の犯罪予測システムは事件そのものが起こらないようにして
被害者のみならず加害者をも救うという理念のもと運用されているのです。
これはある意味で理想的なやり方かもしれません。
ただ、作中ではこのやり方を採用したせいで事件が起きてしまうのですが、
それに対してもドーフマン博士は次のように述べています。
「このやり方を取る限り今回のようなことは起きうる。
が、これまでこのやり方は被害者と加害者となる多くの人間を救ってきた。」(セリフの要約)
犯罪予測ができたとしてそれをどう運用するかは人間の判断に依存しています。
理想郷を目指す人類の前には問題が山積していることに改めて気付かされた一冊でした。