黒革の手帖

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評判

黒革の手帖の評価:

4.25/5点 レビュー 124件。 B ランク

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平均点4.25pt

Amazonレビュー一覧

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全188件 181〜188 10/10ページ
No.8
(5pt)

女性が知識、知性を武器に華麗に生き抜く社会派の面白さあり

 女性が美しく着飾り、それを男性が酒とともにめでる、自然なことでそれを理解し商売にしている女性は賢いと感じた。が、それ相当の危険、落とし穴もある。 本書に登場する元子は元銀行員。男性優位のお堅い社会の職場から一転、夜の水商売に三十路を超えて入っていった。私は別にお堅い職場で働いていないが三十路を超えていることもあり元子の考えも女性ととして共感できる部分が多々あった。とても約20年前の話とは思えないリアリティがあって面白い。 元子の経営するバーに来店してお金を落とす男性には医師などお堅い職業の人たちがいる。普段の仕事をしている自分の精神のバランスをはかるために派手な遊びもするという話のくだりもあり、男性心理の一端も覗けた面白さもあった。 元子はパトロンを持たずに自ら得た知識、知性を武器に華麗に資金を獲得しバーを切り盛りし次の野望へと計画を練っていく。そこがまた魅力的に思う。しかし、いつ誰と色恋沙汰になるかなどそんなハラハラする展開もあり、元子の考えの行方とともに非常に気になる。 下巻もテレビドラマの方も行末が楽しみです。
黒革の手帖〈上〉 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 黒革の手帖〈上〉 (新潮文庫)より
4101109532
No.7
(5pt)

本当のワルには勝てない

元子の悪というのは、いわば男社会、それも社会悪へ敢然と立ち向かっている面があり、憎めない部分があります。また、利発さと勇気、行動力はたいしたものです。これらの能力を善に使えばどんな女性になっただろうかと思いますが、この小説の時代背景では女性が社会でのし上がっていくには限度があったという所に同情をおぼえます。医者の愛人の婦長さんにしてもそうです。病院を流行らせ、架空口座を山ほど管理していても自分はずっと安月給のままです。最後の結末は元子がワルの連合軍にあっけなくやられてしまいます。人間はひとりでは何もできない。所詮、素人が多少知恵をはたらかしたところで、根っからのワル、それも連合軍には勝てないという教訓でしょうか。この小説を読んでから、金融機関の地味な女性社員を疑うようになってしまいました。ごめんなさい。
黒革の手帖〈下〉 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 黒革の手帖〈下〉 (新潮文庫)より
4101109540
No.6
(5pt)

女性主人公のピカレスクロマン

あまりにもテレビドラマが面白かったので先に読んでしまおうと上下巻あわせて購入しました。この小説は1980年の作品で日本経済がこれから頂点をきわめようとしていたドロドロしていた時期です。自分もその頃会社員の経験があるのでよくわかりますが、男社会の中では地味で一生懸命仕事をする女子社員は便利な部品のように踏みつけにされてきました。主人公元子は銀行であってはならない架空口座の担当をしたことをきっかけに、銀行や架空口座により脱税をしている男たちから金をまきあげ、銀座のバーのママという自分の城を築きあげます。彼女の行為は悪なのですが、もっと悪い人たちを懲らしめるという意味で胸のすくような、珍しい女性を主人公としたピカレスク(悪漢)ロマンです。20数年前の作品とはいえ、悪はいつの世にもはびこっているものだと痛感、また著者のみずみずしく、洞察力あふれた筆致が古さを感じさせません。読書の楽しみを十分味わえる作品です。
黒革の手帖〈上〉 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 黒革の手帖〈上〉 (新潮文庫)より
4101109532
No.5
(4pt)

変化ある人間関係に呑まれて

ドラマが話題になっているということで興味を惹かれて読んでみました。(ドラマは見たことがありません・・・)元子が銀座でバアを開こうと思ったのは「水商売は当れば儲かることと、・・・・・・思い切って変ったところへ飛びこみたかったからだ。・・・・・・この商売は客をふくめて変化ある人間関係に発展する可能性を持っていた。」からである。銀行での横領金を使って銀座でのし上がっていく姿は強く圧巻されるが女という意味では元子ははじめから波子に負けていたのではないだろうか。また元子の女の部分が足りてなかったからこそ銀座で足をすくわれたような気がする。そして「変化ある人間関係」の渦に知らず知らずのうちにのみこまれ窮地に追い込まれる。いずれにせよ女を武器にできない元子ははじめから敗北していたと思う。またこの小説の驚くべきところは70年代に発表されたにもかかわらず古さを感じさせない点だと思う。
黒革の手帖〈下〉 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 黒革の手帖〈下〉 (新潮文庫)より
4101109540
No.4
(5pt)

一番怖い結末かも

黒革の手帖(上)を読み(下)に移ると、だんだん深まっていく、ストーリ、元子はいったいどうなってしまうのか、元子の知らない家に、罠が仕掛けられ、それに乗せれていく元子、最後には自分にお金が残らなくたってしまう、女の恨みが元子に襲いかかった最後の結末がひどかった、一番怖い結末でした。
黒革の手帖〈下〉 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 黒革の手帖〈下〉 (新潮文庫)より
4101109540
No.3
(5pt)

テレビより早く内容を知りたい人へ

テレビ放送を待っていられなくなって、とうとう買ってしまった。(*^_^*)う~ん、おもしろい 目立たない一人の女性(元子)がある日勤め先の銀行から横領したお金を元に、銀座のママへ変身し (悪女)としてのストーリが展開するなか、元子に関わっていく男達の豹変ぶりなどの話がとても 読んでいておもしろい。
黒革の手帖〈上〉 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 黒革の手帖〈上〉 (新潮文庫)より
4101109532
No.2
(4pt)

引きこまれます。

主人公の周りにいろいろな人間が都合よく現れることで、読者からすると、「うますぎる」と早々に感じてしまうところがありますが、銀座の夜の世界の生生しさを絶妙な文章運びで表現、読者を引き込みます。社会問題の緻密な取材にもうならされます。暗澹とした終わり方をするので、決して読み終わってすっきりするサスペンスではありませんが、一気に読み終えることができる秀作です。
黒革の手帖〈上〉 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 黒革の手帖〈上〉 (新潮文庫)より
4101109532
No.1
(5pt)

清張風俗サスペンスの名作

推理小説・歴史関連とならび松本清張が得意としたその時代特有の社会風俗を巧みに取りいれたサスペンス風俗小説(風俗といっても現在なじみ深い意味での風俗ではありませんので念のため)、「タフな女」を主人公とした作品として「霧の旗」と双璧ともいえます、もっともこちらは全くの悪女ですが、物語全体も「悪人」しか登場しない悪漢小説で呼んでもいいものです、松本清張は「鬼畜」や「わるいやつら」とタイトルそのままの悪人ばかりが登場するという作品を多く残しましたが、評者はここに作者が作家としてどれほど大成功しようとも癒されなかった孤独を感じます、おそらく本作のアイデアは、作家として成功後上京し、当然のこととして出入りするようになった一見さんお断りの銀座や赤坂の高級クラブでの見聞でしょう、当たり前のようにそんな店に通える恵まれた客達への共感がまったく感じられない松本清張の作風が吉行淳之介や渡辺淳一などとの間に明確すぎるような一線を引いています、世紀末から清張の再評価が高まっているわけですが、人間は結局はひとりぼっち、という清張の全作品に共通のテーマの普遍性が見直されているのでしょう、
黒革の手帖〈上〉 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 黒革の手帖〈上〉 (新潮文庫)より
4101109532