高い城の男

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評判

高い城の男の評価:

3.85/5点 レビュー 92件。 B ランク

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平均点3.85pt

Amazonレビュー一覧

Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全185件 121〜140 7/10ページ
No.65
(5pt)

エーデルワイス。。。米国にとってのパラレルワールドとは

アメリカでは低予算の割にかなり頑張っているとYoutubeなどでも評判の本作ドラマ化の"the man in the high castle"というAmazonビデオが米国amazonで放映されてかなり高評価のようである。中国の海洋進出に右往左往している米国の現状からすると、なんか冗談とも笑っていられないストーリーなんだろうか。フィリップ・K・ディックは「ブレードランナー」とか「トータル・リコール」とかの原作で、なんとなく尖ったSFのイメージがあったが、本作はジョージ・オーウェルの「1984年」の向こうを張ったのか、少々肩に力が入り過ぎて、日本とドイツの戦前の雰囲気が妙な感じで表現されていると思う。ただ、寧ろ本作のような作品から入ったほうが、なぜ彼がSFに拘ったのかなど、彼の作品の真の意味を理解できるのかも知れない。
いずれにしても、せっかくアメリカでドラマを流しているのだから、Amazonさんも遠慮せずに日本でビデオを流してくれないだろうか。
高い城の男 (1984年) (ハヤカワ文庫―SF) Amazon書評・レビュー: 高い城の男 (1984年) (ハヤカワ文庫―SF)より
B000J745IC
No.64
(5pt)

ビッグデータ解析のいまPディックをもう一度見る必要あり

パラレルワールド、つまり未来を予測した結果として現実と乖離した世界の存在を予言したSF。ヒモ理論M理論を思わせる深い考察。

ストーリでは、アメリカ合衆国の東半分をナチス、西半分を大日本帝国が分割統治する世界が描かれているが、それはひとつの可能性。中国の易経に凝ってさいころを振りながら書いたといわれており、本書には、じつは未来予測を可能にするテクノロジーの存在を、はっきりとみすえたPディックがいる。
つまり、グーグルがMSをつぶしてしまう可能性のある2015年からこのSFを考えると、ある時点で分離発展する現実の二面性について、ものすごい洞察力をもっているのがPディックだということがわかるはず。
素粒子が、確率的存在をもちながら時間的な経過をたどるという、物理ではごく当たり前の考え方(「パラレルワールド」の存在、ビッグバンによる拡張)の、現実世界への応用ともいえる。

一時期、オカルトみたいな行動をとったという私生活の神秘さもあり、もっとも今日的な意味をもつSFだといえる。アメリカでは再評価されており、フィリップKディック学会まであるぐらい。ちなみに、彼は、5回結婚したがずっと貧乏だった。ハリウッド映画の原作者として、死の直前に大金をつかみ、背の低い某アクション俳優、トップガンなどにも主演している、の主演で、映画化されている。が、映画そのものはできがわるい。原作者として大いに後悔したらしいのも、DVDをみるとなるほどと思います。

翻訳はできがわるいというか非力というか、日本語として、原著のダイナミックで荒々しい、しかし神経質な、言語的雰囲気を伝え切れていない。 原著をお勧めします。やたらと、大日本帝国を美化しているのは、やや事大主義の勉強不足。

お勧めします。
高い城の男 (ハヤカワ文庫 SF 568) Amazon書評・レビュー: 高い城の男 (ハヤカワ文庫 SF 568)より
4150105685
No.63
(5pt)

ビッグデータ解析のいまPディックをもう一度見る必要あり

パラレルワールド、つまり未来を予測した結果として現実と乖離した世界の存在を予言したSF。ヒモ理論M理論を思わせる深い考察。

ストーリでは、アメリカ合衆国の東半分をナチス、西半分を大日本帝国が分割統治する世界が描かれているが、それはひとつの可能性。中国の易経に凝ってさいころを振りながら書いたといわれており、本書には、じつは未来予測を可能にするテクノロジーの存在を、はっきりとみすえたPディックがいる。
つまり、グーグルがMSをつぶしてしまう可能性のある2015年からこのSFを考えると、ある時点で分離発展する現実の二面性について、ものすごい洞察力をもっているのがPディックだということがわかるはず。
素粒子が、確率的存在をもちながら時間的な経過をたどるという、物理ではごく当たり前の考え方(「パラレルワールド」の存在、ビッグバンによる拡張)の、現実世界への応用ともいえる。

一時期、オカルトみたいな行動をとったという私生活の神秘さもあり、もっとも今日的な意味をもつSFだといえる。アメリカでは再評価されており、フィリップKディック学会まであるぐらい。ちなみに、彼は、5回結婚したがずっと貧乏だった。ハリウッド映画の原作者として、死の直前に大金をつかみ、背の低い某アクション俳優、トップガンなどにも主演している、の主演で、映画化されている。が、映画そのものはできがわるい。原作者として大いに後悔したらしいのも、DVDをみるとなるほどと思います。

翻訳はできがわるいというか非力というか、日本語として、原著のダイナミックで荒々しい、しかし神経質な、言語的雰囲気を伝え切れていない。 原著をお勧めします。やたらと、大日本帝国を美化しているのは、やや事大主義の勉強不足。

お勧めします。
高い城の男 (1984年) (ハヤカワ文庫―SF) Amazon書評・レビュー: 高い城の男 (1984年) (ハヤカワ文庫―SF)より
B000J745IC
No.62
(3pt)

評判倒れ

第二次大戦で日独が連合軍に勝利して米国を二国で分割統治したとのプロット。 両国民性の歴史的体質による相違が強調されている点は面白いが、ストーリー展開がまだるっこしい。
高い城の男 (ハヤカワ文庫 SF 568) Amazon書評・レビュー: 高い城の男 (ハヤカワ文庫 SF 568)より
4150105685
No.61
(3pt)

評判倒れ

第二次大戦で日独が連合軍に勝利して米国を二国で分割統治したとのプロット。 両国民性の歴史的体質による相違が強調されている点は面白いが、ストーリー展開がまだるっこしい。
高い城の男 (1984年) (ハヤカワ文庫―SF) Amazon書評・レビュー: 高い城の男 (1984年) (ハヤカワ文庫―SF)より
B000J745IC
No.60
(5pt)

日本人の一言でなぜか引き込まれた

登場人物の名前を「わざと」ジャングリッシュで発音する日本人、その下りに妙に惹かれて最後まで一気に読んだ。 ただ、読み手は選ぶ。 そこはディックなのだから致し方あるまい。  分かりにくく、癖の強いSFが好きな向きにはお勧め。 そういうのは初めてという向きは取り敢えず2001年か、せめて華氏451度が無難かと思う。 プロット至上主義者は…まあディック自体を手に取らないか。  個人的には星4つ+登場人物の面白さ(何ら面白みのない連中だが、それが何故か面白い)に追加で一つ。
高い城の男 (ハヤカワ文庫 SF 568) Amazon書評・レビュー: 高い城の男 (ハヤカワ文庫 SF 568)より
4150105685
No.59
(5pt)

日本人の一言でなぜか引き込まれた

登場人物の名前を「わざと」ジャングリッシュで発音する日本人、その下りに妙に惹かれて最後まで一気に読んだ。 ただ、読み手は選ぶ。 そこはディックなのだから致し方あるまい。  分かりにくく、癖の強いSFが好きな向きにはお勧め。 そういうのは初めてという向きは取り敢えず2001年か、せめて華氏451度が無難かと思う。 プロット至上主義者は…まあディック自体を手に取らないか。  個人的には星4つ+登場人物の面白さ(何ら面白みのない連中だが、それが何故か面白い)に追加で一つ。
高い城の男 (1984年) (ハヤカワ文庫―SF) Amazon書評・レビュー: 高い城の男 (1984年) (ハヤカワ文庫―SF)より
B000J745IC
No.58
(5pt)

因果

最初はアメリカ人が日本とドイツに戦争で負けた世界で、日本とドイツに再度戦争して勝つお話なのかな?と思って読んでいたけれど、そんなことはなかった。

序盤はロバート・チルダンというアメリカ人の話が主流。
この人物がただの商売人で「日本人嫌い、でも、ビジネスパートナーだし、戦勝国だから相手してやる」といった感じで、本書の世界の世知辛さを体現している。
だから、それだけの物語なのかと勘ぐってしまい、展開が少し退屈だと感じた。

だが、読み進めていくにつれ、出てくる登場人物同士が間接的に影響し合い、自らの運命を変えていく。
あるものは人を救い、あるものは新境地に達し、そして、あるものは別の真実にたどり着く。
それらの過程が日本人なら歴史の教科書で誰もが知る『易経』という占いによって様々に作用しあい、選択していく。
登場人物は立場は違えど、圧倒的な権力に屈服せざる得ない人たちだ。その者共が悩み苦しみ結果にたどり着く、または導く。
中でも、主要な登場人物である田上とフリンクの関係性には深い因果を感じた。
物語全体として派手さはないし、解りやすい一筋物語があるわけではないけれど、『易経』を通じて織りなす様々な人々の物語とその結果は読んでいて引き込まれていった。

本書には仏教や哲学的なもの等々の小難しいセリフが多い。
作中にロバート・チルダンが、ある日本人から”無(ウー)”に関することを熱心に説明されるシーンがあるのだが、ロバートはよくわかってなかった。
ぶっちゃけ、私もロバートと同じ状態だった。
単に教養がないだけ、本書を読み込めてないだけだと言われれば、ぐうの音もでないが...

以上のように多少小難しい話があるので取っつきにくい、読みにくいかもしれないが、
個人的に以上に述べた要素が好みであれば読んで損はないと断言できる。
高い城の男 (ハヤカワ文庫 SF 568) Amazon書評・レビュー: 高い城の男 (ハヤカワ文庫 SF 568)より
4150105685
No.57
(5pt)

因果

最初はアメリカ人が日本とドイツに戦争で負けた世界で、日本とドイツに再度戦争して勝つお話なのかな?と思って読んでいたけれど、そんなことはなかった。

序盤はロバート・チルダンというアメリカ人の話が主流。
この人物がただの商売人で「日本人嫌い、でも、ビジネスパートナーだし、戦勝国だから相手してやる」といった感じで、本書の世界の世知辛さを体現している。
だから、それだけの物語なのかと勘ぐってしまい、展開が少し退屈だと感じた。

だが、読み進めていくにつれ、出てくる登場人物同士が間接的に影響し合い、自らの運命を変えていく。
あるものは人を救い、あるものは新境地に達し、そして、あるものは別の真実にたどり着く。
それらの過程が日本人なら歴史の教科書で誰もが知る『易経』という占いによって様々に作用しあい、選択していく。
登場人物は立場は違えど、圧倒的な権力に屈服せざる得ない人たちだ。その者共が悩み苦しみ結果にたどり着く、または導く。
中でも、主要な登場人物である田上とフリンクの関係性には深い因果を感じた。
物語全体として派手さはないし、解りやすい一筋物語があるわけではないけれど、『易経』を通じて織りなす様々な人々の物語とその結果は読んでいて引き込まれていった。

本書には仏教や哲学的なもの等々の小難しいセリフが多い。
作中にロバート・チルダンが、ある日本人から”無(ウー)”に関することを熱心に説明されるシーンがあるのだが、ロバートはよくわかってなかった。
ぶっちゃけ、私もロバートと同じ状態だった。
単に教養がないだけ、本書を読み込めてないだけだと言われれば、ぐうの音もでないが...

以上のように多少小難しい話があるので取っつきにくい、読みにくいかもしれないが、
個人的に以上に述べた要素が好みであれば読んで損はないと断言できる。
高い城の男 (1984年) (ハヤカワ文庫―SF) Amazon書評・レビュー: 高い城の男 (1984年) (ハヤカワ文庫―SF)より
B000J745IC
No.56
(1pt)

あえて、星一つ

所謂、歴史改変SF。連合国と枢軸国の勝敗が逆転した世界の物語である。さらに、その中に『イナゴ身重く横たわる』という作中作がある。この作中作もまた、連合国と枢軸国の勝敗が逆転している小説だ。つまり、『高い城の男』は、ドイツ、日本が戦勝国として、作中作の『イナゴ身重く横たわる』ではドイツ、日本が敗戦国として書かれている。メタフィクションの一種である。作中に現れるフィリップ・K・ディックの分身が、〈高い城の男〉で、というのも、ドイツを敗戦国として書いてしまったために、ナチスに命を狙われているので、自分の家をバリケードで覆っているために、そう呼ばれている。物語の設定はただそれだけで、視点人物がざっと数えただけで、七人いる。その七人の冴えない日常が淡々と書かれているだけの小説である。人生の悲哀を感じる。その悲哀にもう一つ星を付けたいところだが、ここはあえて……。
高い城の男 (ハヤカワ文庫 SF 568) Amazon書評・レビュー: 高い城の男 (ハヤカワ文庫 SF 568)より
4150105685
No.55
(1pt)

あえて、星一つ

所謂、歴史改変SF。連合国と枢軸国の勝敗が逆転した世界の物語である。さらに、その中に『イナゴ身重く横たわる』という作中作がある。この作中作もまた、連合国と枢軸国の勝敗が逆転している小説だ。つまり、『高い城の男』は、ドイツ、日本が戦勝国として、作中作の『イナゴ身重く横たわる』ではドイツ、日本が敗戦国として書かれている。メタフィクションの一種である。作中に現れるフィリップ・K・ディックの分身が、〈高い城の男〉で、というのも、ドイツを敗戦国として書いてしまったために、ナチスに命を狙われているので、自分の家をバリケードで覆っているために、そう呼ばれている。物語の設定はただそれだけで、視点人物がざっと数えただけで、七人いる。その七人の冴えない日常が淡々と書かれているだけの小説である。人生の悲哀を感じる。その悲哀にもう一つ星を付けたいところだが、ここはあえて……。
高い城の男 (1984年) (ハヤカワ文庫―SF) Amazon書評・レビュー: 高い城の男 (1984年) (ハヤカワ文庫―SF)より
B000J745IC
No.54
(2pt)

期待はずれ

最後はナチスが悪者として書かれそこが不満。アメリカは日本に原爆を落として三十万人の民間人の命を奪った国際法条約を冒したが戦後、その追求をされなかった。
戦勝国の都合のいいように歴史は書き換えられてしまう。そんな矛盾をもっと突いて欲しかった。
高い城の男 (ハヤカワ文庫 SF 568) Amazon書評・レビュー: 高い城の男 (ハヤカワ文庫 SF 568)より
4150105685
No.53
(2pt)

期待はずれ

最後はナチスが悪者として書かれそこが不満。アメリカは日本に原爆を落として三十万人の民間人の命を奪った国際法条約を冒したが戦後、その追求をされなかった。
戦勝国の都合のいいように歴史は書き換えられてしまう。そんな矛盾をもっと突いて欲しかった。
高い城の男 (1984年) (ハヤカワ文庫―SF) Amazon書評・レビュー: 高い城の男 (1984年) (ハヤカワ文庫―SF)より
B000J745IC
No.52
(5pt)

SFではなく文学作品

いま49歳です。
最初のこの本を読んだのは、高校生の頃。ざっくり35年まえです。
この作品ではもはやSFではなく、文学的な境地まで達していると思います。
この本を読む前に、「ユービック」、「ヴァリス」、「火星のタイムスリップ」、「去年を待ちながら」、「時は乱れて」を読みましたが、この作品はとても完成度が高いと思います。
高い城の男 (1984年) (ハヤカワ文庫―SF) Amazon書評・レビュー: 高い城の男 (1984年) (ハヤカワ文庫―SF)より
B000J745IC
No.51
(5pt)

SFではなく文学作品

いま49歳です。
最初のこの本を読んだのは、高校生の頃。ざっくり35年まえです。
この作品ではもはやSFではなく、文学的な境地まで達していると思います。
この本を読む前に、「ユービック」、「ヴァリス」、「火星のタイムスリップ」、「去年を待ちながら」、「時は乱れて」を読みましたが、この作品はとても完成度が高いと思います。
高い城の男 (ハヤカワ文庫 SF 568) Amazon書評・レビュー: 高い城の男 (ハヤカワ文庫 SF 568)より
4150105685
No.50
(5pt)

面白い!

とにかく、原点となる設定がすごいし、びっくり!
色んな意味で考えさせられる本でした。
高い城の男 (1984年) (ハヤカワ文庫―SF) Amazon書評・レビュー: 高い城の男 (1984年) (ハヤカワ文庫―SF)より
B000J745IC
No.49
(5pt)

面白い!

とにかく、原点となる設定がすごいし、びっくり!
色んな意味で考えさせられる本でした。
高い城の男 (ハヤカワ文庫 SF 568) Amazon書評・レビュー: 高い城の男 (ハヤカワ文庫 SF 568)より
4150105685
No.48
(4pt)

偽物と本物の入れ子構造、そして偽物が本物を獲得していく物語

この本は、歴史改変小説の一種である。この小説の世界では、連合国は、枢軸陣営に敗北し、支配されているのだ。

ここまでなら、よくある歴史改変小説であるかもしれない。だが、この小説の面白いことは、入れ子の構造になっていることだ。この小説の登場人物たちもまた、「連合国が枢軸国に勝利していたら?」という小説『イナゴ身重く横たわる』を読んでいるのだ。劇中では聖書から付けられた名前と言っていたが、意味はよくわからない。ともかくも、ナチスドイツでは、そのような本は発禁本となっていたが、舞台となる太平洋岸連邦では普通に書店で買えるものになっている。その小説を中心に物語が進んでいく。

作中で何度も、日本人は、完璧なコピーを作る。ある種、皮肉を込めてそう語られていた。この小説でのアメリカもそうで、全ての工芸品は日本人が好むように作られた、模造品であった。訳者も言っているが、この小説は、模造品やコピー、偽名などが、一種の「偽物」ということをキーワード含んでいて、それをテーマにしているかのように感じる。仮初めの世界の、仮初に生きる登場人物が、本物になるまでの話。そう思えばいいのではないだろうか。

例えば、チルダンというキャラも、アメリカ人として、本当に生きていくため、模造品ではなく、オリジナルを売ろうとするし、フリンクもオリジナル製品の作成を目ざす。そして、最後に、歴史改変という嘘(フィクション)の小説も、実は真実であったと展開する。この小説の凄いところは、偽物→本物への大転換を、登場人物だけではなく、世界観そのものにまで広げたことにあるのかもしれない。
高い城の男 (1984年) (ハヤカワ文庫―SF) Amazon書評・レビュー: 高い城の男 (1984年) (ハヤカワ文庫―SF)より
B000J745IC
No.47
(4pt)

偽物と本物の入れ子構造、そして偽物が本物を獲得していく物語

この本は、歴史改変小説の一種である。この小説の世界では、連合国は、枢軸陣営に敗北し、支配されているのだ。

ここまでなら、よくある歴史改変小説であるかもしれない。だが、この小説の面白いことは、入れ子の構造になっていることだ。この小説の登場人物たちもまた、「連合国が枢軸国に勝利していたら?」という小説『イナゴ身重く横たわる』を読んでいるのだ。劇中では聖書から付けられた名前と言っていたが、意味はよくわからない。ともかくも、ナチスドイツでは、そのような本は発禁本となっていたが、舞台となる太平洋岸連邦では普通に書店で買えるものになっている。その小説を中心に物語が進んでいく。

作中で何度も、日本人は、完璧なコピーを作る。ある種、皮肉を込めてそう語られていた。この小説でのアメリカもそうで、全ての工芸品は日本人が好むように作られた、模造品であった。訳者も言っているが、この小説は、模造品やコピー、偽名などが、一種の「偽物」ということをキーワード含んでいて、それをテーマにしているかのように感じる。仮初めの世界の、仮初に生きる登場人物が、本物になるまでの話。そう思えばいいのではないだろうか。

例えば、チルダンというキャラも、アメリカ人として、本当に生きていくため、模造品ではなく、オリジナルを売ろうとするし、フリンクもオリジナル製品の作成を目ざす。そして、最後に、歴史改変という嘘(フィクション)の小説も、実は真実であったと展開する。この小説の凄いところは、偽物→本物への大転換を、登場人物だけではなく、世界観そのものにまで広げたことにあるのかもしれない。
高い城の男 (ハヤカワ文庫 SF 568) Amazon書評・レビュー: 高い城の男 (ハヤカワ文庫 SF 568)より
4150105685
No.46
(5pt)

ディックの最高傑作

文学的SFと言うか、哲学的SFと言うか多面性をもった興味深い読み物。
高い城の男 (1984年) (ハヤカワ文庫―SF) Amazon書評・レビュー: 高い城の男 (1984年) (ハヤカワ文庫―SF)より
B000J745IC