漆黒の森

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評判

漆黒の森の評価:

3.50/5点 レビュー 8件。 D ランク

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平均点3.50pt

Amazonレビュー一覧

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未読の方はご注意ください

全4件 1〜4 1/1ページ
No.4
(2pt)

私の期待値には達していなかった。

トレッキング・ガイドブックのための取材中に出版編集者ハンナ・ブロックは南ドイツの<漆黒の森(シュヴァルツヴァルト)>の一角、鴉谷(からすだに)で若い女性の遺体を発見する。腹部を切り取られ、臨月前に胎児が取り出されているという猟奇殺人事件であることが分かる。犠牲者は地元の小村の村長の妹で、ここ10年の間、消息不明だった人物だ。フライブルク刑事警察の主席警部モーリッツ・エルリンシュピールらが捜査を始めるが、他所者を受けつけない住民たちを前に、捜査は難航する…。

 フェルディナント・フォン・シーラッハ『犯罪』、ネレ・ノイハウス『深い疵』、アンドレアス・グルーバー『夏を殺す少女』と、ドイツ語圏の秀作ミステリーを翻訳し続けて来た酒寄進一氏の手による、ドイツ・ミステリーの近刊と聞き、迷うことなく手にしました。

 検視と鑑識という科学捜査技術が事件の真相を徐々に解明していく刑事小説の醍醐味。
 ネレ・ノイハウス『白雪姫には死んでもらう』をどことなく彷彿させるような、閉鎖的な村を舞台にして、陰鬱な住民たちによって捜査の進展が阻まれ続けるミステリー。
 あまりほめられない女性遍歴をたどってきたモーリッツと、野心家の取材者ハンナの人生が、猟奇殺人事件を背景に絡み合うという、独特のロマンス劇。

 こうした、醍醐味あふれるエンターテインメント小説を予感させる要素が盛り込まれている小説なのですが、残念ながら事件の真相と、その解明に向けた犯人追求劇には、私が期待したようなカタルシスを味わうことができませんでした。

 被害女性の弟で、自閉症と共に生きるブルーノが、事件の重要なカギを持つと思われる展開を見せるのですが、彼のこの事件への関わり具合の真相を知るにつけ、あまり現実味を覚えないと同時に、そしてまた、物語が見出した着地点はあまり愉快なものではなく、ご都合主義のそしりを斥(しりぞ)けるだけの力が備わっていないと感じたのです。
 
 とはいえ、ドイツのミステリー小説が優れた翻訳で読めるようになった近年の日本の出版事情を私は大いに歓迎しています。
 作者は2010年に発表したこのデビュー作が本国ドイツでかなり高い評価を受けたことで、順調に著作活動を続けているとのこと。東京創元社から続けて翻訳が出るのであれば、注視しておきたいと思います。
漆黒の森 (創元推理文庫) Amazon書評・レビュー: 漆黒の森 (創元推理文庫)より
4488260039
No.3
(3pt)

陰鬱としたドイツが舞台

謎解きの部分は物足りないと感じる方も多いかもしれませんが、 全体としては、登場人物は個性的で好感が持て、舞台となる ドイツの小村の様子もよくわかり楽しめました
漆黒の森 (創元推理文庫) Amazon書評・レビュー: 漆黒の森 (創元推理文庫)より
4488260039
No.2
(3pt)

ドイツの田舎を舞台にした「横溝風」ミステリー

裏表紙から
*************************
取材で黒い森を訪れた編集者のハンナは、トレッキングの最中に
女性の死体を発見してしまう。被害者は10年前に村を出て
帰郷したばかりの妊婦だったが、胎児が消えていた。
村に伝わる「鴉谷」の不吉な言い伝えや、過去の嬰児失踪事件と関わりが?
*************************

閉鎖的な村での捜査に苦労する刑事。
被害者の妊婦がなぜ10年前に村を出たのか?
鴉谷の言い伝えが明らかになっていくとともに
さらに殺人事件が。

ドイツ推理作家協会の新人賞を受賞したとのことですが
横溝ミステリーを知る日本の読者には、物足りないかも?
それでも、英米以外のミステリー小説が次々に翻訳されるのは
読者としてとても嬉しいと思います。
漆黒の森 (創元推理文庫) Amazon書評・レビュー: 漆黒の森 (創元推理文庫)より
4488260039
No.1
(2pt)

私の期待値には達していなかった。

トレッキング・ガイドブックのための取材中に出版編集者ハンナ・ブロックは南ドイツの<漆黒の森(シュヴァルツヴァルト)>の一角、鴉谷(からすだに)で若い女性の遺体を発見する。腹部を切り取られ、臨月前に胎児が取り出されているという猟奇殺人事件であることが分かる。犠牲者は地元の小村の村長の妹で、ここ10年の間、消息不明だった人物だ。フライブルク刑事警察の主席警部モーリッツ・エルリンシュピールらが捜査を始めるが、他所者を受けつけない住民たちを前に、捜査は難航する…。

 フェルディナント・フォン・シーラッハ『犯罪』、ネレ・ノイハウス『深い疵』、アンドレアス・グルーバー『夏を殺す少女』と、ドイツ語圏の秀作ミステリーを翻訳し続けて来た酒寄進一氏の手による、ドイツ・ミステリーの近刊と聞き、迷うことなく手にしました。

 検視と鑑識という科学捜査技術が事件の真相を徐々に解明していく刑事小説の醍醐味。
 ネレ・ノイハウス『白雪姫には死んでもらう』をどことなく彷彿させるような、閉鎖的な村を舞台にして、陰鬱な住民たちによって捜査の進展が阻まれ続けるミステリー。
 あまりほめられない女性遍歴をたどってきたモーリッツと、野心家の取材者ハンナの人生が、猟奇殺人事件を背景に絡み合うという、独特のロマンス劇。

 こうした、醍醐味あふれるエンターテインメント小説を予感させる要素が盛り込まれている小説なのですが、残念ながら事件の真相と、その解明に向けた犯人追求劇には、私が期待したようなカタルシスを味わうことができませんでした。

 被害女性の弟で、自閉症と共に生きるブルーノが、事件の重要なカギを持つと思われる展開を見せるのですが、彼のこの事件への関わり具合の真相を知るにつけ、あまり現実味を覚えないと同時に、そしてまた、物語が見出した着地点はあまり愉快なものではなく、ご都合主義のそしりを斥(しりぞ)けるだけの力が備わっていないと感じたのです。
 
 とはいえ、ドイツのミステリー小説が優れた翻訳で読めるようになった近年の日本の出版事情を私は大いに歓迎しています。
 作者は2010年に発表したこのデビュー作が本国ドイツでかなり高い評価を受けたことで、順調に著作活動を続けているとのこと。東京創元社から続けて翻訳が出るのであれば、注視しておきたいと思います。
漆黒の森 (創元推理文庫) Amazon書評・レビュー: 漆黒の森 (創元推理文庫)より
4488260039