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四度目の氷河期
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四度目の氷河期の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.08pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全36件 21~36 2/2ページ
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タイトルを見て、「僕たちの戦争」や「明日の記憶」っぽい作品を思い浮かべたのですが、 荻原さんの作品?って思いながら読みました。 「さよなら、バースディ」っていう作品を読んだ時も同じように感じたのですが、「四度目の氷河期」、「さよなら、バースディ」は、荻原浩さんファンでも、好き嫌いが分かれる気がします。 私は、このお話は良いなって思ったけれど、主人公に感情移入ができなくて、星3つです。 10代後半から、20代前半の方にお薦めしたい本です。 | ||||
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「僕の父はクロマニヨン人」、なんて突飛な思い付き! 果たしてどんなハチャメチャな展開かと思いきや、父の存在を知らない少年ワタルの思春期を描いた青春物でした。 「自分はみんなと何かが違う!」と思っていたワタルが成長するにつれ、自分よりすごいやつと出会い、やがて自身の出自を知る。 女手一つで彼を育ててくれた母との別れ、それを支えた恋人サチの存在は、「東京タワー」を髣髴とさせる部分もありましたが、17歳の少年のいたいけな気持ちが涙を誘いました。 あちこちにぶつかり、悩みながらも確実に成長していくワタルを、同じ年頃の息子を持つ母としてははらはらしつつ、でも頼もしく読みました。 | ||||
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二度目の直木賞の候補になった作品であるが、私には五木寛之の「青春の門筑豊編」を思い出させる作品であった。自分自身の出生の秘密に触れようとする少年、自分はクロマニヨン人であると信じることによって多感な思春期を生きる少年。 「明日の記憶」や「あの日にドライヴ」を読んで荻原さんを好きになった人には何か足らない感じのする作品ではないかと思うが、決して駄作ではない。 | ||||
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荻原浩さんには絶対的な信頼を抱いているのですが、 今作はイマイチだったなぁ。 シングルマザーの母のもとで育ったワタルは、 他の子たちよりも異常に成長がはやく、運動能力も人並み外れている。 そしてハーフとしか言いようのない日本人ばなれした風貌・・・。 父のことを何にも聞かされていないワタルが 自分のアイデンティティを求めて生きる姿を描きます。 ワタルが自分の父親をクロマニヨン人だと思いこんでしまうという発想には はじめはうまく入り込めなかったけど 読み進めていくうちにその発想の斬新さには気づかされました。 片親で他の子とどことなく違うワタルはなかなか友達ができずに孤独な少年時代を過ごす。 母も忙しい仕事に就いており、ほとんどの時間を一人で過ごした少年の孤独は すさまじいほどだったはずなのに、その悲しさも不幸さもがまったく感じられない。 ひたすらに「自分とは何か」を求め、 クロマニヨン人化していく少年の姿がなんとも言えません。 中学に入って広い視野を持つようになると自分よりすごいヤツはゴロゴロいる。 それに気づいてしまってからの展開があまりに平凡。 せっかくのクロマニヨン人という面白い素材がありながらも 平凡な青春小説になっていったことが非常に残念です。 最後にちょっとした事件があるけれどそれほどのインパクトもなく・・・。 もっとクロマニヨン人という題材とうまく活かしてほしかったです。 | ||||
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斬新な発想や、豊かな表現力だけでは、読者を楽しませる小説は成立しないのだな、と―。 そんなことを考えさせられた一冊だった。 男の子の成長過程というか、肉体の変化と精神とのギャップなど、細かくリアルに描かれて いて感心はさせられたのだけれど、結局「クロマニヨン人の父親」というモチーフがうまく料 理されていない気がした。素晴らしい器に、チマチマと料理が盛られているって感じ。 中途半端な児童文学。青春小説としても、特に後半は冗長で退屈。文中、今後の展開の種明 かしがしてあるのも個人的には興ざめ。結末は荒唐無稽にすら思えた。収拾がつかなくなって、 無責任なオチをつけたって気がする。 全体的には毒気のない青春小説でもあるのだが、この清々しさが物足りなさを感じさせるの だろうか。 | ||||
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内容ではなく、作者名だけで安心して手に出来る本。 読書好きにとって「荻原浩」は、そんな貴重な「ブランド」である。 だからこの小説も、当然予備知識なしにページを捲りはじめた一冊である。 不思議なプロローグと、主人公「ぼく」のいたいけなモノローグ。 その二つがシンクロした時は、「さすがは荻原浩」と興奮を隠せず、 ページを捲る手にも力が入った。 「ぼくの父親は1万年前のクロマニヨン人」と思い込み、ひとり黙々と 内なる野生を磨いてゆくクロマニヨータな設定の破壊力は、そこらの 凡庸な作家には思いもつかない斬新なものではないだろうか。 が、 残念ながら中盤あたりから物語が「失速」してしまったことは否めない。 というか、青春小説にはありがちなパターンの連続で、新鮮さがない。 (母が癌という設定は、某フランキーの小説さえ連想させてしまう) 「ぼくは無骨で孤独なクロマニヨン」という素晴らしい設定がありながら、 クロマニヨン的無骨さや不器用さは物語の進行とともにナリを潜め、 石田衣良の池袋小説よろしく仲間のために田舎町を奔走する少年アンチ ヒーロー物っぽい雰囲気になってしまったのも、残念だ・・・・・。 どうせなら、父親は本物の「クロマニヨン人」でもよかったのではないか。 もちろん、そんなことをしたらこの小説の「文学的なテーマ」が台無しに はなってしまうだろうが、荻原浩なら壮大なSFエンターテイメントとして、 面白く消化できたと思う。 とにかく、「四度目の氷河期」の主人公は饒舌すぎた。 旧石器時代のクロマニヨン人というよりも、昭和40年代の貧乏大学生 な思考回路を持つ「ぼく」の行動をリスペクトすることは、残念ながら できなかったというのが正直なところである。 作家としては文句ナシに素晴らしい荻原氏だか、青春小説を執筆の折には 石田某のような軽薄さと不真面目さを身に付けていただきたいものである。 | ||||
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シングルマザーの子供として田舎町に生まれた少年の成長物語。 高校卒業目前までを追いかけます。 母親が父親を明かさなかったため、氷河の中に発見されたクロマニヨン人と 思い込んだ子供というちょっと変わった設定。 ストーリーテラーとしての作者の人物の作り方、関わらせ方はうまいなあと思います。 物語の幕に向けてのスピード感もとても好きです。 本を読む時間を楽しめると言う点に付いては二重丸なのですが 何か、ひっかかるもの、消化不良な思いが残りました。 確かに、父親像を持つことができず 周りから区別され、差別され、自分自身も人とは違うと思いつつ アイデンティティ探しに漂流する。 それもわかるのですが なんというのか、とってもわかりやすいというのか すごく記号みたいな印象がするのです。 先が読めちゃうと言うことでもありません。 うまく言えないんですが アイデンティティ喪失に漂流してるのは もっと普通な、両親もそろって、成績もそこそこで というな子たちのように感じるのです。 うまく言えないんですが 物語のための舞台設定って印象がどうしても残るんです。 | ||||
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『明日の記憶』の著者と聞いて手に取ってみた。 パラッとめくってみた印象では、成熟した大人の物語という前作のイメージからは対極のよう に感じられた。しかし、読んでいくうちにこの風変わりな少年の物語にぐいぐいと引き込ま れていった。 「トクベツな子ども」になる決心をしたワタルも、やがて「ふつうの大人」になってゆく。 何がトクベツで何がふつうなのかはそのとき属している社会によって振り分けられるようだ。 しかし、実はそれも一過性のものに過ぎない。 ワタルは果たしてアヒルの中に育った白鳥だったのか・・・そんなことを考えた。 | ||||
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荻原 浩のかなりなスマッシュヒットです。 田舎町に過ごす母と子。 二人の周りには常に冷たい視線がありました。 ずっと一人だった少年に,5年生の夏,相棒ができました。 少年はゆるやかにおとなになります。 そして,少年は決別するためにロシアにむかいます。 父だったアイスマンに会いに。 うーん,こう書くと訳が分からん話ですが,とても端正な小説です。 不幸の極みのような筋があるわけではありません, ほのぼのと何度もさせられるような話でもありません。 ただとてもうたれました。 早回しで頭の中の幼稚園児を17歳に育て上げ,その独り言を聞き,その目を通して風景を見るような錯覚にとらわれました。 作者の力量に感服。 ブラボー。いい小説!!! | ||||
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少年ワタルの幼稚園から高校生までの成長期。 まずもって、自分はクロマニヨン人の子供?という設定が秀逸。 自分は人と違うのではないかと思い悩む一方で、人と同じでは いたくないという少年・青年期の微妙な心の揺れを見事に描き きっています。 久しぶりに「感受性」という言葉を思い起こさせてくれました。 荻原浩さんは本当に文章がうまいと思います。 荻原さんの本はいずれも好きですが、これが最高作ではないで しょうか。 私的には、今年度屈指の傑作です。 | ||||
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荻原 浩のかなりなスマッシュヒットです。 田舎町に過ごす母と子。 二人の周りには常に冷たい視線がありました。 ずっと一人だった少年に,5年生の夏,相棒ができました。 少年はゆるやかにおとなになります。 そして,少年は決別するためにロシアにむかいます。 父だったアイスマンに会いに。 うーん,こう書くと訳が分からん話ですが,とても端正な小説です。 不幸の極みのような筋があるわけではありません, ほのぼのと何度もさせられるような話でもありません。 ただとてもうたれました。 早回しで頭の中の幼稚園児を17歳に育て上げ,その独り言を聞き,その目を通して風景を見るような錯覚にとらわれました。 作者の力量に感服。 ブラボー。いい小説!!! | ||||
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大好きな荻原さんの新刊、何の予備知識なしに(帯などの、 内容を想像させるものなどを全く読まず)わくわくしながら開きました。 私の感想は・・・ もしかしたら、今までの作品の中で一番好きかもしれません。 心に残るようなフレーズがここかしこに散りばめられていて、 一言一句に込められた作者の熱意、意欲、といったものが ヒシヒシと伝わり、読み進めるのがもったいない、 終わるのが嫌だと感じるほどでした。 だけど内容が良すぎて、ついつい夜更かしして一日で読んでしまいました (やっぱりもったいなかった!)。 青春モノ、と片付けるには内容が濃く、そしてなぜ氷河期!?と 思っていましたが、 少年の成長、闘病、色々な差別、恋、スポーツ、氷河期・・・ これら様々な(一見なんの繋がりもないような要素も含めて)事柄が 最後には全部繋がります。 この点に作者の実力が窺い知れると思います。 アッパレ!という気持ちになりました。 クロマニョン人とスポーツ少年を小説に登場させる小説家がどこにいるでしょうか?? 発想力・表現力が図抜けた人で、小説家になるべくしてなられたんだなぁ、と 今回しみじみと思いました。 | ||||
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大好きな荻原さんの新刊、何の予備知識なしに(帯などの、 内容を想像させるものなどを全く読まず)わくわくしながら開きました。 私の感想は・・・ もしかしたら、今までの作品の中で一番好きかもしれません。 心に残るようなフレーズがここかしこに散りばめられていて、 一言一句に込められた作者の熱意、意欲、といったものが ヒシヒシと伝わり、読み進めるのがもったいない、 終わるのが嫌だと感じるほどでした。 だけど内容が良すぎて、ついつい夜更かしして一日で読んでしまいました (やっぱりもったいなかった!)。 青春モノ、と片付けるには内容が濃く、そしてなぜ氷河期!?と 思っていましたが、 少年の成長、闘病、色々な差別、恋、スポーツ、氷河期・・・ これら様々な(一見なんの繋がりもないような要素も含めて)事柄が 最後には全部繋がります。 この点に作者の実力が窺い知れると思います。 アッパレ!という気持ちになりました。 クロマニョン人とスポーツ少年を小説に登場させる小説家がどこにいるでしょうか?? 発想力・表現力が図抜けた人で、小説家になるべくしてなられたんだなぁ、と 今回しみじみと思いました。 | ||||
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母が決して語らない父のこと。父親は誰か?思い当たったワタルは、その日から 自分自身を変え始める。少しずつ成長するワタル。変わっていくのは体だけではない。 心もしっかりと確実に成長していく。「人とは違う」「普通」、その線引きをする基準は 何だろう?いや、そんなものは初めからないのだと思う。だれも明確にそのことを断言 できる人はいないだろう。けれど、人はそういう線引きをしたがる。そのことから抜け 出したワタル。人はこうして成長していくものだとあらためて思った。そうそう、作者の 荻原さんの言いたいことは、83ページの3行目だそうなので、そちらもじっくりと・・・。 タイトルに深く関係しています。 | ||||
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ハラハラドキドキさせられる小説ではなく、淡々と物語は進んでいくのですが、読み終わった後に余韻の残る、そして爽快感のある、とてもいい小説です。いつも孤独な主人公の少年が、自分が特別な人間だと思いこむことで自我を保とうとする。そして、成長の過程で出会っていく、仲間、恩師、恋人。そのうち、自分は別に特別な人間ではない事に気づいていく。自分がかつて真剣に思い悩んでいたことは、実はたいした問題ではんないかもしれないよ、ってのがこの小説の言いたいことでしょうか? | ||||
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小さな町に引っ越してきたワタルのその母親。 幼稚園の頃からその人目を引く風貌と奇抜な行動のために 友達もできずに寂しく過ごす幼少時代と サチという女友達が出来て、少しずつ外の世界が見えてきた 小学高学年時代。 陸上競技に出会い長距離から槍投げの選手へと活躍の場を広げていく中〜高時代。 それぞれの時代にいろんな事件が起こりながら 成長していくワタルとサチの二人。 自分を『クロマニヨン人』の息子と信じることで自分のアイデンティティを保っていた ワタルの17年を描いた青春小説。 読み応えあり、感動あり、の作品です。 | ||||
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