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さよならバースディ
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さよならバースディの評価:
| 書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.61pt | ||||||||
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全36件 21~36 2/2ページ
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| ラストの場面、主人公と今は亡き恋人との会話が切なくて、BGMとして流れる"Calling You"が哀しくて、とても心に残る作品でした。 改めて原作に当たると…とても心が痛くなりました。自分自身の経歴とも接点があるようなないような…。閉ざされた研究者の世界での、むしろ一般の世界よりもドロドロした人間関係の嫌な部分には十分納得が行きました。 ほんの些細なところに、昔の自分や自分を取り巻いていた環境など重なる部分が感じられて、妙に感情移入して読んでしまいました。 お蔭で、本当に久しぶりなくらいしっかりと、悲しい気分になりました。 主人公が女性の心の動きや、学内政治に疎いところも、いかにもいそうなタイプだと思わせてくれました。…でも心理学屋さんがそんな無垢な気持ちのまま生きていけるんでしょうかね? ミステリーとしての完成度は…分かりません。でも叙情的な作品としては完成されていると思います。 | ||||
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| そうか、今回はミステリーか? しかし、この著者の引き出しは多種多様で毎回びっくりさせられる。 頭が下がるなー さて、内容だが 私は荻原さんにこういうミステリーものを望まないなー。 今の世相から言って、「死」を題材にするのは避けたい。 どちらかと言うと「メリーゴーランド」や「ユニバーサル広告社」のような、本当に心の底から笑わせてくれるものをこの著者に望みます。萩原さんだけですからそういうのを書けるのは。 そうこういいながら、 この本面白いですよ。決して外れではない。荻原さんの本に外れはありませんから。 最後は、 「へー、そうか、そんな仕掛けがあったんだー、凄いなー」 「でも、悲しいなー、辛いなー」 そんな内容です。 ■お薦め度:★★★☆☆ | ||||
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| 一応ミステリーのカテゴリーに入るだろうと思われる本書は、いままでの著者の諸作品とは異なり、荻原流のユーモアを極力おさえた、シリアスな作品である。 舞台は奥多摩の東京霊長類研究センター。ここで、“バースディ・プロジェクト”と呼ばれる類人猿の言語習得の研究がおこなわれていた。対象は‘バースディ’という名の3才のオスのボノボ(ピグミーチンパンジー)、この物語の主役である。彼は高い知能を持っており、学習と実験により今では特別製のキーボードを使って人間と簡単な会話が出来るほどになっていた。 生真面目で研究熱心、‘バースディ’に対しても肉親の情をもって接する田中は、1年前、前任の助教授が自殺して以来、あとを継いで主任研究員をしていた。彼は4月のある夜、恋人であり、研究スタッフの大学院生、由紀にプロポーズする。しかし、前向きな返事を告げた彼女は、なぜかその夜のうちに研究所の5階から墜落死してしまう。自殺か、事故か、あるいは殺人か・・・。唯一の目撃者は‘バースディ’。田中は、ショックで打ちのめされながらも、彼女の死の真相を突き止めるべく、‘バースディ’から目撃証言を得るために必死の<会話>を試みる。 そうしたなか、ある財団法人からの多額の研究寄付金が教授らによって不正に運用されている疑いが明らかになり、彼女にも何らかの関わりがあって、さらには1年前の助教授の自殺にもその影が見え隠れしてくる。 彼女はなぜ死んだのか? がメインテーマの本書だが、主役をつとめる‘バースディ’も忘れてはならない存在である。実験とはいうものの、田中たちと親子のような交流をする姿。風邪をひきながらも必死に田中との<会話>を試みる姿。教授らによる不正揉み消しの圧力から身を挺して田中を守る姿。そのけなげな姿は重苦しくなりがちなテーマの物語にセンチメンタルなやわらかさを与えている。 | ||||
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| 構想は素晴らしいんです。 大学の研究所が舞台だけど、さして難しい話も出て来ないし。 でも、恋人の女性研究員が自殺してしまって 主人公の研究員が、真相をあばくのに必死になるんだけど どこか、ズレてて、収まりが悪くて気持ち悪い。 普通は、あらゆる可能性から推理するものなのだけれど この主人公は、勝手に犯人を予測してて それを、こともあろうか、サルに証言させようとしてる。 あげく、サルの言葉は、亡き恋人の言葉だ・・・と。 立派な壊れっぷりです。主人公に何の感慨もありません。 想像していた、ハートウォーミングな話より、ずっと面白かったですが ミステリーとしては、あまりにトリックが滅茶苦茶すぎます。 辻褄が、まったくあってません。 これは、いっそミステリにしなくて、人間ドラマにしたほうが良かったのでは。 余計なお世話か。 | ||||
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| いつもの荻原流のパンチに欠けるきがする。 お得意のユーモアーは全く今回はなしで、ひたすらミステリータッチなんだな。 相変わらず文章のセンスは抜群にうまいのだけど、いままでの荻原作品と比べるとつまらなかったかな。 いつもは一揆に読み進めてしまう荻原作品ですが、今回は随分と時間が掛かってしまいました。 彼女の自殺の動機が今ひとつ甘い気がする。何も死ななくても?と思うのですが。。 | ||||
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| 「神様からひとこと」「メリーゴーランド」 「明日の記憶」に続いて読みました。 前の3作に比べると、読み応えは劣りますが 作品としてはまずまずだと思います。 確かに、「ミステリー」「ラブストーリー」としては 中途半端かもしれないけれど、 ボノボと主人公の間に交わされる会話のユーモアや ラストの簡単な言葉のやりとりで、ぐっと心をつかむところは さすがだなあと思いました。 | ||||
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| ミステリー? ラブストーリー? なんか中途半端な気がしました。 でも、切ないエンディングはGOOD! 昔(17年ぐらいかな)に読んだマイクル・クライトンの「失われた黄金都市」を思い出してしまった。エミリー(だったと思う)という手話が出来るゴリラが出てきたなぁ。面白くなかったが映画化もされた。確か題名は「コンゴ」。 | ||||
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| 着眼点がすごいと思いました。この設定は、中々考えられないと思います。文章も非常に読みやすく、感動できると思います。少し不満だったのは、恋人と教授の死の理由がちょっとあっさりしていた事でしょうか。主人公がようやく辿り着いた恋人の死の真相に、読者が納得するだろうか?と思いました。たぶんミステリーとして読んでいると、「果たして真相は?犯人は?」とドキドキワクワクすると思うのですが、読み終えると「へー、そうだったの。」みたいにちょっと残念な感じになると思います。これはミステリーじゃなくて、ボノボと人間の交流の話として読んでください | ||||
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| 「類人猿に言語をしゃべらせる」というプロジェクトに関わる研究者が、このプロジェクトに関連して恩師と恋人を失う。事件の解決の鍵を握るのは目撃者の猿(ボノバ) とあらすじを書いてしまうとこれだけなのでが、正直なところ、これ以上でもこれ以下でもない作品だ。「明日の記憶」の次の作品と言うことで期待して読んだのだが、かなりの期待はずれに終わった。この程度の作品であれば、巷にあふれているし、あえてこの本を読む理由は見あたらない。 | ||||
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| ミステリの技巧を小説的な効果、カタルシスにまで高めた例としては、近年では乾くるみ『イニシエーション・ラブ』が挙げられるだろう。この作品は、大胆な叙述的操作を以てまさに「最後の一撃」的なサプライズを読者に与え、昨年(2004年)の話題作となったが、その結末の衝撃は同時に恋愛小説におけるある種の残酷さを絶妙に切り取って余りあるものだった。 現代における物語作家として、重松清と並ぶほどの手腕を発揮していると思われる本書の作者は、またミステリに近接する作品もいくつも物しており、ミステリファンとしては気になる存在である。本作はそういう読者には特に魅力的に映るのではないか。――類人猿における言語的コミュニケーションの発達の研究に携わる若き研究者が巻き込まれたふたつの自殺事件。この背後関係は物語後半で明らかにされるが、本作の主眼はそこにはない。本作のメインテーマはコミュニケーションという現象に関するある種の神秘性なのだ。こういってよいのならば、コミュニカティヴであるという事の奇跡。――このテーマを演出するため、作者はミステリ定番の技法であるミスディレクションを実に効果的に、劇的なかたちで導入した。果たして、本作はヒューマニスティックな現代小説か、それとも寓話的な恋愛小説か。だけれども、読了したあとで読者が感じるのは、コミュニカティヴであることとディスコミュニカティヴであることの間にある深淵なのではないか。「誤導」することされること自体が、それを体現している。 「さよなら、バースディ」という台詞にこめられた、苦さと哀しみが胸を打つ。 | ||||
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| 泣けるとか泣けないの前に、人間のキャラクターに感情移入しがたい のがこの作品の一番の問題ではないだろうか? 主人公の目を通した自殺した恋人の描写は、いつまでたっても内面深く まで入っていかず、高校生男子の異性観のレベルを超えない。これも書き ようによってはいくらでも説得力をもたせられたはず。とにかく、自殺 する女性の人物像が具体性をもってこないのだ。 しかし、何と言っても哀れなのは人間に振り回されるボノボのバースディ だろう。この作品の中で唯一、涙をさそわれるのは頭に血が上った身勝手 な主人公に風邪で元気のないバースディが無理やり起こされ、事件の真相 を「語る」ために、奮闘させられる場面ではないだろうか。 このお猿さんはなんの必然性もないのに、周りの人間達に延々と 「巻き込まれて」いくのである。 筆者がその必然性をきちんと書き込めていればせめて浮かぶ瀬もあった だろうに。 設定の目のつけどころだけは評価できるので☆2つ。 | ||||
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| 自殺した恋人・・・。死の謎はサルだけが知っている。動物研究をするある施設で、女学生が謎の自殺を遂げた。恋人の自殺の真実を目撃したのは一匹の猿。その猿は言葉を理解する猿として研究され、記憶能力も高い。彼女の恋人である研究員はその猿の記憶を手がかりに、恋人の死の真実に近づいていくというサスペンス。“猿の記憶”から真実を導き出していくという一風変わった作品だけに、評価も分かれると思います。私としてはなじめなかったという印象でした。タイトルからラストの展開がわかってしまうのもちょっとなぁ・・・。真実もラストの展開も悲しい気持ちにしかなれないのが痛かったです。 | ||||
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| 彼女には死ななければならない訳があったのか?彼女の死の真相を知るのは、人と会話の出来るサルのバースディだけ。真はバースディから真実を聞き出そうとするが・・・。 実験用の動物だが、真はバースディをそうは扱わなかった。人とサルとの不思議な交流。その信頼関係はほほえましい。一人の女性の死は、真を初め多くの関係者に衝撃を与えた。真実はバースディだけが知っている。バースディは何を語ってくれるのか?しだいに明らかになる真実。真の知らなかった事実が次々に出てくる。そしてバースディの未来は?読みやすく一気に読んだが、後半の展開がやや不満だった。それが彼女の死の真相だとはちょっと納得できない。ラストも感動的なはずなのだけれど、あまり感動できなかった。ちょっと作りすぎているような感じがした。 | ||||
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| 題名からも推察される悲しい話。笑いは少ないが、話の展開はしっかりしていた。前半はちょっと退屈な部分もあるが、後半から一気に読ませます。同氏の得意なちょっと悲しい話だが、今回も涙腺が緩くなります。 | ||||
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| 主人公はボノボというサルに言葉を教える若い学者です。上にいる教授は俗物ながらも充実した日々をボノボのバースディと学生たちとそして特別な存在になった女子学生と過ごしていました。しかし,そこには死の影が濃く漂っていました。急転直下の奈落の底に突き落とされます。闇は晴らされるのでしょうか?お猿さんだけが真相を知っているのかもしれず必死の調査が始まります。という象牙の塔ミステリ恋愛小説です。荻原浩作品としては笑い少なめ切なさ多めでした。山本周五郎賞受賞後第1作。 | ||||
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| 主人公はボノボというサルに言葉を教える若い学者です。 上にいる教授は俗物ながらも充実した日々を ボノボのバースディと学生たちと そして特別な存在になった女子学生と過ごしていました。 しかし,そこには死の影が濃く漂っていました。 急転直下の奈落の底に突き落とされます。 闇は晴らされるのでしょうか? お猿さんだけが真相を知っているのかもしれず 必死の調査が始まります。 という象牙の塔ミステリ恋愛小説です。 荻原浩作品としては笑い少なめ切なさ多めでした。 山本周五郎賞受賞後第1作。 | ||||
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