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(短編集)
メタモルフォシス
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メタモルフォシスの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.59pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全10件 1~10 1/1ページ
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ずいぶん前の中村文則さんがお勧めされてる記事を見つけて興味を持ち、読みました。 表題作、SM嗜好を極めようとする男の話。 トーキョーの調教、SMに目覚めていく男の話、 の二篇。 どちらも本当に刺激的な小説。 全裸で犬になって這いつくばり、深夜の墓場を女王様に散歩させられたり、女王様の黄金を食べたり…etc すごい(笑) でもいい。 麻薬的な魅力があります。 トーキョーの調教の、調教の場面は読みながら頭が麻痺したような感覚になりました。 アナウンサー志望の女王様と、ベテランアナウンサーの主人公の奴隷との、無言の中にある文脈の読み合いみたいな感じ、たまらなかったです。 SM嗜好って全く理解出来ませんでしたが、この本を読んでなんか解るかもって思ってしまいました。 おすすめです。 ですが、黄金を食べちゃう件とか、読む人を選びますかね。。 | ||||
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しかもどぎつい、SMクラブに通い詰めるM男性の話。 殆ど官能小説に近い私小説とでもいうのか。 面白いが、あまりに言葉の力がありすぎる。 一度目は暗い部屋で独り、一気に読み上げて、 二度目は読みながら電車に乗ったり、霊園を散歩しても、 いいかもしれない。 | ||||
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この本を読んでいるとワクワクしてきます、まるで文学という存在を焼き払うかのような変態的な物語は人生に潤いを与えてくれるようです。通常の文学でありながらその傑作性は抜きん出ており通常感じることのない味となって表層に現れます。 新たな文明を切り開く先住民のような小説に乾杯。 | ||||
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個人的にはこの作品で芥川賞をとってほしかった。 人間の欲深さが密度を持って描写されています。 エロなのに哀しくて切ないです。 | ||||
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経験はありませんが、描写が凄い。 奴隷の極地に到達出来れば、人間は何でもできる!、、、気がする(笑) カレー食べながら読んじゃダメです。 | ||||
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個人的な好みですが、賞をとった作品よりも、心を鷲掴みするような作品だと思います。 | ||||
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ネタバレ注意 私にはマゾっ気もサドっ気もないので、やはりさすがに初めは動揺しました。羽田圭介の作品は3冊目で本作のあらすじも知っていたのですがまさかここまで!と、まぁ、正直引いてしまう描写の連続である序盤。一体何が始まっているんだろうと考えながら読んでいました。 しかし、「黄金」が現れた辺りから俄然表現の切れ味とスピード感が増し、証券マンとしての主人公、変態野郎としての主人公が交錯しはじめ、マゾ仲間の死を通して、彼なりに「マゾ変態にとっての快楽の絶頂は果たして死であるのか?」という命題に向き合って行くのだと気付きます。そうしてマゾ行為を通じた先に彼は本当の「生」への渇望を見いだして行く、感動のフィナーレを迎えるわけです。 私はこの圧倒的なエンディングに溢れる涙を止められませんでした。 羽田圭介はSM行為という非日常を通じてしかし、非常に普遍的な「生死」というものに向き合い、個性的な角度から生きる勢いと素晴らしさを表現しています。 人生の歪みを明確に描写しなければ生死を描けないことは小説の世界では当たり前ですが半端なものが多い中で、これだけのコントラストを完璧に描けるのは凄い。 私が前に読んだ「スクラップ・アンド・ビルド」「黒冷水」も傑作だと思うけど、その両作品がその視点や描写の面白さが結果(エンディング)を凌駕してしまったのに対し本作はそれらと共に、物語の結果(即ち生への渇望)までいや増しに増すスピード感が読む者の心をとらえて離さない。 確かに読み手を選ぶ作品であるが真の傑作たる純文学をご賞味あれ。 | ||||
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文章や言葉の選択は素晴らしいと思いました。 そこが四つ星。 でも、ご飯前に読んじゃダメ。 きっとこういう世界に身を置いている人は、そいう人なりの美学をもっているんだろうな・・・。 でも、わたしは凡人なので、ちょっとこういうテーマはきつかったです・・・。 | ||||
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SMにどっぷり夢中になっている主人公が死に向かって魅せられていく表題作のメタモルフォシスもよかったが、SM初心者が、社会的立場と性的な立場が逆転するへと落ちていく「トーキョーの調教」の方が好み。実際に制作された年は後者の方が先立ったようで、「トーキョーの調教」を読んでから前者を読み直すと、見えてくる世界が違うかもしれません。 痛みに性的興奮を見いだす事は、よくわからなかったけれど、「トーキョーの調教」で全面に押し出されている、「選択肢がない喜び」「従わざるを得ない喜び」「支配しているはずのものに支配される喜び」というのは、普段の生活の中にふと顔を出すほの暗い喜びを凝縮したようで、何となく共感できました。 と、思ったのですが、多くの方はこの性的表現にただどん引きされるみたいですね。引きながらも、美しい文章で綴られるその思考プロセスにゾクゾクしてしまった私は、SMの才能があるかもしれません。(^^;) | ||||
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「黄金は、人間が食べるものではない。しかし、自らを人間以外のものに変えてしまえば、それも可能だ。」(60ページ、「メタモルフォシス」より) 『どんな髭剃りにも哲学がある』とのサマセット・モームの言葉の通り、なにごとも突き詰めてしまえばそれがどれだけ瑣末な日常動作であっても一つの観念に到達してしまう。ここに納められた二本の中短篇も「被虐趣味(マゾヒズム)」を題材に、ちょっとした哲学の域にまで発展している。 「メタモルフォシス」の主人公・サトウは証券会社に勤めている高給取りの身分だが、その一方で既にこの業界を見限り、転職さえ視野に入れている。だがマゾヒズムに身を落している時だけは経済的なこと、具体的な将来の遥か向うにある「その先」が見られるのではないかと信じている。 作中にお散歩シーンがある。更には「犬達」のじゃれあいなんてシーンもある。どれも心は……温まらず、ぶっちゃけ引く描写の連続だ。我々は作中の不幸な目撃者達と同様、彼らの痴態を目撃する。しかし幸運なことだろう、彼らがそれらの行為に意味づけを行う所まで垣間見ることが出来るのだ。 単に「マゾプレイの連続だぜ、うわ~」と引きながら楽しんでもいいし、各々が行為に込めた思いをメタファーのように味わってもいい。前述の「黄金」を食べようとするシーンだが、黄金を食べようとするのはそれこそムシだけ、翻って黄金に価値を見出すのは人間だけだ。つまり……あとは観察者の判断次第だろう。それら変態行為の極北でしか見えてこない視点が、心理が、そっと首をもたげる様を、及び腰で見守ろうじゃないか。 ニッチな題材で出来上がっている本作だが、芥川賞候補になったのも頷ける。だが受賞しない辺り、もっと頷ける所である。スポットライトを浴びるにはいささか刺激が強すぎる題材である。 | ||||
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