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明日の子供たち
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明日の子供たちの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.51pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全79件 61~79 4/4ページ
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児童養護施設が舞台になっていて、そこで働く職員とそこで生活をする子供たち双方の視点で物語が展開されていきます。児童養護施設の物語と言うと暗く、悲惨な物語を想像するかも知れませんが、この本で描かれている物語は、そういったものとは一線を画しています。むしろ希望に溢れ、さわやかな気持ちになれるストーリーだということができるでしょう。もちろん、ここで描かれているのは、楽観的すぎる物語かもしれません。現実は、そんなに簡単なものではないという意見もあることでしょう。しかし、本書はあえて明るく軽快な物語にすることにこそ意味があったのだと思います。 | ||||
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児童養護施設と聞くと、どんなイメージをもたれるのであろう?ごく普通でありたいと願う子どもたちが、施設という子どもにとっては日常でどのように生きているか、ありのままに描いた作品である。虐待を受けた子どもたちが入所しているということで、兎角クローズアップされやすい児童養護施設を別の側面から、受け入れられやすい良い子タイプの入所児の側面から書かれているという点が面白い。色々な子どもがいるのだから、難しい子どもばかりにスポットライトがあたると難しい側面ばかりが明らかになってしまう。そんな中で爽やかな側面から描かれていて新鮮さを感じる。 | ||||
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明日の子供たち 児童養護施設を舞台にしたヒューマンストーリー。イメージされる養護施設の悲惨さやそこに入所してくる子ども達の「可哀想さ」は舞台袖に置いておいて、養護施設から出所いするという現実や職員同士、職員と子ども達、子ども達同士の心の通い合いなど、私んとって「新しい価値観を持ち込んでくれる作品」だと感じました。 「価値観を転倒させ、攻めに転じろ。」という言葉が名台詞として度々登場しますが、その意味をこの本を通じて体験させていただいたなと思っています。私は「気にしてない」と「分かった」の違いをよく教えてもらいました。また、他のレビューの方がリアリティーのある作品と評しているように、本作品を通してある種の理解を深める教育書的な価値も高いと思われます。 『空飛ぶ広報室』などの作品も読ませていただいているのですが、主人公が着飾らないというか、すぐそばにいそうな人であるところが共通点だなと思いました。小説に出てくる他者ではなく、身近にいる(もしかしたら自分かもしれない)他者が主人公ですので、その気持ちのバランスや危うさが共感を呼び込んでいると思います。他の方はどうでしょうか。かなり高い確率でテレビ化されるでしょうが、「主人公にふさわしい俳優はだれだろう」と考えながら読んでみるのもいいかもしれません。 作品の詳細になるのですが、「胆力」という言葉が心に響きました。有川浩さんの作品を読んで、「機微」という言葉に触れられたと友達が語っていましたが、児童養護施設の「どの場面」で胆力が必要とされるのか、これもまた意外な視点で描かれています。 決して、刺激や痛快さは低い作品だと思いますが、現実を踏まえた上で、題名通り明日への希望あふれる作品だと評します。 | ||||
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舞台は児童養護施設。 そこで生活しているからといって、可哀想だと思わないでほしい。 そう胸をはる高校生女子の言葉に、戸惑いながらへこみながら成長していく新人スタッフが主人公。 よく取材してあるのだと思う。 こういうシビアな社会問題を扱うとき、過度に感傷的にならない有川さんの語り口に好感を持つ。 決してお涙頂戴にせず、現実の厳しさを織り交ぜながら、叱咤激励と問題提起を同時に行う。とはいえ、最後には私は泣かずにいられなかったのだけど。 児童臨床や児童福祉に関わる人が読んでも、違和感は少ないと思われる。 可哀想の言葉が、単なる上から目線の同情ではなく、がんばっている子がいるんだなぁという驚きや励ましとして響けばいいのだけど。 悪いことばかりじゃなかった、嫌なことばかりじゃなかった、自分を思ってくれた大人もいたんだという体験が、その子の明日を支える糧になるといいな。 施設=可哀想と決めてかかっている人の目に、手にとまればいいな。 | ||||
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児童養護施設をテーマにした本ということで手に取ったのですが、有川さんらしい軽いタッチではありましたが、メッセージ性が強く、ぶれてないなと思いました。取材も入念にされているようです。少し前に話題になったTVドラマに対する誤解を解消したいという思いも感じました。 私自身も何となく「かわいそうに」という気持ちがあったと思いますし、施設の実態を知らなすぎたかな。そういえば、若いころ、所属していたボランティアグループで、月に一度「子供の家」という施設を訪問していました。もう25年以上前のこと。子供たちと向き合う姿勢がつかめず、2~3回でやめてしまいましたが。ネットで検索したら、今もそのボランティアグループ活動してあるようです。世代交代はしているみたいです。 この本を読んで、すこしだけ、そのボランティアの意義がわかったような気がします。ただあの頃の私自身の意識はお粗末でした。 親子で愛情たっぷりの家庭を築くことができるならそれが一番幸せでしょうが、それが出来ない環境の人がいるのも事実。まわりの大人でゆとりのある人は、子供たちが幸せになるように目を向けることが大事なのかなと思います。 図書館に努めていると、いろんな環境の子供たちがやってきます。時に心にすきま風が吹いている子どもがいたら、少しでも癒されて元気が出るようなそんな雰囲気をつくれたらいいなと思います。 文中に、「虐待の連鎖」(虐待を受けていた子が自分も虐待してしまう)を読書が防ぐことを示唆していたり(あくまで可能性)、読書の力について端々に語られいます。読書を通して想像の世界を楽しんだり、いろんな生き方を知ることで、つらいときの気持ちの切り替えになるのは間違いないと思います。つらいときは読書はお勧めです。 話はそれましたが、選挙権がない層がエアポケット的に予算が組まれていないという現状は打破しなければならない課題でしょう。 政治家の方が読まれて、子供たちが少しでも恩恵が受けれるようになるといいなと思いました。 それと、施設に入ることができた子以上に、家庭で虐待やネグレストに耐えている子を救っていくことも大事なのではないかと思います。 有川さんを頼って、本当に手紙を書いた子がいるのだと思います。頑張れ!!応援してるよ。 | ||||
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以前タイガーマスクと名乗る人が、児童養護施設にランドセルを贈って賞賛されたニュースがありましたが、物の支援ではなく、心とお金の支援を継続的に行なっていかなけれなならないことを、この本はさり気なく警鐘してくれていました。まだまだ児童養護施設のことをわかっていない自分に、ハッとさせられた一冊でした。 | ||||
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記憶に新しい、児童養護施設ドラマの放送中止やスポンサー降板騒動。 話題性や視聴率を錦の御旗にした、N島伸司とN本テレビ。 ただ手法が20年古かった。 風評被害をうけた児童養護施設(関係者)の反撃は、そうだ、売れっ子作家に実態を小説にしてもらおう。 ”男前の小説家” 有川ヒロが出した答えがここにある。 日本テレビは、この小説をドラマ化し明日ママ騒動の落としまえをつければいい。 だろ? | ||||
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基本的にファンですし、とても楽しんで読みました。 ただ、「なんでかわいそうなんて哀れまれなきゃいけないの」に、手放しで賛同するコメントが多いみたいなんでひとつ…。 この本の中では「施設の方がずっと良い」という環境でかつて生活し、「かわいそうと言われる、思われる事に傷つけられる」キャラクターです。 けれど、憐れみではなく、いたわりの「かわいそうに…」という言葉で救われる人も、状況もあります。いわゆる「上から目線の哀れみのかわいそう」といたわり寄り添う「かわいそう」はまた別で。 「かわいそうに」は相手を傷つける事もある。でも、それはそういう状況に置かれた皆に当てはまる事ではない。という事は忘れないで欲しいと思います。 勿論、この描写を否定している訳ではないです。奏子の場合はその言葉に傷つけられていて、それに対して憤慨するのは自然な流れです。 有川氏の物語は余りにも巧みで、理解も感情移入もしやすく、それ故に「こういう場合は、万人がこう思っているんだ」と、それこそ読んだ人全員がそう思い込みそうで少し怖い(「レインツリー〜」の時も同じ様な感想を頂きました)。…ので、あえて言わせて頂きました。 ついでに…「連続カレー」のやり取りは目からウロコw「感覚や体験の相違」が浮き出てくる感じでした。 | ||||
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有川さんにしては、恋愛要素は少なめの作品。 ただ、有川さんの持ち味であるキャラクターはやはり魅力に溢れていて、この本を通じて訴えたかった 「児童養護施設の子供たちは可哀相なんかじゃない」というのが しっかりと伝わるお話でした。 児童養護施設にいる子たち、職員たち、そしてセーフティネットとして存在する施設外の大人。 彼らはそこで生活している普通の人なんだな、と認識を改めました。 少し残念だったのが、ちょっと皆さん無難にまとまり過ぎたり、少しご都合主義かなぁと思うところが目についてしまったところです。 最後の逆転劇あたりはあっさりとし過ぎていてどうなんだろうとも思ってしまいます。 ただ、それを含めても、やっぱり有川さんの作品の読後感は素晴らしくて、 自分が経験していない新たな視線・考え方をくれるとても大切な本です。 | ||||
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恋愛あり涙あり、熱血主人公がいてクールだけど実は熱いサブキャラがいて、と有川浩らしい作品なんだけどなんだか物足りない。 児童養護施設という舞台で有川浩がどんなエンターテイメントを展開してくれるかと期待したんだけどちょっと拍子抜けした。プロジェクトXを期待したらNHKスペシャルとかクローズアップ現代だった、みたいな? エンタメ色を抑えたら普通のドキュメンタリーになってしまった、という感じ。 それでもドラマ「明日ママ」なんかよりはよっぽどまともで、エンタメとしてはともかく内容としては考えさせられることが多い。 施設出身者の就職支援をしているNPO法人もあるが、退所後の生活の大変さはおそらくほとんど知られていない。 有川浩という作家が書いたことで児童福祉に対する関心が高まることも間違いない。この作品をきっかけにもっと多くの人が現状を知るということだけでも大きな意味があると思う。 #全然関係ないけどタイトルが「子ども」じゃなくて「子供」なのも言葉狩りに対する有川浩らしいスタンスだと思う。 | ||||
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「阪急電車」で有川作品に魅了されて以来、ほぼ全ての著書を読んでいます。耳の不自由な女の子を恋愛の主人公にしたり、いわゆる言葉狩りを取り上げるなど、これまで幾度となく扱いにくいテーマに挑んでこられた有川さん。だからこそ、新聞広告で今回は児童養護施設が舞台だと知った時も、きっと裏切られはしないだろうという気持ちで手に取りました。「植物図鑑」のような甘い恋愛シーンはありませんが、施設やそこに住む子供たちに対して我々が持ちがちな無垢な誤解を、ズバッときれいにひっくり返してくれます。また、巻末の参考文献を見て、今回もリサーチを入念にされたのだろうと推察しました。 | ||||
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児童養護施設が問い掛けるもの、育児放棄や家庭崩壊などが原因で、施設に入所している子供たちへの「かわいそう」との一般的な思いについて、「私たちは、ここにきて、ホッとしているのです」の言葉は衝撃的でした。 「家族って何だろう?」「子供から大人になる成長過程の環境について」「児童養護施設の現状と課題」など、取材と参考文献によって、現実味のある内容になっています。 登場人物たちの会話には、臨場感があります。 17歳の心の葛藤が痛いほど伝わってきます。 そして、心の機微、思考力が深まるように思います。 この本を読むことで、大きな社会の中で生きていく、それぞれの置かれた環境を考えるキッカケにもなります。 当事者間の会話の積み重ねに、緊張したのは、僕だけでしょうか。 有川浩さんの作品に、心より感謝いたします。 「ありがとうございました」 | ||||
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やっぱり本は良いです。 自分の涙腺はこんなにゆるゆるだっのかと気づかされました。 施設入れて幸せということを始めて知りました。 自分は、施設の子に比べたら比較にならないほど幸せな環境にいます。 でも、この子たちよりも、今を幸せと感じる力は持っていません。 ぜひ多くの人に読んでほしい一冊です。 | ||||
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さすが有川浩!! 気持ちの胸ぐらを掴み上げられて最後まで一気に読み干してしまう面白さでした。 有川浩に執筆依頼を思いついた当事者の子の賢さと勇気に脱帽です。 ぜひぜひ読んでほしいオススメの一冊です! | ||||
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児童養護施設について全く予備知識がないままに読みましたが、施設を出た後のことに焦点を当てていたのが新鮮というか、そこにも課題があるんだと納得しました。かつて施設に在籍した女の子のくだりは泣けましたが、そこが見事に退所(高校卒業?)後の課題を浮き彫りにし、そのあとの話につながっていく展開は見事でした。 私は子供、特に思春期の子供が成長していく姿を描いた物語にめっぽう弱いのですが、それを差し引いても、この物語に登場する子供たちは格好良かったし、それを支える大人たちも素敵でした。 有川浩さんらしい、一気に読める素敵な本です。 | ||||
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ストンと心に落ちる一冊。 児童養護なんて、あのドラマでしか最近聞いたことがない、そんな人に読んでほしい一冊。 小さな子を持つ身で、「あのこ施設の子だから遊んじゃダメ」といわれるという一節に、 ああ・・・と心を痛めてしまいました。 私はちゃんと母親やれてるのかしら、と自問自答もしてしまう一冊。軽いです。軽いですが、重いです。 好き嫌いは分かれると思いますが、特に今子供を持たない人が多いのでほんとに目につかないと思いますが 有川さんがこのテーマで描く、というのが誰もに「知って」もらうためにとても有効で、秀逸だと感じた一冊です。 たくさんの人に読んでほしいです。そして考えてほしいです。 どんな子でも、子供は未来への投資です。 票田じゃないですが、未来の票田です。 そこにコストを掛けないで、消えていく票を追いかけることに未来はあるのか?過去へ投資することに意味があるのか?とも読めました。 どう感じるかはわかりません。どう感じるか、読んでほしい一冊です。 | ||||
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児童養護施設というのは、フツーに暮らしている者には縁のない世界であるが、不思議とイメージはある。これは、ドラマとかマンガとかで昔から舞台になってきたからだろうし、貧乏・不幸でも純粋とかその描き方が一貫してステロだからだろう。 そして、本書は、そうした焼き直しを踏襲しているので、違和感とかなく、暑い夏にスラスラと読めて、適度な喜怒哀楽を持てて、そして、読んだ後には後味の悪さもない(というか、たいした読後感がないというのが本音)。実にお手頃な本だ。中高生の読書感想文にもうってつけだろう。 ふと思うと、自衛隊とか特殊世界での分かりやすい人間ドラマは著者の十八番であるから、児童養護施設というのは変化球ではなくて、ストライクど真ん中なのだろうね、著者にとっては。 それにしても、児童養護施設といえば、批判を受けたドラマでも悪いのは職員の方だったけど、現実には児童の側にもいっぱい悪いヤツがいる。そこを描く人がずっといないのも不思議といえば不思議(著者にそういう役割は期待していないが)。おそらく、一種のファンタジーを望んでいるんだろうね。だから、有川本を読む自衛官は結構いそうだけど、本書を読んで一般読者のような気持ちには養護施設の児童はならないだろうなぁ。 | ||||
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スラスラ読めるのに、すごく考えさせられました。 児童養護施設の子が自動的に貼られてしまう「かわいそう」というレッテル。 自分も今まで何も考えずに「かわいそう」と思っていました。 笑いあり、涙ありで圧倒的に面白い、だけどテーマは深い。 さすが、有川さん!と思うような小説。 | ||||
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児童養護施設で働いた経験があるので、細かいところもリアリティがあると思いました。 この本で社会の偏見は無くならないし、劇的に状況が変わることも難しいと思いますが、いろんな人がいて社会が成り立っていることを改めて認識できる人が増えるといいなと思いました。 | ||||
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