木曜の男
評判
木曜の男の評価:
3.95/5点 レビュー 38件。 B ランク
Amazonレビュー一覧
Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全9件 1〜9 1/1ページ
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木曜の男の評価:
3.95/5点 レビュー 38件。 B ランク
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創元「推理」文庫の一冊ではあるが,推理小説というよりサスペンス小説.
逆説が物語の基盤となっているという点では,『新ナポレオン奇譚』の系譜に連なるといえるかも.
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以下,特に興味深かった箇所;
・「われわれは教育がないものが一番危険な犯罪者だという,上品ぶった英国人の考え方を否定します.
我々はローマの皇帝たちや,人を毒殺するのが得意だったルネッサンス時代の偉大な君主たちのことを忘れていなくて,最も危険な犯罪者は教育がある人間であることを主張します.
そして今日最も危険な犯罪者は,法というものをいっさい無視する現代の哲学者だと言います.
それに比べれば,強盗や重婚者は本質的には極めて道徳的な人たちなので,私はそういう人たちがかわいそうでたまらないんです.
そういう人たちは,人間というものの根本的な概念は認めているんで,ただその求め方が間違っているに過ぎません.
泥棒は財産というものを尊重していて,ただそれを完全に尊重するために,自分のものにしたいだけなんです.
しかし哲学者は財産の観念そのものを嫌って,私有財産などというものをいっさい無くしたがっているんです.
重婚者は結婚というものを尊重しています.
でなければ,重婚するためのきわめて儀礼的で,そして宗教的でさえある手続きをとるはずがありません.
しかし哲学者は,結婚を結婚というものとして軽蔑しています.
人殺しは,人間の命を尊重しています.
ただ,自分自身の命をもっと充実させたくて,人殺しには自分ほどの価値がないと思える他人の命を犠牲にするだけなんです.
ところが,哲学者は他人のだけでなくて,自分の命まで軽蔑します」(p.56-57)
・「貧乏な人間は反抗はしたことはあるが,無政府主義者だったことは一度もないんだ.
誰よりも貧乏な人間は,秩序というものに関心を持っている.
貧乏な人間は本当に国のことを思わずにはいられないので,金持ちはそんなことはない.
いつだってヨットでニューギニアまで逃げていける.
貧乏なものは時には悪政に反対したことがあるが,金持ちは政治そのものに反対なんだ.
貴族がやったいくつもの戦争でも分かる通り,貴族は昔から無政府主義者だったんだ」(p.162)
本書に登場するロジックは,多かれ少なかれだいたいこんな感じ.
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ありきたりの小説に満足できなくなった人向け.