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縮みゆく男
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縮みゆく男の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.57pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全13件 1~13 1/1ページ
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中途障害や病者が抱えがちな怨嗟に由来する激高体質と性的劣等感の裏返しは読者サービスじゃない。 | ||||
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様々な化学物質やら何やらが日常的にいろんなところに紛れ込んでる現代で、「なんかわけのわからない病気に知らない間に侵されちゃってるんじゃないかな、、」みたいな不安に陥ることのある人は少なからずいると思います。そんな不安を如実に反映した名作です。何よりすごいのが、レイチェル・カーソンとかが有名になって環境問題が叫ばれる前の1950年代に、そんな不安の中で生きることを書いてること。 そして、そんな奇病に侵される人間の孤独を描きつつ、それでも生き続けて文字通り等身大の幸せと出会うという瞬間などはほんとうに美しいです。そんな強かな姿を読者に見せてくれる主人公は、紛れもない現代のヒーロー。 「アイ・アム・レジェンド」も新訳復刊してほしいなあ。。。 追記 現代読者向けの作品じゃないとかいうレビューがあるけど、そんなこといったらすべての古典とされてる名作だってもちろん現代向けじゃないし、そんなことわかって読むのが普通の読書じゃん。古典には古典の読み方があるし、古典的価値ってのはそういうものとは超越して存在するもの。 | ||||
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此処まで心を大きく揺さぶられた小説は初めてで、かつ学生である時に読むことができた事は自分にとって何処までも幸せな出会いであったと感じています。 『人が少しづつ縮んでゆく』 このワードに人が(自分が)生きていく事の全てを詰め込み、物語として渡された、そんな経験でした。きっとこれから先も自分のバイブルである一冊であり、末永く愛され、読まれ続けて欲しいと心から思う一冊です。 此れから読む誰かの大切な一冊になって欲しい、そんな願いもあります。 何度も開かずとも、心に残り続ける物語です。 | ||||
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今更この作品をただの娯楽SFと思って 手に取る人は少ないと思いますが、改めて読み返しても 主人公を通して人間存在の考察をたどる深い作品であることを再認識させられます。 町山氏による作品解説が素晴らしかったので、 既に過去に出版された物をお持ちの方もこの解説を読むために購入されても決して損はしないはずです。 | ||||
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毎日3.6mm縮みづづける男が、身長 2.5cmになってからの7日間の物語 7日✕3.6mm=2.5cm 7日目にはゼロになるはず。 身長がゼロになる日に、男はどうなってしまうのか・・・、そこに興味が集中しました。 体が小さくなるにつれ、無力になり、家族や社会への影響力も小さくなって消えていくことに、 苛立ち、抗い、葛藤する様子も、共感を呼ぶ部分が多く、読み応えがあります。 この、苛立ち、葛藤は、 会社の小さな歯車となり、埋もれて消えていくサラリーマン、 年をとり体力や気力が失われ、近づく死を感じる老年、 そういった境遇での苛立ち、葛藤と通じるものがあるように思います。 1,2cmになった人間の視点での日常生活も、この本の白眉です。 冷蔵庫の上までどうやって登るか、猫や蜘蛛の脅威とどう戦うか、 などが丹念に描写されています。 映画のバーティカル・リミットやジュラシック・パークのようでもあり楽します。 ただ、描写が、やや丁寧すぎてテンポが遅い気もしました。 主人公の回想として、7日間以前も書き込まれているので、 身長が縮み始める全過程も描かれています。 そこには、身長により人間としての価値が変質してしまう冷徹な現実も描かれています。 なお、SF的な部分は特殊な状況を作りだすための道具程度の扱いです。 いくつか、無理やりというか非科学的設定もあるので、ハードSFではありません。 | ||||
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「ざまみろ」 男ならこの言葉をいつ吐くべきなのか。何に向かって吐くべきなのか。この小説が教えてくれた。 なんていうことを書いてみたくなる。そんな読後感があります。 米米クラブの「浪漫飛行」を聴きたくなる。そんな読後感があります。 | ||||
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現代の日本に生きている人の縮図である。 極一部かもしれないが・・ なんだか息苦しい人におすすめ! | ||||
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絶版中のハヤカワ版、縮みゆく人間 (1968年) (ハヤカワ・SF・シリーズ)でレビューを書いた者です。 扶桑社から復刊されたことをとても喜んでいます。 ハヤカワ版を亡失していましたのでこちらを購入しました。 年齢のせいか細部を忘れていたりして、新鮮な気持ちで再読することができ、さらにこの小説のおもしろさ、マシスンのすごさを改めて感じることができました。 この物語の評価は他のレビュアーや町山氏による的確な解説で充分ですね。 個人的には、マシスンによる素晴らしいエンターテイメント作品に対して、人生に対する暗喩であるとかの深読みはどうなのかと思います。 もちろん感じ方、解釈は自由ですし、後述しますが私自身もこの作品を「自己啓発本」として捉えて勇気づけられています。 人間が縮んでいったらどうなるのだろう?そしてその人間を待ち受ける試練は? こういった突拍子もない設定の中で、マシスンは、一級のテクニックにより読者を楽しませてくれます。 それを純粋に味わえばいいのだと思っています。 もちろんこの作品を読み、暗喩を感じたり、文明批判的なことを感じることは自由ですが、まずは、予備知識なしにこの素晴らしいストーリーの中に無心で入っていただきたいと思います。 ※ 以下ネタバレ気味ですので未読の方は読まないでください! 私個人にとってこの物語は、読後ある種の勇気や希望を抱かせてくれるものでした。 上記レビュー内容と矛盾してしまいますが、巷にある「自己啓発本」などよりも、よっぽど説得力がありました。 それはこの物語のラストで強く感じます。 詳しくは書けませんが、体が縮んでミクロサイズとなってしまった主人公であっても、希望があり新たなる出発を思わせるラストシーンがとても印象的かつ感動的でした。 どのような困難があっても、体が縮んでミクロになってしまっても希望やチャレンジを捨てないといったことを感じました。 ちろん現実世界では体がミクロサイズまで縮むなんてことはあり得ませんが、それを人生における様々な苦難など他のことにも置き換えて考えることができます。 マシスンは短編、長編に限らずラストシーンが素晴らしいです。 どんでん返しといったものではありませんが、ラストをうやむやにせずに読者に一定かつ印象的な解答を示してくれます。 話を戻しますが、やはりこの物語を読んでいる最中はマシスンの世界にずっぽりと入って余計なことを考えないほうがいいです。 読後、人生に対する暗喩あるいは私のように「自己啓発」のようなことを感じるかもしれません。 そういった印象を、人間が縮んでいくといった際物的な設定にもかかわらず、エンターテイメント作品の中で読者に感じさせてしまうマシスンの実力は本当に素晴らしいと思います。 | ||||
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本書では,主人公スコット・ケアリーが縮んでいく課程を時系列に描くのではなく,すでに身長が1~2センチのサイズにまで縮んでしまった状態で,計算上あと6日で身体が消えてしまうという状況から物語はスタートします。 そして地下室に閉じこめられた状態でサバイバルしつつ,フラッシュバック的にこれまでの縮みゆく課程も描かれるという構成をとっています。 従って主となるのは女郎蜘蛛に命を狙われながらも,まるで登山をするように家具によじ登って食料を探しサバイバルする1週間を過ごす間,おれはいったいなぜここまでして生きようとしているのかと自問自答を繰り返すことになります。 「おれは確かにまだ生きているが,自覚を持って生きているのだろうか,単なる生存本能がなせるわざなのではないか」と。 「なぜあきらめないのだろう。どうしてこんなにねばるんだ」 その一方で,徐々に身体が縮んでいく課程で,人間としての尊厳や希望を奪われ,絶望感から自暴自棄になっていく課程も描かれます。 夫として,男としてのプライドが損なわれ,妻に冷たく当たり散らさずにはおれないスコット。 これは病人が自分のふがいなさに怒りっぽくなる状況に似ている。 しかし,ある日,ある女性と出会ったことから事実を受け入れる気持ちを持つようになる。 「事実を受け入れて乗り越えてやる。もう恐れたりしない」 限りなく小さくなっていくスコットの,終盤における生きるための戦いが涙ぐましい。 人間の尊厳と生存の意味を問う,単なるエンターテイメントを超えたものを感じさせる作品です。 | ||||
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すごい小説ですね。エンターテイメントであり、思惟的であり、実験的であり。 「我思う故に我在り」については解説でも触れられているが、私も読みながらずっと感じていた。そして、思うだけでなく、思い悩みながらも行動する主人公に「がんばれ!」と言っている自分に気付いた。 自分が徐々に縮んでいるのを知った主人公は、このペースで進むといずれ自分がこの世から消えてしまうXデーに怯える。一瞬にして無になるのであればいざ知らず、周りは何も変わっていないのに彼がシュリンクすることで相対的に環境が激変してしまう、この怖さ、絶望感。いや、本人からすれば、自分は自分のままなのに世界から置き去りにされてしまった孤独感、崩壊寸前の自我。 このあたりを、いつのこと書いてるんだよと思うくらいのフラッシュバック技法で、しかも映像を観ているようなテンポで描いていく。 センチ単位、ミリ単位に縮んで、何かに物理的に潰される恐怖もあるが、精神的に潰れてしまう不安がまさる。不安から逃れるためか生存本能からか、主人公は自ら命を絶つことはせず、結果的にの部分もあるが必死で生きようとする。そこまで頑張れるんだ、人間は。 ハラハラして読みながらその一方で、「“縮む”のと“消える”のとは違うよな」と(私にしては)冷静に考えていて、ラストはどうするのだろうと思っていたが、こんなに希望に満ちたものになるとは思わなかった。悟りではなく、生きるために生きる、という人間の力強さ。 名作SFでも読んでみるか、なんて気持ちで手に取るとビックリしますよ。 | ||||
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以前から読みたいと思っていたので復刊には感謝しきりです。 ある事が原因で身長188cmの男が一日3ミリづつ縮小していく。それを阻止する方法も元に戻る方法もなく、約626日後には消えてしまう!という恐怖(実際にはかなりヤバイ状態で話は始まる)を描く一方で、主人公は縮小するなかでも懸命に生き抜こうとし精神は哲学的にもなっていきます。 そしてネタばらしになりますが、0というのは無になるではなく存在するのです。たとえ0でも存在する事には意味があるのです。主人公にとって、それが(唯一の)救いでもあったと思います。 | ||||
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この本は人生の困難にもめげずに立ち向かっていく大切さを教えてくれる。 この本は絶対に読むべきだ。この一言に尽きる。 | ||||
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原題 The Incredible Shrinking Man 1956年発表 余りに有名な作品である故に今まで未読だった迂闊さを恥じるばかり。 解説で町山智浩氏が述べられているように若い頃に漫然と読んだなら、ただ作者の奇想に驚き、縮小した主人公が蜘蛛と闘うシーンなど様々な恐怖や困難の連続に手に汗握るファンタジーの傑作という感想しか抱かなかっただろう。 ここでは身体の縮小現象は老いや衰えの暗喩であり、繰り返される日常への不安感を具現している。 社会や家庭から徐々に疎外され行き場を失う主人公の姿に、これほど身につまされ心揺さぶられることになるとは全く考えもしなかった。 そして結末における主人公の決意には大袈裟でなく奮えるような感動を覚える…。 ただし、こんな中年男の感慨とは無縁にキングや藤子不二雄にも多大な影響を与えたアイデアの帝王リチャード・マシスンらしいセンス・オブ・ワンダーに満ちたSF/ホラーの傑作として単純に楽しめる事は保証出来る。 昆虫のようなサイズになった主人公の視点から見たディテイルの筆力、沸き出るような想像力がひたすら圧倒的。 | ||||
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