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県庁おもてなし課
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県庁おもてなし課の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.74pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全91件 81~91 5/5ページ
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有川さん、あなたは吉門さんですかっ! 高知県の観光振興を目的に作られた「おもてなし課」。 柔軟で斬新なアイデアをと期待されて、最初に思いついたのは観光特使に高知県の施設割引の入った名刺を配布してもらうことだった。 ところが、観光特使を依頼した一人の作家から微妙な返信が入る。 「企画の趣旨が今ひとつ理解しづらいので電話でご説明を伺えますか?」 高知県を舞台にしつつ、実は地方行政、観光行政のポテンシャルとそれを巧く使えていない現状を、行政が作るパンフレットのようにつまらない形ではなく有川浩さんらしい形で表現した小説。 有川浩さんの背中がむずがゆくなるほどのラブコメテイストは抑えめで、帯にかかれた「ふるさとに恋する観光小説!」というのが正にぴったりという感じ。 「何もない」地方都市への応援であり、仕事が巧くいっていない人への応援であり、この小説を読む人への応援である本当に素敵な小説だと思います。 私自身が某地方自治体の行政職員なもので(観光行政には携わっていませんが……)、ちょっと偏った感想も書いてみます。 高知県庁の「おもてなし課」という行政組織のグダグダ感や、なぜ行政職員がそうなっちゃうのかということも、単に批判したり道化として使うのではなく、事情を分かった上で表現してあって、(一行政職員の私としては)本当に楽しく読み終えることができました。 小説内でクーポン券に有効期限を設けることになってしまう過程だとか、「高知県公式ガイドブック」がおもてなし課の思いとは違ったものになってしまう過程だとかには実際の仕事上で思い当たることがありまくりで、読みながら正直苦笑いしてしまいました。 しかしまぁ、「図書館戦争」「シアター!」でも分かるのですが、有川さんは小説の題材を本当に良く取材されているなぁというのを改めて感じました。 私自身は、これは有川さんからそれぞれの地方でグダグダな状態をなんとかしようとして奮闘している行政職員への応援歌やと勝手に理解しましたよ。 頑張って、掛水のように「格好良くなって」しまいたいと思います。 | ||||
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わたしもイチ地方公務員ですが、有川さんが描く「県庁スタイル」にだいぶ耳が痛かったです。 そうか、民間感覚ってこういうことか…。 行政の中の若い世代って、入った当初は「これ、おかしくない?」って確かに思ってたはずだけど、 数年が過ぎると、その感覚がすっかり失われている気がします。 新しいことを始めることに極端に敏感な公務員社会。 企画が動き出しても、縦割りを攻略して本当に始まるのはかなーーり先。 でも、中で動いている人は気にしてないんですよね。 それが当たり前だから。 ということに、気づかされる作品です。 もちろん、小説としてのクオリティが高く、有川作品として十分楽しめます。 ぜひ、高知に行きたくなってしまう。大成功でしょ、これ!! 有川さんが好きな人、そうじゃなくても公務員の人、必読です。 | ||||
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私自身、地域の活性化の一環としての「まちづくり」の活動に参画しているので、大変興味深く読みました。 行政サイドの問題点はここに書かれている通りで、民間からすると考えられない様な「壁」があちらこちらに存在します。 最近になってようやく行政サイドもいろいろな取り組みをするようになってきました。 しかし、それもまだ試行錯誤の段階と言ったところで、民間の目からすると今頃感は否めません。 それでも、一歩づつ前進していることだけは、認めるべきでしょう。 この物語は、こうした牛歩の如き「官」の生ぬるさを、「民」の側から痛烈に批判する形になっているのですが、そうした「民と官」の感覚の違いに、二つの恋物語を巧みに組み合わせ、登場人物たちの成長物語としても読める、面白い作品になっています。 ただ、そうした物語の「読ませる」巧みさもありますが、それ以上に、「まちづくり」(=地域の活性化)は、如何に持っている素材(自然や伝統)を生かすことであり、そうした活動が住民全員に支えられなければならないというメッセージ性に強く打たれました。 この当然のことでありながら、忘れてしまいがちな視点を改めて認識しただけでも、この本を読んだ意味があったと思います。 | ||||
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地方には、光がある。――物語が元気にする、町、人、恋。ふるさとに恋する観光小説! というわけで、高知県に実在する「おもてなし課」を舞台にした小説です。いつも通りの、有川さんの心地よい物語でした。 「地方にないものはたくさんあるけれども、光はある」というキャッチコピーは作中にも出てきますが、その「光」を作り出せるのは人間なんだ、という気持ちになりました。 大自然を売りにする高知を描写するのだから、もっと読んでうっとりするような描写をしてもいいと思うんです。それこそ、写真のフィルターを通したような。けれども、それをしない。清遠が案内してくれた高知の自然を、読者である私たちは掛水や明神の眼を通して見るんです。それによって、見てみたくなるというよりは、体感してみたくなります。そういった見せ方はうまいなぁ、と思います。 そして同時に、やっぱり人間が主役だなぁ、と。体感って、そこにいる人間が主役だと思うんです。町も、人も、恋も、その主役はやっぱり人間ですよね。自然を生かすのも人間だし、おもてなしするのも人間。 清遠の提案も、「パンダ誘致」っていうこの街をどうするか、という提案だったじゃないですか。そして、おもてなし課が最初に考えていたのも、この街をどうするかっていうことだったんですよね。それでも、様々なことを体験していって、私たちがなにをするかっていうところにいきついたんです。パンダでも大自然でもなくて、おもてなししてくれるのはやっぱり人間なんだなぁと思いました。きれいな終わり方でとてもよかったです。 そしてまぁ、物語としてはきれいに終わらせるけど、登場人物個人としてはいろいろと伸びしろを残したり、高知の魅力だけでなくそれとなくダメなところについても触れていたりと、バランス感覚に優れたいつもの、有川さんの作品でした。 そうそう、作中の吉門は、作家という職業も含めて、まんま有川さんだったわけですが、ああいうおせっかいな有川さんが好きです。そして、そんな出来事をまるまる小説の題材にしてしまう、めんどくさが(ry、じゃなくてダイナミックな有川さんも好きですね。 基本的に、日常にあった出来事をフィクションにするのがすごくうまい人なので、これからもどんどん、有川さんの日常におもしろいこと有川さんがおもしろいと思えるようなことがおきますように願っています。そうすればきっと、自然とおもしろい作品が世に出されることでしょう。 | ||||
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ぐわ〜って、きた!さすが「有川浩」さんだ。 お役所仕事に限らず、企業の中でも下っ端から見ればこうした方がいいのにとか「お客様目線はこうなのに」って、思うところが多々ある。 「売りつける」んじゃなく「買いたいもの」を作れよ〜! でも、下っ端の意見はなかなか上には吸い上げられない。 「お役所体質」とぶつかる主人公・掛水や『パンダ誘致論』の清遠を身近に感じた。 この作品ってある種の《ガイドブック》だと思う。 お役所関係・観光関係はもとより、各企業の改革バイブルとしてもアドバイザー的な存在として十分役に立つ!!(はずだ〜!) ただの楽しい小説。ではなく、いろんな企業のトップの人、もしくは企画部長などにぜひ読んでもらいたい。きっと目からウロコの部分はあるはす。 | ||||
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単なるご報告です。 2011年4月8日付けで高知県庁おもてなし課(←本物)のホームページにこの小説の紹介が掲載されています。↓ >高知県出身の有川浩さんが贈る“恋する観光本”。ご自身の高知県観光特使就任のご経験や実在する高知県庁おもてなし課とのやりとりが小説のモデルになっているとかいないとか。(物語はフィクションです) 微妙に「もごもご」口ごもっているところが、リアルです! 本自体は、とても楽しい本です。高知県が「観光立国」に成功しますように! | ||||
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表紙の海と青空と同じくらい、爽やかな読後感です。 「阪急電車」を「もしかして舞台は地元」と手にして(残念ながら違いました)、「図書館戦争」をこの前読み終わらせたばかりの俄かファンですが、今回も大当りでした。 「阪急電車」でも、有川さんの小説の舞台に選ばれた町を羨ましく思いましたが、今回の高知はもっと羨ましい!まんまと旅に誘われてしまいそうです(笑) | ||||
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高知県の県庁にあるおもてなし課。 この物語はフィクションであるが、おもてなし課は実在する。 リアルとファンタジーの合間の絶妙のアクチュアリティ。 私は地方在住者であると同時に、旅行好きだ。だからこそ、こんな風に観光化されてほしいと頷きながら読んだ。 地方をどのように元気にするか、それだけの物語だったら、つまんなくなっちゃうかもしれない。 そこはそこ、しっかり、ラブ要素も入っている。そして、女の人たちも可愛いが、男の人たちがたまらなく可愛い。 一生懸命な人は愛しくなる。もっともっと応援したくなる。本を閉じるのが残念に思ったぐらい。 きっと、地方が元気になる方法はある。 もっともっと、元気になる余地がある。 だから、誰もが光を見失わないように祈りたい。心から。 | ||||
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まさに待望の1冊でした。 新聞連載!?しかも地方紙だけ!?なんで!? 全国発信ではあるものの、郷里に向けた愛情満載のお話。 読んで、再認識しました。 有川節のラブもしっかりありました。 高知県もしくは四国に対する意識はほぼ「お遍路」くらいでしたので。 (四万十川や室戸岬とか偏ったマニアな知識はあれども) ないない尽くしからはじまったキャッチコピー。 ―――けんど、光はある! 高知に行きたくなりました。 外貨をそこここで落として経済をまわしていきましょう(笑) | ||||
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徹夜で会社に行く羽目になりました。 途中下車しようなんて思えないほどにのめり込める作品にであえた幸せに感謝です。 観光振興が一つのテーマで、自分の仕事とは全く関係ないのに吉門さんの発言にはっとさせられること度々。 自分達が気づいていない自分達の良い点はきっとある!って思えたのもこの作品のお陰です。 オカタイ内容だけじゃなくベタ甘テイストもばっちり入ってるので、ご安心を。 読むと必ず高知に行きたくなる有川さんのおもてなしマインド満載の一冊です。 | ||||
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高知新聞に連載が始まった頃からずっと気になっていて読みたかった作品。 有川さんの地元・高知愛に溢れた素敵な作品。 「おもてなし課」から『観光特使』を依頼された作家・吉門=有川となり、 読者は有川マジックによってどんどんと高知に行ってみたくなってくるw 箱物行政になりがちな観光政策だが何も無いことを売りにしてしまうというこの姿勢は面白く、 地方観光行政に携わっているお役人の方々、必読ですよ! 各地方自治体の観光に関わる方々は、是非、読んでみるべきです! たぶん、目からウロコでしょう。 ウミガメの産卵?、そんなものは何処ででも見れるが…と言った彼らのように…。 こんなふうに書くと何だか硬そう…と思われてしまいそうですが、いえいえ、有川さんのラブ要素もちゃ〜〜んと入ってます。 掛水くんと多紀ちゃんのじれったい恋愛進行具合にイライラさせられたり、 馬路村のオヤスミのシーンは身悶えしてしまうことでしょう。 かわいい多紀ちゃんと、ネコ科肉食獣・佐和さんの対比も実に面白く、 シアターの鉄血総裁を彷彿させてくれる吉門の「バカか、あんたらは」ぶりもファンには楽しい。 有川さんらしい巻末のあとがきやインタビューから、あの「パンダ招致案」をぶちあげた清遠のモデルが 有川さんのお父様だったとは…w キャラクターが生き生きと動き回る有川作品ですが、本作は実在の方々がモデルとして登場しているので、 いつもよりも更にキャラが生き生きと動きまわり、小説とリアルの両方を楽しめたように感じます。 キャラが楽しい有川さん、この作品、ただひとつだけ残念だったのは 楽しみにしていた新聞連載時に挿絵を描いていた大矢正和さんのイラストが見られなかったこと。 ウチダヒロコさんのカラフルな装丁もとてもキュートだけど、 シアターでもタッグをくんだ大矢さんによるキャラの絵が見られないのが哀しかった… 地方新聞購読の有川ファンの方々、切り抜きをして綴っていたりするんだろうな〜、全く羨ましい限りです。 最後にあとひとつ、高知県おもてなし課のHPを拝見させていただいたのですが、 まだまだ民間の目から見ると見づらいです。 おまけに有川さんのこの小説の発売のことが載ってませんよ! これって不平等になるから?せっかくの有川さんの地元応援だというのにとても残念です。 地方を応援したいという気持ちで書いた作品だからこそ、 『県庁おもてなし課』で発生するすべての印税を東北地方太平洋沖地震の被災地に寄付することにされたと ご自身のブログ「有川日記」に書いていらっしゃいました。 私もこの思いに賛同させていただきたく思い、いち早く購入させていただきました。 有川さんの思いが多くの人の心を動かし、この波紋が更に大きく広がり、被災地に届きますように… | ||||
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