変身の恐怖
評判
変身の恐怖の評価:
3.71/5点 レビュー 7件。 C ランク
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全4件 1〜4 1/1ページ
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変身の恐怖の評価:
3.71/5点 レビュー 7件。 C ランク
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小説の詳細ページを閲覧すると、ここに履歴が表示されます。最近閲覧した小説詳細ページへ簡単に戻る事が出来ます。
主人公の小説家インガムは、頼まれた脚本を書く目的で、あまりよくは知らない
チュニジアを訪れている。彼は、すぐに合流するはずの仕事仲間と、恋人からの
手紙を待っているのだが、これが待てど暮らせど延々来ない。
そのうちに、何をしているのかわからない胡散臭いアメリカ人や、犬を連れた
デンマーク人の画家と知り合うのだが、やがて留守中に大変な事態が起きていた
とわかる。しかし、相変わらずなかなか来ない手紙では詳しいことがわからず、
もどかしい思いばかりが募る。
もはやチュニジアにとどまる理由がなくなってしまうと、彼は不思議と小説が
書けるという思いになり、なおも滞在を続ける。そのうちに、本書中で最大の
事件が起こるのだが、それさえもあっさりと「なかったこと」にされてしまう。
こう書くと、およそ何も起きないという不条理そのものをテーマにした小説の
ように思われるかもしれないが、それでいて、全篇を貫く不安感と緊張感の質は
きわめて高い。舞台設定は、カミュの『異邦人』に似ているとも言えそうだが、
話の中身はそれを裏返しにしたと言ってもいいぐらに違っている。
登場人物の心情の揺れもこと細かに描かれていて、吉田健一が訳していることもあり、
サスペンスというよりは、非常に良質な純文学と言っていい作品だと思う。正直、
あまりこれと似た小説を読んだ覚えがないのである。
その後、ハイスミスの作品は、トム・リプリーのシリーズや、最近評判になった
『キャロル』も読んでみたが、今のところ、最初に読んだこの作品がベストで、
次が『キャロル』という感じだろうか。最近、続々と新訳が出ているようなので、
この作品も吉田健一訳以外で読んだら、どんな感じがするのかが気になるのだが。