変身の恐怖
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本当に酷い翻訳だと思う。文章の体をなしてない。ハイスミスは何冊も読み今回も楽しみにしていたが、50頁で我慢の限界。残念だ! | ||||
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実はハイスミスを読むのは初めてだったのだが、これは変わった小説である。 主人公の小説家インガムは、頼まれた脚本を書く目的で、あまりよくは知らない チュニジアを訪れている。彼は、すぐに合流するはずの仕事仲間と、恋人からの 手紙を待っているのだが、これが待てど暮らせど延々来ない。 そのうちに、何をしているのかわからない胡散臭いアメリカ人や、犬を連れた デンマーク人の画家と知り合うのだが、やがて留守中に大変な事態が起きていた とわかる。しかし、相変わらずなかなか来ない手紙では詳しいことがわからず、 もどかしい思いばかりが募る。 もはやチュニジアにとどまる理由がなくなってしまうと、彼は不思議と小説が 書けるという思いになり、なおも滞在を続ける。そのうちに、本書中で最大の 事件が起こるのだが、それさえもあっさりと「なかったこと」にされてしまう。 こう書くと、およそ何も起きないという不条理そのものをテーマにした小説の ように思われるかもしれないが、それでいて、全篇を貫く不安感と緊張感の質は きわめて高い。舞台設定は、カミュの『異邦人』に似ているとも言えそうだが、 話の中身はそれを裏返しにしたと言ってもいいぐらに違っている。 登場人物の心情の揺れもこと細かに描かれていて、吉田健一が訳していることもあり、 サスペンスというよりは、非常に良質な純文学と言っていい作品だと思う。正直、 あまりこれと似た小説を読んだ覚えがないのである。 その後、ハイスミスの作品は、トム・リプリーのシリーズや、最近評判になった 『キャロル』も読んでみたが、今のところ、最初に読んだこの作品がベストで、 次が『キャロル』という感じだろうか。最近、続々と新訳が出ているようなので、 この作品も吉田健一訳以外で読んだら、どんな感じがするのかが気になるのだが。 | ||||
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異国の地に訪れた作家が不穏な状況に巻き込まれ・・・というストーリー。 主人公の作家がふとしたきっかけで人を殺してしまうか死ぬほどの苦痛を与えてしまったようなのだが、周りから何も言われず、捜査もされないので最初は罪悪感を感じるけど、しだいに何とも思わなくなってしまうという精神の変容をテーマにした小説。殺人という人間最大の罪も時間が経過すると罪の意識が消えてしまうという恐怖を扱った物語。それがとりもなおさず作品中の時間の中で起きているヴェトナム戦争のメタファーになっている奥の深いサスペンス。 私見ですが、作品中ほとんど何も起きない状況でも不安は醸成されるかという命題に挑んだ作品にも思えました。しかもそれに成功したと思われる稀有なサスペンスの傑作。しばし最高傑作に挙げられるのも頷ける小説。ハイスミスは全部読もうと思います。 | ||||
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小説家のインガムが映画の脚本を書くために舞台となる北アフリカのテュニジアにやってくる。ところが、ニューヨークにいる、脚本を依頼してきたジョンからも、恋人のアイナからも手紙も電報も来ない(携帯のない時代の話だ)。 募る不安の中、インガムは小説を書きながらただ二人からの連絡を待つ。そのうちにアメリカ人のアダムス、デンマーク人の画家のイエンセンと知り合いになる。読み始めると、一見単調なこの物語になぜか惹きつけられていく。 吉田健一のあとがきに「これはだれもが人間であることを求めている小説であるといえるので……古くも新しくもないそういう世界である」と、書かれているが、確かに1969年、40年も以前に書かれた小説なのに、少しも古いとは思えない登場人物たちであるのは、変わることのない人間の深層が書かれているからであろう。 また、背景となる世界情勢などもきちんと書かれていて、登場人物がそれぞれの世界を代表してもいる。 ミステリーというから、漠然と謎解き、犯人をみつける推理劇を思いながら読んでいた。が、読み進むにつれて人間が生きると言うことの深い部分を書いていると思った。ハイスミスの12番目の小説らしいが、(彼女の小説は一冊しか読んでいないが)主人公が作家であることからして、表現されている文章に作者の思い入れや投影があると思う。物語として読むのではなく、対話と思考を促す小説だと思った。 訳は、時に、わかりにくくて読み返すところもあったが、翻訳調のブツブツ文章ではなく、このひねり方が(ピカソの絵みたいな)ハイスミスの文体なのではないだろうか。 | ||||
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最初のページ。 「これで手紙のことをきくのは二度目だったが、前のは別な従業員だった。」 2ページ目。 「インガムはそこがメキシコ市の街とパリを搗き混ぜたものの感じがして、メキシコ市もテュニスもその建設にフランス人が加わっていた。」 転記ミスではない。この文章はまるで吉田健一氏の名を借りてバイトの学生が翻訳したか、吉田氏が実験的に翻訳を試みて失敗したのではないかと思えてくる。 | ||||
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