死者と踊るリプリー
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リプリーの住んでいる近くに過去を詮索する隣人が現れ・・・というお話。 今回はシリーズ最終作という事で、劇的な大団円を迎えるかと思っておりましたが、見事に裏切られた感じもしました。個人的にはリプリーというキャラが凶悪犯に思えるけど、生きている人が普遍的に持っている営みも有しているという一筋縄では行かないキャラに思えるので、こういう風に終わるのも何となく納得した次第でした。 最高傑作、代表作に挙がる「変身の恐怖」で、主人公が人を殺した可能性があり、最初は罪障感を感じるけど、何も言われないので、それが消えるという内容だったと思いますが、リプリーも毎回犯罪を犯すので、あんまり罪悪感がなくなり、それが常態化した感じですが、人間が常に自分の事を中心に物事を考える性向があるので、私が仮に犯罪を犯したら、リプリーみたいに偽装工作を弄したり、逃げたりするかもしれないと思いながら読みまして、そういう風に読むとあまり批判できない、という感慨を抱いたりもしました。 これでシリーズは終わりだそうですが、ハイスミスがもう少し長生きしたら、更にシリーズが続いたかもとも思いまして、著作権継承者の公認で、他の作家がシリーズを書き継ぐ可能性も全くない訳ではないと思いますが、ハイスミスの作品がどれも特異な感じで、誰もまねできにない感じの物が多いので、無理かもとも思います。 異色のシリーズ最終作。是非シリーズ順に通読をお勧めしておきます。 | ||||
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2003年に初版発行されたときの帯には、「リプリー・シリーズ第5作。完結。」とあったが、リプリーの物語は完結しているわけではなく、パトリシア・ハイスミスも、まだまだリプリーものを書きたかったのではないかな?と思わせる、何気ない終わり方だった。本作では、トムに嫌がらせをしてくるプリッチャード夫妻というのが、ハイスミスらしい特異なキャラクターで、興味深く面白い。金をゆすり取ろうというのでもなく、手間暇かけて(お金もかけて)、ただただ嫌がらせをして喜ぶというのが気味悪い。第2作「贋作」の続編といった感じなので、「贋作」は必読。というか、「太陽がいっぱい」から順に読んでいくことがお薦めです。読み進めるうちに、トム・リプリーという人物に魅かれるものがあったら、全5作は楽しい読み物となるでしょう。モロッコが舞台の一部となっているが、「リプリーをまねた少年」のベルリンほどには、こってりとは描かれてはいない。例によって?トムの邸であるベロンブルでの生活ぶりが描かれているのが楽しい。これまではレコードだったが、今作ではCDで音楽(ブラームス)を聴いている。あとマダム・アネットの料理を食べてみたいなぁ。パトリシア・ハイスミスの分身(?)であるトム・リプリーものを、もう読めないのは、さみしい。未発表の遺稿などが発見されないかな・・・とか夢想してしまいます。 | ||||
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「太陽がいっぱい」の映画を見たのは何時だったろうか? 作者パトリシア・ハイスミスの作品も「見知らぬ乗客」を随分前に読んで、その時「太陽がいっぱい」の作者であることを知り、トム・リプリーのシリーズを読み始めたのだと思います。このトム・リプリーのシリーズは五作あり、「太陽がいっぱい」「贋作」「アメリカの友人」「リプリーをまねた少年」、そしてこの「死者と踊るリプリー」です。 個人的には第二作の「贋作」が好きですが、この「死者と踊るリプリー」は、まさにこの「贋作」の続編と言える作品です。 かつて、「贋作」において犯した殺人の後始末のつけが回ってきた展開で、川に沈めた骨が引き上げられてしまい・・・と言う展開になります。 それにしても、この主人公リプリーは、物まねが上手いと言うだけでなく、誰にでもなりうる誰にも束縛されない人物です。解説にもありますが、カタツムリの様な雌雄同体の様な人物で掴まえ所がありません。それ故に、幾多の犯罪を犯しながら逃げ遂せているということかも知れません。ある意味で「自由人」なのかも知れません。 いずれにしても、この作品はトム・リプリーのシリーズ集大成の作品ですが、何より「続贋作」なので楽しく読むには、この「贋作」を読んでいないとちょっと辛いかも知れません。 | ||||
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シリーズ5作目、と同時に最終作となった。トム・リプリー物として内容はそのまま引き継がれてはいるが、シャルル・ ドゴール空港が出て来、ミッテランが登場し、トムがCDを手にするに至り、時代の設定は発表年に従ってずらしてある ようだ。 絵を描き、車を駆り、マダム・アネットの作る美味しい料理を味わい、ハープシコードを練習し、そして丹精した庭のダリ アを切って生けるトム君を、人殺しじゃないといいのに・・・・・・と読んでいたが、やはり人殺しだということで成り立つ話 なのだとわかった。わけのわからない状況に追い詰められていくトムと、突然の解放、放り出されるようなラストの不条 理な感じが、淡々と綴られ、日常の恐怖をきわだたせる。トムの両親の死、ロブスターの調理、プリッチャード夫妻の幕切 れが映画のカットバックのよう。プリッチャードが川を浚って、シートの中身を・・・・のあたりの刻み込んでいくような詳細が スリリング。 なんといってもこのシリーズの魅力の一つは、料理や庭仕事や絵の具、パン屋や百貨店の買い物、などの描写の一つ ひとつにある。お昼の献立、トムの描きかけの絵の構図、温室、スカルラッティの曲、友人にプレゼントする部屋着、飲み物、 そしてエロイーズ。エロイーズはあの性質も言動も美しい姿態も、トムの愛するあれやこれやのものの一つだ。その中心だ。 | ||||
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「贋作」でトムが殺して、川に投げ込んだ死体を、アメリカ人の男が わざわざフランスに引っ越してきて、アルバイトを雇って川をさらって 見つけ出し、死体を引き揚げます。 男の狙いは、ただの嫌がらせらしい。トムとは縁もゆかりも恨みもないのに。 しかし、最後は・・・。 そして、またトムは逃げ切ったのか・・・? シリーズ最後なので、ついに・・・? | ||||
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