殺人者の烙印
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英国サフォーク州の辺鄙な土地の描写で物語は始まる。主人公のシドニーとアリシアは、結婚したら田舎で暮らそうと決めていたが、「地理的な孤独感」を感じることがある。ある日、お隣にリリバンクス夫人が引っ越してきた。互いに表敬訪問し、近所づきあいが始まるが、シドニーは自宅にいるとき、リリバンクス夫人から見られているような気がしてならない。 作家のシドニーは、創作のかたわら、妻アリシアを、頭の中で20回は殺していた。虚構と現実が二重写しになる作家の生活。アリシアはそれを見抜いていて夫に話しかける。 ねえシド、あなた、ときどきわたしを殺したくなることがあるんじゃない?だったらいっそのこと、しばらくそんなふりをしてみたらどうかしら。わたしは何週間でも消えてあげるわ。 アリシアの提案に対して、シドニーは「芝居がかった台詞はよせよ」と言うのだが、2人の子供じみた夫婦ゲンカの描写と相まって、これは「芝居」という大人の世界の表現ではなく、観客がいなくても延々と続けていられる、子供たちの「ごっこ遊び」という表現のほうがぴたっとくる。こうして、2人の“妻殺しごっこ”(アリシアからみると“失踪ごっこ”)が始まった。 ところが2人のごっこ遊びに観客がいた。シドニーがなぜか視線を感じていたリリバンクス夫人だ。アリシアの母親が警察に失踪届けを出し、警察がリリバンクス夫人にも聞き込みを開始。彼女は、ある日のシドニーの不審な行動を警察に語ったことにより… アリシアの「失踪」先での浮気が本気モードに変わり、“失踪ごっこ”は終わりを告げた。シドニーとアリシアの結婚生活もまた破綻した。いや、そもそも、二人の結婚生活そのものが、“結婚ごっこ”だったのかも知れない。 | ||||
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1965年に書かれ1966年に最初の翻訳本、1986年に改定されたのが本書。ざっと50年前に書かれた作品ですが、内容はまったく古くないどころか今の時代を先取りしているかのような、人間の孤独とか身勝手さがありありと書かれています。ハイスミスという人はなんてなんて、少しずつ狂っていく人の描写がうまいんだろう、、!翻訳に使われた語彙などに古さは感じますが、私はそれも含めて味わいました。(装丁イラストも時代を感じます)ちなみに蛇足ですが、映画ゴーンガールが脳内で重なった。夫婦ってフクザツだな。 | ||||
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妄想癖の作家シドニー。その妻アリシア。二人は夫婦仲が悪い。シドニーは空想の中でアリシアを何度も殺していた。そんな中、シドニーは妻に見立てた布に包んだ物を森に埋めるところを隣人に見られてしまう。折りしもアリシアは失踪してしまう。シドニーには「殺人者の烙印」が押されてしまう...。 この後はいつものハイスミス節で、周囲の疑惑に心理的に追い詰められるシドニーの姿がタップリ描かれ、後半は逆に真の容疑者を見つめるシドニーの姿が皮肉混じりに描かれる。いつもながらのアイデアの妙と心理描写の巧みさには驚かされる。ユニークな発想と人間模様が味わえるサスペンス小説の傑作。 | ||||
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