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殺人者の烙印



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【この小説が収録されている参考書籍】
殺人者の烙印 (創元推理文庫)

殺人者の烙印の評価: 8.00/10点 レビュー 1件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点8.00pt

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サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
全1件 1~1 1/1ページ
No.1:1人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)

冗談のはずが自業自得に。追い詰められる男の切迫感が秀逸!

パトリシア・ハイスミスの1965年の作品。1966年に邦訳されたものを同じ訳者で改訳したという珍しいケースである。
イギリスの片田舎に暮らす作家のシドニーと画家のアリシアの若夫婦。ちょっとした夫婦喧嘩からしばらく距離を置くことになり、どうせなら「あなたが私を殺して埋めた」ということにしようと意見が一致し、アリシアは家を出た。作家としてそんな状況を楽しもうと、シドニーはアリシアの死体をくるんだつもりの絨毯を森に埋め、友人・知人には妻の行方について曖昧な発言を繰り返した。アリシアの行方についてさまざまな憶測が飛び交うなか、隣人のリリバンクス夫人はシドニーが絨毯を車に積み込むのを目撃しており、夫による妻殺害の疑いを深めていた。そこにアリシアの両親が捜索願を出し、警察が本格的にアリシアを探し始めた。アリシアの行方や家出の動機の説明に辻褄が合わなくなってきたシドニーは、徐々に追い詰められて行く…。
やってもいない犯罪、冗談のはずの「妻殺しごっこ」がのっぴきならない疑惑に成長していくプロセスが面白い。特に主人公がやってもいない犯罪の罪悪感に追い詰められる心理サスペンスは迫力がある。
半世紀以上前の昔話だが今読んでも少しも古びておらず、ハイスミスの魅力を堪能できる作品として、多くの方にオススメしたい。

iisan
927253Y1

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