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四畳半神話大系
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四畳半神話大系の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.11pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全154件 141~154 8/8ページ
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文句なしの星5つ。 森見登美彦にしか書けないであろう、アホさといい軽快さといい。 舞台が回る回る。それにつられて喋り捲る登場人物たち。 パラレルワールドというのだろうか、有ったかもしれない過去の選択。しかし、どの選択肢の先にも… 緻密なアホさ、精密な無駄、大迫力の空振り、広大な京都で、絶大な馬鹿達を引っさげて、主人公の青春群像が咲き乱れる。 行き着く先は大円満か異次元か。京都の魔物、森見登美彦の真骨頂。 | ||||
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05年01月刊行の単行本を文庫化,4編の短編集になります. 主人公で大学生である『私』が4つのサークルに興味を惹かれ, 4編で4つ,それぞれに入っていた場合の日常が描かれています. これが,ただの『もしも…?』でおわらないのがおもしろく, 同じ人やアイテムでも,編が違えば別の経緯や役割があるなど, 微妙に大胆に交わりつつも,繋がりのない別物語になっています. また,舞台となる京都や和の香りがするファンタジも大きな魅力で, デジャヴュを見るかのような不思議な感覚に引き込まれてしまいます. はじまりやおわり,ほかのいくつかに同じ文章や表現があるのも, 手抜きなどではなく,この世界観を描くための演出と思えば納得で, ひねりの効いた最終話では,ラストにもニヤリとさせられるはずです. 主人公の偏屈で小むずかしい物言いや,たくましすぎる妄想など, 全編を通じたクセのある言葉まわしは好みがわかれるところですが, これがこの作品の楽しさのひとつで,おかしな掛け合いにもなるので, はまれればよいものの,そうでない人にはとことんダメだと思います…. なお,巻末の記載によれば,単行本からの加筆・修正があるとのことです. | ||||
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京都を舞台に、大学生の怠惰でエキセントリックな日常が描かれる一冊。 主人公の最初の選択によって4つの平行世界が分岐して現れ、その物語が順々に描かれる、という構成になっている。 とはいえ、それぞれの話でまったく同じ出来事が起こったり(その際は、文章すら一字一句同じだったりする)、あるいは経緯はまったく違うのに同じ結果に落ち着いたりと、結果的にはまぁ大体同じようなことになる。 というと、なんだか同じ話ばかり読まされて飽きそうな気がするが、決してそんなことはない。 綿密に構成されたストーリーとネタが一体となった、極上のエンターテインメント小説に仕上がっている。 しかも、少々毛色の違う4つめの物語のバカバカしくも圧倒的なラストは、ちょっと感動的だ。 ゆるい作品のはずなのに、なぜか最後は感動してしまうというのは、同著者の『太陽の塔』と同様。 著者の筆力を何よりも物語っている。 本書の読後感は、村上春樹の『世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド』と似ている気がする。 どちらの作品が優れているかなんて比べることはできないが、『世界の終わり』になくて『四畳半』にあるものは「笑い」だろう。 というわけで、村上作品と「笑い」が好きな人には、必ず面白く読んでもらえる作品かと。 | ||||
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四畳半という空間に潜む謎。 ぐるぐると回り続ける物語。 謎があるわけでもない。 だから謎が解けるわけでもない。 でも、絶妙な設定による絶妙な妄想による味付け。 それがたまりません。 | ||||
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主人公は迷ってます。 薔薇色のキャンパスライフを手に入れるにはどのサークルに入れば良いのか。 気になるサークルは4つ。 しかし薔薇色の大学生活を必死につかもうとしてるのに、 他人の不幸をおかずにして飯が3杯食える男・小津の策略により 望まぬ方向へ転がり落ちていく主人公の滑稽さがたまりません。 第2章を読みはじめると、この作品の仕掛けに気づくでしょう。 パラレルワールドのように展開していくのですが、 もどかしく、やるせなく、悲しみつつ笑えます。 各章、内容はまったく違うのに 起承転結の起と結だけはしっかり形がある。 その組て方の見事さにも注目です! 著者は1979年生まれ。今現在、まだ20代。 この年で言葉をここまで巧みに操れるなんてそれだけで凄い。 1ページ読んだだけでその言葉のセンスにやられるはずです。 | ||||
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4編からなる物語。 第1話を読んだ後、第2話を読み出すと、 「???」これって? 思わず何かの間違い?と思うほどでした。 その先を読むと分かりましたが・・・。 ある大学生が選んだとあるサークル。 4つ気になったサークルがあり、 選択肢は当然4つ。 そのどれかを選ぶことで彼の大学生活がどう変わっていったのか? 昔テレビでやってた「if・・・」という番組を思い出しました。 彼の場合どの選択肢をとっても 結局は同じような運命になってしまったわけで・・・。 何とも辛いなぁ〜。 物語自体は非常に面白かったんですけどね。 こういうのもありかな、と。 文章は森見さん独特の文章で 読みにくいと思う人にはものすごく読みにくい文章です。 好き嫌いが分かれるかもしれないです。 しかも4作とも同じような展開で 飽きる人も多いかな、と。 自分はその物語の微妙な違いを楽しむことができましたが、 第4話は特にお薦め。 四畳半である自分の部屋がドアを開けても開けても 自分の四畳半から出ることはできない。 でも、少しずつ部屋の様子は変わっていって・・・。 財布の中身の部分を読んで そうなるんだったら自分も同じ経験がしたい!と思ってしまいました。 | ||||
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平行して語られる4つの物語。「太陽の塔」と設定が似ている気がしたが、そんなことはすぐに忘れて抱腹絶倒の世界にいざなわれた。確かに4作目には飽きが来た。もし、4作目のラストにどんでん返しのサプライズがあれば、もっと面白く読めたと思う。「平行」させなくてはならない物語の設定上それは無理か? こらえきれず夜中に笑ってしまい、妻に怒られた。何故面白いのかよくわからない。構成や文章に、特に工夫があるとも思えない。おそらく、作者自身がこのままの面白い人なのだろう。思わず笑ってしまう自分もどこか似ているところがあるからなのか? | ||||
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凝っている小説だ。バッハの遁走曲のような綿密さを持つ四つの平行した物語。 幻の至宝「薔薇色で有意義なキャンパス」から遠のくばかりの二年間を送り、ふと我に返った三回生である大学生が主人公である。主人公は現実から遁走しかねんばかりの、ぎりぎりの直前で四畳半で踏みとどまっている。四畳半は主人公にとって、仮屋である。 最初の3章のある種のくどさがあるからこそ、4章の孤独感が際立つ。誰もいないのであれば自分すらいなくてもよい。究極の孤高の生活を強いられて、他者の必要を痛感する。もっと広い世界を。 作者の文体の妙味が活きており、ばかばかしくも微笑ましく、涙ぐましく、健気でいじましく、しかも珍しいことに、主人公の恋愛は成就する。友愛も。 二十歳過ぎたむさ苦しい男を誰が抱きしめてやりたいと言われれば、私がしてやりたいと挙手せんばかりに、私からしてみれば主人公達が十二分に可愛いかった。 | ||||
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これを読み始めて、わたしは電車の中で笑うことに抵抗を覚えなくなった。 同じ設定で、その時々の選択により通る道は違っても、結果として同じ終着点に行き着いたり状況がリンクしていたり。 その点で一般の小説とは異なる面白みがある。 しかし森見さんの麻薬性は、文章自体。 「立腹しすぎて、乱立した腹をよける」とか。 本文は二段組で、森見さんを初めて読む方には、多少の意気込みが必要だろうが文章自体はユーモアに溢れていてよみやすい。 パピルスでの劇団ひとりさんとの対談で、ナイーブさ、妄想力などお二人に通じるところを感じた。 なによりこの人のブログ、小説のまんまの文体でかなりおもしろい。 | ||||
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「太陽の塔」に引き続き今回も京都学生ネタですがとても楽しく読むことができました。 もう学生生活から20年近くも経つのに、森見さんの2作品は私をあっという間にその時代に連れて行ってくれる不思議な魔力があります。 最後の最後にわかっていながらまた今回もほろりとさせられてしまいました。 最後の1ページのために積み上げられるストーリー、贅沢な構成に今後を期待してしまいます。 | ||||
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大学時代の友人にすすめられて読んだ。僕自身、京都で学生生活を送り、 今は就職して京都を離れている為、 個人的なノスタルジーによるところが大きい気もするが、 これは、面白い本ですよ。京都で大学時代を過ごし、 今、京都を離れてる人、必読。 | ||||
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京大生なのにダメ男、というバランス感覚が好もしい。ダメな学生のダメダメな下宿生活が延々と綴られるが、不思議と飽きが来ない。古風な諧謔文学を装った文体の中に、時としてほのかなやさしさがにじみ出ているところもいい。この人には本質的な育ちのよさを伺わせる愛と公平さと謙虚さがあると思う。たいした描写が割かれているわけでもない「明石さん」がかわいい女の子であることがなぜか伝わってくるあたりも巧みだ。 一見、コピペを駆使した手抜きとしか見えない同工異曲の「ヴァリアント」を並列させているようだが、実はまさにそこにこそ仕掛けがあるのであって、最終章でそれがあきらかになったときには思わず膝を叩いた。それに、終盤のパラレルな四畳半巡りの旅には、「学生であること」をめぐるいろんな寓意を読み取ることも可能で、意外に深いなと感じさせる。 ただ、事実つい最近まで「学生」であったこの人が、「学生」でなくなったときに何をどう描くのか、という点は気になる。間違いなく実力はある人だと思うので、今後のスタンスの取り方に注視したい。 | ||||
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山上たつひこの傑作まんが『喜劇新思想体系』と遠く響き合う個性的な作品である。作者の母校京都大学、京都が舞台。 文体のリズムが良く、リフレインされる、「人生の定めとも言うべき」口上のパターンが時に五月蠅く感じられるものの、作者の狙いはそこにこそあるのだ。 主人公は大学生活を始めるに当たって、4つのクラブに入る選択肢を持ってるが、一度の学生生活ゆえにそのうちの一つしか選ぶことは出来ない。それら4つのあり得た学生生活をそれぞれ描いているが(パラレル・ワールド風)、どのクラブに入っても常に他の3つのクラブに入っていればなあと悔いる。 そこにはバラ色の学生生活があるかに思われてくるのだ。 しかし、いずれのクラブを選んでも代わり映えはしない。いや、大きく変わると言えば変わってしまうのだが、いずれも不本意なのだ。つまり、不本意である(本当の自分はこうではない)という思いを抱く点において代わり映えしないのだ。 あとは読んでいただくとして、しかし以上のごとき作品ながら陰惨ではない。軽重いずれにしろ学生時代を悔いる人に、読後は苦い、しかし切ない笑いを抱かせ、少々元気も出て来るという、最近珍しい味のある小説だ。それにしても(小生も学生時代を彼地で送ったが)京都は田舎だナー。 | ||||
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おもしろかったです。4つの話があって、登場人物や出てくる物は同じで、結末も同じ。主人公がどんな選択をしたか?で少しずつ話が変わっている。ひねくれた大学生の妄想は、ちょっとひきつつも共感してしまいました。最後まで読めば、あっなるほど。と、にやりと笑ってしまう、そんなお話でした。 | ||||
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