色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年
評判
色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年の評価:
3.41/5点 レビュー 1,022件。 B ランク
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※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
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色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年の評価:
3.41/5点 レビュー 1,022件。 B ランク
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やはり感嘆すべき作家です。
想像する力と、緻密な言葉の積み重ねが
読み手のイメージを多層的に拡げ、
時にはユーモアと絶望が交響して、
読書する醍醐味を味わせてくれました。
もし私がもう少し青春時代に近ければ、
かなり胸が痛み、呼吸がつらくなってしまったかも知れません。
この人は「失い続けること」を意識させる名人です。
この厚さ、ポイントで1700円はちょっと高いかなと思いましたが
値打ちは十二分にあります。
ただ気になることもあります。
この人はファンは中国や韓国にも多いと聞きます。
作中の重要なタームの一つとして
「記憶に蓋をすることは出来る。でも歴史を隠すことは出来ない。」
という言葉が数度出てきます。
これが単に、個人の切実な経験に言及した、普遍的な人間感情として
書かれているのなら良いのですが(そう願っていますが)、
何か政治的なものを指向しているなら鼻持ちならない言葉であり、
また或るもくろみを持った「何か」に利用されかねない危惧を感じました。
さらに突っ込めば、それがどんなに当人にとって切実であり、
かけがえのない経験、記憶でも、それが個人のものである限り、
正確には「歴史」とは言いません。
でも、とにかく素晴らしい小説がまた読めて幸せでした。