色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年

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評判

色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年の評価:

3.41/5点 レビュー 1,022件。 B ランク

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平均点3.41pt

Amazonレビュー一覧

Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全1,024件 961〜980 49/52ページ
No.64
(4pt)

やはり読ませる。でも。。

村上春樹 新作読了して

やはり感嘆すべき作家です。
想像する力と、緻密な言葉の積み重ねが
読み手のイメージを多層的に拡げ、
時にはユーモアと絶望が交響して、
読書する醍醐味を味わせてくれました。
もし私がもう少し青春時代に近ければ、
かなり胸が痛み、呼吸がつらくなってしまったかも知れません。
この人は「失い続けること」を意識させる名人です。
この厚さ、ポイントで1700円はちょっと高いかなと思いましたが
値打ちは十二分にあります。
ただ気になることもあります。
この人はファンは中国や韓国にも多いと聞きます。
作中の重要なタームの一つとして
「記憶に蓋をすることは出来る。でも歴史を隠すことは出来ない。」
という言葉が数度出てきます。
これが単に、個人の切実な経験に言及した、普遍的な人間感情として
書かれているのなら良いのですが(そう願っていますが)、
何か政治的なものを指向しているなら鼻持ちならない言葉であり、
また或るもくろみを持った「何か」に利用されかねない危惧を感じました。
さらに突っ込めば、それがどんなに当人にとって切実であり、
かけがえのない経験、記憶でも、それが個人のものである限り、
正確には「歴史」とは言いません。
でも、とにかく素晴らしい小説がまた読めて幸せでした。
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4163821104
No.63
(5pt)

生きづらさを感じている若者へのエール

比較的理解しやすい表現で書かれた、若者の葛藤を描いた作品でした。
それは今の時代をもがきながら生きる日本の若い人たちに向けた村上春樹さんからのエール。
そのように私は受けとめました。

難解な文学作品など読む余裕もない、もしくは読んだこともないような人たちにもちゃんとメッセージが届くように。
伝えたい相手にちゃんと伝わるように書かれているのだな、と勝手に解釈しつつ、読み終えました。
村上春樹さんの新刊発売というお祭り騒ぎにどんどん便乗して、読者の裾野が広がればいい。
この作品を必要としている人にまっすぐに届きますように。

今後の作品も楽しみです。
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No.62
(5pt)

豊かな多様性と、明快な人物像

多崎つくるは、十六年掛けて、じっくり成長しました。。男2人は、あっさり描写されているのに対し、女性像は克明に描かれています。これが鍵かもしれない。置いてきたもの、手放せないもの、大事にしているもの、通じない思い、共感しながら読みました
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No.61
(4pt)

あくまで一読だが、新鮮な感想を

本来一読した程度で感想を述べるのは、好きではないのですが、そうした感想も新鮮ゆえに、常連客の目の前に差し出すことも許されるのではないかと思い、投稿させてもらいます。ネタバレも一部含みます。

調和と不協和音、誰しもが一度は経験するはずのものですが、その経験を直視して、「暗い夜の海を泳ぎ切れるか」はまた別問題だと思います。人は時に、周囲と同じ行動をとることで、安心感を得ようとするし、また安心もします。高校生や大学生の中にはそういう人間は少なからずいるし、それが「美」とされる時さえある。
しかし、少し考えてみれば、24時間、誰かと同じ時間を過ごすことなどできない。当たり前の話です。
どうしても、流れる時間軸の中に、自分という存在と向き合う時間が生じる。そこで、はじめて、調和の世界から一歩這い出た自分が、「自分」を客観的に考察することができる。「東京」という場所で、調和だけの日々が続くのであるならば、どんなに楽でしょうか。繋がりがあるからこそ、そこに不協和音が生じることに不安が生じるのであって、感受性が人一倍強いシロはそれに耐えられなかったのではないかと思います(決して彼女が弱いということではない)。レイプされた被害者が、共同体の中でどのような立ち位置に置かれるのか、実際の被害者の方々の声を見聞すれば、想像することができます。優勢遺伝子が必ずしも社会に現れていないのと同じように、被害者もまた、社会で「存在しないもの」として扱われかねません。まるで、六本ある指を五本にして「整える」ように。

調和のない世界もなければ、不調和のない世界もない。
人は本気で人と向き合おうとすればするほど、えぐり取られるような苦しみとつらさ、寂しさを経験するものだと思います。常に一定の距離を持ち、誰とも、それが好意を寄せる女性であっても、心底繋がれない苦しさとはまた別のものかもしれない。本気で欲するからこそ、失うことの怖さを感じる。自分が失われてしまうのではないかと不安になる。しかし、その不安は、本気で欲した者にしか経験できない不安ではないでしょうか。
つくるは、沙羅を本気で「得よう」とする。それに沙羅も本気で「応えよう」とする。
結果ではなく、その二人の心の変化にこそ、悪魔に飲み込まれないようにするための、生への渇望が垣間見られると思いました。

私は、どちらかというと、つくる君のような人生なのかなと思います。どこかで、人から腹黒さを感じ取られ、男女問わず、心の底から人と付き合うことができずに生きています。自分では、努力しているつもりでも、どこかに「闇」を抱えているのかもしれません。本作品に自分自身を投影してしまったため、バイアスがかかり、評価を満点とすることはできません。しかし、一度でも「死」を本気で考えた者にしかわからない「闇」を村上春樹さんの筆力で描いた本作品は、自分を含め、人間関係に悩む人にとって、幾らか勇気付けてくれると思います。
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4163821104
No.60
(4pt)

秀作です。

村上春樹の一貫したテーマである「喪失と再生」が綺麗に無駄なく収まっている、非常に無駄のない秀作であり過去の作品の流れから外れることのないザ春樹的な作品。

1Q84で見られた過去の作品とは決別したような文体からいつもの文体に戻り、キャラクターの配置などにも過去の自身の作品へのオマージュが見られる。

最近の作品にみられるイニシエーション描写は控えめ。イニシエーションはやり過ぎるとリアリティがなくなるので個人的に今作くらいがちょうどよい。

謎を解き明かすのがテーマでなくどう向き合うかがテーマ。

一人の人間が、無くしてしまった、あるいは無くしていくことにどう対峙していくかが丁寧に記されている。喪失からの再生はノルウェイの森でも見られたが、そこから一歩も二歩も踏み込んだ段階まで描かれていてこれは今だから書けるといった感じか。

登場人物が象徴的に描かれていたのでイニシエーションの違和感もなく、春樹の目指す「物語」として過去の作品よりクオリティーの高いものになっている。反面、エンターテイメント性は著しく低い。

ハルキストの求める春樹語録、文体の心地よさより物語としての良さが勝っているので非常に素晴らしい作品だと思います。
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No.59
(3pt)

読みやすいだけかな

読みやすい。
一気に読めた。

でも、何も残らない。。。

だけかな。
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No.58
(4pt)

始めは本当に期待したのですが

村上春樹の作品は、すべて読みました。今回も、Amazonさん、しっかり12日に届けてくださいよと祈りながら待ちわびていたような感じでした。(実際に12日に届きました)
しかし、実際に読んでみると、あまりいい出来でないような気がしました。おもしろいのは確かですが、村上春樹の作品としては、凡作以下かと。

今作は、ノルウェーの森のような作風であり、読んでいてもノルウェーの森と同様の感覚を抱きます。しかしながらノルウェーの森には、遠く及ばない気がします。ノルウェーににているがために、その粗が目立ちました。ノルウェーが星10なら、星5程度といった印象です。
その理由はシロ(非常に重要なキャラクターです。)に共感できないこと、そもそもシロについてあまりにも書き込まれていなさすぎです。無理があります。
人物描写についての不備はやはり、沙羅(非常に重要なキャラクターです。)にもあてはまります。こちらも非常にぼんやりとしたイメージしか浮かんできません。

春樹らしい素晴らしいところが本当にたくさんあり、序盤はノルウェーの森の以上の感動を与えてくれるかも、と期待しましたが、致命的な粗さが目立ちました。
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No.57
(2pt)

新鮮味はないね…

相変わらず性描写が詳細過ぎて全面にお薦めは出来ません。
次回作があるなら是非性描写なしで19章のような表現で文字数の多い作品を期待したいです。
それくらい最終章が良かった!
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No.56
(4pt)

オールド・ハルキストとしては複雑(ネタバレ注意です)

1987年の暮れに偶然書店の店頭で『ノルウェイの森』上下巻を緑と赤の綺麗な装丁に惹かれて予備知識無しに買って帰り、その物語世界と文体に完膚なきまでに魅せられて以来のオールド・ハルキストです。ハルキストだからこその苦言を呈させていただくものです。 当時出版されていた全著者を一気に買って読んでわかったのは、大変失礼ながら村上春樹さんの著書は作品により、魅せられる読者が限定されるようだということ。羊シリーズは当時自分にはどうしてもその魅力を理解できませんでした。 それ以来25年余り、長編では『ダンス・・・』や『世界の終りと・・・』、短編集では『回転木馬のデッドヒート』、エッセイでは『もし僕らのことばがウィスキー・・・』など、素晴らしい著書の数々を長年に渡って楽しませていただきました。しかしながら、あの『ノルウェイ・・・』の神がかった凄さを超える作品に出会えまま四半世紀を過ごしてまいりました。『ノルウェイ』には、登場人物の全ての皆さんが、本当にそこに存在しているかのような神がかったリアリティがありました。 前作の1Q84も実は失礼ながら妻は読ませていただいたのですが、自分は手にとることができませんでした。 今回、久しぶりの長編ということで初版1刷を購入させていただき、読ませていただいたところ、久しぶりに接する『ノルウェイ・・・』のような失われた自分探しのストーリー。「もしかしたら『ノルウェイ・・・』を超える世界を体験させていただけるのではと、久しぶりに夢中でページを繰り始めました。 しかし・・・、私は悟りました。『ノルウェイ・・・』はひとつの奇蹟であって、あれを超える村上センセイの作品にはもはや出会えないのだという事を。 十分引き込まれる物語世界ではあったのですが、それぞれの登場人物の人物造形が、『ノルウェイ』ほど完璧ではなかった。紗羅は緑ほど魅力的に描かれていなかった、シロは直子ほどのリアリティを残念ながら感じられなかった。永沢さんやハツミさんやレイコさんのような素晴らしい魅力二に満ち溢れたバイプレイヤーも見当たらなかった。 しかも、未解決で残された疑問の残され方があまりにも杜撰ではないでしょうか。絞殺されたシロさんのこととか。 ハルキストの皆さんの多くには、『ノルウェイ』の再体験をずっと追い求めてきた方が多いのではと拝察致します。 村上春樹様の文体で展開される世界に魅力される永遠のファンとして、この作品にはあえて苦言を呈させていただくものです。
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No.55
(4pt)

希望はいつもうしなわれ、痛みによって目は覚まされる

一部の名古屋から上京してくたくたな生活を送っている村上春樹ファンにとっては―少なくとも私にとっては―サプライズな新作でした。
主人公たちの高校時代の描写で、名古屋弁喋ってないのは変だろって突っ込みは野暮なので、
というよりマトモに喋らせたら、彼らの輝ける神秘性が根こそぎ失われるのでナシってことでお願いします。
このお話にとっては、これといって特徴がない、保守的などこかの地方都市が、
主人公の光芒の地であればそれでよい、といったような意味合いしか欲されていません。
ナゴヤが深い謎とメタファーに満ちた魔法の地、なんてことがある訳ないのです。あってたまるかい。

いきなり冒頭から主人公がアグレッシブに死にかかっているところから始まります。
鬱な主人公はいつもの事なので、そのまま読み進めると、青春時代の苦しい過去の出来事を経て、
鉄道駅を作る会社に勤める、30代の独身貴族が出てくるわけです。やっぱりね。
物語は高校時代の、主人公含め男3人と女2人の、奇妙なほどに完璧で神々しい友情の思い出と、
それらをある一本の電話により、取り返しがつかないまでに全てごっそり失って、
現在の主人公が浮かない顔で東京をぼそぼそめそめそと、しかし例によって美味しそうな飯を食べながら、
地味に(そして浮世離れに)生活する様とが交錯して描かれていきます。
大学時代に主人公が出会った、物語性に満ちた預言者のような後輩の青年や、
生きものである人間が身体を精神と対話させるための、儀式的な美を込めたスポーツ描写も出てきます。
そして例によって、年上で官能的で理知的な女性と、スマートな肉体的お付き合いをしていて…なのですが、
主人公が動き出しそうな予感を感じて、ここまでにばら撒かれた謎が回収されそうかなーと本の厚みを確かめてみると、
もう結構進んでしまった事に気づくでしょう。
べつだん彼にご大層な謎なんてないのです。お話にも、仕掛けも謎もないのです。(星が4つなのは当初の期待の方向が違ったせい)

主人公は、内っかわに宿り続ける過去に、振り回され、痛めつけられ、対峙さえできず、
心底嫌になって、とうとう『未決』の箱にぶっこんだという大人風対処について、例の年上美女が、
あなたずっと箱の中にいるのよ、と女神の啓示を下されまして、
主人公はさいしょ恐る恐ると、やがてすさまじくアグレッシブに『未決』と向き合い、
あの失われた友情をほどいていこうと、かつての友にアプローチしていきます。そして不可解であったことが解明していくと、
それは残酷な事実として意味を成し、より深く頑迷な苦しみとなって主人公を戸惑わせ、後悔させ、内っかわを苛むのです。
外側から彼を見れば、いい年して何やってんの、としか見えません。お金にも女にも困っていないんでしょ、ふうん。
それでも彼の内っかわは、毎日禿鷹に臓物を食い千切られても闇夜が明ければ再生するプロメテウスのように、
繰り返し繰り返し傷つき、悪夢にうなされ、そしてまた性懲りもなく傷つくために目を覚まします。
彼は死ぬことができなかった。自らで終わらせることもできず、常に鮮明な痛みに巻き戻されながら頭は年を取り、生き続ける。
それはおそらくどこにでもいる、若い時に自殺を考えたことがある、30代のぱっとしない、人生うまくいかない日本人と(おおよそ)同じ。
他人に聞かせたらドン引きされるか説教されるかしそうな過去を持っている、ただそれだけの主人公。
しかし、プロメテウスは火を持ってきた男です。
つくるは駅を作る男です。文明の動脈を愛する人間です。
その情熱も、内っかわを焦がすはげしい痛みの一つであることを、忘れるはずはないのです。
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No.54
(5pt)

赤白黒青

庄司薫と言って憶えている人はもう少ないのかもしれません。7年も待って青の物語が出版されたときには心底失望したものです。物語を紡ぐ力がもうこの人には残っていないのだなと思いました。それからしばらくして「風の歌を聴け」そして「ノルウェイの森」で、その物語りの続きに出会った思いがしました。30年も前のあの思い込みは見当はずれではなかったと確信できました。
現代の魂への気遣い。ノーベル賞を受賞しようとしまいと私はこの小説が好きです。
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No.53
(5pt)

待った甲斐があった・・・

村上春樹という作家を、他と比較して語るほどの力量を僕は持ち合わせていないので、毎回単純に彼の新刊を楽しみにしている。
今回の作品も、村上ワールド全開とまではいかないまでも、レトリックや言い回し、受け答えの仕方、研ぎ澄まされた文体、どれをとっても彼一流のものだった。
確かに、答えは用意されていない。しかし、それは初めから何となく予感できたし、そうであってほしいとさえ思う。
人は、音楽に癒やしを求めることができる。耳に入ってくるのだ、美しいメロディが。第九の歌詞の意味はわからなくても、最終楽章でカタルシスに達する人はたくさんいる。
しかし、絵画はどうだろうか?美しいメロディを単純に許容できる脳が、絵画になると、意味を読み取ろうとしてはいないか?もちろん、アメリカの1800年代の風景画のように、荘厳な風景画は、ある意味敬虔な感覚を呼び起こさせる。単純にだ。
村上作品は、絵画を鑑賞するのに似ている。底では自分で意味を見つけていくほかはないのだ。解釈は見る人に委ねられているのだ。だから、死やメランコリィなどの灰色のイメージと登場人物の名前における色彩との対比もできるわけだ。喪失感や厭世観を超えたところにあるのは、やはりヒトへの愛だった。
待った甲斐がありました。この作品に出会えたことに感謝します。
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No.52
(4pt)

そっと隣に置かれたもの

読み終わって「ノルウェイの森」の世界に引き込まれそうになった。
そっと隣に置かれたもののように感じてしまった。
誰かが理解し続けている不条理。
それでも守るべき者のために闘ってきた人の営みがあったのだろう。
一人のさりげない死がみんなの心をつなぐすべであることの悲しさが最後まで続く。
音楽に彩られたこの作品は透き通った湖のように深く静まりかえっている。
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No.51
(1pt)

しょうーもな

こんなくだらない本買って損しました。何を伝えたいのか理解不能。村上春樹って本当に才能あるのですか。
なぜ、世間が評価し続けるのか全くわからない。
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No.50
(3pt)

死を乗り越えた者は強く、そして危うい。

いっきに読み終えました、現実的な内容の小説です(でも、村上春樹らしい作品です)。

なんとなく、大好きな「国境の南、太陽の西」に似た印象を持ちました。

村上作品は音楽で彩られていますが、今回はフランツ・リストの「ル・マル・デュ・ペイ/巡礼の年」が象徴的に使用されています。
この曲が醸し出す雰囲気は、この小説の読み方を示唆しているような気もします。

ちなみに、読後感は「国境の南〜」のほうが好きです(「色彩を持たない〜」は、なんか悲しすぎる…)。





自分は「つくる」から狂気を感じました。





追伸)村上さんはもう自らすすんで小説を書く気がないのかな・・・。
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No.49
(3pt)

既視感

うーん、どこかで読んだことあるぞこんな話、という気持ちになった。
大きな流れも細かいディテールも違うのに、出来上がった全体は何か、見たことあるなにかに見える。

主人公が代わり映えしないのはいつものことだからいいとして、そのほかの登場人物にいまひとつ奥行きを感じない。4人の元親友も新しい恋人も消えた年下の友人も。
死に囚われるほどに苦しんだ絶縁も、あっさりと「ごめん」「許す」で乗り越えたし。

最後の最後でつくるが時間の経過について意見を述べるけど、それがこの話のいいたいことだとしたらこの本はあまりに薄い。
もっと大長編にすればいいのに。ロシア文学みたいに。

(年齢がほぼ同じで、20歳前後にきつい時期があって、とか個人的にシンクロする部分があったので面白かったけど)

1Q84のBOOK4は、どうなってるんですかねぇ。出るんですか、村上さん?
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No.48
(2pt)

またしても、やっぱり何もない

ひどい作品でした。
以下ネタバレを含みます。
結局は1Q84のレビューで書いたことの繰り返しです。
私は世界の終り〜とアフターダークといくつかの短編だけは肯定的に評価します。アフターダークは意図的に未完結にしたという感がありますが、それでも都市の暗黒部分というテーマは大部分象徴的に表現されていると感じるからです。
ですがこの作品においては、色に関した名字の人物もその他の事も、やはり全てにおいて、深い意味はありません。
例えば作中に灰田の父親の話が出てきますが、特にその後展開はなく、ただエピソードを投げ出すだけです。それが作品の中で象徴的に機能していればいいものの、私には深いものは全く読み取れません。
私が(大げさかもしれませんが)絶望を感じるのは、何よりも作者である春樹氏にエピソードを展開して話を膨らませ最終的に解決する気が全くなく、そのような創作上の意識故に、実際その後物語は何の展開も見せない、ということです。
作中に夢の話がいくつか出てきますが、(物語の)作者は無意識に流されるよう漠然と夢のような情景を書くのではなく、意識的にその夢をコントロールして物語を大団円に持っていかなければならない、と思っています。(ただ、上に書いたことは絶対的に全ての作品に当てはまる理念であるとは考えていません)。
そのように通常はたとえ謎のような作品でも物語としては完結させるべきと思っていますが、春樹氏ご本人がこれでいいと思っていらっしゃる以上、どうしようもありません。
とにかく最後まで読んだということで、星二つです。
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No.47
(5pt)

好きな種類の本

☆ネタバレ含みます。ご注意ください☆
とても読みやすく、一気に読めました。
集合無意識の世界と通じるやりとりがリアルに描かれていて、そこが個人的にツボでした。
苦く傷ついた思い出を胸の奥底に沈めて蓋をして、何もなかったことにして人生を歩んでいるつくるに「記憶は消せても、歴史は変わらない」と自分の過去に向き合うチャンスをくれる沙羅。
その沙羅が旅行代理店の企画担当というのもぴったりです。
巡礼の旅はここから始まるのですから。
相変わらず、誠実でクレバー、理屈っぽくマイペースな主人公という設定はお決まりですが、積極性を持って自己変容を遂げていく要素は今までの作品の中ではあまりなかったように思うので、そのプロセスも新鮮でした。
また、自分のことを「僕」ではなく「おれ」と呼んでいるのも珍しいですし、鉄道オタクなところも面白いキャラクター設定です。
いつもの「やれやれ」をつくるではなく、沙羅ちゃんのほうから言われちゃうところも笑いました。

途中から、「ノルウエイの森」が懐かしく思えてきました。どことなく似ています。
学生時代の大切な友人を失うという設定が一致。
北欧の深い森や川、規則的で孤独な東京の生活、学生寮などシンボルチックなアイテムが共通すること。
どことなく登場人物が重なること。
ユニークで包容力のあるクロ(エリ)レイコさんのように思え、ユズ(シロ)の悲壮感はそのまま直子に。しっかりした沙羅さんは緑が大人の女性に成長したらこんな感じだったんじゃないかな、などと勝手に想像しながら読みました。
おまけに、ラストはどちらも電話のシーンで、この二人の恋路はいかに?というところで終わっています。
これは意図されたものなのでしょうか。
「ノルウエイの森」以外の作品からの繋がりも、随所に見られます。なんというか、ディズニーランドで隠れミッキーを探しているような感じ。
ファンにとっては、そういう勝手な解釈や想像を楽しめるのも魅力ですね。

読み進めながら、過去にご縁があって今では会えなくなった人々や失った情景を思い出して懐かしさとせつなさでいっぱいになりました。
でも「ねぇ、つくる、あの子は本当にいろんなところに生き続けているのよ。」と言ったエリ。そして、つくるが伝えたかった言葉「過去には戻れなくても、すべてが時の流れに消えてしまったわけじゃない。」
それを聞けて、私も救われました。

お話の中では集合無意識が闇のダークな部分として描かれていますが、同じ世界に光も存在し、そちらと繋がることもできるんだと、そう締めくくられていると私は解釈しました。
読み終わって、何かに突き動かされているような気がしています。
私も変容しなさい、と言われているのかもしれません。
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No.46
(5pt)

イニシエーションの物語で何が悪い?

少年時代から青年、大人に至る過程で誰もが経験するモラトリアムとアイデンティティの葛藤の物語。
テーマとしては村上さんの小説によく登場しますが、今回は今回で改めて面白く読めました。

いつまでも高校生の話、という話ともいえますが、村上さんの「物語」にとっての永遠のテーマなのかもしれません。

そこにしか物語がないのか、と言われれば、そうではないかもしれませんが、自分んははこの村上さんの小説にいつも気付かされます。
ナイーブすぎる37才のつくる君、そうでもないかなと思います。
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No.45
(1pt)

悪霊の正体は?伏線の回収は?

ネタバレ注意

六本指の人物や灰田の父親が出会ったという悪霊憑きの緑川、
彼らは一体何者なの?
そしてシロのおかしくなった原因は?
「永久に謎のままだと思う」とか「ギリギリの状況だったの」とかの言葉だけで片付くか?多崎つくるがレイプ犯?にされ共同体から切り捨てられたことの問題が。
これじゃシロはただの狂った女でしかなくなる

共同体の色彩を持つ仲間たちにおいても掘り下げて描いてないから人物像が薄すぎて愛着がわかない
共感も応援も出来ない

色を含む名前の登場人物の発想はいいのに背景が薄っぺら過ぎてアイデアを生かしきれてない
勿体ない
もっと内容を濃くしないと読後「?」の状態になる
そうならない為にはこの倍の量を描くべきだったでしょうね
とにかく主人公にしても「主人公の優等生」的な人物で何ひとつ感情移入しなかった

クールでどこか影があり何不自由ないのに自分自身に自信がもてずあるのは不満だけ
そして自分の魅力に気付いてないちょっと浮世離れした存在…

どの小説見ても大体ミステリアスでクールな典型的な「主人公の優等生」ばかり

まぁここまで辻褄合わせをしない丸投げの小説も珍しい
人のオーラ(色)が見える特殊な人間がいて緑川のような男が他にも存在し灰田やシロのような犠牲者を次から次へと選んで悪霊のバトンタッチが行われるという内容なのかもしれないけどそれにしてもラストの失速はちょっと考えられない

伏線の回収どころか終盤で訪れたフィンランドの情景と共にあやふやにまとめたという感じ

多崎つくるは水曜の夜に沙羅に会うことなく自殺してしまうと思ったけどそれも起こらずハッキリしない

とにかく作者が描きたいことだけをかいつまんで描いたという印象

六本指の人とか新宿駅の有名な写真に対しての反論とか

沙羅との会話も一見知的でおしゃれに見えるけど幼稚なオウム返しには一体なんの意図があったんだろう

そして文中の説明では運命共同体とも言えるあの5人の絆の薄さ、物語の空っぽさには寒気すら感じた

ノーベル文学賞?とんでもない!

そんな作品
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