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色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年
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色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.41pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全563件 21~40 2/29ページ
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◆カラフルで多感な高校生時代の仲間たちから・・・・ アカ・アオ・シロ・クロ・・・カラフルな名前を親友たちと、高校時代を過ごした主人公「多崎つくる」。 彼だけが、名前に色を持たない存在で、彼だけが高校卒業後地元を離れ東京へ出た。 仲の良い5人での生活は極めて居心地が良く、「可能な限り5人で一緒に行動する」という一つの共同体の様ですらあった。 揺りかごに包まれているような優しく、濃密で親密な時間を彼ら5人は過ごした。 そして、それは「つくる」が一人東京に出てからも続き、「つくる」は、地元に帰り、居心地の良い「共同体」に変える事を何よりの楽しみにしていた。 ある日、突然、理由も告げられず、「つくる」はその共同体からスポイルされた。 激しく拒絶され、4人の誰とも会ってもらえず、すべての接触を拒否される。 家族同様、家族以上のつながりの共同体の中にいた「つくる」は、居場所を失い、生きるすべまで失いかける。いや、実際に「生きるために必要な何か」を失ってしまう。 積極的に生きることを放棄し、死線をさまよい、ある種「廃人」の様になってしまう。 そして15年物歳月が流れる・・・ 「つくる」には新しい恋人・・・になりつつある女性を得る。そして、その女性は「つくる」の中に「生きるために必要な何か」が欠けていることに気づき、それともう一度向き合うように強くすすめる。 欠けてしまった「生きるために必要な何か」・・・それを探すことに、どうしても積極的になれなかった「つくる」だったが、彼女の強いすすめに、15年ぶりに、彼ら4人に再開する「巡礼」の旅に出る・・・ ここでの巡礼とは、過去の「(名前に色はなくとも)カラフルに生き生きと生きていた自分」を取り戻す旅の比喩として用いられる。 そして「つくる」は、その巡礼の最後には、なんとフィンランドまで訪ねて行くことになる。 巡礼の中で、時間を取り戻すことはできず、結局失った「生きるために必要な何か」を取り戻すことは、永遠にできなくなってしまった事を知る。 欠けてしまったピースがあり、それは、もうどうしても取り戻せなくなってしまった。 ◆ 赤・青・白・黒・・・この4色の他、緑と灰色の色を持つ人物が現れるのだが、この二人の物語の中での役割が、全くわからない。 伏線としても唐突で、登場する意味が私にはわからなかった。 おそらく、この二人の登場部分をサックリ切り落としてしまっても、この物語は成立するだろうと私は思う。 そうした、村上作品特有の腑に落ちない割り切れなさはあるのだけれども、全体としては非常に面白かった。 そして、ラストに向けて、フィンランドでの光景が映画のワンシーンの様だった。 かつての親密な「共同体」の中で、ひそかな恋が育まれ、15年の歳月を経て、それが一つの結実を迎えるシーンがある。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 二人はもう一言も口をきかなった。 言葉はそこでは力を持たなかった。 動くことを忘れてしまった踊り手たちのように、彼らはただひっそりと抱き合い、時間の流れに身をゆだねた。 それは過去と現在と、そしておそらくは未来がいくらかまじりあった時間だった。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 重なり合う二人のシルエットは、北欧の冷たい空気の下、どこまでも透明感のある温もりを描き出している。 美しい、とても美しく流れる時間が切り取られている。 ◆ 好き好きはあるだろうが、非常に面白かったし、私はこの作品が好きだ。 | ||||
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死ぬ前に忘れずに読んで欲しい本。 | ||||
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登場人物は主人公以外、みんな名前に色をもち、自分にはない個性を持つ。大学時代、突如親友に縁を切られたことをきっかけに、これといって語ることのない人生を過ごしてきた。 平凡で孤独であることに劣等感を抱く中、同じく名前に色を持たない恋人の助けにより、疎遠になった親友たちを巡礼することで、自分には見えなかった自分の色、個性を見つけていく。 抽象的でわかりにくい描写が多いからこそ、主人公の抱える複雑な感情が垣間見えたし、誰もが同じような悩みを抱えてることに気づくことができた。 | ||||
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だから結末には触れない。ただ、自らの意思と自らの力で死の淵を歩いてみたことのある人。同時に表向きはごくごく普通の人間であるかの様に見られながら、常に錐で心をキリキリと刺されるような孤立の痛みを抱え続けて生きている人。さらにニーチェの“深淵をのぞく時、深淵もまたこちらをのぞいているのだ”との言葉が痛切にわかる人には共鳴できる作品であるかも知れない。 | ||||
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村上春樹の作品を初めて読みました。 不可解さと理不尽さ、孤独への恐怖と絶望など、人間の負の描写が巧みで思わず震えました。 そして私自身も過去の経験から、この主人公に共感するところが多いためか、どんどんのめり込んでいきました。 ただ、物語はすんなり頭に入ってくるのですが、その意味を理解するのがとても難しいです。 (ここから先、ネタバレを含みます。) 例えば灰田の存在や緑川の話など、主人公の巡礼とは無関係と思われる話をわざわざ入れているあたり、これらには何らかの意味があるのだと思いますが、私には読み解けませんでした。 また、人が殺されていることから、この作品にはミステリーの側面もあります。 たぶん犯人は登場人物の誰かなのでしょう。 そして沙羅の言動にもいくつか引っかかるところがあるので、彼女は一体何者なのかという謎もあります。 しかしこの作品はミステリーが主軸ではないので、最後まで犯人はわからないままです。 さらには沙羅の正体やつくるとの結末も描かれず、読者の想像に委ねるカタチで幕を閉じます。 この作品はつくるの巡礼の物語なので、あえてこのような結末にしているのかもしれません。 カタルシスもなくスッキリしないままなので、少々物足りなさを感じますが…。 この物語を完全に理解するには、何度も繰り返し読んでの考察が必要かと思います。 個人的には謎多き部分も含め、読み物としては結構楽しめたのですが、そう何度も繰り返し読んでまで真相を知りたくなる程の魅力は、残念ながらありませんでした。 考察が必要なことから、かなり人を選ぶ作品だと思います。 | ||||
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面白かった。 主人公の田崎つくるの孤独、どういうわけかはまり込んでしまった「トラブル」「闇」から抜け出したいという切実な感情と、実際に自分でどうにか動き出すという時が来るまでの気持ちの悪い苦しさが、よくわかった。 けれどもこういうのは、分かる人と分からない人と二分されるのだろうなと思った。 分からない、この本つまらない、という人のほうが明らかに幸せな人種なのである(嫌味ではなく)。 この小説では主人公、その友人たちの年齢などもあり、村上春樹ならではの性の表現も避けることはできないし、それなしでは伝えることができなかったと思う。 また、ほかの方のレビューを見てなるほどそうだなぁと理解したのだが、現在進行形の恋愛に関しては中途半端であろうと、そこはあまり重要ではない。 巡礼の、という表現はあまりピンとこなかったが、色彩をもたない、というのが、心臓に突きささるような、そこだけで泣いてしまいそうになった。反対を考えてみるとわかりやすいです。 色彩をもつ、ってはっきり言える人ってどんな人でしょう。 明らかな成功者でしょうか。 作者について、敗者としての一個人の視点をもって生きることを書く、そんな印象を持っています。 | ||||
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不思議ワールドが少なめで、青年達の人間関係や心象風景が描かれていて読みやすい。 | ||||
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小説の読み方は人それぞれだと思うが、ミステリー小説だと思ってこの作品を読むと満足は得られないと思う。村上春樹は純文学作家なのだから、そういう構えが必要だ。この作品のテーマは「人は過去のトラウマとどう立ち向かっていくか」であるから、つくると沙羅の関係がどうなっていくのかとか、なぜシロはあんなことをしたのかというのは枝葉の問題。 自分に非はないことで、自分の存在が傷つけられたりすることは人生にはたくさんある。そんな絶望の淵に立たされた時人はどうすればいいのか。その答えなら、この本には載っている。 | ||||
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村上春樹の本は好きで、本当は騎士団長殺しが読みたかったが、色彩を持たないを読むことに。 話の入り方がとても魅力的だった。過程と終わりも村上春樹らしい。形容詞化出来ない感情になります。 あまり小説本は読まないけどとても読みやすいです。 | ||||
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村上春樹の作品は総じて精神世界と現実世界を行き来する物が多いのだが、この作品も例に漏れずその要素はあるものの、他の作品に比べて現実世界側に地に足ついた作品なので読みやすい作品なのではないでしょうか。 | ||||
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初めての村上春樹作品でした。 現在の話から過去の話になって、また現在に戻ってって感じの、物語の移り変わりに慣れなかったけど、慣れてしまうと凄く読みいってしまい、気づいたら最後まで読み切ってた! 物語のシーンもイメージしやすくてとても良い小説でした! 1つ挙げるとしたら、最後の恋愛の結末を描かずに終わったのがえ、どうなったん?!ってムズムズしたとこかな(笑) | ||||
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村上春樹の作品は、どれも完璧に解決せずに終わることが多い。「あとは、読者の想像にお任せします」と言わんとばかりに、読者を最後にポツンと置いてくる。 それがムズムズするところでもあるが、またそれが良い所でもある。 村上春樹の作品では、世間を斜め上、または斜め下から捉える人間が主人公になりやすい。物事の捉え方が綺麗だから憧れるけど、ある意味で根暗だから、そうなりたいとは実際には思わない。 人はシニカルになればなるほど、カッコいいと感じやすいけど、それは人生を駆け落ちていくようなものである。 文句や否定的な考え方をすればするほど、自分の人生なんて… とか思ってしまうし、そのことを他人に話せば運が良ければ勇気づけてくれる訳だが、ずっとそんな調子では人は寄って来なくなる。 人はどこかで、人生を投げ出したくなる瞬間を持ちつつも、我慢して持ち堪えているのだと思う。 それをずっと高く持ち続けられる人が、成功者として取り上げられるのだろう。 それは簡単なことじゃないんだってことを村上春樹の小説を読む度に思う。 村上春樹の小説はある面でから捉えると、ただの暗い小説なんだけれど、ある面から捉えると人間ってそういう暗い面があるけど前を向いて生きてる自分は頑張ってるなと前向きにしてくれる。 そんなところが、村上春樹の小説の好きな所なんだなと感じる。 | ||||
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物語のテーマというか主軸は、喪失と再生だと思います。 主人公のつくるのように、他人と深く関わらないような生き方をするひとも、人生のどこかで特別な関係になりたい相手が出てきたとき、変わるチャンスなのかなと思いました。 過去を振り返り、事実を知ろうとし、心の壁を乗り越える/壊すような状況に直面する。 その物語に共感し、心の深いところに刺さる、、、カタルシスだなと思います。 物語の終わり方が中途半端という意見については、そうかもしれませんが、つくるが今後大切にしたい人と全身全霊向き合った、ということが起承転結の「結」にふさわしい様に思いました。 | ||||
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どうしてこの物語は恋愛の結末を描かずに終わるのか? この物語は「呪いと解除」がテーマであり、その問題はクロから過去の事件の真相を聞き、和解した時点ですでに解決しているからだ。 主人公の目の前にある恋愛が成就するかしないかは、重要な問題ではない。 中途半端な終わり方だと言っている人たちは、それが読み取れていない。 | ||||
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村上春樹の長編の中では比較的存在感が薄いというか埋れてる感があるが、私はこの作品が一番好きだ。珍しく主人公が寂しがり屋なところがとても、いい。 | ||||
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本日読了。 個人的ながら強要でない省察を促されしみじみと染み入り、 よくぞ今この本と出会えたなと驚くような、そもそも彼の本はそういうもののような。 | ||||
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はっきりとしたエンディングでないところが、この物語の続きへの期待を。 | ||||
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村上春樹さんの作品でいちばん好きかもしれません。なぜだろう。つくるの心情から、ストーリーのテンポから、でてくるアイテムまで、ぜんぶピタリと自分の好みに合っていたからかもしれない。ピア二ストの話とか意味深くて読んでいて入り込みました。 結末が納得いかないという方がいるけれど、結末は良いと思う。交際相手とのその先をたとえ書いたところで、あまり本質的な意味はない気がする。そもそも村上春樹さんの小説を読むのに、ふつうのありきたりなハッピーエンドとかもしくはバッドエンドとか期待してないし。 もちろん一つ一つのセリフで響いた箇所や好きなところもあるけど、読んでいくうちに、この小説を読まなければたどりつけなかったような人間の無意識の世界に触れているような感覚になっていきます。それが村上春樹さんの作品の醍醐味だと思います。 | ||||
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やはり、ハルキ作品、賛否いろいろな評価がある。 たしかに、くどいくらいに重ねてくる比喩表現、性的描写、 いやっ!という向きは多いだろうと推察する。 私自身はそれでも、すっとその世界に入ってしまい、すばらしいと感嘆する。 読みながら、そして読み終えて感じ、考えたこと。 つくるの孤独に自分を投影し、共感する人は多いだろう。 つくるはシロのことが好きで、しばしば頭の中で妄想する。 そのような妄想がシロにしのびこみ、彼女は死んでいったのではないか。 しかしシロはつくるのことを異性として好きなわけではなかった。 意識下の一方的な強い感情が、相手に影響を及ぼす世界が現実に存在するのではないか。 世界中のそれぞれの人が、それぞれにベクトルの違う思いを持っている。 それはまるで網の目のようにつながり、別々の向きを向いている。 それでも、実際の世界では個人の意識は目に見えることはないけれど、人と人の意識は交差し合い、具体的な形で現れる。 そういうことがこの作品で言いたかったんじゃないか、と私には伝わってきます。 もし同じような感想を持つ人がいたら、私はたとえばうれしい、と思う。 それもまた、意識がこの世の中で影響しあった一例とも言えるだろう。 突拍子もないようなストーリーですが、こんなふうに感じさせられるこの作品、私は好きです。 | ||||
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ただただ面白いので読むべき | ||||
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