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色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年



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【この小説が収録されている参考書籍】
色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年

色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年の評価: 3.41/5点 レビュー 1023件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点3.41pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全284件 101~120 6/15ページ
No.184:
(1pt)

こんな本が売れるとは・・・

日本の小説は終わってますね。これで春樹氏がノーベル文学賞でも取った暁には日本の文芸は間違いなく崩壊します。
色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年Amazon書評・レビュー:色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年より
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No.183:
(1pt)

独特の世界観と表現

登場人物に現実味がないのはもちろんとして、
「村上春樹」独特の表現は非常に分かりずらいし読みづらい。

作品内のような表現をする人物(特に女性)は居ない。
もしかすると「1Q84」のような別世界の話なのかと思ってしまう。

特に主人公の考えに共感できる部分もほとんどなく、
話のコアの部分が明らかになることもなく・・・。

私的には、この作品を読んで考えさせられることはなかった。
色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年Amazon書評・レビュー:色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年より
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No.182:
(2pt)

続きを書きたくなるわ

多崎つくるの今後がどうなるのか?想像をかきたてられます。
物語を終わらせていない。寝覚めの悪い夢を見た感じ。しやからなんやねん!これからが結末やろが。(大阪弁)
沙羅はつくるを選びそうだけど、でもただ、つくるの世話を焼きたかっただけかも。と思えるし・・・
この続きを村上さんは2作目で書くのでしょうか?
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No.181:
(1pt)

こんな駄作はなかなかない

単刀直入に言いますと、くそですくそ。店頭の前に相当な数が並んでいて「村上春樹」という人物はかなり有名で期待していたのですが、まさかここまでつまらない本だとは思いもしませんでした。
まず、主人公が意味深な発言、比喩表現を多様していて、とにかく臭すぎる。それに、孤独だと思わせないような行動をとっています。これから何を学べばいいのでしょうか? 
ただの時間の無駄でした。
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No.180:
(1pt)

つまらない

・レイプしたなんて噂たったら、自分の耳にも入ってくるわwww
・首締められて殺されたけど、犯人見つからないの?集合住宅には監視カメラついてるし、普通は知り合いだわな。
・名古屋とフィンランドの友達に会いに行くのが巡礼?ただの観光旅行じゃんwww
・え?沙羅ちゃん二股じゃん。ビッチ。キモいおっさんと寝てるアラフォーなんて全然魅力感じないですけど。
そんな人からの返事待ちだお。→物語完って、え?中途半端すぎ。
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No.179:
(1pt)

大した事ない

初めて噂の村上作品を読んだが、意味不明、全然面白くなかった。読み終わるまで時間がかかったのは、作品に引き込まれなかったからだと思う。
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No.178:
(1pt)

しっかりしようね36歳クン

初めて読んだ村上作品「1Q84」が非常に面白くて、
文体にも惹かれたのだった。

で、ニュースでバカ売れしてるということで、ミーハーも手伝って
期待して読んだこの本。
さすが、孤独に対する描写一つとっても、詩的でそれでいて鋭い。
心情描写が相変わらず秀逸だ、さすが村上春樹と思った。
ただし、描写、表現に関してのみ。

内容はバカバカしくて割愛するが、登場人物数人についてだけ
コメントしておく。

まずドイツもコイツもまるで魅力がない。
主人公君が学生時代に友達に関係をいきなりすっぱぎられたのは
かわいそうだしそりゃ誰でも傷つくだろう。
でも今36。まだ孤独ごっこか?
しかも巡礼とやらに行くのは年上の彼女の強いお勧めと
お膳立てのおかげで他力。
その割には苦労もせずモテる。
大人の女が魅力感じる人と本気で思っているのか。

次にその彼女。
有能で美人でいっぱしのこと言う割りには別に男作ってる。
うじうじした主人公が巡礼に行かないと話が成り立たないから無理に
設定したのだろうけど、実際こんなおせっかい女うっとしいだけ
じゃないのだろうか。
「男を別に作ってる」という現実的な設定のおかげでキャラが安っぽい。

そして会いに行った昔の友達たち、特にフィンランドまで会いに行った女。
言い訳の数々が漫画チック。
別れ際にこの女もそれはそれはすばらしい表現で主人公を励ますものの、
全然言葉に重みが無い。

設定がもっと突飛だった1Q84の登場人物は魅力的で感情移入できたのに
この差はなに?
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No.177:
(1pt)

続編を書くとしたら

私が続編を書くとしたら。。
多崎君と沙羅は結婚して子供ができる。
そして田舎に引っ越し農業を営む。
そして、私達はなんて愚かだったんだ。すっかり村上春樹のチャラついた価値観に洗脳され虚しい生活を続けてきた。
これからは地に足をつけて生きよう。
といった結末にします。
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No.176:
(1pt)

結局最後まで何が言いたいのかよく分からなかった…

すごい話題性があり、本屋でも入荷待ちになる程の人気だったんでこれは買わねばと思い購入しましたが…
村上春樹の本はこの作品が初めて。
私には早過ぎたのか村上春樹の作品が合わないのか何なのか…
読んで即売りましたが、買取価格200円というオチ。
最後まで結局何がしたかったのか良く分らない。
シロが何故殺されたのかも分からないし、
他の人もいくら賛同するしか無かったとは言えシロの言うままに呆気なく主人公を仲間外れにするのも何だかなぁ
かけがえのない友達グループならそんな事するか?って気になってくる。
よりによってレイプ犯とかwwwwwww
しかし仲間外れにされたショックってのは分かるけど、主人公の凹み方半端ないのはワロタwwwww
孤独とか絶望って言うけど、何より頼れる家族がいるのに絶望感じ過ぎwwwww
そんなん孤独っちゃ言わん。人生舐めんなと思えてくる。
家族もお金も無い、大学も上手くいかない、食い物も無い訳でもないのに。
それだけショックを感じる程大事に思ってた友達なのかもしれないけど、
一々大袈裟な奴だこの主人公は。っていう印象しかなかった。
自力で立ち直ったのはいいけど、あの後輩のホモホモしさは何だったのか。
特殊能力っぽい話は結局何だったの?
緑川さんのその後は?あの袋の中身は指だったの?だから何なの?
後輩が後々出てくるのかななんて期待してたけどそんな事は無かったぜ。
読めば読むほど分からないというかツッコミどころ満載というか…
ちょいちょい出てくるオシャンティーな雰囲気がイラッとするんですが、
そこを全く楽しめない辺り私には早過ぎるんだろうなと。
あと、夢でシロとクロとキャッキャウフフして、そのリアルな夢にハァハァしまくってたんだから、
どうせならフィンランドでクロとちゅっちゅぺろぺろしちゃえばよかったのに。
せっかく旦那と子供居なかったんだからそのまま頂きますして自宅でハチ合わせとかどうですk
いい大人が我慢できず早朝4時に電話とかもうね…
それを迷惑がらずに4時という時間が存在するじゃなんじゃ…
あーもうはいはい。って気がしてきて段々読む気も失せる展開にうんざり。
拍子抜けした結末に、この本を読んだ時間を返してくれと思ったほど。
私には死ぬほど合わない作品だけど最後までどうにか読んだワシえらい。
とりあえず、売値200円に泣いた。
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No.175:
(1pt)

村上春樹は携帯小説と同レベルってそれ一番言われてるから

もう許せるぞおい!

またエロゲシナリオか……壊れるなあ
こんなのがみんな好きだなんて国民の知的レベルはああもうめちゃくちゃだよ。
著者は悔い改めて
もう許さねえからな(豹変)
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No.174:
(2pt)

うーん、短い。

もう少し長く、深く引っ張って欲しかった。 せめて上下巻にしてほしい。
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No.173:
(1pt)

低評価に納得

つまらなかったです。 内容に入っていけませんでしたし、最後まで何が言いたいのかさっぱりわかりませんでした。
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No.172:
(1pt)

ひどい作品

レビューを見ていくと、読む価値がないひどい作品だということが
よくわかりました。

コスト的におりあわないので
500円以下で手に入れるようになったら
怖いもの見たさに読んで見ようと思います。

売れっコ作家って言っても、こんな偽物ばっかりなんですね。
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No.171:
(1pt)

読了後、静かに本を閉じてつぶやいた「オモンネ・・・・・」

読み終わったときの感想を村上春樹風にいうと、
虚無感が彼女を襲った。それはジャイアントコーンを開封する際、その頭部にあたる部分を間違えてちぎり取ったときのようだった。

読んでいると、意味もなく中2感溢れるとてもくどくて比喩にしても分からねぇよ!な比喩にわんさか遭遇します。
「まるで」「ように」「みたいに」が推定、40回はでました。

正直開始10ページでやめたいと思いました。が、なぜここまで売れたのか知りたかったので読みすすめました。
しかしながら最後まで私はその答えにたどり着くことはできませんでした。ちょうど深く青い海の真ん中に放り出され、行く当ても無くさまよい続けるように(村上春樹風)。

私は村上春樹に畏敬の念をこめて比喩使い(レトリックマスター)と呼ぶことにしました。
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No.170:
(1pt)

苦痛

読み終えるまでにすごく時間がかかった。村上春樹に飽き飽きしたかんじ。会話以外の部分の文体がどの作品も似てくるのは、各作家の特徴としてやむを得ないとしても、登場人物の話し方がどの作品も似ているのは読んでいて耐えられなくなった。文を含みを持たせた形で終わる話し方など、こんな話し方をする人ばかりがこの世の中にいるわけではないのに、なんでみんな同じ話し方をするのか、と思い、その不自然さが非常に不愉快に感じてしまった。読み始めたから最後まで読んだものの、苦痛を感じながら読み、読後には「もう村上は当分結構」と思った。
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No.169:
(1pt)

なぜ村上春樹はノーベル文学賞を受賞できないか、その理由

誰も言わないので、言います。
村上春樹はノーベル文学賞を絶対に受賞できません。
その理由は明白です。
露骨な性交描写が彼の好みだからです。
男性週刊誌に連載されるようなエロ小説と同類です。
そこが彼の最大の汚点であり、ノーベル文学賞の品位にもとります。
今回の新作も、性懲りもなく同じ愚を犯しているようです。
いくら気取ったことを書いても、いくら深淵そうなことを述べても、品位のなさが露呈されてしまいます。
それにしては、女性に人気があるのが不思議ですね。
彼は、あきらかにアンチ・フェミニストでもあるのですから。
うまく女性を騙しているとしか言いようがありません。
ただ、星ひとつをあたえるとしたら、直喩がうまくなってきたところですね。
村上春樹直喩集が出たら、ちらっと読んでみてもいいかなと思います。
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No.168:
(1pt)

つまらn...いえなんでもないです

初めて村上春樹の作品を読んだのですが、正直、私はつまんないです。
読むのが面倒くさい文章で2章?に入った辺りから読むのやめて母親にあげました。
母は面白いと言っているので価値観は人それぞれなのでしょう。
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No.167:
(2pt)

「1Q84」よりは・・・

やっぱり
村上春樹は私には合わない。。。

それでも「1Q84」の小児性愛のような
気持ち悪い性描写がなくてホッとしています。

大学2年生で、高校時代の友達から
本人は全く覚えがないにもかかわらず
一方的に断罪されて交流を遮断された
主人公「多崎つくる」くん。

今の彼女に背中を押され
その謎を解く旅に出る「つくる」くん
故郷の名古屋、そしてフインランドまで。

まあ、都会で一人暮らしをしているビジネスパーソンって
孤独なのかもしれませんが
昔とちがって、今はいろんな連絡手段があるわけで
ここまで孤独なのでしょうか?

さらに人生には
そういった「ひとりだけの時間」も
必要なのではないか?と思います。

孤独だ友達がいないだ
いやいや、何でも話せる人が欲しいといって
むやみやたらと個人的な話をされても
話を聞く方は、困ってしまうのでは???

映画「ノルウエーの森」でのセリフ
「ねえ、私が今何を考えているかわかる?」
思わず「そんなもの判るわけねーじゃねんか!!」と
画面に向かって大声で叫びたくなったのを思い出しました。

何を考え
何を思っているのかは

どんなに親しいなかでも
ちゃんと口に出して言うか
文字に書いて渡さないと
相手には伝わらないのですよ、「つくる」くん。

水曜日の夜、たとえ沙羅さんにふられてしまっても
あなたの人生は終わらない。
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No.166:
(2pt)

NAGOYA

自分は村上春樹のよい読者ではない。
 小説で最後まで読んだものは唯一『ノルウェイの森』だけである。
 もう1篇は、大学卒業式当日、式が終了し大学生協の書籍売り場を訪れるのもこれで最後かと感慨ふけりながら書棚の通路を歩いていたところ、たまたまクラスメイトと鉢合わせ、そいつとは教室で普通に会話する程度の仲だったから今日をかぎりにもう会うこともないだろうというお互いの暗黙の了解からか、どちらからともなくそれぞれの思い入れのある文庫本を交換しあおうということになった。自分がそいつのために会計を済ませて手渡したそれの書名はまったく記憶にはないし、そいつから渡されたのは村上春樹の小説だったのはまちがいのないことではあるが、絶賛の言葉とともに受け取ったそれが『風の歌を聴け』だったか、『1973年のピンボール』だったのか、どちらかではあるのだが釈然としないのは、その冒頭しばらくで嫌悪感というほどのものではないが、とにかく自分には合わない世界であると思い至り、読止してしまったためである。
 そんな程度の読者なのであるが、新作『色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年』には興味をひかれ購入した。そのわけは、主人公の多崎つくるが名古屋市郊外の公立高校を卒業し、東京の大学へ進学しそのまま東京で就職したという、ただそれだけにひかれてしまったからだ。なぜなら、自分も彼と同様だったから。名古屋市の、もう少しで市内ではなくなる場所に位置する公立高校から、都心にある大学を適当に手を抜きながら卒業しそのまま東京で就職した自分にとって、彼の設定には大いなる関心を寄せざるを得なかったのだ。そして、読み始めてみた。
 すぐに気がついた、これは自分とは合わない世界だと。あのときの本と同じだった。冒頭しばらくで放り出そうかと思ったが、それを躊躇させたのは、やはり主人公多崎つくるの設定だった。我慢しながら読み進めてゆくと、主人公をのぞいた6名の人物に色をモチーフとした名前設定の妙に惹きこまれるものもなくはなかったが、やはりときおり眼に飛び込んでくる“名古屋”と印字された文字の前後を、どのような形容をともなって記載されているのか、村上春樹が“名古屋”をいかに描写しているか、もっぱらそこ読みたいがためにページを進めていった。
 たとえば、「名古屋は規模からいえば日本でも有数の大都会だが、同時に狭い街でもある。人は多く、産業も盛んで、ものは豊富だが、選択肢は意外と少ない。」という表現に、相槌を打つ。たとえば、「文化的な面をとりあげれば、東京に比べてうすらでかい地方都市という印象は否めない。」という表現には、東京に比べてもといわれても、東京以外の都市はすべて地方都市なわけで、その規模がでかかったらどこもうすらでかい地方都市になってしまうなわけであり、これは適切な表現とはちょっといいがたい。また、「学校もずっと名古屋。職場も名古屋。なんだかコナン・ドイルの『失われた世界』みたい」と表現する主人公のガールフレンドの言葉は、主人公とともに高校生活を過ごした4名がすべて名古屋を離れることなく生活していることを説明した際に彼女から出た形容であるが、自分の350名ほどの高校同期も、東京・大阪を含めた名古屋以外の土地へ進学したものはごくわずかしかおらず、大半は自宅から通学できる学校を選択していたので、彼女の言葉は体感として納得できる。村上春樹が記述したこの表現を、彼自身がどのように取得しえたのか、名古屋という土地を訪れた際に感じたことなのか、名古屋に住む友人から何気に耳にしたのか、あるいは取材した際に面会した人間が発したことばをメモしておいたものなのか、まったく見当はつかないが、その洞察と表現力にはうならされた。そして、主人公とその友人達の出身高校を名古屋にしたことの絶妙さにも。
 自分が東京の大学を選んだのは、このまま自宅にいつづけてしまうのは様々な面で楽ではあるのだが、ぬるま湯に浸かってだらけてしまいそうな気配からどうしても逃れたかったのと、クラスメイトの男連中が寄れば必ずクルマを話題にしてばかりで、クルマがないとなにかと不便な名古屋の交通事情、運転がしやすい碁盤の目状態の地割と道路幅が豊かさを持ってつくられている名古屋市内の道路事情、さらにはトヨタのお膝元という、それらクルマに便宜のある都市であることを理解してはいてもうんざりさせられ、辟易していたのが従なる理由であった。主な理由は、学びたかった学科の充実しているのが東京の大学だったことであり、その点では主人公の、自分が希望する学科は東京の大学にしかないということと類似している。もっとも自分の場合、希望の学科には不合格で、すべり止めに受験したまったくジャンルの異なる学科ひとつしか受け入れてくれるところがなかったため、そこに入学しただけのことではあるが。
 そんなところは面白く読んだのではあるが、その他の大半、周囲からはハンサムと認められ金銭に不自由はない、失業してしまう危機感に襲われることもない、スウィミングは達者で身体もごく健康、裕福だった実家のおかげでマンションの一室を譲られており住まいの心配も不用、さらには主人公の話を真摯に耳を傾け適切なアドバイスを与えてくれるガールフレンドまでいるに至っては、まさにうらやましいばかりの環境の、都合がよすぎる境遇の、であるにもかかわらずなにかと自省したがる主人公の終始自分探しをする小説世界には、ねばついた気持ちの悪さが残ってしまった。
 最後に付け加えるならば、音楽を小説の形容表現に使うことは少し卑怯ではなかろうか。今回の場合、フランツ・リストのピアノ曲「巡礼の年」の一節「ル・マル・デュ・ペイ」を、ロシアのピアニストであるラザール・ベルマンが演奏しているレコードがしばしば登場するのだが、このようなことは村上春樹の常套方法であるようだが、これを聴いたことのない読者にとっては暖簾に腕押し状態となってしまい、そうならないために、音楽で表現できないものを文字で読み手に伝え、読者に物事の新たな見方考え方を提示することが著述家、小説家の重要な使命のひとつと考えているためである。
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No.165:
(2pt)

過去の作品の切片、名古屋!

読み進むうちに「あれ?どっかで読んだような....」
としばしば思いました。
ダンスだったりねじまき鳥だったりノルウェイだったり。

 それはいいんですが、5人が過ごしたのが名古屋!!
これには番茶を吹きそうになりましたね、
しばらくでも名古屋に住んだことのある方なら皆さんそうなんじゃないかしら?
だって、彼らの会話がもし名古屋弁でかわされていたとしたら........
つくるとアオの会話も名古屋弁だったら......ぶはっ。

えー、長きに渡り村上春樹の読者でしたが、
「ねじまき鳥」でそれは終わったかもしれません。
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