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ベイジン
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ベイジンの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.19pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全108件 61~80 4/6ページ
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どこか「大地の子〈1〉 (文春文庫)」の上海宝華製鉄建設のシーンとイメージが重なる。 政治的建前が全てに優先し、熾烈な権力闘争が繰り広げられる点(本書では、特に中紀委と政治実力者)、あるいは、日本に対する侮蔑的感情の発露は、どこか似ている。 下巻では、福島第1原発の事故を予見していたかのような血も凍るような迫真のシーンが展開される。 福島第一と紅陽核電のステーションブラックアウトに至る原因の違いはあっても、それ以降の進展や基礎操作には類似を感じる。 電源喪失は、ラジオの発火により火災発生→配電盤焼損→ディーゼル発電機起動→同発電機で火災発生→コントロールベンディング(ベント操作?直流電源と手動で操作できるとある)→消防車を使ったフィード・アンド・ブリード→海水の炉心注入。 外部からの電源は、電線が盗難に遭ったため供給を受けられず。消火は対放射線装備が完璧な軍が当たるが、なかなか消火できないという壮絶なシーンが続く。 ベント操作、消防車による注水、海水の注入とか、どこかで聞いた話と思わざるを得ない。しかし、福島では、同時に4基に同じトラブルが発生したと考えると、絶望的な状況だったと考えざるを得ない。 原子力に対する警句はあちこちに出てくるが、最も印象的なのは、「そんなことは、万が一にも起きません。しかし、人間のやることに絶対はないですからね」か。 あと、「原発は、我々にすばらしい恩恵を与えてくれる。だが、人間の心に隙が生まれた瞬間、神の火は、悪魔の劫火に変わる」か。 この後どうなったか(発電所も登場人物も)知りたいところで本書は終わる。 ハゲタカ同様、続編があると期待している。 | ||||
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上下巻とも、緊張したまま一気に読み終わりました。 震災後で原発にトラブルが起き、様々な世論が取沙汰される中、良いか悪いかという視点ではなく、原子力発電というものに携わってきた人々の想いが伺い知れる報道はほとんどありません。 そんな中でこの小説は、原発というものの存在を物語として分かりやすく読者に教えてくれるだけでなく、“フクシマ”を抱えた日本の今という緊張した現実の中で、今となっては語られない原子力産業の人々の持つ「原発への想い」をドラマチックに読み手に運んで来ます。 小説として面白いだけでなく、「なぜ原発なのか」「原発とは何だったのか」についても今だから考えさせられる秀逸な作品。 テレビのニュース解説よりも、よほど状況が理解しやすいと感じたのは、丁寧な取材の賜物なのでしょう。 | ||||
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一箇所の原発の話をしており、この2冊のボリュームに膨らましているので、 寄り道は多くある本だと感じた。 | ||||
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レッド・ゾーンと違い、(本当かどうか分からないが)描かれた中国社会が非常に良く出来ている。また人物の個性が良く出ていて話に引きこまれた。最後が打ち切りの様な終わり方になっているのが、惜しい。 | ||||
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真山氏の作品は何時も愛読しています。 この作品を読んで1ヶ月も経たない中に福島原発の事故が起きました。 非常用冷却システムが津波に流されたと聞き、我が耳を疑いました。 システム設計の基本として、民営化NTT初代社長の真藤恒氏が指摘されていた 「本体と付属装置は安全性において同格」と言う事を東電経営者が認識していたら このような事故は防げたはずです。 | ||||
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日本の技術により中国で建設された巨大原発が、その稼働初日に全電源喪失により深刻な事態に陥るまでを描いた小説の文庫本化。 人気NHKドラマ「ハゲタカ」の原作者である真山仁の作。本書は上下2巻の下巻にあたる。 あとがきで作者は謙遜しているが、中国や原発について、現地を含めて膨大な調査研究を重ねた上で本作品は書かれているようだ。 皮肉なことに、大震災により日本の原発で深刻な事故が起きてしまった。 個人的に煮え切らないと思ったのは、福島第一の事態で言えば3/15前後のまだ事態が流動的な状況で、物語が終えられていることだ。 本作品では随所で「希望」という言葉が出てくる。「希望」によって楽観的な結末を想像せよ、という作者のメッセージなのだろうか? 今般の原発事故により一般の方の原発リテラシーも向上したかと思われるので、不謹慎かも知れないが現時点で読むと興味深い作品である。 中国国内の政治や社会の情勢について確たる情報も持ってないが、もしもここで描かれていることが当たらずとも遠からずなのだとすれば、それはそれで学ぶ点の多い作品であると言えよう。 | ||||
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週刊東洋経済に連載されていた中国での原発事故を題材にした小説の文庫本刊行。本書は上下2巻の上巻にあたり、原発建設計画からIAEAによる事前の警告のあたりまでを収録している。 当時としてはこのストーリーでリアリテイがあったのだろうが、今回の震災での福島原発の件が起きたあとには、非常なる脱力感を感じる次第である。 ドラマ化及び映画化され好評を博した「ハゲタカ」小説家の執筆であり、相当なる調査の上で書かれたあくまでフィクションであるが、この状況ではどうしてもフクシマとの対比をしつつ読んでしまう。 作者は、今回の震災後にTwitterでの発言も活発化しているようだ。当然のことだろう。 | ||||
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非常に面白いし興味深い。但しエンディングは賛否両論。 最近注目されている中国で大活躍中の日本人「加藤嘉一」に取材したということから中国事情を様々な角度から鋭く描いている点は秀逸。彼は多くの作品で複数の主役級の話を絡ませながらひとつのテーマに集約していく手法を好むが本作でもその手法を踏襲している。 一人の日本人と二人の中国人を通じて、中国問題そして日中問題を多角的に描いており非常に勉強になる。特に二人の中国人のコントラストが素晴らしい。中盤以降にこの三人が一堂に会するシーンは本小説のひとつのクライマックスであり、複雑な日中関係を越えて相互理解と友情で結ばれるくだりは、胸が熱くなり涙を誘う。複雑で難解な障害を乗り越えるためには熱き想いが非常に大切であるということを痛感させてくれる。 但し小説の幕切れに異論があるので☆1つ減点。その理由は以下参照。 <このあと思い切りネタバレ> 但し本当のクライマックスは賛否両論があるだろう。中国人にありがちなヒューマンエラーがきっかけになり、非常用電源含め全て起動しなくなり炉心の冷却機能が完全に失われてしまう。炉心の気圧を下げるためにベントに行った日本人技師はベントの破裂により音信不通となる。この問題を解決にしに行こうとする時点でこの小説は終わってしまう。あたかも「この小説の続きは福島第一原発で」とでも言わんばかりの展開だ。 そして今、福島第一原発でこの事象をなぞる事態がまさに起こっている。よもや著者は福島第一原発事件を予言していたわけではないだろうが、原因が違うとはいえ、起きている事象が酷似している点は空恐ろしくなる。 | ||||
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非常に面白いし興味深い。但しエンディングは賛否両論。 最近注目されている中国で大活躍中の日本人「加藤嘉一」に取材したということから中国事情を様々な角度から鋭く描いている点は秀逸。彼は多くの作品で複数の主役級の話を絡ませながらひとつのテーマに集約していく手法を好むが本作でもその手法を踏襲している。 人の日本人と二人の中国人を通じて、中国問題そして日中問題を多角的に描いており非常に勉強になる。特に二人の中国人のコントラストが素晴らしい。中盤以降にこの三人が一堂に会するシーンは本小説のひとつのクライマックスであり、複雑な日中関係を越えて相互理解と友情で結ばれるくだりは、胸が熱くなり涙を誘う。複雑で難解な障害を乗り越えるためには熱き想いが非常に大切であるということを痛感させてくれる。 但し小説の幕切れに異論があるので☆1つ減点。その理由は以下参照。 <このあと思い切りネタバレ> 但し本当のクライマックスは賛否両論があるだろう。中国人にありがちなヒューマンエラーがきっかけになり、非常用電源含め全て起動しなくなり炉心の冷却機能が完全に失われてしまう。炉心の気圧を下げるためにベントに行った日本人技師はベントの破裂により音信不通となる。この問題を解決にしに行こうとする時点でこの小説は終わってしまう。あたかも「この小説の続きは福島第一原発で」とでも言わんばかりの展開だ。 そして今、福島第一原発でこの事象をなぞる事態がまさに起こっている。よもや著者は福島第一原発事件を予言していたわけではないだろうが、原因が違うとはいえ、起きている事象が酷似している点は空恐ろしくなる。 | ||||
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政治のことも、エネルギーのことも このタイミングで読むにはあまりにもリアルな内容。 丁寧に取材して書かれたこと、 そしてかなりのボリュームで真実も含まれているであろうことを考えると 隣国が舞台となったフィクションとは思えません。 人物の描写もいきいきとしていて、 ぐいぐいと話に引き込まれます。 壮大なテーマのドキュメンタリーのようです。 | ||||
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終わらせ方に不満の方が溢れてますが、このラストは作者のほうも不本意だったのではないかというのが私の考えです。推理を働かせてみましょう。 鍵は経済誌への連載小説だったということ。掲載されていた東洋経済は電力会社からの広告出稿が少なくない。つまり電力業界はお得意様ということになります。 たとえ海の向こうの原発後進国で深刻な事故が起こるという筋書きでも、書き進めば電力9社(沖縄は除く)からは反発があるでしょう。そういった圧力がストップをかけたとは考えられないでしょうか?(山崎豊子氏の「沈まぬ太陽」も日航から猛烈なプレッシャーがあったことがあとがきに書かれています) 私自身は、さんざん伏線を張った女流映画監督の最後でのあっさりとした書かれ方を見て、これは打ち切りを受けたなと確信しました。最も読者が引き込まれる場面で、終わらせるしかなくなった作者は、断腸の思いだったのではないでしょうか? ラストにおける、希望が闇に飲まれようとしていたという意味の表現で、さらに悲劇的な結末を暗示するのが精一杯だったのかも知れませんね。 | ||||
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またまた二人の男(漢という字を充てるのでしょうか?) の交流をメインに描いたドラマです 日時を示しておいてから 複数の場所・時間・出来事を同時進行的に描く、という手法も健在 最初は興味を持ちにくい題材かな、という印象でしたが 読み進むうちにドンドンのめり込む点も踏襲しております(笑 ただ、結末が弱い点も過去の作品を踏襲しておりましてこれだけは残念でした 過去のシリーズでは続編を意識した結末のせいで オチが弱いなーというのはありましたが 今作では、題材もデカイが広げた風呂敷もデカイ、という状況ですので しっかりした結末を見せて欲しかったです 尻切れトンボでした | ||||
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中国問題を考える材料にツンドクとなっていた本書を読んだ。読み出したら止められない面白さであったが、無理やりエンディングに持ち込まれた欲求不満と残尿感が残っている。日本の技術で中国に巨大な原発を建設し、北京オリンピックの開会式に間に合うように無理やり運転を開始するが、事故発生で炉心融解になるか否かという瀬戸際で話が終わってしまう。 高く評価する理由は、現在の中国の権力闘争、社会のあり方・考え方などを、大変批判的に率直に描いていることである。取材禁止処分などを恐れて多くのマスコミが現代中国の実像を伝えておらず、それが独断的な巨大新興国の虚像を作り出し、世界をミスリードしているように思われてならないが、本書は現代中国の抱える問題を得心できるように描いているように思う。中国で働いた経験のある人、中国からの留学生等々から聞いた本音と思われるコマギレ情報から推定できる中国の現状を遠慮なく描いている印象を受ける。ここまで歯切れ良く活字にしてしまうからは、取材情報に自信があり、中国の反発も覚悟しているはずである。中国問題はこの角度からもっとたくさん語られるべきであろうし、中国への対応も陰に隠された面をしっかり押えて行われなければならない。 80年代前半、しぶる本部を説得してアメリカの原発建設資金融資を推進した。しかし、その後、原発の配管のなかにコーラのビンが「やっと見付けたか」というメモとともに残されていたとか、左右対称の部品が左右逆の対称として工事されていたとかいった信じられないほど退廃したアメリカのモラルにびっくりさせらたものである。無責任な個人主義の行き着く先はそのようなもので、鉄道の両側が捨てられたゴミで埋められ、バレなければ何でもやってしまい責任を他人に転嫁する等々、自分の非を認めない個人主義という点ではアメリカと中国には共通した部分が多いと思う。失いつつあるが、自分の責任を全うして当然とする人間が多いことが日本の力であり、今でも米中両国よりは信頼に値する人間の比率は高いと思う。しかし同時に、日本には自分の頭で実際の便益を検討せずに、ことの流れや形式に拘る弱点がある。 むかし、「チャイニーズ・シンドローム」という原発の炉心融解をテーマにした映画があったが、本作がその可能性を持った事故の最中に突然終了してしまったという印象は拭えない。何か理由があったのであろうか。 | ||||
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中国で世界最大の原発を建設するとき、あの国なら起こりそうだと思えるリアルな困難を描きつつ、 日本人と中国人が一つの目的に向かって突き進む本作をワクワクしながら読んでいました。 で、、このラストは何?思わず落丁か確かめてしまいました。 真山先生、こんな生殺し状態は無いでしょう? このところ真山作品にはまっていたために、残念でなりません。 | ||||
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あまりの面白さにグイグイ引き込まれました。 そしてラストにびっくり! あまりに中途半端で、読者を馬鹿にしているとしか思えません。 せっかくの作品がラストで台無しです。 こんな中途半端な状態で作品を世に出してしまった作者と出版社の良心を疑います。 | ||||
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中国の複雑な政治や権力構造の中、悪戦苦闘しながら原発を建設する物語。 権力、賄賂、汚職、見栄など中国の姿が克明に描かれ、 その危険さや、秘められた巨大な可能性を氏の見事な筆致がさえる。 クライマックスの男たちの原発のトラブルに立ち向かう使命感に満ちた熱いドラマは感動ものだ。 しかし他の方も書いているが、ラストのブツ切り感はいかがなものか? もう一方の主役であった女映画監督も結局なんのために出てきたのか良く分からないままに終わってしまった。 それを差し置いても読んでる最中はとても楽しめた。 | ||||
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2008年中国でのオリンピック開幕に向け 同時平行のような形で書かれた本書。 真山さんお得意のエネルギーネタとあわせて 読み応えがある。 原発問題だけでなく、中国問題だけでなく、 その間で仕事を通して揺れる、日本人と中国人の ココロの描写が丁寧に書かれている。 もちろん、企業小説としても読み応えがあり、 とてもおもしろい。 でもドックイヤーの中国だから、文化や慣習など 日々変わっていく部分に関しての描写もあるため、 なるべく早めに読むことをオススメします! | ||||
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上巻から読み進めて段々と盛り上がる。最初は、登場人物の複雑さや中国社会への違和感から今ひとつ集中できなかったが、門田が排斥され主人公2人の邂逅が浮かび上がってくるほどに物語へ集中。結末がどちらに転ぶのか、それぞれの運命は?と盛り上がってくるのに異様に残ページが少ない。まさか?の結末。 う〜ん、中途半端。続編があるのか読者に結論は委ねたのか判りかねるが非常に残念。結論はどうあれ、最後に行き着いていたら間違いなく☆5つだったのに・・・。 やっぱり、素材のスケールが大きすぎて結論は表現しようが無かったのか? | ||||
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こんなにいい作品に巡り合えた私はラッキーです。 中国、原発、など、とっつきにくそうなキーワードが並ぶにも関わらず、見事なまでに人を引き付ける筆力。 主人公の日本人と中国人の熱い男たちがかっこいい。 中国・日本の両サイドに立った視点で描かれている点、原発の知識がまったくない人でも十分理解できる解説、 そして、なにより濃い人間ドラマ。山崎豊子の「大地の子」の現代版とでも言おうか。意義深い作品だ。 そして、感動のラストを読み終えた余韻のまま読んだ「あとがき」。 作品を作る上でお世話になった人に感謝する筆者の言葉、「作家など、たくさんの人の想いを紡ぎ、伝える語り部でしかない」。これに、また、涙。多くの人の協力と、筆者の熱い思いが伝わる「あとがき」です。 とにかく!!!!!絶対に読んでください。そして、中国語に訳してください、だれか。 | ||||
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熱い男の人間ドラマを描く手腕は さすがのものがあり時に目頭を熱くし、 時に胸を熱くしながら読ませてもらいました。 しかし ラストの終わりかたが消化不良。 登場人物たちの終焉を 最後までキッチリと描いてほしかったです。 そこまでが 非常によかっただけに 余計にもったいなさを強く感じてしまいました。 | ||||
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